ギャラクCハイスクール   作:ハレル家

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7星:《Dクラス側》劇的ビフォーアフター

 放課後。訓練室にて水を纏わせた拳を振るうオカルとその攻撃を受け止めるゼルガーの姿があった。オカルの拳は鍛えられたといっても過言じゃない鋭さと力強さがあるが、ゼルガーはそれを受け止めてから反撃するカウンターを主体にした戦法をとっている。

 

「はぁ!」

 

 空中にて水を纏わせた足による蹴り技をゼルガーに攻撃するも効いていない様子を見せるゼルガー。オカルは一度後退する。

 

「流石の堅さだね……」

「まぁな、俺の星座術(ゾディアーツ)は高められた防御力だからな……簡単に倒せると思ったら大間違いだぞ」

「最初から思ってないよ!」

 

 気合いを入れ直してオカルはゼルガーに攻撃を再び仕掛ける。そして別の場所でも、戦闘が始まっている。

 

「どぉしたどぉしたぁ! そんな攻撃じゃワタクシの喉にも届きませんよぉ!」

「うるっせぇな! ……こほん、いつものように敵を挑発するのが得意みたいだね」

 

 ベディを挑発しながらトリッキーな動きで避けるトーマ。蹴りをブリッジや開脚等で避ける姿はさながらサーカスのピエロを彷彿させる。少しばかり荒っぽい言葉遣いになったベディだが、気付いて元に戻した。周りは気付いていない。

 

「えぇ、えぇ、そうですとも! いえ、違いますとも! ワタクシはアナタと嘲笑っておしゃべりが好きなだけです。ワーターノシー!」

「知ってたけど戦いにくいですね!」

 

 スラスラと喋りながら避けるトーマに苦戦するベディ、一歩二歩バックステップして体勢を整え、トーマに突進する。

 

「よっ……もらった!!」

 

 勢いをつけた蹴り技ではなくスライディングするベディだが、トーマに避けられる。しかし、狙いはスライディングに当てる事ではなく、後転の途中に押し上げるように腕の力で跳ぶように放つドロップキックのよろしくな両足を揃えての飛び蹴り。

 

「アヒャ!」

「はぁ!?」

 

 後ろを振り返ったトーマに襲いかかるが、そんな攻撃もトーマは上半身を反らして攻撃を回避した。意識外からの攻撃は避けれないと思ってたベディは驚きを隠せなかった。

 

「ととと……で!?」

 

 体勢を整えようと着地するが瞬間にトーマの足払いで体勢を崩され、首に手を添えられる。

 

「ワタクシの勝ちでございます」

 

 その言葉に敗北を理解したベディは大の字で倒れた。

 

「一手足りなかったですか……」

「あれには焦りましたよ……あんな動きをどこで?」

「この前、Cクラスの二人が星座術無しで組み手をしてて、その時の動きを少し頂きました……」

 

 呟いたベディに先程の動きについてトーマが質問するとベディの答えに眉を潜めた。

 

「Cクラスですか……」

「えぇ、特に組み手をしてた赤帽子のヒューマンはどこかで見たような感じだったんですよね……」

「……すいませんが、一つ質問いいでしょうか……」

 

 どこかデジャビュのようなモノを感じ取ったと言うベディにトーマはベディに少しだけ真剣に見える表情で一つの質問を投げた。

 

「……銀髪の少女はいませんでしたか……?」

「……銀髪……? いや、いなかったですけど……」

 

 予想外な質問に目を丸くするベディ。トーマと同級生であるギアヒト女性とはここに来る前の親友だったがそんな言葉を言うトーマに驚くが、ベディに一つの仮説が頭に浮かんだ。

 

「……まさか……」

 

 呟くベディに気付かないトーマはベディに第二ラウンドを始めようと声をかけた。

 

「さぁさぁ、ベディ・ルーンハルナ! トーマ・キュクロが演じる闇の道化師による演目を破ってみせなさい! いやはやいやはや、それよりもこの学園は良いですねぇ! ワタクシ好みの美少女や美丈夫が……いえいえ、手を出したりはしませんよぉ!? 本当ですとも!! ワタクシ、誤解されてるようですが別に悪人ではございませんとも。ただの変人ですのであしから――」

「あ、銀髪の少女が抱きつかれている」

 

 瞬間、勢いよく後ろを振り向くトーマ。その表情にはどこか鬼気迫るようなモノが含まれているが、どこにも件の銀髪少女がいない事に気付き、騙されたと理解する遅かった。

 トーマのリアクションに自身の仮説が正しかった事にベディは驚きつつもどこか悪い笑顔を見せた。

 

「……マジか!? お前まさか……マジか!?」

「うるせぇ! 早くかかって来い!!」

「素が出てんぞ道化師!!」

 

 いつもとは違う口調になったトーマにベディは拳を構え、第二ラウンドのゴングの代わりとして二人の拳がぶつかった。

 

 

 その夜、とあるカフェの一角で一人の女子生徒と一人のオネェが何やら話してた。

 

「だ、大丈夫なのだろうな……?」

「安心しなさい。一に固まり、二に驚いて、三に微笑むのが今回のコーディネートよ……間違いなく受けるわ」

 

 どこか声が震えているアネモレスに自信満々に言うマルコ。Dクラスのクラスメイトがこの光景を見れば、口を揃えて『お前は誰だ!?』と言うだろう。

 

「……やはり……半年後の方が……」

「どんだけビビってるのよ! いつもの覇気はどこいった! いいからレッツゴー!!」

「ア!?」

 

 変に尻込みするアネモレスの言葉に拒否権などないと言わんばかりにマルコはアネモレスの連絡機器を奪ってどこかに連絡してからアネモレスに渡すと、空中に小型のテレビサイズの大きさをした電子画面が浮かんだと同時にマルコはカウンター席に移動して他人のフリをする。

 その電子画面に現れた人物は部屋の照明で逆光して口元以外は見えないがアネモレスの様子から父親だと思われる。

 

『もしもし私だ。アネモレスからかけてくるなんて珍し――』

 

 父親が声をかけようとした瞬間、アネモレスの姿に息を飲んだ。アネモレスの髪は(たてがみ)の荒々しさがなくなったおとなしめのウェーブヘアになり、薄めのナチュラルメイクを施した顔、服装は白を基調としたワンピースを着ており、知らない人はその姿に目を奪われ、知ってる人はあまりの変わりように二度見する姿へと大改造劇的ビフォーアフターとなった。

 

『……アネモレスなのか?』

「そ、その通りだ父上……」

 

 静かに尋ねる父親にアネモレスは自身の姿が恥ずかしいのか俯いて答えた。

 

「へ、変だろうか……?」

 

 恐る恐る聞くアネモレス……その姿はまるで親に誉めてもらいたい子供のように見える。

 

『……いや、見違えて驚いただけだ。いいじゃないか、似合っているよ!』

「~~~~ッ!!」

 

 その一言にアネモレスは顔から火がでそうな勢いで嬉しさと羞恥心に襲われた。その姿を見てたカフェのマスターと店員の持ってた銀のお盆を借りて反射した光景を盗み見してるマルコは微笑ましさに笑みを浮かべる。

 

「そ、その、ち、父上!」

『どうしたんだい?』

 

 言葉に詰まりながらも話そうとするアネモレスに父親は尋ねる。

 

「こ、今度、行われる学年別トーナメント……見守って頂けないでしょうか!」

『……うん……アネモレス、君の勇姿を応援するよ』

 

 アネモレスの言葉に父親は娘の勇姿を応援する約束を了承し、アネモレスに花のような笑顔が咲いた。

 

『さて、せっかくだから学園でどんな体験をしたのか、聞かせてくれないかな?』

「うむ! 実はな父上、私は――」

 

 そこから、まるで嬉々として話す親子のような姿をマルコと店内にいた数少ないお客と店員は微笑みながら、会話を邪魔しないようにBGMをゆったりと静かな音楽に変えて、店内に流した。

 

「フフ、見た感じ成功ってところかしら」

「ご注文をどうぞ」

「あら、ありがとう。カフェオレと本日のおすすめケーキのセットを一つ頼むわ」

「かしこまりました」

 

 注文を聞きにきたマスターにケーキセットを頼んだマルコは後ろから聞こえるアネモレスの声に静かに呟いた。

 

「……父親……か……」

 

 産まれた時にはいなかった存在を考え、お冷やを飲む。氷により冷やされた水の温度が喉を通り抜け、視界の端にいるマスターが淹れたてのカフェオレと本日のおすすめケーキであるチーズケーキを持った姿に考えを止めて味を楽しむ事にする。

 子供のように嬉しそうな声が店内にまだ聞こえる。




水族館の館長「攻撃は最大の防御!」
心はガラス「防御は最大の攻撃!」

クズな善人「ねぇねぇどんな気持ち? どんな気持ち? 実は恋してるって事をバラされてどんな気持ち?」
破天荒なピエロ「歯ァ食いしばれ!!」

アネゴレオン「父上とイチャイチャしてました」
ハーフ&ハーフ「……イチャイチャ……?」
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