遊戯王Connect   作:ハシン

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Ep20 - 決闘機動班の切り札 前編

デュエルリングへ到着すると、金髪のショートカットをした青年が立っていた。

あれが"桂希 楼"だろうか。

 

「お前が桂希ってやつだな?」

 

「そうだ。決闘機動部 決闘機動班 第1副班長の桂希 楼だ。お前が遊佐 繋吾だな?」

 

「あぁ、特殊機動班所属の遊佐 繋吾。お手柔らかに頼むよ」

 

そう言いながら俺は桂希に向かって軽く頭を下げた。

 

「こちらこそ。お前が……なるほど。白瀬班長がお前に関心をもっているようでな。その力、デュエルの中で見させてもらおうか」

 

白瀬班長が俺に関心があるだと……。

昨日、ただ目があっただけで、特に接点なんてものはなかったが。

俺の入隊までの経緯がどれほど知れ渡っているかはわからないが、仮に期待されているのだとしたら悪い気はしない。

 

「お前こそ、かなり腕が立つと聞いている。いいデュエルにしよう」

 

「ふっ、言われるほどでもない。さて、デュエルの準備はいいか? 遊佐」

 

なんというかこの男は、向かい合ってるだけで郷田さんや颯とは違った覇気のようなものを感じる。

見るからに強そうな奴だ。心してかからないとな。

 

「あぁ、いくぞ……!」

 

「デュエル!」

 

桂希 LP4000 手札5

ーーーーー

ーーーーー

 ー ー 

ーーーーー

ーーーーー

繋吾 LP4000 手札5

 

先攻は桂希のようだ。

まずは相手の出方がどうくるかだな。

 

「私のターン! 私は【スクラップ・リサイクラー】を召喚!」

 

ーーー

【スクラップ・リサイクラー】✩3 地 機械 ③

ATK/900

ーーー

 

「このカードが召喚に成功した時、デッキから機械族モンスター1体を墓地へ送ることができる。私は【サイバー・ドラゴン・コア】を墓地へ送る」

 

どうやらスタートは堅実な墓地肥やし。意外と落ち着いた展開だ。

1ターンキルもあり得るという話を聞いていた分、少しホッとした。

 

「さらに、カードを1枚伏せて、ターンエンド。さぁ、お前のターンだ」

 

桂希 LP4000 手札3

ーー裏ーー

ーーモーー

 ー ー 

ーーーーー

ーーーーー

繋吾 LP4000 手札5

 

「いくぞ、俺のターン。ドロー!」

 

手札はまずまずといった具合だ。

ここ最近のデッキ調整のせいかはわからないが、手札の安定さはSFSに入る前よりも格段に上がっている気がする。

 

現在の状況は相手の場に比較的攻撃力の弱いモンスターが攻撃表示。

伏せカードがある状況だが、ダメージを稼ぐには絶好のチャンスだ。狙わない手はない。

 

「俺は【炎竜星ーシュンゲイ】を召喚!」

 

ーーー

【炎竜星ーシュンゲイ】✩4 炎 幻竜 ③

ATK/1900

ーーー

 

「バトルだ。【シュンゲイ】で【スクラップ・リサイクラー】を攻撃! "ボルケーノ・フレイム!"」

 

【炎竜星ーシュンゲイ】の口元より、大きな火球が出現し、【スクラップ・リサイクラー】へ衝突すると、たちまちそれは大きな火炎となり、爆発した。

 

【炎竜星ーシュンゲイ】

ATK/1900

【スクラップ・リサイクラー】

ATK/900

 

「くっ、このくらいのダメージは必要経費だ」

 

桂希 LP4000→3000

 

「よし、先制ダメージはもらった! 俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」

 

 

桂希 LP3000 手札3

ーー裏ーー

ーーーーー

 ー ー 

ーーモーー

ーー裏裏ー

繋吾 LP4000 手札3

 

 

「いいぞー! 繋吾! そのままやっちまえー!」

 

多くの外野がいる中、颯の叫び声が聞き分けられる程大きな声で聞こえる。

さっきはあんなに緊張していた癖に外野という立ち場だと、恥じらいもなく大声を出せるらしい。

よくわからないやつだな……。

 

颯の発言は置いといて、特殊機動班のメンバーをふと眺めると、みんな俺のデュエルを真剣に見つめていた。

みんなの期待にこたえるためにもこのデュエルなんとしても勝ちたいところだ。

それに、このデュエルに勝てば特殊機動班はトータル的に決闘機動班に勝ったことにもなる。

神久部長も見ている今、特殊機動班にとってその恩恵は大きいはずだ。

 

俺が外野に目を取られていると、桂希が話かけてきた。

 

「遊佐。お前は、何のために戦う?」

 

「どういうことだ……?」

 

桂希は俺の目を見ると、軽く笑いながら言った。

 

「戦場というのはやるかやられるかの世界。その時の気の迷いで未来が大きく変わることもある。戦うには明確な意志が必要だ」

 

「意志か……。俺は自分が信じるもののため……そして、復讐という自分の目的を達成するためにデュエルをするだけだ」

 

「ふっ、なるほど。ならばそのお前の意志、そのデュエル。それがどこまで固いものなのか確かめさせてもらおうか」

 

桂希はにやりと笑みを浮かべると、デッキの上に手を重ねる。

今のやり取り、一体なんの意図があったのだろう。

よくわからないが今の俺にとってこの戦いは……。そうだな、自分の信じる"特殊機動班"のためにといったところだろうか。

 

さて、いよいよ桂希のターンが始まる。

おそらくこのターンからが本番だろう。デュエルに集中しないと。

 

「いくぞ、私のターン。ドロー! 墓地から【サイバー・ドラゴン・コア】の効果発動! 相手の場にのみモンスターがいる時、墓地のこのカードを除外して、デッキから【サイバー・ドラゴン】1体を特殊召喚できる。来い、【サイバー・ドラゴン】!」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン】✩5 光 機械 ③

ATK/2100

ーーー

 

墓地のモンスター効果で、いきなり上級モンスターを呼び出してくるとは。

俺が【スクラップ・リサイクラー】を破壊しにくることくらいは、読んでいたってところか。

 

「さらに、【ライティ・ドライバー】を召喚!」

 

ーーー

【ライティ・ドライバー】✩1 地 機械 チューナー ②

ATK/100

ーーー

 

「【ライティ・ドライバー】が召喚に成功した時、デッキ、手札、墓地いずれかから【レフティ・ドライバー】を特殊召喚できる。デッキから【レフティ・ドライバー】を特殊召喚!」

 

ーーー

【レフティ・ドライバー】✩2 地 機械 ④

DEF/100

ーーー

 

いきなりチューナーを含めた3体のモンスターが並んだ。

このモンスター達のレベル合計は8……。おそらく桂希の主力モンスターが来ると見て間違いないだろう。

 

「私はレベル5の【サイバー・ドラゴン】とレベル2の【レフティ・ドライバー】にレベル1の【ライティ・ドライバー】をチューニング! "天空に煌く光の結晶! 今こそ交わりて、未来への道を切り開け! シンクロ召喚! 現れよ、我が覇道を導く力! 【ロード・ウォリアー】!"」

 

ーーー

【ロード・ウォリアー】✩8 光 戦士 ①

ATK/3000

ーーー

 

黄金に輝く鎧を身にまとった正に王道と呼ばれるような騎士がその背中に身に付けるマントをなびかせながら、桂希の前に立ちはだかった。

 

「これが、お前のエースってところか」

 

「まぁそう思ってくれて構わない。すなわち……ここからが本番だと言うことだ! 【ロード・ウォリアー】の効果発動! 1ターンに1度、デッキからレベル2以下の戦士もしくは機械族モンスターを特殊召喚できる! "トライス・サモン!" 来い、【サイバー・ドラゴン・コア】!」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン・コア】✩2 光 機械 ①

DEF/1500

ーーー

 

デッキから更なるモンスターをどんどん展開できる効果を持っているようだ。

しかし、リンクモンスターでないため、これ以上モンスターを展開されようと、EXデッキからモンスターを呼ばれる恐れはない。

したがって、上級モンスターが現れる可能性は低いだろう。

 

「そして、この【サイバー・ドラゴン・コア】が特殊召喚に成功した時、速攻魔法【地獄の暴走召喚】を発動! 遊佐、お前は自分の場のモンスター1体を選択し、デッキ、手札、墓地から可能な限り特殊召喚してくれ」

 

「なに、いいのか? ならば、デッキから【炎竜星ーシュンゲイ】を1体だけ守備表示で特殊召喚させてもらう。デッキには2枚しか入っていない」

 

「いいだろう。そして、私は発動時に特殊召喚したモンスターと同名モンスターをデッキ、手札、墓地から攻撃表示で特殊召喚する」

 

桂希の出したモンスターは下級モンスターであり戦闘能力は弱めだ。

俺の出した【シュンゲイ】の方がステータスは高いし、【地獄の暴走召喚】はむしろ俺にとってありがたい状況である。

 

そう安心して桂希の場を見ていると、先ほど特殊召喚したモンスターではなく、もっと大きな機械仕掛けのドラゴン達が3体並んでいた。

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン】✩5 光 機械 デッキから②と③ 墓地から④

ATK/2100

ーーー

 

「なに!? どういうことだ」

 

「私の場の【サイバー・ドラゴン・コア】は場に存在する時、名前を【サイバー・ドラゴン】として扱う効果を持っている。したがって、"暴走召喚"されるのは【サイバー・ドラゴン】となる」

 

「なるほどな……。それで【サイバー・ドラゴン】が現れたと」

 

"暴走召喚"の対象は同名モンスター。

モンスター効果をうまく生かし、上級モンスターを並べる戦術だったようだ。

 

大量のモンスターは恐ろしいが、俺の場のモンスターはなんていっても"竜星"モンスターだ。

数が多くいる分には受けきれる。

 

「では、バトルだ。まずは【ロード・ウォリアー】で【炎竜星ーシュンゲイ】を攻撃! "アブソリュート・ホーリーレイ!"」

 

【ロード・ウォリアー】が自らの両手を重ねると、そこに光が収束し始める。

そして、その収束した力を【炎竜星ーシュンゲイ】を目掛けて放出した。

 

【ロード・ウォリアー】

ATK/3000

【炎竜星ーシュンゲイ】

ATK/1900

 

「くっ、うぅ!」

 

繋吾 LP4000→2900

 

「だが、戦闘破壊された【シュンゲイ】の効果で、デッキから【光竜星ーリフン】を守備表示で特殊召喚!」

 

ーーー

【光竜星ーリフン】✩1 光 幻竜 チューナー ③

DEF/0

ーーー

 

「続けて! 【サイバー・ドラゴン】1体目でもう1体の【炎竜星ーシュンゲイ】を攻撃! "エヴォリューション・バースト!"」

 

「くっ、【シュンゲイ】の効果は1ターンに1度しか使えない……!」

 

連続して【シュンゲイ】の効果は使えない。

これで俺が暴走召喚で得た力は消されてしまった。

 

「残念だったな。そして、まだ攻撃は終わっていない! 【サイバー・ドラゴン】2体目で【光竜星ーリフン】を攻撃! "エヴォリューション・セカンド・バースト!"」

 

「この【リフン】も破壊された時、デッキからモンスターを呼べる! デッキから【闇竜星ージョクト】を守備表示で特殊召喚!」

 

ーーー

【闇竜星ージョクト】✩2 闇 幻竜 チューナー ③

DEF/2000

ーーー

 

「まだまだ! 【サイバー・ドラゴン】3体目で【闇竜星ージョクト】を攻撃! "エヴォリューション・サード・バースト!"」

 

「こちらこそまだだ! 【ジョクト】も同様の効果で、デッキから【風竜星ーホロウ】を攻撃表示で特殊召喚!」

 

ーーー

【風竜星ーホロウ】✩1 風 幻竜 ③

ATK/0

ーーー

 

「私の攻撃を受け切り、モンスターを残すとはなかなかのしぶとさだ」

 

「あぁ、しぶとさには自信があってね……!」

 

なんとかライフダメージを最小限に抑えられたが、これ以上攻撃されていたらもう防ぎきれなかっただろう。

桂希 楼。油断ならない相手だ。

 

「だが、守るだけではデュエルに勝てない。この私の布陣を突破してみろ遊佐 繋吾。私はこれでターンエンドだ」

 

桂希の場は【ロード・ウォリアー】1体と【サイバー・ドラゴン】3体。そして、守備表示の【サイバー・ドラゴン・コア】と伏せカード。

強力な布陣だが、俺にとっては次のターンからが勝負ってところだ。

 

「お前のエンドフェイズ時に罠カード。【トゥルース・リインフォース】を発動! デッキからレベル2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。来てくれ、【ドッペル・ウォリアー】!」

 

ーーー

【ドッペル・ウォリアー】✩2 闇 戦士 ④

DEF/800

ーーー

 

「ほう? 反撃準備といったところか。いいだろうかかってこい」

 

これで俺のできる全ての準備は整った。

桂希、見せてやるよ。この俺のデュエルをな!

 

桂希 LP3000 手札2

ーー裏ーー

モモモモー

 シ ー 

ーーモモー

ーー裏ーー

繋吾 LP2900 手札3

 

 

 

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