ギャラクCハイスクール   作:ハレル家

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 短いですが、新章前のプロローグだと思って読んでください。


10星:《教師側》射手座の思惑

 学年別チームトーナメントまで残り一週間のなった早朝……警備員であるカウス・アウストラリスは夜勤が終わり、次の時間まで用務員室で朝食をとって仮眠しようと歩いていた。

 

「おはようございます」

 

 いつもの事なのか用務員の扉に手をかけてノックせずに入室するカウス。しかし、少し焦っているライオに眉を潜める。

 

「ん? アウストラリスさん。おはようございます」

「アルギエバ、何を隠しましたか?」

「な、なにも……」

 

 視線をそらして下手くそな口笛を吹きながら白々しい様子を見せるライオ。カウスはその様子に苛立ったのか廊下に顔を出し――正確には保健室に向けて大声を放った。

 

「ザヴィザさん! アルギエバがエロ本を隠しま――」

「朝っぱらから誤解されるような事を言わなくて良いっスよ!!」

 

 まさかの行動に急いでカウスの口を手で塞ぐライオ。誰もいない廊下に響く言葉がむなしく響くなかでライオの背中に悪寒が走り、振り向こうとした瞬間に自身の首に鋏が添えられた。

 

「……遺言はなんだ?」

「……とりあえず誤解だから降ろせ、説明する」

 

 氷のように冷たい言葉を放つスピカに落ち着いて聞くように説得する。五分間続き、ようやく話を聞いてくれるようになり、机には人数分の目玉焼きとトーストを作ったカウスがいた。

 勝手に作るなと言いたいライオだが、朝飯を食べていない状態で言えば間違いなく面倒くさい事が起こると予感して飲み込んだ。

 

「それで、何を隠しましたか?」

「え、えーと……」

 

 朝食を食べ終え、聞き出すカウス……後ろから刺さるスピカの無言の視線に言葉を詰まっていると用務員室の扉が開いた。

 

「おーう、獅子座。少しい……邪魔したな」

「どこに行こうと言うのです。アルゴノーツ」

 

 白髪のオールバックで顔は俗に言うイケオジ。身体は筋肉質であるが右腕が丸々無く、その代わりに特注の義手を着けているヒューマン男性――イアン・アルゴノーツだが、状況を見て退散しようとするもいつの間にか後ろにいたカウスに退路を封じられた。

 

「うぉぉ!? 星座術使って移動するな! 心臓に悪いだろうが!」

「それよりも貴方も関係者ですね?」

「……相変わらず鋭いこった」

 

 逃げ場なしだと理解したイアンはカウスと一緒に用務員室へと連行され、一枚の紙を見せながら説明した。紙には全員の戦闘力のデータに何かの数字が書かれていた。スピカとカウスはコレが何か理解し、同時にライオとイアンが隠していた物に呆れた表情を見せた。

 

「トトカルチョですか……はぁ……教師なのに何をやっているのですか!!」

「……」

「……すいません」

 

 説教が始まり、二人は朝っぱらから気分が落ち込む。

 

「良いですか! あなた方は教職に就いていますが、元は戦争を潜り抜けた歴戦の戦士です! にもかかわらず、生徒で賭け事とは何事ですか!! いいですか……」

 

 ライオはスピカに助け船を頼むが、苦笑いするだけで助けてくれず落ち込む。しばらくの沈黙の後にカウスは口を開いた。

 

「こういうのは私も混ぜてから始めなさい!! 幾らから参加OKですか?」

「責めてないのかよ!!」

「……だから見せたくなかったんだよ……教えなかったらめんどくさい形で拗ねるし……」

 

 まさかのOK宣言に驚くイアン、そしてノリノリだが後になって小姑並に拗ねる事を知っているライオは未来の自分を想像してため息をはく。

 

「それで、今はどんな状況ですか?」

「五分五分だな。俺様はAクラスが来ると予想する」

「それは担任としての贔屓目も含めて?」

 

 トトカルチョの状況は人気もなく、大穴もない事を言うイアン。平等に強さを見る目に冗談を言うカウスにイアンは不適な笑みを見せる。

 

「それを除いてだ。アイツラは強いぞ」

 

フフフ、ククク、怪しく笑う二人にビビりながらライオとスピカは自身の予想を言う。

 

「強さ的にはBクラスだと思うな」

「Dクラスはあの子もイルカラ、強いと思うヨー」

「あぁ、あのアニマジンの子か……アウストラリスさんはどうです?」

 

 Dクラスの笑顔で拳を振るう女子生徒を思い出して苦笑いし、カウスの予想をライオは聞いた。

 

「私はCクラスですね」

 

 カウスの予想に三人は目を点にした。

 

「Cクラス? 確かにDクラスと同じヘラクレス座もいるが全体で強いとは言い難いじゃないのか?」

「それもそうですが、このクラスにはあの子がいますから……台風の目になりますよ」

 

 イアンの質問に選んだ根拠を答えるカウス。その言葉に赤いカウボーイハットをかぶった青年を思い出す。

 

「あぁ、あの入学式の小僧か……お前さんのお気に入りか?」

「彼は終盤に真価を見せると思います。それと、私はこの学園にいる全員がお気に入りです」

 

 イアンの言葉にどこか上機嫌に答えるカウス……彼自身の思惑が謎のまま月日が経つ……各々の実力を発揮するためにトレーニングを怠らない出場メンバー……

 

 そして、学年別チームトーナメントの火蓋が切って落とされた。




~戦争時代はどんな戦い方をしていましたか?~

元海賊王「星座術の能力で自身の配下の連携力を上昇させたり、配下の数に応じて自身の戦闘能力を上昇させたりしてた」

やんちゃ獅子座「突撃もしくは奇襲あるのみ」

恋する乙女座「相手を捕まえて時に武器、時に肉盾、時に人質として利用していた。その場で気を失おうが深手を負おうが死にかけだろうが、星座術で強制的に回復させて再利用のループ」

射手座の紳士「君がッ! 泣くまで! 殴るのをやめないッ!」
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