とりあえず考えがまとまったので、頑張ります!!
それでは、どうぞ!!
広い講堂内に学年全員が集まり、列をなしていた。しかし、ソワソワと落ち着きがない者が数名いる。それもそのはず、今日は一年の中でビッグイベントと言っても過言じゃない行事……学年別チームトーナメントの開会式であるからだ。
まだかまだかとしていると、サングラスをかけており、フードを被った姿だがそこから見える金色の荒々しい髪や髭などからは先生だとは思えないヒューマン男性――ナインス・ビッグクロスが姿を見せた。
「これより、学年別チームトーナメント開会式を始める」
その言葉に落ち着きがない者の動きが止まり、気を引き閉めた顔になった。その様子に納得がいったナインスが続けて言う。
「まずは選手宣誓を始める……代表者は前へ!」
その言葉にナインスの前に移動したのはAクラスからはシグルド、Bクラスからはトシゾー、Cクラスからはクライド、Dクラスからはアネモレスがナインスの前に現れ、用意したマイクの前で選手宣誓を行う。
「宣誓! 私達は――」
「多くの星々と可能性を抱き――」
「正々堂々と戦い――」
「誰もが誇る輝く星になることを――」
「――誓います!!」
講堂内に強く響き渡り、何名かマイクのハウリングで耳を押さえる。四人が自分達のクラスに戻ったところを見て、黒髪の美人とも言われる容姿をしたヒューマン女性――アグリ・Y・ラプターがナインスに代わって説明を始める。
「それでは、ルール説明に入るわよ……今回のトーナメントは星座術の使用を許可した組手。A会場とB会場の二ヶ所で用意されてる25mの正四角形フィールドにて、1対1のガチバトルで戦ってもらうわ。負傷してもスピカ養護教諭とロマン先生が治療するので遠慮はしなくていいけど、やり過ぎる行為だと判断したら即刻中止にするさせてもらう……忠告もするけど、それでも止まらなかった場合は警備員の拳が飛ぶと思いなさい」
アグリの言葉に件の警備員の方に数名が視線を向けると本人はシャドーボクシングをして、殴る気満々だと周りに伝えていた。
数人からヒッ、と声が漏れたが、彼は気にせず軽いフットワークから繰り出されるシャドーを行っている。
「……クラスから選び抜かれたベンチメンバーを合わせた6人は相手より先に3点取った者を勝利とする……引き分けの場合はしばらく休憩を取った後に腕相撲等の簡易的な試合で勝敗をつけてもらうわ」
アグリの説明に自然と力が入る。出場メンバー、三点先取制……それは遠回しで『自身の力が不足ならばそこで終わりだと』言っていた。
「それでは、最後に学園長からのお言葉です」
アグリの言葉に壇上に立ったのは頭が光輝く初老の老人であった。
「……今日、トーナメントの開会式を祝福するかのように空は晴れやかに輝き、清々しい日ですね」
その言葉に生徒全員が静かに首を縦に振ろうとした瞬間――外からザー、と雨が降る激しい音が聞こえてきた。
「……」
「…………」
天気予報では午前中に通り雨が激しく降ると言っていたが、タイミングの悪さに思い沈黙が続いた。
「……でも空は泣いているようだ……」
「……!?」
まさかの言葉に生徒全員が驚き、ザワザワと騒ぎ始める。
『お、おい、空は泣いてるってどういう意味だよ……?』
『知らねぇよ。俺に聞くなって……』
『……まさか、あのラグナロクの生き残り……!?』
『うん、とりあえずラグナロクって言いたかっただけだよね? 今日の挨拶もおはようの代わりにラグナロクって言ってたし』
『それどんな挨拶!?』
グダグダとなりつつある空気。学園長は咳を一つしてから、改めて語り始める。
「……こほん……そもそも、何故トーナメントが開催されるようになったかは、みなさんは知っていますか?」
学園長の言葉に生徒の数名が首を傾げる。残りは学園長の言葉を理解しているのか静かに耳を傾けている。
「トーナメントは本来、星座術の強化を目的に開催されたのですよ」
その言葉にやっと理解した表情を見せる。星座術の授業にて、精神と繋がりがあったことを思い出したのだろう。
「自身の勝利が仲間の勝利に繋がると知り、そして自身の敗北が仲間のピンチになる事を知り、負けたくないと感情が強く思い、星座術を強くする……星座術とは心の力なのです」
ふと、シグルドは星座術の授業を思い出した。とある論文を発表した人物の言葉を聞いた人達はこんな感じだったのだろうか……
「心とは、自身の内側に存在する宇宙……星座術はその内側に強く光輝く力が具現化した物だと私は思います」
胸に手を当てる学園長。近くで見ればシワだらけの手にも関わらず、どこか力強さを持っていた。
「しかし、一人では輝く事にも限界があります……人には無限の可能性が存在しますが、同時に限界も存在する……『自身には可能性がある』と信じて疑わずに走り抜けた結果……輝きとともに消えた人を私は何人も見てきました」
それは、悪い意味での言葉だと理解した。彼は長年ここにいた人である……だからこそ、多くの人達の別れを体験しているのだろう。その言葉には測れない重さがあった。
「その時こそ、仲間を頼るのです。星は一つでは輝けない、多くの星があってこそ、星空は暗闇を照らす強い光となるのです……以上で、私のお話は終わります。みなさんが輝けるように祈っております」
一歩さがって一礼する学園長。去る姿に大きな拍手喝采が気付かない内に鳴り響いていた。外を見ると通り雨は過ぎてて晴れ渡る空が見えていた。
「それでは、すぐさま会場に移動しろ! 三十分後に始める! 各自、会場を間違えるなよ!!」
ナインスの指示に従って講堂から生徒が会場へと向かう。その表情には先程より強い闘志が溢れていた。
――――☆――――
A会場の控え室。そこにはCクラスの6人が体から溢れる闘志や感情を落ち着かせようとしていた。
「オレ達が戦うクラスは?」
「Bクラスだな。AクラスとDクラスは別の会場で戦うようだ」
ゼロールとクライドは戦うクラスの詳細を確認し、戦闘での立ち回りについて相談していた。
「はるか彼方の闘志溢れる魔境に偵察部隊を隠密しないのか?」
「すでに数人が向かっているって連絡が来てたよ」
『( ^∀^)b』
ベールの提案にレティシアはすでに向かってる事を伝え、ダマンガはナイスと言いたいのか自身の気持ちを二人に伝えた。
『……準備は良いか?』
「出来てるよ。シリウス」
深呼吸していたリゲルの後ろからシリウスが声をかけ、準備万端だと伝えた。
『レディィィィスゥゥアァンドォジェントルゥメェェェン!! さぁ! 目を見開け! 高々と声をあげろ! ここは12人の戦士達が相手を倒す戦場だ! さぁ! 吼えやがれ!!』
実況席と思わしき所から亜麻色の髪で童顔、右眉上に小さな傷跡があるヒューマン男性――スプラ・ティークラッシュがプロレス実況並のマイクパフォーマンスをしており、その横の解説に呼ばれたと思われるアドミニスタが声の大きさに顔をしかめていた。
『ただいまより、Cクラス対Bクラスのチームトーナメントを開始するぜェェェェ!!』
ワァァァァ、歓声が会場内に響き渡る。会場内のボルテージが上がり、ビリビリと肌が震える。すると電光掲示板と思わしき画面に電源が着き、対戦相手を発表した。
『第1ラウンド! Cクラスが誇る暴走宇宙船! 問題を起こす事に関してはオレの右に出るヤツはいねェ! 『
「誰だこの煽りを作ったヤツ!?」
『立てば天才、座れば優雅、歩く姿は竜のごとく! 私の前にひれ伏すが良い! 『(貧乳)ドラゴニックマドモアゼル』アルト・ファフニール!!』
「おい、今、小さく貧乳と呟かなかったか? おい」
まさかの登場に対するコメント付きとは思わなかったが、それ以上に悪意があった事に意義を申し立てる。
『それよりもいくぜ……両者構えて!』
実況席にケンカ売っても始まらないと理解した二人は渋々と相対して構える。
『Ready……GO!!』
試合開始と同時にお互いが相手に向かって走り出した。
星座学者「その煽りは何時から用意してたのだ?」
茶会崩し「企業秘密。言ったらやられるからノーコメントで……」
星座学者「……次は私が言おう」
茶会崩し「え? マジで?」
星座学者「……冗談だ」