遊戯王Connect   作:ハシン

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Ep61 - 衝突する情報と経験 前編

桂希 手札5 LP4000

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斉場 手札5 LP4000

 

「先攻はいただこう、私のターン!」

 

先攻は桂希。あいつが味方になってくれるのならこれほどまでに頼りになるやつはいないだろう。

なんといっても決闘機動部でもトップクラスの実力者だ。

 

しかし、相手はSFSきっての精鋭部隊、司令直属班の副班長を務める人物。

デュエルレベルは計り知れない。このデュエル、どのような展開になるのか……。

 

俺の処遇が関わっているとはいえ、そのハイレベルな対戦カードに俺は少しだけ興奮していた。

 

「決闘機動班の切り札……なんて呼ばれてるみたいだけど慢心しないことね。あなたのレベルなんて司令直属班からしてみれば大したことないわ」

 

「ふっ、言ってくれるな。ならばその目に見せてやろう……私のデュエルを! 手札より【サイバー・ドラゴン・コア】を召喚!」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン・コア】☆2 光 機械 ③

ATK/400

ーーー

 

「このカードが召喚に成功した時、デッキから"サイバー"もしくは"サイバネティック"と名のついた魔法・罠カードを手札に加えることができる。この効果により、【サイバネティック・レヴォリューション】を手札に加える。私はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ」

 

桂希 手札3 LP4000

ー裏裏ーー

ーーモーー

 ー ー 

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斉場 LP4000

 

桂希は場に下級モンスターを呼び出したのみで大きくは動いていない。

慎重になっているのかそれともあの伏せカードに狙いがあるのか。先ほど一枚の罠カードを加えていたあたり伏せカードに何かありそうだ。

 

「では、私のターンね。ドロー。魔法カード【封印の黄金櫃】を発動、デッキからカードを1枚除外し、2ターン後のスタンバイフェイズ時に手札に加える。私はデッキの【ドットスケーパー】を除外するわ」

 

「ご丁寧にキーカードのサーチか」

 

「ふふ、甘いわね。私は2ターンも待っていられるほど悠長なデュエルなんてしないわ。あなたを倒すのにそんなにターンはいらない! この【ドットスケーパー】は除外された時、場に特殊召喚できる! 来なさい、【ドット・ケーパー】!」

 

ーーー

【ドットスケーパー】☆1 地 サイバース ③

DEF/2100

ーーー

 

なるほど。モンスター効果を駆使してデッキから直接呼び出してくるとは。

だが、場にモンスターが1体増えただけだ。斉場の狙いはまだわからない。

 

「来なさい、栄光を導くサーキット! 私は【ドットスケーパー】1体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク1【リンク・ディサイプル】!」

 

ーーー

【リンク・ディサイプル】リンク1 光 サイバース ② 下

ATK/500

ーーー

 

「さらに手札より【レディ・デバッガー】を召喚。このカードが召喚に成功した時、デッキからレベル3以下の"サイバース族"モンスターを手札に加えることができる。私は【プロフィビット・スネーク】を手札に加える。そして、再び来なさい。栄光を導くサーキット! 私は【レディ・デバッガー】1体をリンクマーカーにセット。リンク召喚! リンク1【リンク・ディヴォーティー】!」

 

ーーー

【リンク・ディヴォーティー】リンク1 地 サイバース ④ 上

ATK/500

ーーー

 

リンク1のモンスターが2体。それぞれの攻撃力は低いが……。一体どんな効果が……。

気になるのは2体のモンスターが"相互リンク"していることだ。それぞれのリンクマーカーが向き合っている。

 

「相互リンクが狙いか?」

 

「ええ。だけどこれは始まりに過ぎないわ。【リンク・ディサイプル】の効果を発動。リンク先のモンスター1体をリリースして、デッキからカードを1枚ドロー、そしてその後1枚をデッキの一番下に戻す。しかし、この瞬間【リンク・ディヴォーティー】の効果が発動。相互リンクしているこのカードがリリースされた場合、私の場に【リンクトークン】2体を守備表示で特殊召喚するわ」

 

ーーー

【リンクトークン】☆1 光 サイバース ③と④

DEF/0

ーーー

 

手札の調整を行いつつ、場のモンスターを増やしてきたか。

無駄のない動きだ。なんというか"デキる女"って感じのイメージを受ける。

 

「さらに行くわよ? 私は【リンクトークン】1体と【リンク・ディサイプル】をリンクマーカーにセット。リンク召喚! リンク2【サイバース・ウィッチ】! そしてさらに、【リンクトークン】1体をリンクマーカーにセット。リンク1【リンク・スパイダー】!」

 

ーーー

【サイバース・ウィッチ】リンク2 闇 サイバース ② 左下 下

ATK/800

ーーー

【リンク・スパイダー】リンク1 地 サイバース ④ 下

ーーー

 

「そして、【サイバース・ウィッチ】の効果を発動! このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地から魔法カード【封印の黄金櫃】を除外して、デッキから儀式魔法【サイバネット・リチューアル】と儀式モンスター1体を手札に加えることができるわ。私は【嵐竜の聖騎士】を手札に加える」

 

「儀式……だと?」

 

儀式モンスターは儀式魔法を使用することで手札から特殊召喚のできるモンスターだ。

その場合、場か手札より儀式モンスターのレベル分リリースが必要となることから、召喚するには大きな代償が必要であり、他の召喚法より専用にデッキ組まなければ召喚すらできないほど難しい召喚法だ。

しかし、その難しさを感じさせないほどにリンクモンスターを駆使してスムーズに儀式の準備を行っている。

これは桂希のやつも想定外だろう……。

 

「あら? そんなに驚くこと? やはり大したことないようね。【サイバース・ウィッチ】の更なる効果を発動するわ! この効果を使用したターン、墓地からレベル4以下の"サイバース族”モンスターを特殊召喚できる。来なさい、【レディ・デバッガー】!」

 

ーーー

【レディ・デバッガー】☆4 光 サイバース ③

ATK/1700

ーーー

 

「そして、儀式魔法【サイバネット・リチューアル】を発動! 召喚対象は手札の【嵐竜の聖騎士】。私は場の【レディ・デバッガー】をリリース! "吹き荒ぶ電子の波を貫き、勝利への光を導きなさい! 儀式召喚! 【嵐竜の聖騎士】!"」

 

ーーー

【嵐竜の聖騎士】☆4 光 サイバース ③

ATK/1900

ーーー

 

白き小さなドラゴンに乗った聖騎士が出現する。

見たところ攻撃力は下級モンスター程度だが……。そこまで脅威には見えない。

 

「そこまでした出した以上何か効果があるんだろう? その攻撃力じゃ大したことはない」

 

「当たり前じゃない。【嵐竜の聖騎士】の効果を発動! このカードをリリースして、デッキからレベル5以上の"サイバース族"モンスターを特殊召喚できる! 来なさい、二色に煌く電光迸る力! 【デュアル・アセンブルム】!」

 

ーーー

【デュアル・アセンブルム】☆8 闇 サイバース ③

ATK/2800

ーーー

 

体の中心を境に赤と青に光る機械仕掛けのような龍型モンスターが出現した。

攻撃力も2800ある。エースモンスターと呼ぶには相応しい能力だ。

 

「なるほどな。そいつが本命か」

 

「ええ、あなたのモンスター程度ならこのカードで致命傷を与えることができる。受けてもらうわよ? 桂希 楼! バトルフェイズ、【デュアル・アセンブルム】で【サイバー・ドラゴン・コア】を攻撃! "エレクトリック・デュアルフォース!"」

 

異なる二色の翼より赤と青の光線が放たれる。

その交わり合いながら放たれる光景はまるでイルミネーションのように綺麗だ。

 

「リバースカードオープン! 【サイバネティック・レボリューション】! 場の【サイバー・ドラゴン】をリリースして、EXデッキから"サイバー・ドラゴン"を素材とする融合モンスター1体を特殊召喚する! いでよ……【サイバー・エンド・ドラゴン】!」

 

ーーー

【サイバー・エンド・ドラゴン】☆10 光 機械 ①

ATK/4000

ーーー

 

突如大きな三つ首の巨大な機械龍が現れる。

あれが……桂希の使う【サイバー・ドラゴン】の融合体か……。まさか罠カードで瞬時に呼び出すとは。

 

「くっ……とんでもないカードを使うわね……。だけど、その程度では私の攻撃を止められないわ」

 

「ほう? 現状のモンスターで私の【サイバー・エンド・ドラゴン】を倒せるということか」

 

「ふふ……あなたのデッキごときじゃ私のタクティクスを上回ることはできないってことよ! 【デュアル・アセンブルム】の攻撃はキャンセル。【サイバース・ウィッチ】、【サイバー・エンド・ドラゴン】を攻撃しなさい!」

 

【サイバース・ウィッチ】は【サイバー・エンド・ドラゴン】に向かって自らの手に持つ杖を振りかざし、光線を放つ。

攻撃力の差は3200。まともにくらえば斉場は大ダメージを受けることになるが……。

 

「迎え撃て、"エターナル・エヴォリューションバースト!"」

 

「無駄よ! 手札から【プロフィビット・スネーク】の効果を発動するわ! 私の場のリンクモンスターが相手モンスターを戦闘を行う時、このカードを墓地へ送ることで戦闘を行う相手モンスターを手札に戻す!」

 

「くっ……なかなかやるな。斉場副班長」

 

たった1枚のカードで切り札級の攻撃力を誇る【サイバー・エンド・ドラゴン】を処理してしまった。

彼女はおそらく……桂希のことも知り尽くしているのだろう。俺と戦った闇目さんのように。

だからこそ【プロフィビット・スネーク】をあらかじめ手札に呼び込んできていた……。情報ってやつは恐ろしいな本当に。

 

「さらに【リンク・スパイダー】でダイレクトアタック! "サイバー・スレッド!"」

 

続けて、稲妻を纏った糸が放たれ、桂希に襲いかかる。

 

「くっ、軽いものだ……」

 

【リンク・スパイダー】

ATK/1000

 

桂希 LP4000→LP3000

 

「このくらいなんて序の口よ? まぁせいぜい楽しませてもらおうかしら。桂希 楼! 私はカードを2枚伏せてターンエンドよ」

 

桂希 手札3 LP3000

ー裏ーーー

ーーーーー

 ー リ 

ーーモリー

裏裏ーーー

斉場 手札2 LP4000

 

まだ桂希は本気を出していないように見える。斉場の場がまだ整っていないうちに大打撃を決めてほしいところだな……。

 

「……実に司令直属班らしい戦い方だな」

 

「なに? 私の完璧なデュエルにケチつける気かしら?」

 

「いや、あなたのデュエルは"ある意味"での完成形だとは思う。まるで計算しつくされたような無駄のない綺麗な動き。だが……」

 

「なによ。言いたいことがあるのならはっきり言いなさい!」

 

「ふっ、頭で思い描いただけのデュエルなど、戦場では通用しないということをな! 私のターン、ドロー!」

 

桂希はそう大きく叫ぶと、力強くデッキからドローした。

たしかに俺も昨日の闇目さんとのデュエルで同じようなことは感じていた。

 

司令直属班の人たちは、高レベルのデッキに見事なデュエルタクティクスをもっている。

しかし、それは全て頭の中で思い描いた中での話。

外での実戦経験が薄いことから来ているんだろうが、想定外の出来事……に弱いと感じる。

 

それは情報からくる慢心か。

ジェネシスとの戦いにおいては、情報を得ることは重要と学んでいたが、あまり過信しすぎるのもよくないのかもしれない。

 

「相手の場にのみモンスターが居る場合、墓地から【サイバー・ドラゴン・コア】を除外することで効果を発動! デッキから【サイバー・ドラゴン】を特殊召喚する! さらに、手札より【ライティ・ドライバー】を召喚! このカードの効果により、デッキから【レフティ・ドライバー】を特殊召喚!」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン】☆5 光 機械 ③

ATK/2100

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【ライティ・ドライバー】☆1 地 機械 ④ チューナー

ATK/100

ーーー

【レフティ・ドライバー】☆2 地 機械 ⑤

ATK/300

ーーー

 

「ふふふ……かかってきなさい。融合でもシンクロでもエクシーズでもリンクでも! あなたが全ての召喚法を扱うのはわかっているわ」

 

「ほう、悪趣味なやつだ。なら容赦なく行かせてもらおう! 私はレベル5の【サイバー・ドラゴン】とレベル2の【レフティ・ドライバー】にレベル1の【ライティ・ドライバー】をチューニング! "天空に煌く光の結晶! 今こそ輝きて未来への道を切り開け! シンクロ召喚! いでよ、我が意志を導く光の使者! 【ロード・ウォリアー】!"」

 

ーーー

【ロード・ウォリアー】☆8 光 戦士 ①

ATK/3000

ーーー

 

黄金の鎧に身を包む高貴なる騎士型モンスター。

桂希のエースモンスター【ロード・ウォリアー】だ。

あのカードにはデッキからレベル2以下の戦士か機械族モンスターを呼び出す効果がある。

いくらでもこの先の展開に繋げることができる……まさに桂希にとって"道"を作り出すモンスターといっても過言ではない。

 

「きたわね……だけど消えてもらおうかしら。リバースカードオープン。速攻魔法【サイバネット・クロスワイプ】を発動! 場の【リンク・スパイダー】をリリースすることで、あなたの【ロード・ウォリアー】を破壊させてもらうわ!」

 

【リンク・スパイダー】が球体となり、【ロード・ウォリアー】へ激突すると、たちまち破壊されてしまった。

 

「くっ、だが甘い! トラップカード、【リビングデッドの呼び声】を発動! 蘇れ! 【ロード・ウォリアー】!」

 

ーーー

【ロード・ウォリアー】☆8 光 戦士 ③

ATK/3000

ーーー

 

「よほどそのモンスターで戦いたいみたいね。いいわ、許してあげる」

 

「では、お言葉に甘えさせてもらおう。【ロード・ウォリアー】の効果発動! デッキからレベル2以下の戦士または機械族モンスターを特殊召喚できる。"トライス・サモン!" 来い、【D・クリーナン】!」

 

ーーー

【D・クリーナン】☆1 風 機械 ④

DEF/0

ーーー

 

「【D・クリーナン】の効果発動。1ターンに1度、相手の攻撃表示モンスターをこのカードの装備カードとして装備する! 吸収しろ、【デュアル・アセンブルム】!」

 

「小さい癖に厄介なカードだわ……」

 

「これでお前の場はガラ空き同然、バトルだ! 【ロード・ウォリアー】で【サイバース・ウィッチ】を攻撃! "アブソリュート・ホーリーレイ!"」

 

【ロード・ウォリアー】は両手を合わせ力を込め始める。

すると徐々に光の球体のようなものが出来上がり、それを【サイバース・ウィッチ】に向かって解き放った。

 

「この程度は想定の範囲内よ。速攻魔法【セキュリティ・ブロック】を発動するわ! 私の場の"サイバース族"モンスター1体は戦闘では破壊されず、このターン受ける戦闘ダメージも0となる!」

 

これで斉場の場の【サイバース・ウィッチ】は戦闘破壊されず、戦闘ダメージも0となった。

したがって、まだお互いのライフポイントは大きく動いてはいない。

 

なんというか……すごい緊張感があるデュエルだな……頼むぞ……桂希……!

 

「そうでもしてくれなければ張り合いがないってものだ。安心したぞ斉場副班長。私はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

桂希 手札2 LP3000

ー罠裏裏モ

ーーシモー

 ー リ 

ーーーーー

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斉場 手札2 LP4000

 

お互いに少しずつではあるが、カードは消耗し始めている。

このバランスが崩れた時、その勝負は決まるだろう……。

 

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