ラブライブ!サンシャイン‼︎ feat.仮面ライダーアギト 作:hirotani
1
平日の早朝だと、狩野川の遊歩道には殆ど人がいない。時折ジョギングに精を出す若者や、犬の散歩をしている老人を見かけるが、それらの人々が通り過ぎれば無人の静けさに川のせせらぎが際立つ。
だから、早起きして川の下流へと歩いた善子は、彼をすぐに見つけることができた。御成橋から少し歩いたところで、彼はコンクリートの地面に横たわっている。服が乾いているところ、自力で這い上がってから随分とそこに倒れていたようだ。
近付いて顔を覗き込んでみる。血色は良く、生きてはいるみたいだ。
「ねえ」
善子が呼びかけると、青年の目蓋がゆっくりと開く。眠気眼で上体を起こし、青年は「んん………」と両腕を上げて伸びをした。何て呑気なのよ、と善子は心配して探しに来たことを多少後悔する。まあ、大丈夫そうならそれで良い。
「危ない危ない。こんなところで寝ちゃったら風邪引いちゃうね」
「はあ?」と善子は青年の発言に眉根を寄せる。あんな超人じみた力を持っていながら風邪の心配をするとは。青年は善子を見つめ、
「君が助けてくれたの?」
「いや、ただ起こしただけだけど………」
「ありがとう。俺、津上翔一」
何をさも当然のように自己紹介するのか。まさかこの青年、昨日あの場に善子がいたことを忘れているのでは。いや、今の善子は変装していないから気付いていないだけかもしれない。
「津島よし――」
普通に名乗ろうとしたところで善子は改まり、
「………ヨハネよ」
自分から名乗っておいて何だが、ここは深刻な状況なのではないだろうか。でも翔一と名乗った青年は善子の気持ちなど全く悟っていないようで、朗らかに笑っている。
「ヨハネちゃんか、お洒落な名前だね」
今までにない反応に、善子はどう返せばいいか分からなくなる。こうして真に受けられると何故か頭が冷静に物事を考えられて、自分の発言が恥ずかしくなってくる。
翔一は立ち上がると、上流に向かって歩き始めた。御成橋の辺りにはまだ翔一のバイクが放置されたままだから、そこへ行くのだろう。善子は隣に並び、歩きながら尋ねる。
「ねえ、あなた変身してたわよね?」
「うん」
「あれって何なの?」
「うーん」と翔一は首を傾げながら、
「俺もよく分かんないんだよね」
「分かんないって……、分かんないまま戦ってたわけ? あの堕天使が何者なのかも?」
「まあ、そうなるかな。俺の過去に関係あるかもしれないけど、覚えてないからさ」
「覚えてないって?」
「俺、記憶喪失なんだ。海で事故に遭ったみたいなんだけど、何にも覚えてなくて」
「そう……」とだけ善子は言った。その割には随分明るいな、と思いながら。翔一があっけらかんと笑うせいか、全く同情が芽生えない。むしろ羨ましいとすら思う。
「まあ、記憶が無いなら無いでいいかもね。思い出したくないことだって、あるかもしれないし」
あの入学早々に犯した失態を忘れられたらどんなに良いことか。何食わぬ顔して登校して、同級生たちにからかわれても平気なのに。過去が事実でも、覚えてなければ自分のなかでは虚実にできるのだから。
「ごめん」
そんな声が聞こえて、善子は翔一の顔を見上げる。しまった、という彼の思考が見事なほど表情に出ている。分かりやすい人だな、と善子は頬を緩ませた。
「別に謝らなくていいわよ。ただちょっと恥ずかしいこと思い出しただけ」
「ああ、あるよねそういうの。こんなでかい大根なかなかできないでしょ、ってご近所さんに見せたらもっとでかいのあった、みたいなことでしょ?」
「何か微妙」
「あれ?」
かさ、という靴裏の感触に善子は脚を止めて視線を下ろす。厚紙で作られたクラフト飛行機だった。この辺で遊んでいた子供が落としたまま放置したのだろう。翼の端が善子の足で潰れてしまっている。拾い上げて翼の曲がり具合を修正すると、善子は対岸へ向けてクラフト飛行機を投げた。
厚紙の飛行機はとても軽く、エンジンも必要なしに宙を真っ直ぐと飛んでいく。海の方角から潮風の残り香が吹いてきて、僅かに軌道が逸れるも一直線に対岸へと向かっていく。
あんな風に、わたしもどっか遠くへ飛んでいけたらな………。
そんな妄想も早くに途切れ、善子はふと翔一を見る。翔一も脚を止めていた。その目はクラフト飛行機を追っている。瞬きもせず、一瞬たりとも視線を外すことなく、翔一はクラフト飛行機を見つめ続けていた。
2
まだしばらく、沼津にいることになりそうだな。会議室に漂う重い雰囲気を肌で感じ取りながら、誠は思った。本庁から派遣されてきた捜査一課、静岡県警の捜査一課、そしてユニット活動が停止して手持ち無沙汰なG3ユニットの面々。こうした歪な捜査員が沼津署の会議室に召集され、事件の対策本部が編成されている。
資料の紙をめくりながら、河野がどこか間延びした口調で事件の概要を報告する。
「昨日までに起こった5件の事件は手口から同一犯による連続殺人と思われますが、それぞれの犯行現場と犯行時間から考えて、これは有り得るはずのない犯罪です」
『もう少し詳しく説明してくれませんか』と警備部長が画面の奥で言う。会議の場には警備部長と補佐官も、聴聞会と同様に霞ヶ関の庁舎からPCを通じて参加している。「はい」と応えた河野が資料を捲りながら「6ページをご覧ください」と言うと、捜査員たちに配布された資料を捲る音が会議室に伝播する。
「捜査の結果、第1の犯行現場である
御殿場市から裾野市までの距離は直線で約15km。車でも30分以上はかかる。つまりこの事件は何か。会議室全体を満たす問いを警備部長が総括する。
『不可能犯罪。アンノウンか』
犯行がアンノウンによるものならば、確かめなければならないことがある。誠は訊いた。
「被害者たちに血縁関係はあるんですか?」
河野は資料を置くと手帳を開き、
「被害者5人のうち3人は親子、後のふたりは兄弟で他に身寄りはいません」
「間違いないわね」と誠の隣に座る小沢が小声で言った。きっと離れた席にいる尾室も、これがアンノウンの犯行と確信しているに違いない。
そこで、北條が起立する。
「こうなった以上、どうしてもG3システムの力が必要となる。一刻も早く、同システムの装着員を決定していただきたいのですが」
北條の射貫くような視線に、画面のなかで警備部長と補佐官が苦虫を噛み潰したように口を結ぶ。一蹴できないのは、あかつき号事件のことがあるからか。上層部の沈黙を良いことに、北條は続ける。
「このまま結論を引き延ばしておいても、被害者の数が増えるだけです。選択肢はひとつしかないと思いますが」
たったひとつの選択肢。それは即ちG3ユニットの活動再開。でも同じユニットメンバーというわけにはいかない。誠よりも上手くG3を動かし、アンノウンと戦える人材が必要だ。でも、果たして見つかるだろうか、と誠は思った。尾室の伝える状況も、それに対する小沢の判断もいつだって的確だった。G3を動かすこと自体も、それほど難しいものじゃない。誠が懸念しているのは、アンノウンが強すぎるということだ。
人間などいとも容易く踏みにじってしまうほどに。
会議が終わると、捜査員たちは割り振られた班ごとに固まって会議室を出た。指示もなく、それが自然の流れとして。小沢班である誠も尾室と共に上司の後ろを着いていくのだが、後ろから「氷川さん」という北條の声が聞こえ足を止める。
「あなたがG3の装着員から外されたことについては、私も残念に思っています」
そう語る北條はとても晴れ晴れとした表情を浮かべ、
「でも、あなたが優秀な刑事であることに変わりはない。別の部署で活躍できることを祈っています」
エリートらしい悠然とした所作で誠の肩に手を添えると、北條は廊下をせわしなく歩く操作員たちのなかへと混ざっていく。彼の仕立ての良いスーツは群衆のなかでもよく目立ち、そう簡単に凡人のなかへ埋もれまいとしているように見えた。
小沢は北條の背中を睨みながら舌を打ち、
「何て嫌な奴なの」
「まあそう言うな」と河野が小沢の肩に丸めた資料をぽん、と叩く。
「あれで根は良い奴なんだ」
「どこがです?」
苛立ちのあまり上ずった声をあげた小沢は眉間にしわを刻み、
「十分悪い奴ですよあれは」
「ちょっと思い込みが激しいだけさ」
部下に対する苦言を河野は人好しの笑みで受け流し、廊下を歩いていく。河野の背中は北條と違って、すぐに他の捜査員たちに埋もれていった。
「でも氷川さん結構不器用だからな」
不意に飛んできた尾室の声に誠は振り向く。
「G3の扱いも北條さんのほうが上手かったりして」
「不器………」と誠は反芻する。自分のどこが不器用だというのか。確かにG3としての戦果は芳しくないが、特別下手というわけでもないだろう。そもそも、自分は高倍率の試験と訓練をパスして装着員として選ばれた。他の候補になった者たちよりも器用なはず。
「ちょっとあんた何てこと言うのよ」
小沢の指摘で失言と気付いたらしく、尾室は誠に「すみません」と申し訳なさそうに頭を下げる。
行き場のない苛立ちをどうしたものか、小沢は肩まで伸ばした髪を掻きむしるとため息交じりに言った。
「焼肉でも食べに行こっか」
3
十千万に帰宅すると、翔一は真っ先に千歌の部屋へ向かった。
「千歌ちゃん」
障子の前で呼んでみるも返事がない。恐る恐る開けると、部屋には誰もいなかった。代わりに、ちゃぶ台の上に畳まれた制服がふたり分置いてある。それを特に気に留めることなく、翔一は本棚から英和辞典を引き抜いた。あの新聞記事の切り抜き。被害者の高海伸幸の顔を、どこかで見たような気がする。失った過去に、自分は彼と出会っていたのだろうか。この違和感の正体を探すようにページを捲るが、記事はなかなか出てこない。
「あれ?」
本を振ってみるが何も落ちない。本を間違えたのか。もしかして記事を挟んでいたのは英和辞典ではなく国語辞典だっただろうか。本棚に戻して国語辞典へと手を伸ばしたところで、
「何してんの翔一?」
咄嗟に手を引っ込める。仕事用のスーツを着た美渡が開けたままの障子を前にして立っている。「ああ、ただいま」と笑ってはぐらかすと、美渡はにやにやしながら歩み寄ってくる。
「朝帰りなんて初めてじゃない?」
「うん、ちょっとあってさ」
「もしかしてデート? 相手はどんな娘?」
「うーん、飛んでる奴かな」
「もう」と美渡は肘で脇腹をつつく。
「誤魔化さないで教えてよ」
「おいおいやめろって」とこそばゆさから逃げようとするが、美渡は止まることなく翔一をつついてくる。
「お客さんに迷惑だろ」
「翔一が早く言えばいいの!」
と美渡がタックルをかましてきた。あまり強くはないが、勢いあまって翔一の体がベッドに倒れる。ばき、と鈍い音がして、翔一の体が深く沈んだ。底板が折れたらしい。千歌が小学生の頃から使っているベッドも、流石に劣化していたようだ。
「やば………」
苦笑を浮かべた美渡が隣の自室へと逃げる。「おい美渡待てって」と言ったと同時、翔一の顔に何かが乗ってくる。持ち上げてみると伊勢海老のぬいぐるみだった。
「うー、疲れたー」
千歌の声が聞こえてくる。まずい、この状況は結構まずい。起き上がろうとするが、底板が抜けたベッドはまるで棺桶のようで狭苦しく身動きが取り辛い。もぞもぞと動いているうちに千歌が入ってくる。続いて曜と梨子が。3人とも練習着を着ていて、汗をかいたのか顔がてかっている。ベッドに寝ている翔一を見て、当然のごとく千歌が訊いた。
「あれ、翔一くん何してるの?」
「いや、これは――」
ばごん、とベッドの枠組みが崩れた。まるコントみたいに倒れた枠板が顔面に直撃する。
「出てってください」
曜の微かに険のこもった声が聞こえた。「いや、だからその」と弁明しようと板をどけると、曜の大きな瞳がじ、と翔一を睨みつけてくる。親友のそんな顔に、千歌と梨子は丸くした眼差しを向けていた。
「着替えたいんです。片付けはわたし達でしますから出ていってください」
4
スクールアイドルになる。
いつもと同じように談笑しながら登校し、まだ生徒もまばらな教室に入ると、花丸はその意思をルビィに告げた。何気なしに、という雰囲気で。
花丸の予想通り、ルビィはとても驚いた。「えええええ⁉」と周囲の目を引くほどの大声をあげて。同級生たちは最初、その声がルビィと気付かなかったようだ。ルビィは普段から声が小さいから。
「どうして?」
「どうしてって、やってみたいからだけど。駄目?」
「全然!」とルビィは興奮した様子で花丸の顔を見つめる。
「ただ、花丸ちゃん興味とかあんまりなさそうだったから」
確かに、あまり興味はなかった。アイドルなんて、自分の物語のなかで組み込まれるものじゃない。
「いや、ルビィちゃんと一緒に見ているうちに、いいなあ、って。だから、ルビィちゃんも一緒にやらない?」
「ルビィも?」
「やってみたいんでしょ?」
「それはそうだけど……。人前とか苦手だし、お姉ちゃんが嫌がると思うし………」
予想通り、拒む理由にダイヤが出てきた。ルビィは意外と強情な面がある。花丸もあまり強気な性分ではないから、この場でルビィを説得することはできないだろう。だから、この手が最も冴えたやり方。
「そっか、じゃあ体験入部はどう?」
「体験入部?」
放課後になると、花丸はルビィと一緒にスクールアイドル部の部室を訪ねた。体験入部したい、と趣旨を告げると3人の先輩、特に千歌は一際嬉しそうに「本当⁉」と声をあげる。
「はい」と落ち着いた返事をする花丸の隣で、背筋を伸ばしたルビィが「よろしくお願いします」とはっきりした声で言う。
「やったあ!」
歓喜の声をあげた千歌は曜と梨子の肩を抱き、
「これでラブライブ優勝だよ、レジェンドだよ!」
何だか早とちりされている気がする。「千歌ちゃん待って」と曜がそれを指摘してくれた。
「体験入部だよ」
「え?」と表情を曇らせる千歌に梨子が補足するように、
「要するに、仮入部っていうかお試しってこと。それでいけそうだったら入るし、合わないっていうならやめるし」
「そうなの?」と向ける千歌の視線に花丸は苦笑を返す。
「いや、まあ……色々あって」
「もしかして生徒会長?」
曜が助け舟を出してくれた。スクールアイドルを嫌うダイヤの、ましてや妹のルビィが部室を訪ねたなんて知られたら良い顔はされない。もっとも、理由はそれだけではないのだか。
「はい。だからルビィちゃんとここに来たのは内密に………」
ところで、と花丸はテーブルでチラシに何か書いている千歌を見やる。何しているんだろう、と目を凝らすと「新入生 国木田花丸&黒澤ルビィ 参加」とチラシにペンで書き足している。
「できた!」
満足げにチラシを眺める千歌の肩に曜が手を添えて、
「千歌ちゃん、人の話は聞こうね」
5
ホームセンターで買ってきた板を並べ終えて、翔一はふう、と深呼吸する。家具店なら既製品のベッドを変えるだろうが、手作りのほうが安く済む。それに、木材の香りはきっと心地よく安眠できるだろう。もっとも、千歌はどこでも熟睡できるが。
「よし!」
気合を込めて頭にタオルを巻くと、「すみません」という声が表のほうから聞こえてくる。宿泊客だろうか。正面玄関へ回ると誠が立っている。
「ああ、いらっしゃい」
「志満さんは?」
「まだ帰ってないみたいですけど」
「今日はアポを取ってから来たんですが」
「志満さん意外と時間の観念無いんです。この間なんか――」
「いえ、ご不在なら結構です」とため息交じりに遮られる。誠は裏へと回り、そこで広げられた木材を見て、
「君は何をしてるんです?」
「ベッドを作っています」
「ベッド? 何故?」
「いやほら」と翔一は誠を木材のそばへと促す。もう夕方近くだし、人手が欲しいと思っていたところだから丁度いい。
「ちょっと手伝ってくれません? ほら、ここんとこ切ってほしいんですよ」
そう言って翔一は工具箱から折り畳み式のこぎりを出して誠に握らせる。誠は困惑気味にのこぎりの刃を開いた。「ここです」と翔一は角材の上に置いた板の、鉛筆で引いた線を指さす。はあ、と溜め息を漏らしながらも、誠は無言で板を足で固定しのこぎりで線に沿って切り始める。
さて、残りの木材も採寸しよう。定規と鉛筆を手にしたところで、鈍い金属音が響く。同時に「あっ」という誠の声も。
振り返ると、のこぎりの刃だけが板に突き刺さっていて、誠は柄だけを握っている。刃が根本から折れたらしい。のこぎりは引くときだけに力を入れればいい。誠はきっと押すときに余計な力を入れたのだろう。
「うわ、不器用なんですね」
「………不器用?」
無意識に言ってしまったが、失言だったらしい。誠は威圧するように翔一の前に立ち、
「そんなことありません、のこぎりが悪かっただけです」
「こっちのを貸してください」と誠は工具箱にあるもう1本を指さす。折り畳み式よりは刃の幅が広くて切れ味も良い。翔一は咄嗟にそれを掴み、
「いやもういいです。こっちのまで壊されちゃ大変ですから」
「そんな心配はありません。僕のほうが上手いはずだ」
「いや、もう結構です」
「いいから貸したまえ!」
よほど癇に障ったのか、誠は翔一の手からのこぎりをひったくる。奪い返そうと試みたが、誠はすぐさま背中にのこぎりを隠した。刃物を奪い合って怪我なんてさせたら大変だ。ましてや相手は警察。傷害罪で逮捕されかねない。
仕方ない、と翔一は諦めて誠の好きにさせた。倉庫にまだあったかな、と思いながら板から折れた刃を抜いて再び切り始める誠の手つきを眺める。やっぱり押すときに余計な力が入っている。誠が更に力を込めると、薄いのこぎりの刃はまた根本からばきん、と音を立てて折れた。
「あーあ………」
結構いいのこぎりなのに、と翔一は溜め息をつく。「いや、これは……その………」と誠が言い訳を探っているとき、着信音が鳴った。丁度いいときに、とばかりに誠は懐からスマートフォンを出して耳に当てる。
「はい。分かりました、至急現場に向かいます」
通話を切ると、誠は柄だけになったのこぎりを翔一に手渡す。
「失礼します」
頭を下げて告げると、足早に裏庭から立ち去っていく。弁償代は警察に請求すればいいのかな、と思いながら、翔一は誠の背中を見送った。