Fate/Destroyed Order 作:防要塞 唯我
そのうち高校野球で流れた枠の代理放送的な感じで埋め合わせるので許してください……!
それでは、本編をどうぞ。
第一話 「Re:Imagination Grand Order」
「全く、雑魚ばかりだな。直ぐに片付けるとするか」
顔にバーコードのようなマークが刻まれたマゼンタカラーの戦士は、襲いくる
読みあげる声が聞こえたかと思うと五体の骸骨兵は爆発四散し、辺りに骨の残骸が無造作に散らばった。
その様子を見ながら、赤髪の少女―藤丸リツカは感嘆の声を上げる。
「すごい……本当に仮面ライダーはいたんだ!」
彼女は、自分が戦場に足を踏み入れることになったきっかけを思い出す。そう、日本を出たあの時から全ては始まっていたんだと。
日本の大型空港。その空港のラウンジで、一人の少女が電話をかけている。
「あ、もしもし。アタルくん? 今日の夜母さんに会うはずだよね? 悪いんだけどその時に、私の部屋の服、押し入れにしまっておいてもらうように言っといてもらえるかな?」
彼女の名前は藤丸リツカ。16歳で、先日まで高校生として暮らしていた少女である。
「うん、うっかりしてて箱出しっぱにしちゃってさ。一応連絡はしたんだけど電話通じないし、今から私も連絡取れなくなるからお願いしたいんだけど……」
そんな彼女だが、今は高校を休学し、ある特殊な任務のために日本を発とうとしている。
「ありがとう。じゃあ、行ってくるよ。なかなか連絡も取れないと思うけど、なるべくマメに連絡するよ。お兄さん――シンゴさんにもよろしくね」
その任務というのは――
「電話は終わったかい? リツカちゃん」
「茜沢さん。お待たせしちゃってすみません」
その任務というのは、彼女に声を掛けた西洋風の男、ハリー・茜沢・アンダーソンによってもたらされたものである。
国連主導で行われる国際的なプロジェクトであるらしく、人類のためにどうしても必要だと言われ、リツカは高校を休学してまでその国際機関――フィニス・カルデアに向かうことにしたのだった。
「オーケイ、じゃあカルデアに向かうとしようか。言っておくけど、すごく寒いから防寒具はカバンから出しておくことを勧めるよ」
「分かりました!」
リツカは、カルデアがある場所は標高6000mを超える山の中だと聞いていた。もちろん、日本からでたことがないような女子高生にそれがどれほど厳しい環境なのか想像出来る訳もなく。結果としてリツカは現地で寒さに震えることになる。
「リツカちゃん、大丈夫かい?」
「こんくらい、なんてことないです……! 私はヒーローになる女……折れません」
寒さでガチガチと歯を震わせながら言うリツカだが、当然説得力はない。
【――塩基配列 ヒトゲノムと確認。――霊器属性 善性・
ガチガチと震えるリツカの情報をカルデアの入口に備え付けられた機器が解析していく。
「これ、何分くらいかかるんですか?」
「多分もうそろそろだとは思うけど……本当に大丈夫かい?」
「大丈夫ですって!」
【はじめまして。貴方は本日最後の来館者です。 どうぞ善き時間をお過ごしください】
アナウンスが鳴り響き、扉が開く。リツカはもう耐えられないとばかりに建物に飛び込み、そして勢い余って内扉に頭をぶつけた。
「へぶっ!?」
「やっぱり大丈夫じゃないじゃないか……全く、二重扉って説明をする前に飛び出すなんて、なかなかに逞しいね」
【……申し訳ございません。入館手続きにあと180秒必要です。その間、模擬戦闘をお楽しみください】
「へっ?」
「リツカちゃん、君はマスター候補だ。このタイミングで訓練をしておくのも良いんじゃないか? ほら、スコアの記録もしないみたいだしさ」
「何だかよくわからないですが、やってやりますよ!」
そうして、わけも分からないままにリツカは模擬戦闘に突入し、そして……惨敗した。
「聞いてません!!」
「確かに説明が足りなかったかもね……」
「私、指揮とかやったことないんですけど!」
「うん、その辺に関してはこっちの説明不足だ、申し訳ない。そうだ、ちょうど良い機会だし、歩きながら説明しよう。君の仕事は――リツカちゃん?」
茜沢が振り返ると、そこでは藤丸リツカが床で爆睡していた。
「…………やれやれ。とりあえずドクターを呼びに行くかな」
そう言って、彼は羽織っていた上着を彼女にかけ、医務室へと歩み始める。
『よう、バーサーカーとそのマスター。あんたらやりすぎだよ。子供に手をかけようだなんて、ゴールデンじゃないなぁ!』
『ライダー!! 貴様には関係ないねぇ! オレは殺したいから殺す! この世界を破壊してやるのさ!』
その頃、藤丸リツカは夢を見ていた。彼女が頻繁に見る夢で、自分に迫り来る怖い二人組から、ライダーと呼ばれた男が助けてくれる夢である。
『バーサーカー! そのサーヴァントは任せる。 オレはガキをやるからよォ!』
「……ください。……きてください。……起きてください!」
その呼びかけで、リツカの意識は急速に回復する。
「あれ……私なんでこんな所で寝てるんだっけ……」
「フォーウ!!」
ボケっとした顔のリツカに、モフモフの生き物が飛びかかる。
「もうフォウさん、いきなり飛びかかるのは辞めてください」
「フォーウ? キュウ!」
フォウと呼ばれたそのモコモコの生き物はリツカの顔を舐める。
「あはは、くすぐったいよ。でも可愛い。フォウって言うの?」
「フォーウ!!」
「驚きました。まさかフォウさんがここまで初対面の人に懐くなんて……」
「フォウ? フォフォーウ」
少女がそういうとフォウが、何かを勘づいた様子で、二人の元から離れていった。
「そう言えば……キミは?」
「あぁ、そう言えばまだ自己紹介をしてませんでしたね。わたしの名前は――」
そうしてその後、マシュ・キリエライトと名乗る少女と自己紹介をし合って、後からやってきたレフ・ライノールなる人物との会話の後、リツカはマシュに連れられてリツカは中央管制室での説明会に参加していた。――そして、その中で居眠りを行った結果、この施設の所長に平手打ちをもらい、説明会を追い出され、マシュと戻ってきたフォウと共に自室に案内されていた。
「さて、こちらが先輩の部屋になります。わたしはファーストミッションがあるので、ここで失礼します。あとはフォウさんが見ててくださるそうです」
「フォウフォウ!!」
フォウが任せろ!と言わんばかりに元気よく鳴く。その様子を見て人の言葉を分かっているのではないか、とリツカは感じた。
「頼もしいよ。マシュもここまで案内してくれてありがとうね。ファーストミッション、頑張って!」
「いえ、わたしはただ当然のことをしただけですので。それでは、また機会があれば会いましょうね、先輩」
そう言って、マシュは穏やかに微笑んだ後に去っていった。リツカはそれを見送ると、マシュに渡されたカードキーをかざして自分の部屋の扉を開けた。
「うわぁぁ!? 誰だキミは!? ここはボクのサボり場の空き部屋だぞ! 誰の断りがあって入ってくるんだい!?」
「え、ここが私の部屋って聞いたんですけど、貴方こそ誰ですか!?」
部屋を開けた瞬間に、ポニーテールのゆるふわ系の男の姿がリツカのに入る。もちろんリツカも困惑を隠せない。
「あぁ……荷物が増えてるなと思ったら。キミが最後のマスター候補の藤丸リツカ君だね。はじめまして。ボクは医療部門のトップのロマニ・アーキマン。みんなからはDr.ロマンと呼ばれてるよ。多分呼びやすいしキミもそう呼んでくれて構わないとも。」
「あ、私の荷物。先に来てたんだ」
リツカはDr.ロマンの話を聞くことなく、自分の荷物の内容を確認する。その中身は、仮面ライダーの変身ベルトを初めとした玩具であった。
「いきなり無視はひどくないかい!? って……その荷物は。仮面ライダー……かな?」
「知ってるんですか!?」
リツカの目が輝き、さっきは完全に無視したDr.ロマンの方に食い気味で詰め寄る。
そのあまりの身のこなしの速さにロマンは困惑しながらも返事を返す。
「あぁ……以前日本に旅行に行った時にたまたま見かけてね。ハマっちゃったんだ」
「本当に!? 海外って聞いてたので趣味の話ができる人がいるとは思いませんでした!! 好きな仮面ライダーはなんですか? あと――」
興奮して、テンションの上がってしまったリツカはその後Dr.ロマンを質問攻めにし、彼をタジタジにさせていた。そんな中、レフからの通信があり、ロマニはサボりがバレるとボヤきながら部屋を出ようとする。
その瞬間、館内が揺れたかと思うと警報が鳴り響いた。
「今のは爆発音か!? 一体何が! モニター、管制室を映してくれ!」
「管制室って……マシュ!?」
モニターに映し出された管制室は、炎上していた。それを見るや否や、リツカは部屋を飛び出す。彼女の心がそうしろと告げたのだ。ここで走らないと、憧れのヒーローに笑われてしまう。そう思った彼女は考えるより先に走り出していた。
「リツカちゃん!?」
「ごめんなさいドクター、私マシュを助けに行かないと!」
「あぁ、ちょっと待って!! キミ一人だと危ないしボクも行く!」
Dr.ロマンは、意外と脚力のあるリツカに追いつかれないように全力で走る。そして、管制室に入ったところでようやく追いついた。
「リツカちゃん……走るの早いね……でも、ここの隔壁ももう閉まっちゃうから早く出ないと……!」
「私、マシュを探さないと行けないんで、ドクターは先に避難しててください!」
「リツカちゃん!? 仕方ない、隔壁が閉まる前に対応できる場所に行って後から開けれるようにするしか……」
そう言ってDr.ロマンはやむを得ず部屋から立ち去った。管制室にはリツカが一人取り残され、燃え盛る炎の中でたった一人でマシュを探す。
「フォウ!」
正確にはフォウも着いてきていたので一人と一匹だったが、それでも絶望的な状況には変わりはない。
だが――しばらくしてリツカはマシュを見つけだした。
「マシュ!!」
「あ……れ……先輩、どうしてここに……?」
見つけたマシュの体はボロボロでとても助かるような状況ではなかった。
「しっかり、今助ける!」
しかし、藤丸リツカは諦めない。彼女が憧れた英雄達はみんな、どんな絶望的な状況でも諦めなかったからだ。
「ダメですよ……このままだと先輩まで……」
せめて先輩だけはと思い自らを見捨ててくれと願うマシュと、諦めるという選択肢を持たないリツカ。その二人が至る結末は当然、二人とも死ぬというのが普通である。だが、リツカは諦めなかった。
「私は絶対に諦めない! 私の憧れたヒーロー達はどんなときも最後には立ち上がった。だから、私も折れない!! 手を出してマシュ。絶対助ける!」
そして。その強い意志はマシュと、彼女の中に眠る英霊の心を動かした。警報が鳴り、隔壁が閉鎖され、よく分からないままレイシフトプログラムが起動する中でも諦めなかったリツカの意志に、二人は心動かされたのだ。
そして、手を繋いだままの二人は無事特異点へのレイシフトに成功するのだった。
「……ぱい。……先輩! 起きてください、先輩!!」
「フォウ、フォウフォウフォーウ!」
「あれ……マシュ、フォウ。それにこの街は一体……あ、これは夢か」
藤丸リツカが再び目を覚ますと、そこは燃え盛る街の中であった。起こしてくれた後輩の姿と、その肩に乗るふわふわの生き物以外は見慣れない景色。先程のシチュエーションと被るところもあり、リツカは夢を見ていると錯覚する。
「夢じゃないです。早く起きてください、先輩。現在不明な敵性体との交戦中です! わたしも急なことなのでずっと眠っている先輩をお守りしながら戦える自信はありません!」
徐々にリツカの意識が覚醒していくと、マシュとフォウの他に誰かがいるのが分かる。――いや、誰かではない。あれは人ではなく、人の姿をした化け物だ。それは明瞭としない意識のリツカにも察せられた。骨で出来た人型、スケルトンと呼ばれる類の怪物だ。もちろん、本来の現代日本には存在しないはずのものである。
「……闘わないと。……私が護らないと」
ぼんやりとしたままリツカは立ち上がり、拳を構えて飛び出す。
「先輩!? 危ないです、下がってください!」
「フォウ!? フォウフォウ!」
マシュの静止も聞かず怪物に拳を振りかざすリツカ、その拳は怪物に直撃し、その体を吹き飛ばす……ということは無く。一切のダメージを与えることは無かった。
「痛っ!?」
むしろ拳に衝撃が反射した為に、彼女自身がダメージを受けてしまう。そして、それによって生まれた隙を異形は見逃さなかった。その命を断とうと、手に持った剣のような武器をリツカに振り下ろす。
「先輩!? ダメです、間に合わない……!」
他の怪物と対峙していたマシュが、リツカを守ろうと咄嗟に飛び出すが、どう考えても間に合わなかった。そして、振り下ろされた剣のようなものが、リツカの体を切りつけるかと思われた瞬間、彼女を守るが如く障壁が展開され、刃を弾く。
「一体何がどうなってるの!? 貴方たち、説明してくれるのよね?」
そう言いながらマシュとリツカの背後から現れたのは、カルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィアその人であった。
「所長! ご無事だったんですね……っ!?」
マシュが喜びの声を上げたが、オルガマリーの後ろから迫るものを見て顔を青くする。大量のスケルトンが、彼女の行動に反応して、後ろから迫ってきていたのだ。
「大量のスケルトン……どうしてわたしばっかりこんな目にあうのよ! こんな時、レフがいてくれたら……」
自分の置かれた状況を直視することが出来ずに、ヒステリックに叫ぶ彼女。しかし、逼迫した危機的状況が彼女を無理やり現実に引き戻させる。
「……とりあえず今はこの場をやり過ごす方法を考えるしかないわね。キリエライト、酷かもしれないけど手を動かしながら質問に答えなさい。貴女、今デミ・サーヴァントになってるわね?」
「はい。レイシフトの際にわたしの内部に眠る英霊から契約を持ちかけられ、そのおかげで今もわたしはここにいます」
盾で攻撃を受け止め、シールドバッシュにより敵を捌きながらマシュは答える。
「……それで、マスターはそこのバカな一般人ね?」
「はい。わたしが先輩をマスターとして契約させて頂きました。本来なら許可などをとるべきだとは思いますが、有事だったのでやむを得ずこちら側から一方的に契約をさせて頂きました」
「フォウ、フォウフォウ!」
マシュは悪くないとばかりにフォウが声をあげる。しかし、そんな事を言うまでもなく、オルガマリーの瞳にマシュを糾弾する様子は無かった。
「なるほど、状況は分かりました。マシュ、悪いけどもう少し凌いでくれるかしら。この状況を打開するために、新たな
オルガマリーは腹を括った。誰の助けも得られない絶望的な状況が、彼女に指揮官として最適な解――生還の為の一手――を選ばせたのだ。
マシュが押し寄せるスケルトンを押し留める中、オルガマリーはサーヴァントを召喚するために準備を進めていく。――実のところ、彼女の中でこの作戦が上手くいく確率は三割程度と踏んでいた。マスター適性があり、令呪が宿っていることだけが分かっている一般人が、サーヴァントの召喚に成功する可能性が高いとは思えなかったからだ。だがしかし、彼女はこれにかけるしかないと判断した。
「出来たわ! 藤丸、今から渡す紙に書いてある言葉を唱えて!」
「はい!」
故に彼女は全力を尽くし、最速で下準備を整えた。そして、リツカもそれに応えようとする。
「 ――素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
リツカの呼びかけに、魔力が次第に集まっていく。その様子をオルガマリーは祈るように、マシュは戦いながら横目で、フォウは何を考えているか分からないような表情で見届ける。
「――告げる。汝の身は我が下に我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者。我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!」
リツカが詠唱を終えると、魔力が爆発的に広がり、彼女が手を掲げた先から人影が見えた。やがて、光が消えると、そこには一人の男が立っていた。
「……ここは、何の世界だ?」
「もしかして……あなた門矢士?」
その瞬間、動揺を隠せないリツカのポケットから一枚のカード――ディケイドのライダーカード――が零れ落ちた。
この瞬間、この世界は
時を同じくして、冬木のとある場所でドルイドの装束の男が一人空を見上げながら呟いた。
「ようやく、
「どうやら、今回の俺の役割はあんたのサーヴァントって所らしいな」
「先輩! あれは、
ここまで読んで下さりありがとうございます。
クロスオーバー物は初めてなのでちゃんとした出来になっているか不安ですが、何とか完成させました。
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召喚まで書くのが非常に難航してしまいました。次回よりようやく本番って感じですので次回もよろしくお願いします!
恐らく、所々ツッコミがあるとは思いますが、序章が終わったタイミングである程度の解説は予定しておりますので、暫くお待ち頂けるとありがたいです。
それでは、改めましてここまで読んでくださってありがとうございました!
リイマジぐだ子どうです?
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割と好き
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受け付けない
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どちらでもない