遊戯王Connect   作:ハシン

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Ep34 - 銀縁の流星 前編

もうすぐ日付を跨ぎそうな時刻だろうか。

真夜中なはずだが、この真跡シティイースト区は随分と賑やかだった。

 

爆発音や悲鳴。モンスターの叫び声等、とても良いものとは言えないが。

 

桂希と手分けしてテロリストの相手をしていたが、ようやくデュエル決着がつきそうだところだった。

 

「【輝竜星ーショウフク】の効果発動! お前の場の【メタル・デビルゾア】と【デビルゾア】を手札戻す!」

 

「て……手札だと……。ふざけやがって……! ガキの分際で!」

 

「お前には消えてもらう! 【輝竜星ーショウフク】でダイレクトアタック! "ホーリー・ジャッジメント!"」

 

【輝竜星ーショウフク】

ATK/2300

 

「やめろお……ぐおわあああ!」

 

テロリスト LP1000→LP0

 

倒れゆくテロリストを見届け俺は桂希の方を向く。

 

「終わったか遊佐?」

 

「あぁ、今終わったところだ」

 

俺よりも先に桂希は相手を仕留めていたようだ。

さすがは桂希 楼。決闘機動班の切り札。

 

「遊佐、治療用カードは持っているか?」

 

治療用カード?

そういえば出撃前に赤見さんから【インスタント・ヒーリング】なるカードをもらったような気がしたな……。

 

「これか?」

 

俺はそのカードをポケットから出し、桂希に見せながら問う。

 

「それだ。負傷者を見つけたらそのカードを負傷者のデュエルウェポンにセットするんだ。それだけでも命を助けることができる」

 

デュエルウェポンっていうのは本当に何からなんでもできるんだな。

桂希に言われて俺はその【インスタント・ヒーリング】のカードを決闘機動班の人たちのデュエルウェポンに1枚ずつセットしていく。

 

「……うぅ、すまない……。お前、どこの班だ?」

 

「俺は……特殊機動班だ」

 

「……!?」

 

自らの班を伝えると決闘機動班の人たちの目つきが変わっていく。

 

「お前らの……ふざけた作戦のせいで俺たちは……」

 

確かにこの作戦の主導は特殊機動班だ。

決闘機動班からみれば、出撃をさせられた上にこれだけひどくやられた状況だし、不満に思うのも無理はないだろう。

 

「すまない。俺たちの見込みが甘かった」

 

「すまないで済むかこの野郎……。街の住人に被害が出てるんだぞ……! どう責任取るつもりだ特殊機動班!」

 

「だったら! いつまで後手に回ってるつもりだ? ジェネシスの情報を掴まなければいつまでもこういうデュエルテロは続く。それでもいいのかよお前は!」

 

「なんだと……?」

 

「誰かが先陣を切って危険な目に合わなければこの世界は変わらない! それを変えるために俺たちがいるんじゃないのかよ!」

 

俺は決闘機動班の保身的な考えに少しイラつき、つい大きな声を出してしまう。

 

「おい、遊佐。落ち着け。今はそんな話をしている暇はない」

 

「桂希……。あぁ、悪かった」

 

桂希に止められ、少し冷静さを取り戻す。

そして、俺はその決闘機動班の男に少しだけ頭を下げ謝罪した。

 

「ったく。無能な特殊機動班の野郎が……」

 

なんとなくではあるが、結衣と颯の気持ちがわからないでもないなと感じた。

でも無理もない話しだ。誰もが皆ジェネシスに強い恨みを持っているわけでもなければ、自らを犠牲にしてでもジェネシスの壊滅しようと思っている人なんてほんのひと握りなのだろうからな。

 

「遊佐、近くのビル裏から救難信号だ!」

 

「なに……?」

 

桂希に言われデュエルウェポンを見ると確かに付近で救難信号が出ているようだ。

すぐにでも急行しなければ。

 

「だが、こいつは……」

 

駆け出そうとしていた俺たちの目の前には再び4~5名のテロリストがおり、こちらへ向かってきていた。

こちらにも決闘機動班の負傷者がいる以上、あの敵を放棄してここを動くわけにもいかない。

 

だが、そうだな……あの人数なら……。なんといっても今俺と一緒にいるのは決闘機動班の切り札だ。

あいつならきっとやってなんとかしてくれるだろう。

 

「桂希、ここを任せられるか?」

 

「遊佐、お前……まさか」

 

「俺が救難信号の所へいく。あの人数、お前ならなんとかできるだろ?」

 

「うーむ……まぁやっては見せるが……危険だぞ遊佐。もしお前になにかがあれば赤見班長に合わせる顔が……」

 

「俺が独断で行ったということにしてくれ。それに俺はこんなところで死ぬつもりはない!」

 

動ける人が動かないでどうするんだ。

被害状況が激しいこのエリアで他に救難信号に応えられる人なんていやしないはずだ。

それにどうせ俺がここにいても決闘機動班の奴らと喧嘩になるだけだ。だったら今の俺の中ですべきことは決まってる。

 

「待て遊佐! 考え直せ! 救難信号ってことは危険な状況ってことなんだぞ? わかっているのか?」

 

「わかってる! だけどな、俺が行かなきゃ誰が行くんだよ!」

 

俺はそう叫ぶと桂希の回答を聞く前に救難信号があった方向へと走り出した。

 

「おい遊佐! くそう、あの馬鹿……。仕方ない。こうなったらこいつらをさっさと仕留めるぞ……」

 

俺はテロリストと対峙している桂希を背中に、救難信号があったビルの裏へ急行すべく駆け抜けていったのだった。

 

 

 

ーービルまでは大体200mくらいか。

まもなくビルのあるところへと差し掛かろうとした時に、大きな衝撃音のようなものが鳴り出した。

そして、直後にビルの裏からひとりの人物が吹っ飛ばされ、俺の目の前へ倒れこんだ。

SFSの制服に桜色のショートカットな髪。これは、野薔薇 莉奈副班長か。

救難信号の主はどうやら彼女で間違いなさそうだ。

 

「あなたは……SFS……?」

 

野薔薇は閉じそうな瞼をわずかに開き俺の方を見る。

俺はその様子を見てすぐさま近づき、しゃがみながら彼女の頭を手で支えた。

 

「あぁ、特殊機動班の遊佐だ。大丈夫か?」

 

「特殊機動……班……。来てくれたんだ……」

 

「無理するな野薔薇。今助けてやる」

 

俺は先ほどの決闘機動班員にやったように、野薔薇のデュエルウェポンに【インスタント・ヒーリング】のカードをセットする。

すると、彼女の表情は苦痛に歪んだ顔から少しながら楽そうな表情へと変わった。

 

「ごめんね……ありがとう」

 

「ここで一体何があったんだ?」

 

「ここで……デュエルテロが起きて……そして、あの男にデュエルで負けて……」

 

野薔薇がその震える指をさした方向を見ると、銀縁のメガネを光らせ、落ち着いた緑色系の髪色に七三分けの髪型をした知的な男がこちらへ歩いてきた。

 

「おや、新手ですか。そのお嬢さんを助けにでも?」

 

「お前が……野薔薇を……!」

 

俺はその男を睨みつける。

だが、その男は俺の様子を見てもまったく動じず、メガネをクイッと上げると、口を開く。

 

「また元気なデュエリストが来たものだ。どうしますか? 私と戦いますか?」

 

「当たり前だ……! ここにデュエルテロを起こしたのもお前なんだろう?」

 

「ええ。今日は随分と賑やかな日になると聞いたものでして」

 

何が賑やかな日だ。

これだけ多くの被害を出しておいて、ふざけたこと言ってるんじゃねぇぞ……!

 

「遊佐くん……逃げて。あの人は別格……だから……」

 

「お前を置いて逃げろって言うのか? 無理だな。それに俺はデュエルテロを起こしたあいつを許しておけない」

 

「ダメだよ……勝てっこない。あの人にうちの班員が何人倒されたと思ってるの……。遊佐くん、新人なんでしょ……?」

 

「やらなきゃわからないだろ! それにテロリストを殲滅するのは……俺たち特殊機動班の役目だ!」

 

「……もう……私、どうなっても知らないから……」

 

野薔薇にいくら言われようと俺はここから逃げるつもりはない。

ちょうど住宅街を襲った奴らに痛い目をみてもらいたいと思っていたところだ。

その主犯格と戦えるのならこれほどまでのチャンスはない。

 

「さてと、死ぬ覚悟はできましたか? 少年?」

 

男はメガネを光らせながらデュエルウェポンを静かに構え出す。

 

「お前こそ、死ぬ覚悟はできたんだろうな? ジェネシス!」

 

「ハハハ、いいでしょう! ならば本気で行かせていただきますよ?」

 

さっきの野薔薇の話だと、きっとデントのような強力な奴に違いないだろう。

そこらへんのテロリストとはなんというか風格も違うしな。

だけど、怯えていてはダメだ。赤見さんが俺たちに見せてくれたデュエルのようにどんな苦境にも負けぬ力強いデュエルを見せてやる……!

 

「望むところだ! いくぞ!」

 

「デュエル!」

 

メガネの男 手札5 LP4000

ーーーーー

ーーーーー

 ー ー

ーーーーー

ーーーーー

繋吾 手札5 LP4000

 

「では、私が先攻をもらいましょう。私のターン、手札からフィールド魔法【竜の渓谷】を発動。手札を1枚捨てて、デッキから"ドラグニティ"モンスター1体を手札に加えることができます。手札の【幻獣機オライオン】を墓地へ送り、【ドラグニティードゥクス】を手札に加えます。そして、墓地へ送られた【幻獣機オライオン】の効果で場に【幻獣機トークン】を特殊召喚!」

 

ーーー

【幻獣機トークン】☆3 風 機械 ③

DEF/0

ーーー

 

「さらに手札から【サイバース・ガジェット】を召喚しましょう! 効果を発動。墓地からレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚します。蘇れ、【幻獣機オライオン】!」

 

ーーー

【サイバース・ガジェット】☆4 光 サイバース ④

ATK/1400

ーーー

【幻獣機オライオン】☆2 風 機械 チューナー ②

DEF/1000

ーーー

 

いきなり場にモンスターを3体も並べてきた。

リンク召喚か……チューナーの存在からシンクロ召喚の可能性もある。

奴のデッキはどちらだ……?

 

「来なさい、星屑煌くサーキット! 私は【サイバース・ガジェット】と【幻獣機オライオン】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚。リンク2、【水晶機巧ーハリファイバー】!」

 

ーーー

【水晶機巧ーハリファイバー】リンク2 水 機械 ①

ATK/1500

ーーー

 

「このカードのモンスター効果は、リンク召喚に成功した時、デッキからチューナーモンスターを特殊召喚する効果。したがって、デッキから【ゾンビキャリア】を特殊召喚! さらに墓地へ送られた【サイバース・ガジェット】の効果で場に【ガジェット・トークン】を特殊召喚しますよ!」

 

ーーー

【ゾンビキャリア】☆2 闇 アンデッド ②

DEF/200

ーーー

【ガジェット・トークン】☆2 光 サイバース ①

DEF/0

ーーー

 

リンク召喚したのにやつの場のモンスターは減るどころか増えている……。

なんという展開力だ。1ターン目でありながらただものではない様子が伺える。

 

「驚くのはまだ早いですよ少年。むしろこの程度で驚いていては……この私には到底勝てやしない!」

 

「誰が……驚いてなんか……!」

 

「ふふふ……。ではさらに進めるとしましょう。レベル3の【幻獣機トークン】にレベル2の【ゾンビキャリア】をチューニング! "音速を超えた速度の彼方より、新たなる世界を導け!" シンクロ召喚! 【アクセル・シンクロン】!」

 

ーーー

【アクセル・シンクロン】☆5 闇 機械 チューナー ③

DEF/2100

ーーー

 

「さらに、【アクセル・シンクロン】のモンスター効果を発動! デッキから"シンクロン"モンスターを墓地へ送り、そのモンスターのレベル分自身のレベルを上げるか、下げることができます。デッキのレベル1モンスター【ジェット・シンクロン】を墓地へ送ることで、【アクセル・シンクロン】のレベルを1上げレベル6とします」

 

レベル6のチューナーモンスターとレベル2のトークン。

奴の狙いはレベル8のシンクロモンスターか!

 

「そして、行きますよ……? 私はレベル2の【ガジェット・トークン】にレベル6となった【アクセル・シンクロン】をチューニング! "星屑の煌き、夜空を駆ける一筋の疾風となれ!" シンクロ召喚! 飛翔しなさい、スターダスト・ドラゴン!」

 

ーーー

【スターダスト・ドラゴン】☆8 風 ドラゴン ③

ATK/2500

ーーー

 

キラキラと輝く星のような欠片を身に纏い、水色の体に白き翼を羽ばたかせながらそのドラゴンは男の前に出現した。

あれが奴のエースモンスターってところだろうか。デントの使ったモンスターとは違い、その姿は美しくも勇ましくテロリストには似つかないようなモンスターだった。

 

「さて……1ターン目はこんなところでしょうか。ターンを終了しましょう」

 

メガネの男 手札3 LP4000

ーーーーー

ーーシーーフ

 リ ー

ーーーーー

ーーーーー

繋吾 手札5 LP4000

 

「容赦はしないぞ、俺のターン。ドロー!」

 

手札はいい感じだ。これならこちらも1ターン目から相手を積極的に攻めていける。

余裕そうな態度を取っていられるのも今のうちだ……。一泡吹かせてやる……!

 

「俺は魔法カード【おろかな埋葬】を発動! デッキからモンスターを1体墓地へ送る。俺は【ドッペル・ウォリアー】を墓地へ送り、さらに手札から【ジャンク・シンクロン】を召喚! このカードの効果によって、今しがた墓地へ送った【ドッペル・ウォリアー】を守備表示で特殊召喚する!」

 

ーーー

【ジャンク・シンクロン】☆3 闇 戦士 チューナー ③

ATK/1300

ーーー

【ドッペル・ウォリアー】☆2 闇 戦士 ②

DEF/800

ーーー

 

「ほう……。あなたもシンクロ召喚を使うのですか」

 

「まぁな。だが、それだけじゃない」

 

「なんと。それは楽しみじゃないですか」

 

何が楽しみだ。遊んでるんじゃないんだぞこっちは……!

俺のシンクロを交えたリンク召喚の力を見せてやる!

 

「俺はレベル2の【ドッペル・ウォリアー】にレベル3の【ジャンク・シンクロン】をチューニング! "生誕する意思の力よ! 星々の呼応の下に具象せよ!" シンクロ召喚! 来てくれ、【源竜星ーボウテンコウ】!」

 

ーーー

【源竜星ーボウテンコウ】☆5 光 幻竜 チューナー ②

DEF/2800

ーーー

 

「そして、【ボウテンコウ】の効果発動! デッキから"竜星"カード1枚を手札に加えることができる。これで【竜星の軌跡】を手札に。さらに、シンクロ素材となった【ドッペル・ウォリアー】の効果で場に【ドッペル・トークン】2体を特殊召喚!」

 

ーーー

【ドッペル・トークン】☆1 闇 戦士 ①と②

ATK/400

ーーー

 

「ここからだ! 来てくれ、心を繋ぐサーキット! 俺は【ドッペル・トークン】1体と【ボウテンコウ】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! こちらもだ。【水晶機巧ーハリファイバー】!」

 

ーーー

【水晶機巧ーハリファイバー】リンク2 水 機械 ②

ATK/1500

ーーー

 

相手も使ってきたリンクモンスターだ。

こいつはデッキからチューナーモンスターを特殊召喚することができ、さらなるリンク召喚にも繋げることができる。

かなり強力なカードの1枚だ。

 

「あなたもそのカードを! どんなチューナーを呼び出すんでしょうかねぇ」

 

「それだけじゃない。場を離れた【ボウテンコウ】の効果も発動し、デッキから"竜星"モンスターを特殊召喚できる! デッキから【闇竜星ージョクト】と【光竜星ーリフン】を特殊召喚!」

 

ーーー

【闇竜星ージョクト】☆2 闇 幻竜 チューナー ②

DEF/2000

ーーー

【光竜星ーリフン】☆1 光 幻竜 チューナー ③

DEF/0

ーーー

 

ここからだ本番だ。1ターン目から出番だぜ、相棒!

 

「再び現れよ、心を繋ぐサーキット! 俺は【光竜星ーリフン】1体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! 来てくれ、【リンクリボー】!」

 

ーーー

【リンクリボー】リンク1 闇 サイバース ③

ATK/300

ーーー

 

「さらに、リンク2の【ハリファイバー】とリンク1の【リンクリボー】をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! "正しき心を導く守護の神星! 今ここに絆を繋ぐ閃光となれ!" リンク召喚! リンク3、【セフィラ・メタトロン】!」

 

ーーー

【セフィラ・メタトロン】リンク3 光 幻竜 ②

ATK/2500

ーーー

 

いつもどおり手に持つ杖を構えながら、俺の前に【セフィラ・メタトロン】は静かに出現する。

その黄金に輝く鎧が周囲の燃え盛る炎の光に照らされて、ほのかに赤く光っていた。

こいつの力ならばあの【スターダスト・ドラゴン】にも引けを取らないはず。

 

「ほほう。本命はそちらのモンスターにありましたか。なるほど」

 

男は再びメガネをクイッと上げながら興味深そうに俺のモンスターを眺めている。

その表情は今までの余裕そうな雰囲気とは少し違い、真面目な表情だった。

少しは焦りでも感じたのだろうか。

 

だが、俺の場にはまだモンスターが残っている。

それはつまり、【セフィラ・メタトロン】が導くリンクマーカー先にまだ新たなるモンスターを召喚することができるということだ。

 

「そして、続いてこれだ! 俺はレベル1の【ドッペル・トークン】にレベル2の【ジョクト】をチューニング! "霞漂う双翼翻し、烈風を巻き起こせ!" シンクロ召喚! 来てくれ、【霞鳥クラウソラス】!」

 

ーーー

【霞鳥クラウソラス】☆3 風 鳥獣 ③

DEF/2300

ーーー

 

こいつは前回でも世話になったとおり、相手モンスターを無力化する能力を秘めている。

これならどんなモンスターでも倒せるはずだ。

 

だが、俺も使っているあの【水晶機巧ーハリファイバー】は相手ターンには自身を除外し、シンクロチューナーモンスターをEXデッキから呼び出す効果がある。

したがって、あいつを標的にしてもその効果を使われて逃げられてしまうだけだ。

ならば、標的は当然【スターダスト・ドラゴン】がいいだろう。

 

「【霞鳥クラウソラス】の効果発動! 相手モンスター1体の効果を無効にし、その攻撃力を0にする! 風を受けろ、【スターダスト・ドラゴン】!」

 

大きな翼で竜巻を発生させ、【スターダスト・ドラゴン】へとその竜巻を衝突させる。

やがて、竜巻が止むとそこには力を失った【スターダスト・ドラゴン】の姿があった。

このまま【セフィラ・メタトロン】で攻撃すれば大ダメージが与えられそうだ。

 

「ふふふ……なるほど。なかなかやる。ですが、あなたのメインフェイズ終了時に、【水晶機巧ーハリファイバー】の効果を使いましょう! このカードを除外し、EXデッキからシンクロチューナー1体をシンクロ召喚します。来なさい、【フォーミュラ・シンクロン】!」

 

ーーー

【フォーミュラ・シンクロン】☆2 光 機械 チューナー ①

DEF/1500

ーーー

 

「【フォーミュラ・シンクロン】はシンクロ召喚成功時にデッキからカードを1枚ドローできます! そして、更なる効果で相手のメインフェイズ時にこのカードを素材としてシンクロ召喚ができる!」

 

「なに……!?」

 

俺のターンに場のモンスターを素材にシンクロ召喚するだと……。

現在奴の場にいるのはレベル8の【スターダスト・ドラゴン】とレベル2の【フォーミュラ・シンクロン】。

つまり、レベル10のシンクロ召喚でも行うというのか。

 

「あなたに見せてあげますよ。シンクロ召喚を極めた者にしか扱えない……"普通のシンクロ召喚"を超えたシンクロモンスター同士のシンクロ、"アクセルシンクロ"を!」

 

「アクセルシンクロ……!?」

 

シンクロモンスター同士のシンクロ召喚……。

奴の場にはシンクロモンスターである【スターダスト・ドラゴン】とシンクロチューナーである【フォーミュラ・シンクロン】が揃っている。

そのアクセルシンクロとやらの準備は整っている状況だ。

シンクロ召喚の中では当然難易度の高いものとなる故に出てくるモンスターは強力に違いない。

 

「ふふふ……。私はレベル8、シンクロモンスター【スターダスト・ドラゴン】にレベル2、シンクロチューナー【フォーミュラ・シンクロン】をチューニング! "星屑の煌き、銀河を照らす開化の流星となれ!" アクセルシンクロ! 来なさい、【シューティング・スター・ドラゴン】!」

 

ーーー

【シューティング・スター・ドラゴン】☆10 風 ドラゴン ①

ATK/3300

ーーー

 

真っ白に輝く体に青白く光るオーラのようなものを纏った大きなドラゴンがデントの場に出現した。

そのドラゴンはまるでジェット機のように空を飛び、宙にキラキラとした星の欠片ものを振りまいていた。

あれがアクセルシンクロモンスター【シューティング・スター・ドラゴン】。

 

デントの相手モンスターを素材にする【超融合】に引き続き、この男の極めたシンクロ召喚。ジェネシスのデュエルレベルはかなり高いことが伺える。

 

おかげさまで【霞鳥クラウソラス】での無効化効果は見事にかわされてしまった。

だけど、俺にはまだ【セフィラ・メタトロン】の効果が残されている。

 

例えどんな強力な力があったとしても俺は負けてはいられない。

それを打ち破ってこそ俺の復讐は成し遂げられるんだ。

 

「ならば、【セフィラ・メタトロン】の効果発動! 自分と相手のEXデッキから特殊召喚されたモンスターを共にエンドフェイズ時まで除外する! "コネクター・サブリメイション"!」

 

【セフィラ・メタトロン】が手に持つ杖を空へ掲げると、そこに眩い光が収束し始め、【霞鳥クラウソラス】と【シューティング・スター・ドラゴン】は足元より消滅をはじめる。

 

「一時的とはいえ、【シューティング・スター・ドラゴン】を無力化しましたか。やりますね少年」

 

「感心している暇なんて与えない。バトルだ! 【セフィラ・メタトロン】でダイレクトアタック! "ヴェンジェンス・ディバイニング!"」

 

【セフィラ・メタトロン】は先ほどまで使っていた杖を空中へ放棄すると、右手に宿る水晶の槍を構えメガネの男へと突撃を開始した。

そして、まもなくその突撃は男へと直撃する。

 

【セフィラ・メタトロン】

ATK/2500

 

 

「うおあああ! この私にダメージを負わせるとは。なかなかいい腕をしていますねぇ」

 

メガネの男

LP4000→LP1500

 

先制ダメージはもらった! 1ターン目で半分以上のライフポイントを削れたのは大きいだろう。

このまま一気に攻め立てて早いとこ勝負をつけたいところだ。

 

「……次のターンでケリをつけてやる! 俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。エンドフェイズ時、【霞鳥クラウソラス】と【シューティング・スター・ドラゴン】は場に戻る」

 

メガネの男 手札4 LP1500

ーーーーー

ーーシーーフ

 ー リ

ーーシーー

ーー裏ーー

繋吾 手札3 LP4000

 

まだあの【シューティング・スター・ドラゴン】の効果がわからないところだが、俺の信じるカードならそんなもの恐るに足りない。

アクセルシンクロだかなんだか知らないが、このデュエル。絶対負けるものか……!

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