境界線上の錬金術師   作:銀の鴉

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遅くなってすみません。

約一年ぶりの投稿とか。

これはひどい。


第三話

 総長。これは軍事担当の総長連合の長である。

 

 生徒会長。これは政治担当の生徒会の長である。

 

 これら二つに就任することは、そう珍しいことでもない。現に、三征西班牙や英国といった諸外国にもこういった事例は存在する。

 

 ただし、この二つの就任の場合『有能な人間』であることが選ばれる前提となる。

 

 しかし。この武蔵という国は全くの逆。『最も能力の低い人間が前提』といったものだ。

 

 これにより反抗の意思を削ぎ落とす。

 

 自分達の居場所を自覚しろ、そういわんばかりに。

 

 だが、最初は無能な傀儡のようなトップが選ばれていたが、それが次第に芸人気質のトップへと変わっていった。

 

 聖連としては特に問題もなかったためこれを認可し続けていた。

 

 そして、現在の武蔵のトップが葵・トーリ。聖連より与えられた字名(アーバンネーム)は〝不可能男(インポッシブル)〟という男だ。

 

 〝品川〟での騒ぎを聞きつけた武蔵の住人が一斉に声のするほうを見る。

 

 そこには、改造した教導院の制服を着込む少年。葵・トーリの姿があった。

 

 「トーリ君……」

 

 「今までどこにいたんだよ馬鹿」

 

 そういってエドが座り込むと、トーリはエドを指差す。

 

 「おいおいエド!オメェそう俺のこと馬鹿馬鹿っていうけどな!馬鹿って言うほうが馬鹿なんだぜ!!」

 

 「ならせめて一日一回以上全裸になるのを止めろ。そうしたら考えてやるよ」

 

 「何だよエド!俺の全裸が見たかったのかよ!参ったな俺超人気じゃんか!!」

 

 「どこをどう取ったらそう聞こえるんだよ!――――そしてオイそこの同人屋、ネタを拾って書くな俺にそんな趣味は無い!!」

 

 トーリの発言を聞いてキラリと目を光らせたナルゼが表示枠越しに何かを書き始めた。

 

 「つうか皆どうしたんだよ。やっぱ皆も並んだのかよ!」

 

 「こら君。授業サボって何に並んだって?」

 

 「マジかよ先生! マジで俺の収穫物に興味あるのかよ! 参ったぜ!」

 

 そういうとトーリは片脇に抱えた包みから何かを取り出す。

 

 それは、少女の絵が描かれており「R-元服 ぬるはち!」と大きく書かれていた。

 

エドはそれを見てため息をついていた。

 

「いやーこれ朝からスゲー人気でさ! 初回限定版だからもうSYU☆RA☆BAで危なかったぜ! でもこれで俺はまた一つ大きな山を越えたんだ! これって伝説じゃね? レジェンドじゃね?」

 

 堂々と胸を張る。

 

 その頭をエドが槍の柄で軽く小突く。

 

 「授業サボってどうすんだよ。ゲームが欲しけりゃ通販があるだろうが」

 

 「はあ!? バッカだなオメエ。自分の手で手に入れるのがいいんじゃねえか!」

 

 これだから素人は、みたいな目でやれやれとジャスチャーをする。

 

 と、それに便乗する二人がいた。

 

 点蔵とウルキアガだ。

 

 「左様。あの待ちに待った時が来たッ、と言わんばかりの瞬間。その目的のものをこの手にGetしたあの高揚感。アレは通販などでは味わえぬもので御座る」

 

 「如何にも。アレこそまさに宝を手にした瞬間という奴だ。つまり拙僧たちはトレジャーハンターなのだ。この意味、分かるな?」

 

 「全っ然分からねえし、分かりたくもねぇよ馬鹿」

 

 「フッ。まだまだだな。嘆かわしいことだ」

 

 とりあえず二人まとめて拳骨を入れて地面に沈めた。

 

 そんなことはお構いなしとばかりにトーリは買ってきたパンの最後の一かけらを放り込む。

 

「あ、そうそう。皆にはもう前からいってあると思うけど―――俺、明日コクるわ」

 

突然そんなことを言った。

 

その言葉に、姉である喜美が反応した。

 

「フフフ愚弟。授業に遅れてコクりの予告なんて。エロゲの包み持ってる人間の台詞じゃないわね――――――コクる相手が画面の向こうにいるんじゃコンセントにチ○コ挿し込んで痺れ死ぬといいわ素敵!!」

 

「おいおい姉ちゃん。いい空気吸ってんなぁ」

 

「で、トーリ。相手は誰なんだ?」

 

「おっ。エド気になる?」

 

「ああ。だって――――トーリが告白した後、その子泣いちゃうかもしれねぇから。主に変態に告白されたってトラウマから」

 

「お、オメェマジで容赦ねえな」

 

そういうと、一息入れてトーリは言う。

 

「ホライゾンだよ」

 

その瞬間、全員の空気が止まった。

 

先ほどまで、本気か冗談か分からない会話を繰り広げていたエドは口をつむぐ。

 

再び喜美が苦笑交じりにトーリに言う。

 

「馬鹿ね。あの子はもう十年前に死んだじゃない。墓碑だって、父さん達が作ったじゃない。アンタの嫌いなあの〝後悔通り〟で」

 

「分かってるって。もうそのことから逃げねえよ」

 

 

 ただ、とトーリは区切る。

 

 「コクった後、皆に迷惑かけるかもしんねえ。俺、何も出来ねえしな」

 

 「フフ、じゃあ愚弟。今日は最後の普通の日?それで準備の日?」

 

 「安心しなよ姉ちゃん。俺、何も出来ねえけど高望みだけは忘れねえから」

 

 「まあ、とりあえずトーリ」

 

 「おっ、何だよエド。お前も興味あんのエロゲ?それとも応援してくれんの?」

 

 そういって笑顔でエドに近づくトーリ。

 

 ……エドがひっそりと拳を握っていることに気づかず。

 

 「お前は授業サボってエロゲ買いに行ったことについて先生に詫びくらい言えや!」

 

 トーリはエドに吹っ飛ばされた。

 

 そのままトーリは吹っ飛び、ヤクザの事務所に大穴を開けながらさらに後ろの倉庫へとめり込んでいった。

 

 「――――エド、駄目よー。私がぶっ飛ばそうとしたんだから」

 

 「「「「アンタも同類かよ!!」」」」

 

 エドを諌めるかと思いきや自分がやりたいとのたまったオリオトライ。

 

 周りにいたってはもう見慣れた光景なのかやれやれといった具合に解散を始めていた。




感想や誤字などがあったら言ってくれるとありがたいです。

今年は忙しくて書く暇がなかったので遅くなってしまってすみませんでした。

次の更新はバカテスの更新がおわってからになりますかね~。

いつになるのやら。

とにかくおそくなってすみませんでした。
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