その部屋までそこまで距離はなかった。
全力で走っていたからかあっという間にその部屋の前までたどり着く。
部屋に入ろうと入口の前へ向かったが、それと同時に部屋の中から一瞬眩い光が見えると、俺の体を目掛けて何かが接近してくるのがわかった。
避けようと思った時には既に遅く、脇腹あたりに大きな痛みが走った。
デュエルウェポンによって生み出された銃弾か何かだろうか。
俺がデュエルウェポンを持っていなければ今頃血だらけになっているところだろう。
「っぐ……」
衝撃に耐え切れず俺はその場に膝立ちとなるが、すぐに入口付近の壁にもたれかかるようにして身を潜めた。
いきなり入口正面に向かったのは迂闊だったか……。部屋に敵がいたのは明白だったからな。
俺は少し気を落ち着かせた後に入口に頭だけを出し、部屋の中の様子を伺った。
中には様々な機器が並べられていたが、あちこちから煙が蔓延していて、既にその機能は失われているようだった。
おそらくもう襲撃者の手によって破壊されてしまったのだろう。
部屋を眺めていると機器の間から再び眩い光が発光したと同時にこちらに向かってまた銃弾のようななにかが発射された。
今回は壁に身を隠していたせいか、俺の体に当たることはなかった。
とりあえず部屋に入るには中にいる奴らをなんとかしなければならないというところか。
だが、いまの攻撃のおかげでどの機器に奴らが潜んでいるかは大体把握できた。
そこに向かって攻撃すれば無力化できるかもしれない。やってみるか。
俺は腰に身につけているカードホルダーから数枚のカードを取り出し、デュエルウェポンへとセットする。
思惑通りうまく攻撃が通れば……奴が攻撃した直後の隙を狙って一気に畳み掛けてやる……!
奴らの攻撃が終わったタイミングで俺は部屋の中に乗り込み、一枚のカードを発動させた。
「罠カード【閃光弾】!」
それは文字通り閃光弾。
発動と同時にあたりに眩い光を照らし出す。
俺はそれに合わせて手で目を覆い、自らのダメージを防いだ。対して相手からは一切追撃がない。
おそらく閃光弾を直視してしまったのだろう。無事視覚への攻撃には成功したみたいだ。
走って相手に接近しながら俺は次のカードを準備しだす。
「来い! 【コード・トーカー】! そして、【パイナップル爆弾】を発動!」
すると、俺の目の前には白き剣を手に持つ人型モンスターと、それなりの大きさを持った手榴弾のようなものが出現した。
今回みたいな室内だと大型モンスターは身動きがうまくとれず本来の力を発揮できない。
すなわち【コード・トーカー】のような比較的小さめのモンスターの方がうまく操れる。
これはSFS内でやった訓練で教わった知識だ。
この室内の中でも俊敏に動けるモンスターなら、相手の反撃を受ける前に無力化できるはずだ。
俺は手始めに手に持つ【パイナップル爆弾】を相手の隠れているであろう機器の向こう側へ投げる。
しばらくすると大きな爆発と共にあたりに破片が飛び散った。
もちろん俺の方へも飛んできたほどの爆発だったが、【コード・トーカー】が爆風から守ってくれたおかげで俺は無傷だ。
さすがに【コード・トーカー】は爆風くらいびくともしないようだ。
「いけ、【コード・トーカー】! 奴らを切り裂け! "イノセント・スラッシュ"!」
念には念をだ。
相手が反撃してこないところを見ると、デュエルウェポンでの反撃ができないほどにダメージを与えられたに違いない。
だが、まだ何があるかはわからないからな。
しばらくすると、部屋の中に何名かの男性の悲鳴が聞こえてくる。
その声を確認し、俺は機器の裏側を見てみると、そこには3名の襲撃者であろう人物が横たわっていた。
うまくいったみたいだ。
さてと……。無事にここの部屋の敵は無力化できたわけだが……結衣のやつは一体どこに行ったんだ。
これだけ敵がいるんじゃこの中はもっと危険な状態ということだろう。
あたりを見渡すとさらに奥へ通じる扉があった。
あの先にきっと結衣が……。
「【ヴァンパイア・ロード】。やれ!」
突如男の叫び声が聞こえると、俺に向かって吸血鬼のようなモンスターが襲いかかってきた。
まだこの部屋の中に敵がいたのか……!
俺は迎撃準備が取れていなかったため、咄嗟にデュエルウェポンを盾代わりにすべく体を覆う。
だが、その攻撃は既に召喚していた【コード・トーカー】が受け止めてくれていた。
大きな衝突音が鳴ったと同時に、【コード・トーカー】は破壊され目の前から消滅する。
このままではまずい……何かモンスターを召喚しないと……!
気がつくと相手は既にこちらとの距離をだいぶ詰めていた。
まさか……。やつの狙いは……!
デュエルウェポンを見るとそこにはデュエルモードの表示がなされていた。
今の一瞬の隙を狙ってやつはデュエルを仕掛けてきたみたいだ。
くそっ! 俺はすぐにでも奥の部屋へ向かわなければいけないというのに!
さっさとこいつを倒さないと。
「ふふふ……まだ作業が完了してないのでね。これ以上作業の邪魔をされては困るのだよ」
「なんだと……?」
奥で何かをやっているのは間違いない。
おそらく俺の足止めをするためにデュエルを仕掛けてきたに違いないな。
仕方がない。デュエルモードになってしまった以上、こいつを倒すしかないか。
「さて、デュエルといこう。国防軍のお手並み拝見だ」
なるほど。俺の事を国防軍の隊員か何かと勘違いしているらしい。
まぁわざわざこいつに正体を教える気はないし、気にしないでおこう。
「望むところよ、とっとと終わらせる! デュエル!」
繋吾 手札5 LP4000
ーーーーー
ーーーーー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー
テロリスト 手札5 LP4000
先攻は俺のようだ。
ささっと終わらせて相手の出方を見よう。
「俺のターン。モンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
繋吾 手札3 LP4000
ーー裏ーー
ーー裏ーー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー
テロリスト 手札5 LP4000
「随分と焦っているようだな、ふふふ。私のターン、ドロー! 【ヴァンパイアの眷属】を召喚!」
ーーー
【ヴァンパイアの眷属】☆2 闇 アンデット ③
ATK/1200
ーーー
「そして、永続魔法【ヴァンパイアの領域】を発動。1ターンに1度、ライフを500支払うことで、もう一度"ヴァンパイア"モンスターを召喚することができる。これにより、【ヴァンパイアの眷属】をリリースして、【ヴァンパイア・グレイス】をアドバンス召喚!」
ーーー
【ヴァンパイア・グレイス】☆6 闇 アンデット ③
ATK/2000
ーーー
優雅ながらも不気味さを感じる暗黒のローブに身を纏った老いた婦人のようなモンスターが出現した。
「さらに私は墓地の【ヴァンパイアの眷属】の効果発動! 手札またフィールドから"ヴァンパイア"カードを墓地へ送ることで、このカードを墓地から復活させることができる! 手札の【ヴァンパイア・ロード】を墓地へ送り蘇れ! 【ヴァンパイアの眷属】!」
ーーー
【ヴァンパイアの眷属】☆2 闇 アンデット ④
ATK/1200
ーーー
「蘇った【ヴァンパイアの眷属】の効果発動! ライフを500支払うことでデッキから"ヴァンパイア"魔法もしくは罠カードを手札に加えることができる。私はフィールド魔法、【ヴァンパイア帝国】を手札に加え、これを発動!」
奴がフィールド魔法を発動すると先ほどまで機械だらけの部屋だったのがあっという間に邪悪なお城へと姿を変える。
古びた洋風チックなその内装は静まり返っておりなんというかホラーな印象を受ける。
「さて……それでは吸血タイムだ。【ヴァンパイア・グレイス】の効果発動! カードの種類を宣言し、相手はデッキから選択した種類のカードを墓地へ送らなければならない。私は"魔法カード"を選択しよう」
俺のデッキからカードを墓地へ……?
狙いがよくわからないがさすがにモンスターカードは墓地へ送らせてくれないようだ。
「いいだろう。ならば俺は魔法カード【調律】を墓地へ送る」
「ふふふ……ここからが本番だ……。この瞬間、フィールド魔法【ヴァンパイア帝国】の効果発動! 相手のデッキからカードが墓地へ送られた時、デッキから"ヴァンパイア"カードを墓地へ送ることで、相手の場のカード1枚を破壊する!」
「なに……?!」
なるほど、この効果に繋げることが目的だったか。
「私はデッキの【ヴァンパイア・ソーサラー】を墓地へ送り、お前のモンスターを破壊する!」
「くっ……」
俺の伏せモンスターが赤い月に照らされ発光すると、そのまま爆発してしまった。
伏せていたモンスターは【ジェット・シンクロン】。何事もなく破壊されてしまった。
「さぁて……バトルだ! 【ヴァンパイアの眷属】でダイレクトアタック! 【ヴァンパイア帝国】がある限り、アンデット族がバトルを行う場合その攻撃力は500ポイントアップする! 引き裂かれよ!」
【ヴァンパイアの眷属】
ATK/1200→1700
白と黒の対照的な模様をし、赤い目をぎらぎらと光らせた犬のようなモンスターが俺に近づくとその鋭利な爪で引き裂いてくる。
思わず両手でその攻撃から守ろうとするが、デュエルウェポンにおけるダメージにおいてはまったく意味がなかった。
「うぅ……ぐっ」
繋吾 LP4000→2300
「ふはははは、君のライフおいしくいただこうかね。永続魔法【ヴァンパイアの領域】がある限り、"ヴァンパイア"モンスターが与えたダメージ分、私はライフを回復する!」
テロリスト LP3000→4700
「つまり……先ほどのライフコスト分はチャラってことか」
「その通りだ! 君の命はおいしくいただかせてもらうよ?」
「くっ……気味の悪いやつだ」
「ふふふ……続けて、【ヴァンパイア・グレイス】でダイレクトアタック! こいつも例外なく攻撃力が500ポイントアップする!」
【ヴァンパイア・グレイス】
ATK/2000→2500
続けて【ヴァンパイア・グレイス】が大きな杖から紫色をした球体を生み出すと、それを放ってきた。
これをくらったら俺の負けだ。こんな早くにくたばるわけにはいかない!
「リバースカードオープン! 【トゥルース・リインフォース】を発動! デッキからレベル2以下の戦士族モンスター、【ドッペル・ウォリアー】を守備表示で特殊召喚!」
ーーー
【ドッペル・ウォリアー】☆2 闇 戦士 ③
DEF/400
ーーー
「壁モンスターを用意したか。だが、無意味だ。やれ、【ヴァンパイア・グレイス】!」
俺を守るように出現した【ドッペル・ウォリアー】が紫色の球体を受け止め、その衝撃で破壊されてしまった。
「ふふふ、私はカードを1枚伏せてターンを終了しよう」
繋吾 手札3 LP2300
ーーーーー
ーーーーー
ー ー
ーーモモーフ
ーー裏魔ー
テロリスト 手札1 LP4700
奴は自信満々そうにターンを終了した。
おそらくあの伏せカードはこちらの動きや攻撃を妨害するようなカードだろう。
きっとあの自信は万全な構えから来ているに違いない。
あの布陣をどうくぐり抜けるか……ひとつ間違えれば負けてしまう可能性だってある。
こんなところで負けるわけにはいかない。なんとかして奴の伏せカードをくぐり抜けて攻めなければ……。
「いくぞ、俺のターンドロー! 手札から【ジャンク・シンクロン】を召喚! このカードは召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚できる!」
「甘い! リバースカードオープン! カウンター罠【ヴァンパイアの支配】を発動! 相手のモンスター効果を無効にし破壊する!」
「なに!?」
召喚したはずの【ジャンク・シンクロン】の姿が石化すると、粉々に砕け散っていってしまった。
「それだけではない! 破壊したモンスターの攻撃力分、私のライフを回復する」
テロリスト
LP4700→LP6000
さらにライフポイントに差を付けられてしまった……。
くそ! 早く結衣の下へ行かなければいけないのに、時間稼ぎしやがって……。
「さぁ……どうする? ターンエンドすれば早く楽になれるぞ?」
「馬鹿言え! 舐めてもらっては困る。俺は墓地の【ジャンク・シンクロン】を除外して、手札から【輝白竜ワイバースター】を特殊召喚! そして、手札の【ダンディ・ライオン】を捨てることで、墓地から【ジェット・シンクロン】を特殊召喚! さらに手札から墓地へ送られた【ダンディ・ライオン】の効果で、場に【綿毛トークン】2体を特殊召喚させる!」
「んな! まだそこまでの展開力が……!」
ーーー
【輝白竜ワイバースター】☆4 光 ドラゴン ③
ATK/1700
ーーー
【ジェット・シンクロン】☆1 炎 機械 ④ チューナー
DEF/0
ーーー
【綿毛トークン】☆1 風 植物 ①と②
DEF/0
ーーー
「俺はレベル4の【輝白竜ワイバースター】にレベル1の【ジェット・シンクロン】をチューニング! "生誕する意思の力よ! 星々の呼応の下に具象せよ! シンクロ召喚! 来てくれ、【源竜星ーボウテンコウ】!"」
ーーー
【源竜星ーボウテンコウ】☆5 光 幻竜族 ① チューナー
DEF/2800
ーーー
「【ボウテンコウ】の効果により、デッキから【竜星の軌跡】を手札に加え、【ワイバースター】の効果により、デッキから【暗黒竜コラプサーペント】を手札に加える! さらにレベル1の【綿毛トークン】2体に、レベル5の【ボウテンコウ】をチューニング! "邪悪なる魂より目覚めし争心よ! 星々の呼応の下に具象せよ! シンクロ召喚! 来てくれ、【邪竜星ーガイザー】!」
ーーー
【邪竜星ーガイザー】☆7 闇 幻竜 ①
ATK/2600
ーーー
「くっ……強力なモンスターをシンクロ召喚してきやがったか……」
「それだけじゃない。シンクロ素材となった【ボウテンコウ】の更なる効果! デッキから【光竜星ーリフン】を守備表示で特殊召喚!」
ーーー
【光竜星ーリフン】☆1 光 幻竜 ① チューナー
DEF/0
ーーー
「チューナーということは……まさかお前!」
「あぁ、俺の竜星たちの繋がる魂はさらに昇華する! レベル7の【邪竜星ーガイザー】にレベル1の【光竜星ーリフン】をチューニング! "神聖なる輝きより昇華する輪廻の力よ! 星々の呼応の下に具象せよ! シンクロ召喚! 来てくれ、【輝竜星ーショウフク】!」
ーーー
【輝竜星ーショウフク】☆8 光 幻竜 ①
ATK/2300
ーーー
「1ターンで3連続シンクロ召喚を行ってくるとは……。だが、その程度の攻撃力では恐るに足らんな!」
「このカードは竜星たちの繋がりの終着点! その効果を受けてもらう! 【ショウフク】の効果発動! シンクロ素材とした幻竜族モンスターの属性の数まで、相手モンスターをデッキに戻すことができる! 素材にした属性は2種類。よってお前のモンスター2体をデッキに戻させてもらう。"セイヴィング・プロシード!"」
【ショウフク】が自らの大きな翼を羽ばたかせるとそこから真っ白に輝く無数の星が出現し、ヴァンパイアモンスターたちを包み込む。
やがて、包み込まれたモンスターたちは白い球体となるとテロリストのデュエルウェポンへと吸収されていった。
「これでは……ガラ空きではないか!」
「一気に畳み掛ける! さらに墓地の【輝白竜ワイバースター】を除外して、手札から【暗黒竜コラプサーペント】を特殊召喚し、バトルフェイズ! 2体のモンスターでダイレクトアタック!」
【輝竜星ーショウフク】
ATK/2300
【暗黒竜コラプサーペント】
ATK/1800
【ショウフク】と【コラプサーペント】の2体は口からそれぞれ大きな球体のようなものをテロリストに向かって放つ。
その二つを直撃したテロリストは大きく吹っ飛ばされ、部屋の冷たい金属製の壁に衝突した後に地面へと崩れ落ちた。
「ぐおわああ!」
テロリスト LP6000→LP1900
その合計攻撃力は通常のライフポイントである4000ポイントを凌駕している大ダメージであったが、既にライフポイントを多く回復しているテロリストにとっては、致命傷ではあったもののライフポイントがなくなるには至らなかった。
だが、既にやつは手札も消耗している。次のターンに確実に倒しきってみせる。
「ライフポイントを回復しておいて命拾いしたな。だが、次のターン必ず倒す。俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
繋吾 手札1 LP2300
ーー裏ーー
ーーモーー
シ ー
ーーーーーフ
ーーー魔ー
テロリスト 手札1 LP1900
「ふふふ……。ふふふふふ……」
ターンエンド宣言して間もなくテロリストは急に笑い出す。
自らの敗北を目の前におかしくなってしまったのだろうか。
「何がおかしい」
「次のターン私を倒すなど甘いことを言ってることがおかしくてな」
「なに?」
「私はね。時間稼ぎに来たんだよ……。それが私の今作戦の役割だ。だから私はお前に勝つつもりも負けるつもりもない。ふふふ……」
奥の部屋への侵入を防ぐために時間を稼ぐってことなのか……?
いやだが、例えあいつが時間稼ぎをしようとしていたとしても、自らのデュエルでそれをたたきつぶせばいいだけだ。
惑わされるな。奥には結衣が一人で戦っている。こんなところでモタモタしてはいられない。
「私のターン、ドロー! モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドだ」
繋吾 手札1 LP2300
ーー裏ーー
ーーモーー
シ ー
ーー裏ーーフ
ーー裏魔ー
テロリスト 手札0 LP1900
宣言どおり、やつは守りに徹してきた。
伏せカードとモンスターを駆使して俺の攻撃を止めるつもりだろう。
くそ! 【ショウフク】の効果を使うタイミングを見誤ったか……?
だけど、考えていても仕方がない。
ここは迅速に攻撃を続け早めにターンを渡そう。
「俺のターン、ドロー! 罠カード【リビングデッドの呼び声】を発動。墓地から【邪竜星ーガイザー】を特殊召喚!」
ーーー
【邪竜星ーガイザー】☆7 闇 幻竜 ②
ATK/2600
ーーー
「さらに【ブースト・ウォリアー】を召喚! 【ショウフク】の効果発動! 自分の場のカード1枚を破壊し、墓地からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する。俺は【ブースト・ウォリアー】を破壊し、墓地から【光竜星ーりフン】を特殊召喚!」
ーーー
【光竜星ーリフン】☆4 光 幻竜 ④ チューナー
ATK/0
ーーー
「そして、【邪竜星ーガイザー】の効果発動! 自分の場の"竜星"カードと相手の場のカード1枚を選択して破壊する! 俺の【リフン】とお前の伏せカードを破壊する! "ローグ・ディストラクション!"」
「私の【スケープ・ゴート】が破壊される」
あのカードは場にトークンモンスターを4体生成するカード。
一気に壁を並べられるカードではあるが、あのカードはいつでも発動できるはずだ。
なぜ使ってこなかったのだろう……?
「【リフン】が破壊されたことで効果発動。デッキから【闇竜星ージョクト】を守備表示で特殊召喚!」
ーーー
【闇竜星ージョクト】☆2 闇 幻竜 ④ チューナー
DEF/2000
ーーー
「バトル! 【ショウフク】でセットモンスターに攻撃! "ホーリー・ジャッジメント!"」
白き光線がセットモンスターに向かって放たれる。
しかし、そのモンスターが破壊されると同時にやつの場には亡霊のようなモンスターが大量に出現した。
これは一体……。
「私のモンスターは【スケープ・ゴースト】。このカードがリバースした時、場に【黒羊トークン】を可能な限り特殊召喚できる。ふふふ……」
ーーー
【黒羊トークン】☆1 闇 アンデット ①と②と④と⑤
DEF/0
ーーー
4体ものモンスターが増えてしまった……。これではこのターンはライフを削ることはできない。
「【ガイザー】、【コラプサーペント】。それぞれ【黒羊トークン】を攻撃!」
3体の強力な攻撃を受け、【黒羊トークン】は残り2体となる。
次のターンこそは……!
「俺はターンエンドだ」
繋吾 手札1 LP2300
ーー罠ーー
ーシモモー
シ ー
ーーーモモフ
ーーー魔ー
テロリスト 手札0 LP1900
「私のターン、ドロー! これはいいカードだ。私はカードを1枚伏せてターンエンド」
くそ! きっと時間稼ぎをするようなカードを引いたに違いない。
とっとと破壊してこのデュエルを終わらせる!
「俺のターン、ドロー! 【ガイザー】の効果で俺の場の【ジョクト】とその伏せカードを破壊する! "ローグ・ディストラクション!"」
「ならばチェーンして罠カード発動! 【和睦の使者】! これでこのターン私のモンスターは破壊されず、戦闘ダメージも受けない!」
「くそっ……! これではまた攻撃が……」
これではもうこのターンあいつに戦闘ダメージを与えることはできない……。
どうするか考えていると俺のデュエルウェポンから救難信号の連絡が鳴り響いた。
信号の場所は今の場所から数十メートル……まさか結衣か!
これは早くしないと取り返しのつかないことに……。
どうする……戦闘ダメージ以外でやつのライフを削る方法は……!
ダメだ。俺のデッキには効果ダメージを与えるカードなんてあまり入っていない。
やつの防御が崩れるまで攻め続けるしかないのか……。
いや待てよ……。奴の手札は0枚。新たなる防御カードさえなんとかすれば今のフィールドの状況では守りきることはできないはずだ。
それならば……俺にはまだ次のターンに確実に突破する方法が残されている!
「ふふふ……。さぁさぁまだまだデュエルは始まったばかりだ。じっくり付き合ってもらうぞ?」
「いや、残念だが俺はもう飽きてしまった。次のターンで正真正銘の最後だ」
「なにを言っている? 私のデッキは半分以上が防御カードの時間稼ぎ用デッキ。そう簡単にはデュエルは終わらない」
「それはどうかな! まずは【ジョクト】が破壊されたことでデッキから【光竜星ーリフン】を特殊召喚! そして来てくれ、心を繋ぐサーキット! 俺は【ショウフク】と【ガイザー】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! 無垢なる剣、【コード・トーカー】!」
ーーー
【コード・トーカー】リンク2 闇 サイバース ②
ATK/1300
ーーー
「そして魔法カード【竜星の軌跡】を発動! 墓地の【ショウフク】、【ガイザー】、【ボウテンコウ】の3体をデッキに戻し、新たにカードを2枚ドローする! そして、レベル4の【コラプサーペント】にレベル1の【リフン】をチューニング! シンクロ召喚! 再び来い【源竜星ーボウテンコウ】!」
ーーー
【源竜星ーボウテンコウ】☆5 光 幻竜 ②
DEF/2800
ーーー
「【ボウテンコウ】の効果で、デッキから【竜星の九支】を手札に加える! さらに【コラプサーペント】の効果でデッキから【輝白竜ワイバースター】を手札に加えた後にカードを2枚伏せてターンエンドだ」
繋吾 手札3 LP2300
ー裏罠裏ー
ーーーシー
ー リ
ーーーモモフ
ーーー魔ー
テロリスト 手札0 LP1900
「私のターン、ドロー! 魔法カード【一時休戦】を発動! このカードの効果にーー」
「これ以上お前に時間稼ぎはさせない! カウンター罠【竜星の九支】発動! 相手のカードの発動を無効にし、そのカードをデッキに戻す! これで終わりだ!」
「馬鹿な! これでは時間稼ぎが……!」
「その後、俺の場の竜星カード【ボウテンコウ】を破壊する。さぁとっととターンエンドしろ」
「うぐぐ……ターンエンドだ」
よし、これで最後のターンだ!
引導を渡してやる!
「俺のターン、ドロー! 墓地から【暗黒竜コラプサーペント】を除外し、手札から【輝白竜ワイバースター】を特殊召喚! そして、【ナイトドラゴリッチ】を通常召喚。そして、この2体をリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク2。【ペンテスタッグ】!」
ーーー
【ペンテスタッグ】リンク2 闇 サイバース ④
ATK/1600
ーーー
「【ペンテスタッグ】がいる限り、場のリンク状態のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が上回っていれば貫通ダメージを与える!」
「なんだと……!?」
「バトルだ、【コード・トーカー】で【黒羊トークン】を攻撃! 【コード・トーカー】のリンク先にはお前の【黒羊トークン】と【ペンテスタッグ】が存在している。したがって、攻撃力は1000ポイントアップ! 終わりだ! "イノセント・スラッシュ!"」
【コード・トーカー】
ATK/1300→2300
【黒羊トークン】
DEF/0
【コード・トーカー】は赤色のオーラのようなものを纏った純白の剣を構え、素早く【黒羊トークン】へと接近すると、大きく跳躍しながらその体を引き裂いた。
その引き裂く際に大きな衝撃波が発生し、同時にテロリストへと襲いかかる。
「へへへ……これでも時間稼ぎは十分だ……ぐおわあああ!」
テロリスト LP1900→LP0
少し時間がかかってしまったが、勝つことができた。
それにしても時間稼ぎのためにデュエルを使うなんてとんでもないやつだな。
攻めてこない分逆にトドメもさしづらいといったところか。
さて、のんびりしている暇はない。救難信号が出ているということは一刻を争う状況に違いない。
俺はデュエルウェポンを構え直し、奥の部屋へと走った。
頼むから生きていてくれよ……結衣……!