デュエル訓練場にたどりつき、中央のデュエルリングを眺めるとそこには見覚えのある人物が立っていた。
上地 颯の姿だ。腕を組みながらこちらの方を見ている。
「おい、呼ばれたから来たぞ。一体何のようだ?」
「よう、よくビビらずにちゃんと来たな? 遊佐 繋吾!」
上地は俺を睨みつけながら言った。
ビビらずにって……。俺があいつにビビらなきゃいけないことなんてなにかあっただろうか。
「一体急にどうしたんだ上地。俺が入隊したのがそんなに嫌だったのか?」
「まぁホームレスごときがエリートである特殊機動班に入隊するのは歓迎はしてないが……。そんなんじゃねぇ」
「悪かったよ。だけど俺だって入隊するからには頑張る――」
「そんなことはどうだっていいんだよ!」
俺の言葉を遮り上地が急に叫びだした。
こいつ、一体どうしてしまったんだ。
「お前……結衣ちゃんと仲良く喋りやがって……!」
「は?」
想定外の発言に拍子抜けしてしまう。
俺が結衣に特殊機動班について教えてもらっていたのが、そんなに不服だったのか?
「さっきお前の部屋の前通ったら結衣ちゃんの声が聞こえたからよ。聞き耳立ててたんだが、随分と長いことおしゃべりしてたみたいじゃねぇか……」
そこまで長く会話したような覚えはないが……。
それじゃさっき俺が結衣に話していた昔話なんかもこいつには聞こえてたってことか?
でも、あの内容を聞いたのであれば、そんなに仲良く会話をしたってわけでもなかっただろうに。
「悪い、話が読めないんだが……」
「とぼけるんじゃねぇ! お前の部屋に結衣ちゃんがいたのは間違いねぇんだよ! "あなたのせいで時間を余計に消費した"とか、"今度は紅茶ぐらい用意しなさい" とか言われてたの聞いてたんだぞおい!」
そういえば最後に言ってたな……。もしかしてよりによってこいつはそこだけ聞いてたってやつか。
こいつはめんどくさいことになった。
「おいおい、何か勘違いしてるようだがーー」
「勘違いも糞もない! ここで決着つけようじゃねぇか」
ダメだ。話が通じない。
元はと言えばお前が自らSFSについて教えるのを拒んだからじゃないか……。
誰か助けてくれ。赤見さんでも誰でもいい。
「結衣ちゃんが可愛くて近づきたくなる気持ちは俺もよーくわかるよ遊佐。だけど、お前に渡すわけにはいかねぇ!」
「別に俺はそういうわけじゃ」
「うるせぇ! デュエルで決着をつけるぞ。お前が勝ったら潔くお前が結衣ちゃんに近づくことを認めよう。だけどお前が負けたら二度と結衣ちゃんに近づくんじゃねぇ!」
そこまで覚悟を決めてデュエルを挑むとは男らしいところがあるじゃないか。
それよりもまずはこの勘違いをなんとかしなければいけないけどな。
「別に構わないよ。お前がデュエルしたいってのなら受けて立つ。だけどなーー」
「おし、決まりだな! 覚悟しろよ……遊佐ぁ!」
再び俺の発言は途中で途切れられてしまい、上地はデュエルウェポンを構え出す。
「おい、ぼけっとしてるんじゃねぇ! とっとと構えろ」
「あ、あぁ……わかってるよ」
これはもうやるしかないな。
この勘違いはデュエルの中でなんとかする!
「いくぞ……デュエル!」
繋吾 LP4000 手札5
ーーーーー
ーーーーー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー
颯 LP4000 手札5
先攻は俺からのようだ。
あいつのデュエルの腕前は未知数だが、油断はできない。
なんといっても特殊機動班員だ。こないだの郷田さんクラスのデュエルはしてくるだろう。
「先攻はもらう、俺のターン。【炎竜星ーシュンゲイ】を召喚!」
ーーー
【炎竜星ーシュンゲイ】✩4 炎 幻竜 ③
ATK/1900
ーーー
「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
繋吾 LP4000 手札3
ーー裏ーー
ーーモーー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー
颯 LP4000 手札5
相変わらずの無難なスタートだ。
相手が猛攻を仕掛けてきたとしても竜星モンスターはデッキから後続の仲間を次々と出せる。
相手の出方を伺いつつ、出すモンスターを選ぶことで、いくらでも巻き返す方法を考えられる竜星モンスターは、はじめに引けているとやっぱり安心するな。
だが、郷田さんとのデュエルで俺のデッキの内容が上地のやつにはバレている。
対して俺はやつのデッキを全く知らない。
その情報アドバンテージがどのように影響してくるか……。慎重に戦わねば。
「へっ、そんなモンスターごときで俺を倒せると思うなよ。俺のターン、ドロー!」
上地はドローすると、不敵な笑みを浮かべながら視線を向けてくる。
「ふっふっふ……結衣ちゃんは渡さねぇ……! 俺の稲妻のごとく迸るこの思い、お前なんかに踏みにじられてたまるかよ!」
「はぁ……」
なんだか一人で勝手に盛り上がってるようだが、本当に俺は何もしていないんだ。
どのタイミングなら話が通じるだろう。とりあえず今はデュエルに集中だ。
「いきなりいくぜ! 俺は魔法カード【ジェムナイト・フュージョン】を発動! フィールド、手札のモンスターを素材に"ジェムナイト"融合モンスター1体を融合召喚する!」
融合デッキ使いか!
郷田さんも融合を使っていたが、上地は融合召喚がメインといった感じだろうか。
「手札の【ジェムナイト・ルマリン】と【ジェムナイト・ラズリー】を融合! "轟く希望! 駆ける稲妻となりて、戦場を切り裂け! 融合召喚! 来い、【ジェムナイト・パーズ】!"」
ーーー
【ジェムナイト・パーズ】✩6 地 雷 ②
ATK/1800
ーーー
金色に輝く鎧を輝かせ、電撃を纏ったダガーを両手に握りながらそのモンスターは現れる。
融合召喚した割には、攻撃力は俺のモンスターよりも低いようだが……。
きっと何か厄介な効果を持っているのだろう。
「まずはこいつだ! 融合素材になった【ジェムナイト・ラズリー】の効果を発動! こいつが効果で墓地へ送られた時、墓地から通常モンスターを手札に戻す! 俺は【ジェムナイト・ルマリン】を手札に戻す! そう、乙女の思いに颯爽と参上する【ルマリン】のように俺は結衣ちゃんを守る男となるのさ!」
「お、おう……」
うまいこと言っているつもりなのかわからないが、消費の激しい融合において、手札を補充するのは有効的な戦略だ。
なんやかんやでそのデュエルプレイングは侮れない。
「さぁて、攻撃力が低くて安心している遊佐くんには、たっぷりと刺激を与えてあげなきゃな。俺は魔法カード【アームズ・ホール】を発動! デッキの一番上を墓地へ送ることで、デッキか墓地から装備魔法1枚を手札に加える!」
装備魔法。モンスターに装備することで攻撃力を上昇させる等といった効果が多い魔法カードだ。
それを装備させて【ジェムナイト・パーズ】の低い攻撃力をカバーしようという考えなのだろうか。
「デッキの一番上、【ジェムナイト・アレキサンド】を墓地へ送り、デッキから【ガーディアンの力】を手札に加える! そして、これを【ジェムナイト・パーズ】に装備!」
【ガーディアンの力】が【ジェムナイト・パーズ】に装備されたが、攻撃力の変化は見られない。
これも何か特殊な効果を持っているのだろうか。
「よし、バトルフェイズだ。【ジェムナイト・パーズ】で【炎竜星ーシュンゲイ】に攻撃! "ボルテック・ダガー!"」
【ジェムナイト・パーズ】
ATK/1800
【炎竜星ーシュンゲイ】
ATK/1900
「攻撃力はお前のモンスターの方が低いみたいだが……」
「まったく甘いやつだぜ。そんなんじゃ結衣ちゃんは務まらねぇ! この瞬間【ガーディアンの力】の効果が発動! 装備モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に、このカードに魔力カウンターを一つおくことができる!」
「魔力カウンターだと?」
カードにカウンターというものを置く効果を持つカードがある。
そのカウンターの置いてある数によって、様々な効果を及ぼすのが特長だ。
代表的なカウンターが今回出ている魔力カウンターというものである。
「そして、【ガーディアンの力】に存在する魔力カウンター一つにつき、装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップさせることができる!」
【ジェムナイト・パーズ】
ATK/1800→2300
【炎竜星ーシュンゲイ】
ATK/1900
なるほど、これで攻撃力が上回った。
それにしてもたったの500のアップじゃ大したことはないぞ。
「やれ! 【シュンゲイ】をその電撃で葬れ!」
「ぐぅっ!」
繋吾 LP4000→3600
「ここで、刺激的な【ジェムナイト・パーズ】の効果発動! 破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える! "スプラッシュ・サンダー!"」
「なに!? ぐあああ!」
繋吾 LP3600→1700
攻撃力が低いがゆえに許された多くのダメージを与える効果。
確かにこれは刺激的なモンスターだ。一気にライフが半分以上もってかれた。
「だが、破壊された【シュンゲイ】の効果発動! デッキから【風竜星ーホロウ】を守備表示で特殊召喚する!」
ーーー
【風竜星ーホロウ】✩1 風 幻竜 ③
DEF/1800
ーーー
「安心するのはまだ早い! 【パーズ】はなんと2回も攻撃することができる!」
「なに!?」
ダメージを多く与える効果に続いて、2回攻撃……。
効果だけは非常に攻撃的だ。攻撃力が控えめなのも頷ける。
「【ホロウ】を引き裂け! 【パーズ】! "ボルテック・ダガー・セカンド!" この時、【ガーディアンの力】の効果で攻撃力がさらにアップ!」
【ジェムナイト・パーズ】
ATK/2300→2800
【風竜星ーホロウ】
DEF/1800
「くっ【ホロウ】は破壊されるが、こいつの攻撃力は0。ダメージを受けない!」
「雑魚モンスターで命拾いしたな?」
「だが、【ホロウ】の効果が発動! デッキから【光竜星ーリフン】を攻撃表示で特殊召喚させる」
ーーー
【光竜星ーリフン】✩1 光 幻竜 チューナー ③
ATK/0
ーーー
「相変わらず何度もわらわらと出てきやがって……」
「絶えず繋がり続け、大きな力を生む。これが俺のデュエルだ」
「ちっ、お前の戦い方は郷田とのデュエルでとうにわかってる。だが、【ガーディアンの力】のある【パーズ】は今のように攻撃力を上げながら攻めることができ、さらに【ガーディアンの力】の効果は魔力カウンターを一つ取り除くことで、【パーズ】の戦闘か効果による破壊も無効にすることもできる。攻防完璧ってわけだ!」
「なるほど、それは確かに強力な効果だな……」
【ガーディアンの力】にはその名のとおり守る効果もあったのか。
前戦ったヘルメットの男の【魔王龍ベエルゼ】を思い出すかのような効果だ。
「どうだ? 俺のデュエルセンス……思い知ったか! ホームレス上がりが結衣ちゃんに手を出すなんて100年早いぜ!」
「あのなぁ……一つだけいいか?」
「なんだ? サレンダーなんて認めねぇよ。ここでお前は負けるのがお似合いさ」
デッキがうまいこと回っているせいか随分と上機嫌そうなので、言うのなら今しかない。
「別に俺は結衣に対してそういうつもりはないぞ」
「この期に及んで言い訳か? 見苦しいやつだなぁー。このデュエルは俺にとっては結衣ちゃんがかかってるんだ! お前も覚悟を決めろよ遊佐ぁ!」
うーん。どうしたら誤解が解けるだろうか。
結衣本人でも来てくれれば一番早いか?
「さっそく戦意喪失かぁ? 自分が出しゃばって結衣ちゃんに手を出したこと後悔するんだな! 俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」
繋吾 LP1700 手札3
ーー裏ーー
ーーモーー
ー 融
ーーーーー
ーー魔裏ー
颯 LP4000 手札2
さてと、まずはあの【ガーディアンの力】をなんとかしなければいけないな。
それなら"アイツ"の効果を使えばすぐに突破できるはずだ。
「俺のターン、ドロー! 【マスマティシャン】を召喚! デッキからレベル4以下のモンスター、【ジェット・シンクロン】を墓地へ送る」
ーーー
【マスマティシャン】✩3 地 魔法使い ②
ATK/1500
ーーー
「そして、さっそく墓地へいった【ジェット・シンクロン】の効果発動! 手札を1枚捨てて、こいつを墓地から復活できる! 手札の【仁王立ち】を墓地へ送り、来い、【ジェット・シンクロン】」
ーーー
【ジェット・シンクロン】✩1 炎 機械 チューナー ④
DEF/0
ーーー
「さらに、墓地からモンスターが特殊召喚した時、手札の【ドッペル・ウォリアー】は特殊召喚できる。来てくれ、【ドッペル・ウォリアー】!」
ーーー
【ドッペル・ウォリアー】✩2 闇 戦士 ⑤
DEF/800
ーーー
【マスマティシャン】から繋がるモンスターの連携でかなり展開できた。
ここからはいつもどおりやらせてもらうぞ。
「雑魚モンスターがわらわらと出てきやがって……!」
「どんな弱い力でも、力を合わせれば強いやつを超えることができる」
「なんだよ。ホームレスみたいなやつでもエリートを超えられるとでも言いたいのか?」
「いや……別にそういうことを言いたいわけじゃないが……」
まるで自分がエリートみたいな言い方だな。
まぁ特殊機動班に所属しているからには、彼もそれなりに強いやつってのは間違いはなさそうだが。
「弱いやつに限ってこそこそと群がりやがる。まったく目障りなんだよ」
上地は少し表情を曇らせながら言う。
「おい……どうしたんだ上地」
「ハッ! そんなんじゃ結衣ちゃんにはふさわしくねぇってことだよ!」
結局のところはそれか……。
まぁいずれにしても【ジェムナイト・パーズ】を攻略する準備は整った。
反撃開始だ!
「現れよ! 心を繋ぐサーキット! 俺は【ジェット・シンクロン】1体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク1、【リンクリボー】!」
ーーー
【リンクリボー】リンク1 闇 サイバース ①
ATK/300
ーーー
「さらに、レベル3の【マスマティシャン】とレベル2の【ドッペル・ウォリアー】にレベル1の【光竜星ーリフン】をチューニング! "星空を焦がす猛き咆哮よ! その瞳に宿る蒼き衝動を解き放て! シンクロ召喚! 【天狼王ブルーセイリオス】!"」
ーーー
【天狼王ブルーセイリオス】✩6 闇 獣戦士 ②
ATK/2400
ーーー
美しい蒼色をした狼が空に向かって咆哮を上げる。
「シンクロ召喚してもその程度の攻撃力じゃ【ジェムナイト・パーズ】には届かないぜ? 俺の完璧な戦略の前には無意味だ!」
「まぁ待てよ上地。まだ終わってない。シンクロ素材となった【ドッペル・ウォリアー】の効果で、場に【ドッペル・トークン】2体を特殊召喚する」
ーーー
【ドッペル・トークン】✩1 闇 戦士 ①と③
ATK/400
ーーー
「くっ……まだ湧いてくるか! しつこいやつは嫌われるぜ」
「お前こそ、少しは静かに見てろよ……。再び来い、心を繋ぐサーキット! 俺は【リンクリボー】と【ドッペル・トークン】をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク2、【LANフォリンクス】!」
ーーー
【LANフォリンクス】リンク2 光 サイバース ①
ATK/1200
ーーー
「さらに、連続リンク! 【ドッペル・トークン】1体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク1、【リンクスパイダー】!」
ーーー
【リンク・スパイダー】リンク1 地 サイバース ①
ATK/1000
ーーー
「そして、三度来い、心を繋ぐサーキット! 【LANフォリンクス】と【リンクスパイダー】をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、来い、繋がる心の象徴! 【セフィラ・メタトロン】!」
ーーー
【セフィラ・メタトロン】リンク3 光 幻竜 ①
ATK/2500
ーーー
光り輝く鎧身にまとい、【セフィラ・メタトロン】はその手に持つ杖を構えた。
「きやがったか……。お前のエースモンスターってやつが」
上地はそのモンスターを眺めながら呟く。
こいつの効果を使えば、【ガーディアンの力】など恐るに足りない。
「あぁ、こいつの効果を存分に味わってもらうぞ。俺は【セフィラ・メタトロン】の効果発動! 俺の場の【天狼王ブルーセイリオス】とお前の【ジェムナイト・パーズ】をエンドフェイズ時まで除外する。"コネクター・サブリメイション!"」
【セフィラ・メタトロン】が空中に浮かび上がり、杖を空へ掲げると、【天狼王ブルーセイリオス】と【ジェムナイト・パーズ】は足元から消滅していく。
「くそっ! 除外されたことで【ガーディアンの力】の装備が解除され、破壊される!」
「そのとおりだ。場はガラ空き。【セフィラ・メタトロン】でダイレクトアタック! "ヴェンジェンス・ディバイニング!"」
【セフィラ・メタトロン】
ATK/2500
宙に浮いた状態から【セフィラ・メタトロン】は急降下し、その両手から白く輝く槍のようなものが出現するとそれを上地へ向かって突き立てた。
「あああ! くぅ!」
颯 LP4000→1500
いいダメージが入った!
伏せカードは発動してこないところを見るとブラフか何かだったのだろうか。温存している可能性もあるが。
「よし、俺はこのままターンエンド。エンドフェイズ時に除外されていた【天狼王ブルーセイリオス】と【ジェムナイト・パーズ】は場に戻る」
ーーー
【天狼王ブルーセイリオス】✩6 闇 獣戦士 ②
ATK/2400
ーーー
【ジェムナイト・パーズ】✩6 地 雷 ③
ATK/1800
ーーー
「ちくしょう……。調子に乗りやがって……! 少しデュエルの腕が立つからって図に乗るなよ遊佐……!」
「待ってくれ。俺はお前と張り合うつもりはない。同じ班員としてお前とは仲良くしたいと思ってる」
「うるせぇ! お前は……赤見さんには期待されるし、結衣ちゃんには手を出すし……。目障りなんだよ……!」
これは……嫉妬というやつなのか。
悪いことをしたような覚えはないが、俺の無意識の行動がこいつにとっては不快であったのかもしれない。
「俺のせいでお前が不快な思いをしたのならそれは悪かった」
「なに……?」
「上地、俺がこのデュエルを受けたのは、お前とのデュエルに真剣に向き合うことで、特殊機動班の仲間として認めてほしいって思いもあるんだ」
「遊佐、お前……」
「だから、俺の思いをこのデュエルで伝える。お前も結衣のことをそんなに思っているのなら、それをこのデュエルでぶつけてくれ。さぁ、お前のターンだ」
あいつがどこまで俺のことを煙たがってるかはわからないけど、俺は別に対立しようだなんてつもりはない。
それにあいつは仲間である結衣のことを思い、大切にしようとしている。
その心意気を見る限り、決して悪い奴じゃないはずだ。
繋吾 LP1700 手札1
ーー裏ーー
ーシーーー
リ ー
ーー融ーー
ーーー裏ー
颯 LP1500 手札2