□■無限の可能性の物語
「じゃあ最後に所属する国を選択してくださいねー」
「おお、おおお……」
青年、椋鳥玲二──数分前からレイ・スターリングは、書斎のような場所で管理AI13号、チェシャと向かい合いチュートリアルを進めていた。
「無限の系統樹」と名付けられたそのゲームは発売から一年を経ても人気が衰えることはなく、ついに大学受験を終え、一人暮らしとなった椋鳥玲二も手を出すこととなった。
そしてチュートリアル兼キャラクターメイキングも終わり、ついにゲーム開始地点、所属国家を七大国から選ぶこととなる。
白亜の城を中心に、城壁に囲まれた正に西洋ファンタジーの街並み
騎士の国『アルター王国』
桜舞う中で木造の町並み、そして市井を見下ろす和風の城郭
刃の国『天地』
幽玄な空気を漂わせる山々と、悠久の時を流れる大河の狭間
武仙の国『黄河帝国』
無数の工場から立ち上る黒煙が雲となって空を塞ぎ、地には鋼鉄の都市
機械の国『ドライフ皇国』
見渡す限りの砂漠に囲まれた巨大なオアシスに寄り添うようにバザールが並ぶ
商業都市郡『カルディナ』
大海原の真ん中で無数の巨大船が連結されて出来上がった人造の大地
海上国家『グランバロア』
深き森の中、世界樹の麓に作られたエルフと妖精、亜人達の住まう秘境の花園
妖精郷『レジェンダリア』
特徴的な七大国はどれも魅力的であり、彼の興味を誘ったが、彼の答えはこの空間に来る前から決まっていた。
「
「オッケー。ちなみに軽いアンケートだけど選んだ理由はー?」
「兄が待っているので……」
「あ、そうなんだ……」
これは如何なる運命の悪戯か、無限の可能性を持つ故にありえた異なる系統樹の物語。
「ゴフッ……」
「ご、ごめんあそばせっ!? 携行の回復薬が【
ありえたかもしれない出会い、ありえたかもしれない繋がり。
「それは、後味悪いな」
『だろ? だからクリアしようぜ。ハッピーエンド目指してな』
変わらぬ絆、目指すはハッピーエンド。
『そうだ、俺が持ってる装備をいくつか渡しておくメカクマー』
「サンキュー兄貴。……鋼鉄の着ぐるみ?」
『初心者用の【ビギナーズ・マーシャル】だ。使い古しで悪いが《操縦》の必要がないものがそれしかなくてな』
「それはいいんだけど、どうしてクマ型なんだ……」
新たなる力を手に進む、新たな道。
「その程度のお使いクエストじゃ物足りないだろう!? 【破壊王】とその弟!」
『何をするつもりメカクマ? ──【魔将軍】ローガン・ゴッドハルト』
「ハッ! 俺は何もしないさ、俺はな!」
「【傲慢業魔 ベルザーレ】……!?」
「どうしてこんなところに<UBM>が!」
立ちはだかる難敵、這いよる絶望。
「ディアー・バルバロス……です」
「私は……私の従姪を害そうとする愚か者をぶっ飛ばしに行きますわ」
「俺も一緒に……!」
「これは個人戦闘型と広域制圧型の戦いですわ。……お願いしますわ。ディアを、皇都に」
託された願いを胸に、不屈の意志で歩を進める。
『WOWO』
「……だから、それは後味悪いんだよ」
「とっとと目を覚まして、俺に1%でも可能性を寄越しやがれええええッ!!」
「──おはよう」
「私は【ネメシス】。<エンブリオ>、TYPE:メイデンwithアームズのネメシス。貴方の心と肉と魂から生まれたモノ」
「……今後ともよろしく、マスター?」
可能性の具現を呼び覚まし、漆黒の
これは、鋼鉄の国で綴られる彼らの物語。
「特注の【マーシャル】だと……しめて二百万リルってところだねぇ」
『このぼったくりマッドサイエンティスト!』
「これでも市場価格よりは安いんだけどねぇ!?」
「いや、迷惑かけんなよ馬鹿兄貴」
<Infinite Dendrogram>二次小説、「並行世界の系統樹」
第一章 Parallel Start
2045年3月16日 投稿開始
う そ で す
もうちょっと練ろうと思ってたけどネメシス「やめたらこのゲーム」とかすごい笑ったしエイプリルテレジア編とかすごいwkwkしたのでつい投稿。
オリキャラ二次も楽しいけど別国スタートとか原作再構成も増えたら嬉しいなって。