ギャラクCハイスクール   作:ハレル家

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6星:《Dクラス側》乙女(!?)のミッション

 

 Dクラス……このクラスには学年別の強さによるランキングでは三本指に必ず入ると言われている実力者が存在していた……

 

 “アネモレス・レオンハート”

 

 獅子のような激しさを持ったアニマジン女性。彼女の能力は高く、あらゆる敵に恐れずに立ち向かう姿は敵に恐れ、味方には心強い人物であった。

 

「もったいないわよ~」

「……うぬぅ……」

 

 一人のオネェに押されている所を見るまでは……

 アネモレスを押している紫色のセミショートにすらりとしているもどこか逞しさを覚える身体をしたオネェアニマジン――マルコ・ディアデムはアネモレスにおしゃれをするように勧めているようだ。

 

「貴女はスタイル良いんだから、折角のスゥラスゥラヘアーよ! スゥラスゥラヘアー!! おしゃれしなきゃダメよ~!」

「なぜ二回も言った」

 

 はしゃぐマルコに慣れてきたのか冷静になるアネモレスだが、不意にマルコはゆったりとした動きでアネモレスの耳元に近付いて、呟いた。

 

「……ヴァナータ……好きな人がいるのでしょう……」

 

 その言葉に固まるアネモレス、何か反論しようとする前にマルコが言わせまいと畳み掛けた。

 

「当ててあげるわよ……ファザコンね……」

「なぜわかった!?」

 

 まさか言い当てられるとは思えなかったアネモレスはまるで振り向いたらキュウリが置いてあった事に気付いた猫のような反応を見せる。普段の彼女からは見せないレアな反応に満足そうにするマルコは微笑みながらアネモレスです落ち着かせる。

 

「フフフ、乙女(オネェ)に不可能はないのよ……言っとくけど私は応援するわよ」

「……なに?」

 

 マルコの言葉に目を細めて警戒するアネモレス。彼女から放たれる威圧は周囲のクラスメイトを震えさせるが、マルコはピンピンした様子で話す。

 

「やぁねぇ、怪しむ視線を投げる気持ちはわからなくもないわよ……でもね、その恋を黙って見逃すほど(アタシ)は出来ていないのよ」

 

 威圧する視線をマルコはガン見しながら言い返す。その目には恐れが微塵もなかった。

 

「……なぜ、そうする……」

(アタシ)って貴女と同じカザリア出身なのよね。父親は戦争で一足早くいって、母親は女手一つで炭鉱のキツい仕事を働きながら私を育ててくれてたの……やがて限界が来て倒れた母親を私は助けを求めた……全員が生きるのに必死で見向きもされなかった……そんな時に手を差し出してくれたのがマダムなのよ……」

 

 マルコの行動に疑問を抱いたアネモレスが質問を投げるとマルコは自身の生い立ちを語り始めた。

 戦争の爪痕はまだ治まっておらず、特に惑星カザリアは資源が豊富とはいえ環境が悪く、そういった問題も幾つか残ってしまっている。

 

「裕福とは言えない暮らしだったけど仕事の疲労であまり笑わなかった母親が次第に笑う回数が増えたの、幼い頃にそれを見た私は大きくなったら学校に入学せずマダムの仕事を手伝って恩を返そうと思ってたのよ……でも、ママとマダムに言われたの……」

 

 ――……『マルコ、私はあなたに何もしてあげられなかった……それでもあなたは笑って許して、私を支えてくれた……だから、今度は私があなたを支える番よ……学園に行ってきなさい。あなたが内心では憧れているのを理解できない程、私は落ちぶれてないわ』……

 

 ――……『この店を手伝って、全てを学んだ気になってんじゃないよ。そういうのは(アタシ)みたいな老いぼれになってから言う言葉さ……ちょいと待ちな』……

 

「そう言ってママとマダムはロビーから小銭や紙幣がたくさん詰まった瓶を十数個も出して入学資金を渡してくれたの……後で聞いたんだけどそのお金はリフォーム資金だったのよ……」

「……返しきれない恩ができたな……」

「そうね!」

 

 アネモレスの言葉にフフ、と笑みをこぼしながら答えるマルコ。一つ一つの動作が妖艶な女らしさを見せる……一応言っておくが、性別は男である……

 

「早い話、(アタシ)はそういう恋バナ関係とか放って置けない! ついついマダムのマネでアドバイスしちゃうのよ!」

「馬に蹴られるぞ」

「はん、生憎と蹴られるタマなんて無いわよ。むしろ蹴ってきた馬のタマを握りとってやるわ」

「フ、心強いな」

「そうね、まずは――」

 

 アネモレスの(精神的な意味での)女子力を上げる計画を話始めるマルコをアネモレスは黙って耳を傾ける。その様子を一部の男子は首を傾げながら見ていた。

 

「何を話してるんだろう?」

「さぁさぁ、ワタクシも何を話してきるのかわかりません! ですが、大方、十中八九、あの話ではないでしょうか?」

「……あー、なるほど」

 

 アネモレスとマルコの様子を見つめる長い銀髪を二つに纏め、編み込んでいる髪型が特徴のデミート男性――べディ・ルーンハルナの疑問に入学式でリゲルに黄道星団について大げさに説明したスリムな長身で黒くてきれいな長髪を束ねているパッと見て女性にも見える中性的な容貌の青年――トーマ・キュクロが自身の考えを言って、ベディは納得した。

 

「となると、こうしちゃいられないな。放課後に手合わせを頼めるか?」

「構わないよ」

 

 トーマとベディの考えを察したのか白髪のサラサラ系ショートヘアーに淡い黒の澄んだ瞳、185cmのやや筋肉質な体格で顔立ちは精悍で少々老け顔が特徴のヒューマン男性――ゼルガー・アルゴノーツは隣にいたクラスメイトである見た目が二足歩行のクジラだが、種族でごく稀に起こる『先祖返り』でこういう姿のアニマジン男性――オカル・ケートスに声をかけて了承をもらった。

 

「もうすぐかぁ……」

 

 ベディの呟きはクラスの空気に溶け込むように消えていった。

 





ハーフ&ハーフ「まずは……して……そしてこう!」
アネゴレオン「なっ!? そんなことをするのか!?」

破天荒なピエロ「一体、何を企んでるんでしょうねぇ……」
クズな善人「……鍛えようかな……」

心はガラス「放課後が楽しみだ」
水族館の館長「腕が鳴るね」
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