遊戯王Connect   作:ハシン

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前回の前編において、斉場の【リンク・スパイダー】でのダイレクトアタック描写が抜けておりましたので追記いたしました。
したがって、LPに変動がございますのでよろしくお願いいたします。


Ep62 - 衝突する情報と経験 後編

桂希 手札2 LP3000

ー罠裏裏モ

ーーシモー

 ー リ 

ーーーーー

ーーーーー

斉場 手札2 LP4000

 

「私にダメージすら与えられていないというのに強気ね? そろそろ叩き潰してあげる。私のターン、ドロー! 【サイバース・ガジェット】を召喚。このカードが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚できるわ。私は【ドットスケーパー】を特殊召喚」

 

ーーー

【サイバース・ガジェット】☆4 光 サイバース ③

ATK/1400

ーーー

【ドットスケーパー】☆1 地 サイバース ④

DEF/2100

ーーー

 

「再び来なさい、栄光を導くサーキット! 私は【サイバース・ウィッチ】と【サイバース・ガジェット】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚! まずはあなたよ、【トランスコード・トーカー】!」

 

ーーー

【トランスコード・トーカー】リンク3 地 サイバース ②

ATK/2300 上 右 下

ーーー

 

あれは俺も使っている【コード・トーカー】や【エンコード・トーカー】とかと同じ仲間のリンクモンスターだ。

何種類かあるとは聞いていたが、実際に見るのは初めてだ。どんな効果を持っているんだろう。

 

「そして、墓地へ送られた【サイバース・ガジェット】の効果で私の場に【ガジェット・トークン】1体を守備表示で特殊召喚する。さらに、【トランスコード・トーカー】の効果を発動するわ! 墓地からリンク3以下のサイバース族モンスターを特殊召喚できる! 再び来なさい、【サイバース・ウィッチ】」

 

ーーー

【ガジェット・トークン】☆2 光 サイバース ③

DEF/0

ーーー

【サイバース・ウィッチ】リンク2 闇 サイバース ②

ATK/800 下 左下

ーーー

 

「さらに私は【サイバース・ウィッチ】と【ドットスケーパー】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! 次はあなたよ【シューティングコード・トーカー】!」

 

ーーー

【シューティングコード・トーカー】リンク3 水 サイバース ④

ATK/2300 上 左 下

ーーー

 

「墓地へ送られた【ドットスケーパー】の更なる効果で、このカードを墓地から特殊召喚できるわ!」

 

ーーー

【ドットスケーパー】☆1 地 サイバース ②

DEF/2100

ーーー

 

リンク召喚しながらもどんどんモンスターが増えていく……。なんて展開力なんだあのサイバース族のデッキは。

この調子だとまだリンク召喚できそうだ。

 

「何も発動してこないわね? その伏せカードはブラフかしら?」

 

「どうだろうな。現状お前のモンスターは私の【ロード・ウォリアー】の攻撃力を下回っている。発動する必要性がないって考えもあるだろう?」

 

「確かにそうね。だけどマストカウンターを見極められないようじゃ甘いわよ桂希 楼! 既に私の布陣は整いつつある!」

 

「ほう……? 既に勝利できる状況であると?」

 

「ええ。あなたに対抗する手段がなければ……ね?」

 

おいおい……まじかよ。

桂希のことだ。このまま何もなしに負ける……とは思えないけど、もし桂希の目論見を上回る対策が斉場副班長にあったとしたら……?

桂希のデッキを知り尽くしているんだろうし少し不安はある。

 

「お前が私の何を知っているのかはわからないが、私の情報を少し得たところで全てを知った気になるなど浅はかだな。斉場」

 

「戦いというのは情報の多さが勝敗を決める。そこまで言うのなら……私に勝ってみなさい! 桂希 楼! 私は手札から【マイクロ・コーダー】の効果を発動するわ! このカードは手札のこのカードと場のモンスターをあわせてリンク召喚ができる!」

 

「手札からリンク素材にだと……? ふっ、なるほど。おもしろい真似をしてくれる」

 

斉場副班長のデッキはよほどリンク召喚に特化されたデッキみたいだな……。まさかそんなリンク召喚の方法があったとは。

まだまだ世界は広いなと感じる。状況が状況だけどやはりハイレベルのデュエルは見ていてためになるな。

 

「いくわよ! 私は場の【ガジェット・トークン】と【ドットスケーパー】と手札の【マイクロ・コーダー】の3体をリンクマーカーにセット! サーキット、コンバイン! リンク召喚、三体目のトーカー! 【エクスコード・トーカー】!」

 

ーーー

【エクスコード・トーカー】リンク3 風 サイバース ③

ATK/2300 左 上 右

ーーー

 

俺の知らない"コード・トーカー"モンスターがこれで3体。

1ターンでリンク3のモンスターを3体も展開してくるとは……。なかなかのものだろう。

 

「これが私のサイバース・デッキの布陣といったところかしら? 今からその真価を味わってもらうわよ……?」

 

「いいだろう……。その連携された力がどの程度のものか見させてもらおう!」

 

「ふふっ、まずはリンク素材になった【マイクロ・コーダー】の効果でデッキから"サイバネット"と名のついた魔法または罠カードを手札に加える。私は【サイバネット・コンフリクト】を手札に加えるわ」

 

斉場副班長が手札を増やした後、3体のコード・トーカーモンスター達にオーラのようなものが纏い始めた。

 

「くっ……」

 

「今更遅いわ。まず【トランスコード・トーカー】の効果! このカードとこのカードと相互リンクしているモンスターは攻撃力が500ポイントアップし、カードの効果の対象にならない!」

 

【トランスコード・トーカー】

ATK/2300→2800

【シューティングコード・トーカー】

ATK/2300→2800

 

「続けて、【エクスコード・トーカー】の効果! このカードのリンク先のモンスターは攻撃力が500ポイントアップし、カードの効果によっては破壊されなくなるわ」

 

【シューティングコード・トーカー】

ATK/2800→3300

 

「そして、最後よ! 【シューティングコード・トーカー】はリンク先のモンスターの数+1回、相手モンスターへの攻撃ができる!」

 

「つまり……【シューティングコード・トーカー】はカードの効果で破壊されず、カードの効果の対象にもならない上に攻撃力が1000ポイントアップし、モンスターへ3回攻撃できるということか」

 

「ええ。物分りが早くて助かるわ。覚悟しなさい、バトル!」

 

桂希がまとめてくれたが、とんでもないことになっているぞ……。

防御手段がなければいくらライフポイントが3000あるとはいえこのターンで負けてしまう。

 

「【シューティングコード・トーカー】で【ロード・ウォリアー】を攻撃! "スプラッシュ・アロー!"」

 

【シューティングコード・トーカー】

ATK/3300

【ロード・ウォリアー】

ATK/3000

 

水しぶきを纏った矢が放たれ【ロード・ウォリアー】へと迫っていく。

しかし、その様子を見た桂希は表情をにやつかせていた。

 

「その程度の耐性をつけただけで、勝利を得たと思うのならお前こそ慢心が過ぎるぞ。斉場」

 

「なんですって?」

 

「永続トラップ! 【ディメンション・ゲート】を発動! 【ロード・ウォリアー】を対象にし、そのモンスターをゲームから除外する!」

 

エースカードを自ら逃がし、破壊を免れたか。

だけどこれでは攻撃を防げたわけではない。どうするつもりなのだろうか……。

 

「ふふっ、そこまでそのモンスターが大事ってわけね……。だけど私の攻撃の手が緩んだわけではないわ。それなら攻撃対象を【D・クリーナン】に変更。行きなさい! "スプラッシュ・アロー!"」

 

「くっ……」

 

水しぶきを纏った矢が【D・クリーナン】の体部分に命中すると同時に爆発し消滅する。

 

「私のサイバース族モンスターが相手モンスターを破壊した時、墓地の【プロフィビット・スネーク】の効果を発動するわ! 墓地の【封印の黄金櫃】を除外して、このカードを手札に戻す。これであなたがどんなモンスターを出そうと問答無用に手札に戻すことができるってこと……」

 

あれはサイバース族のリンクモンスターが戦闘を行うときに使える戦闘補助カード……。

あれが手札にある以上、桂希は攻め手も考えなきゃいけなくなった。まずいな……。

 

「モンスターにしか連続攻撃のできない【シューティングコード・トーカー】はもう攻撃ができない。だけど、まだ2体のコード・トーカーが私の場にいる。その伏せカードで防げるものなら防いでみなさい!」

 

「まったくお前はよく喋るな。余計な雑談はお前の好きな情報を漏らすことになるぞ」

 

「負け惜しみかしら? カッコ悪いわよそういうの。【トランスコード・トーカー】でダイレクトアタック! "ディトネイト・キャノン!"」

 

【トランスコード・トーカー】が装備している大きな長銃より鈍く光る銃弾が発射される。

 

【トランスコード・トーカー】

ATK/2800

 

桂希の様子を見ると伏せカードを発動させる様子は見受けられない。

ということは直撃か……?! まさか守る手段がないとか……。

いや、だが【ディメンション・ゲート】の効果を使えば相手に【プロフィビット・スネーク】の効果を使われたとしてもこのターンは耐え切ることができるはずだ。代償として【ロード・ウォリアー】は失うこととなるが……。それを使ってこない桂希は何を考えているのだろう。

 

やがて銃弾が衝突したような大きな音が鳴り、俺は思わず目を塞ぐ。

 

そして恐る恐る目を開けるとそこにはライフポイントが一切減っていない桂希の姿があった。

 

「なぜ……? あっ……。そういうことね……」

 

斉場の目線の先には一つの小さなかかしのようなものが立っており、その顔面には先ほどの銃弾が被弾したであろう銃痕が残されていた。

 

「私は手札の【速攻のかかし】の効果を発動した。相手がダイレクトアタックをしてきた時、このカードを捨てることで、バトルフェイズを終了させる」

 

「くっ……。なかなかしぶといわね……」

 

「伏せカードにばかり気を取られるとは甘いな」

 

「少し防いだだけで調子に乗らないでくれるかしら? バトルフェイズ終了時、【シューティングコード・トーカー】の効果で戦闘破壊したモンスター1体につき1枚ドローできる。私はカードを2枚伏せてターンエンドよ」

 

桂希 手札1 LP3000

ー罠裏罠ー

ーーーーー

 ー リ 

ーーリリー

ー裏ー裏ー

斉場 手札2 LP4000

 

ダメージを受けずになんとかターンが回ってきたが、相互リンクで強固な力を得ているあの布陣を桂希はどのようにして攻略するつもりだろう……?

あいつを信じて今は見守るしかない……。

 

「私のターン、ドロー! まずは墓地から【レフティ・ドライバー】を除外し、その効果でデッキから【ライティ・ドライバー】を手札に加える。さらにリバースカードオープン。【マジック・プランター】を発動! 場の永続罠カードを墓地へ送ることでデッキからカードを2枚ドローできる」

 

あの桂希の伏せカード……魔法カードだったのか……。

ブラフを伏せていたとは。

 

おそらく……斉場が情報を過信して戦うデュエリストだと思い、伏せカードで翻弄しようとしていたのかもしれない。

だが、それ以上に伏せカードを使われても大丈夫なくらい耐性をつけて攻撃してきたのが斉場のやり方だったみたいだが。

 

「なるほど……。この状況で私よりカードアドバンテージを稼がれるのは好ましくないわね……。デュエルはカードの枚数を制すものが制す。基本中の基本よね?」

 

「否定はしない。カードの質というものを考慮しなければそうなるだろう」

 

「質なんて全てが最高レベルに決まっているじゃない。私たち司令直属班はね? カウンター罠【サイバネット・コンフリクト】を発動するわ! 相手が発動したカード効果を無効にし、ゲームから除外する! あなたにドローはさせないわよ?」

 

「そう来ると思っていたぞ。私の狙いはドローすることではない」

 

「なんですって……?」

 

しばらくすると桂希のフィールドに【ロード・ウォリアー】が出現する。

 

ーーー

【ロード・ウォリアー】☆8 光 戦士 ③

ATK/3000

ーーー

 

「【マジック・プランター】を発動する際のコストとして私は【ディメンション・ゲート】を墓地へ送った。それさえ使えれば十分だ」

 

「くっ……。いちいちムカつくやり方してくるわね……桂希 楼……」

 

「ふっ。では【ロード・ウォリアー】の効果を発動! デッキより【サイバー・ドラゴン・ヘルツ】を特殊召喚! そして、手札より【ライティ・ドライバー】を召喚し、効果によってデッキから【レフティ・ドライバー】を特殊召喚させる」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン・ヘルツ】☆1 光 機械 ②

DEF/100

ーーー

【ライティ・ドライバー】☆1 地 機械 ④ チューナー

ATK/100

ーーー

【レフティ・ドライバー】☆2 地 機械 ⑤

ATK/300

ーーー

 

「そして現れよ! 我が信念を貫くサーキット! 私は【サイバー・ドラゴン・ヘルツ】と【ライティ・ドライバー】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク2【サイバー・ドラゴン・ズィーガー】!」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン・ズィーガー】リンク2 光 機械 ①

ATK/2100

ーーー

 

「さらに、墓地へ送られた【サイバー・ドラゴン・ヘルツ】の効果発動! デッキから【サイバー・ドラゴン】1体を手札に加える。ではバトルだ! 【ズィーガー】の効果を発動し、自身の攻撃力を2倍にする! 【トランスコード・トーカー】を攻撃! "ヴィクトリア・エヴォリューション・バースト!"」

 

【サイバー・ドラゴン・ズィーガー】

ATK/2100+2100=4200

【トランスコード・トーカー】

ATK/2800

 

「まずは耐性を剥がしにきたってところかしら。ならばこれを使おうかしら。トラップ発動、【リコーデッド・アライブ】! 場の【トランスコード・トーカー】を除外して、EXデッキから"コード・トーカー"モンスターを特殊召喚するわ。私は【エンコード・トーカー】を特殊召喚!」

 

ーーー

【エンコード・トーカー】リンク3 光 サイバース ②

ATK/2300

ーーー

 

あれは俺もよく使っているやつだ。

リンク先のモンスターを戦闘破壊から守り、反撃可能な強力な攻撃力を与えるカード。

つまりこの状況であれば、真っ先のあのカードを倒さないと、返しのターンで反撃を食らう可能性が高い。

 

「なるほどな。いいだろう、ならば【エンコード・トーカー】を攻撃だ!」

 

「くっ……いいわ。だけど、【ズィーガー】のデメリットで私はダメージを受けない」

 

「ああ、そのとおりだ……」

 

桂希は突如自らの手札を見ながら考え始めた。

あいつの手札は今3枚。そのうち1枚は【サイバー・ドラゴン】だ。

 

そして、残りの【ロード・ウォリアー】で攻撃をしかければ間違いなく【プロフィビット・スネーク】の効果が発動され、【ロード・ウォリアー】はEXデッキへと戻されてしまうだろう。

 

その展開を予想しての判断を決めかねているのだろうか……。

 

「ふふっ、詰み……かしら? 口では強がっていても所詮はその程度ということよ? よくわかったかしら桂希副班長」

 

「勝手にこの私が詰んでいるなどと勘違いされては困るな。ここでバトルを終了だ。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

桂希 手札1 LP3000

ー罠ー裏裏

ーーシモー

 リ ー 

ーーリリー

ーーーーー

斉場 手札2 LP4000

 

「じゃあ見せてもらおうかしら? あなたの逆転の布石であるその伏せカードをね? 私のターン、ドロー! まずは墓地の【リコーデッド・アライブ】の効果を発動するわ。墓地からこのカードを除外して、除外されている【トランスコード・トーカー】を私の場に呼び戻すわ」

 

ーーー

【トランスコード・トーカー】リンク3 地 サイバース ②

ATK/2300

ーーー

 

「そして、手札の【SIMダブラス】の効果を発動! 墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター……【サイバース・ガジェット】を手札に戻すことで、手札のこのカードをリンクモンスターのリンク先に特殊召喚できる。さらに【サイバース・ガジェット】を召喚。この子の効果で墓地より【ドット・スケーパー】を特殊召喚させるわ」

 

ーーー

【SIMダブラス】☆5 闇 サイバース ③

DEF/1800

ーーー

【サイバース・ガジェット】☆4 光 サイバース ①

ATK/1400

ーーー

【ドット・スケーパー】☆1 地 サイバース ⑤

DEF/2100

ーーー

 

また始まったぞ……。モンスターの大量展開。

次は何が出てくるんだ……。

 

「さぁ来なさい、栄光を導くサーキット! 私は【SIMダブラス】と【サイバース・ガジェット】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク2【セキュリティ・ドラゴン】!」

 

ーーー

【セキュリティ・ドラゴン】リンク2 光 サイバース ②

ATK/1100 上 下

ーーー

 

あれも俺が使ってるカードだ。相互リンクであれば相手モンスター1体を問答無用で手札に戻せる強力な効果を持っている。

現在の位置だと……【シューティングコード・トーカー】と相互リンクか。

 

「まずは【サイバース・ガジェット】の効果で私の場に【ガジェット・トークン】を特殊召喚するわ」

 

ーーー

【ガジェット・トークン】☆2 光 サイバース ①

DEF/0

ーーー

 

「【セキュリティ・ドラゴン】の効果を発動するわ。あなたの【サイバー・ドラゴン・ズィーガー】を手札に戻す」

 

「仕方があるまい」

 

桂希の主力モンスターがあっさりと……。残すは【ロード・ウォリアー】のみ。

だが、【プロフィビット・スネーク】の存在を忘れるわけにはいかない。

 

「随分と冷静ね? まだ勝ち筋があるのか……それとも諦めて開き直っているのか……。まぁいいわ。続けて私は【トランスコード・トーカー】の効果を発動! 墓地より【エクスコード・トーカー】を特殊召喚! さらに、【ガジェット・トークン】1体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! 来なさい【リンク・スパイダー】!」

 

ーーー

【エクスコード・トーカー】リンク3 風 サイバース ③

ATK/2300

ーーー

【リンク・スパイダー】リンク1 地 サイバース ①

ATK/1000

ーーー

 

【セキュリティ・ドラゴン】EX② 上 下

【シューティングコード・トーカー】④ 上 左 下

【エクスコード・トーカー】③ 左 上 右

【トランスコード・トーカー】② 下 右 上

【リンク・スパイダー】EX① 下

 

斉場の場には5体のリンクモンスターが並んだ……。しかもフィールドの2つのEXゾーンを支配している。

通常、EXデッキからモンスターを出す際は、いずれか一つのEXモンスターゾーンしか使用できない。

だが、二つのEXゾーンを全て相互リンクさせる形で繋いでいった場合、反対側のEXゾーンも使用することが可能となる。

これがEXリンクってやつだ……。

 

相当難易度は高いとされているが、斉場はそれを成し遂げたというのだ。

 

「EXリンク完成ね。これでもうあなたに勝ち目はなくなったわ」

 

「くっ……。EXリンク……」

 

二つのEXゾーンを支配されれば基本的にはEXデッキからのモンスターを封じられたも同然だ。

だが、今回は【セキュリティ・ドラゴン】により一つだけ桂希のモンスターゾーンへリンクマーカーが向いている。

まだチャンスがなくなってしまったわけではない! 頑張ってくれ……桂希!

 

「さてと、フィナーレよ。桂希 楼! 司令直属班の格の違いをその目に焼き付けなさい! 再び来い、栄光を導くサーキット! 私は【エクスコード・トーカー】と【ドット・スケーパー】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! "電脳世界を制した者に与えられる禁断の力……事象を震撼させる波動となりなさい! リンク召喚! リンク4、【トポロジック・ガンプラー・ドラゴン】!"」

 

ーーー

【トポロジック・ガンプラー・ドラゴン】リンク4 闇 サイバース ③

ATK/3000

ーーーー

 

いよいよリンク4のモンスターのお出ましだ。

攻撃力もかなり高いが、おそらく効果も強力なのだろう。気になるところだ。

 

「物騒なモンスターが出てきたな……」

 

「ええ。私が司令直属班に配属できた理由……それは今まで完璧な勝利を収めてきたからよ。そして、私の完璧な勝利にふさわしいカードはこのカードってこと」

 

「どういうことだ?」

 

「すぐにわかるわ。【トポロジック・ガンプラー・ドラゴン】の効果を発動! EXリンク状態である時、相手は手札を2枚捨てなければならない。あなたは1枚しかないから1枚ね。そして、この効果で相手の手札が0枚になった時、相手に3000ポイントのダメージを与えることができる!」

 

桂希の残りライフポイントは3000。つまりこの効果が決まれば桂希の負けということか……!

 

「完璧な布陣であるEXリンク。そして、その状態でのみ使用できる効果を持つ【トポロジック・ガンプラー・ドラゴン】! パーフェクトとはこのことを言うのよ!」

 

「デュエルに完璧などない。デュエルとは互いの全てをかけたぶつかり合いだ。力比べから逃げ、情報ばかりを重視し、自らが有利な位置から相手をたたきつぶすデュエルなどもはやデュエルではない!」

 

「ふふっ、私はあなたみたいに子供じゃないの。SFSにおいてのデュエルは武器なのよ? せっかくだからあなたに一つ教えてあげる。デュエルで勝敗を決めるのは1に戦術、2にデッキ。そして3つ目は情報。例え実力が同じ相手同士だったとしても、情報を制したものが勝利する。古臭い力比べなんてしてる決闘機動部は私に勝てやしない……つまり……到底ジェネシスになんて勝てるわけないってことよ!」

 

「……」

 

斉場に言われた桂希は反論することなく静かに目を閉じる。

 

「少しは理解してくれたようね。では終わりにしましょう。【トポロジック・ガンプラー・ドラゴン】! 桂希 楼を焼き払いなさい! "デウス・エクス・マキナ!"」

 

大きな爆発音が聞こえるとフィールドは大きな煙に包まれていく。

おそらく桂希の手札が破壊されたのだろう。……ということは斉場の勝ち……。俺の司令直属班への移動が確定したってことか……。

 

「……笑わせるな、斉場」

 

煙が立ち込めるフィールドより桂希の声が響き渡る。

 

「え……? どういうこと! 桂希 楼!」

 

桂希 LP3000

 

桂希のライフポイントは一つも減っていなかった。

伏せカードを発動させたのか。

 

「私とお前では確かに情報力に差はあるかもしれない……。だが、逆にお前には決定的なものが欠けている……。現場でしか知りえない……実戦経験がな!」

 

「なんですって……? それは……!」

 

ーーー

【シンクロバリアー】通常罠

自分フィールド上に存在するシンクロモンスター1体をリリースして発動する。

次のターンのエンドフェイズ時まで、自分が受ける全てのダメージを0にする。

ーーー

 

なるほどな……。

【ロード・ウォリアー】は失ったが、これでこのターン桂希はあらゆるダメージを受けないってわけだ。

 

「お前はおそらくこう考えただろう。私は今まで一度も効果ダメージを防ぐようなカードを使ってこなかった。つまり、効果ダメージを与えるカードであれば私に確実に勝利できると」

 

「ええ……。あなたの分析結果からそう思ってEXリンクの状態を用意したわ……」

 

「情報を過信したあげく、個人の日々の変化を考慮しない。甘いのはお前だ斉場。私や遊佐、決闘機動部の皆は日々テロリストとの戦いで経験を積み、常に進歩し続けている。この【シンクロバリアー】は私の中での変化ということだ」

 

「くっ……」

 

「戦場では常に周りが変化していく中で戦っていかなければならない。テロリストとの戦いで求められるのは情報よりも変化に対する対応力だ。だが、お前ら司令直属班は電子機器の前でデュエルデータを研究しているのみ。相手の対策ばかりをして、己の鍛錬をしない者が戦場で生き残れると思うな!」

 

「い、言ってくれるじゃない……。だけどいよいよを持ってあなたの場は伏せカード1枚と弱小モンスターが1体。手札も0。この状態で勝てるって言うわけ!」

 

「この程度の修羅場……いくらでもくぐり抜けてきたわ。私の進む"道"に……敗北はない」

 

「い、いいじゃない……。えっと……」

 

斉場副班長が動揺している様子が手に取るようにわかる。

多分対峙してたら俺も同じことを思うだろう。今のままでなら確実に勝てる。だけど、相手の自信の有り様に自分に何か見落としがないかと不安になる。

 

「バトルよ! 【シューティングコード・トーカー】で……」

 

斉場は【レフティ・ドライバー】に攻撃宣言しようとするが、その動きを止める。

 

「どうした? かかってこないのか?」

 

「……その手には乗らないわ。メインフェイズ2に入り、私はカードを1枚伏せて、ターンエンドよ」

 

斉場は伏せカードを恐れたのかもしれない。まだ桂希の場には1枚の伏せカードが残されている。

いずれにしても桂希の手札があれば何度でも【トポロジック・ガンプラー・ドラゴン】の効果は使えるし、手札に【プロフィビット・スネーク】もある。

このターンは【シンクロ・バリアー】で決着はつけられないし、現状万全な状態ゆえに危険な橋は渡らないようにしたのかもしれない。

 

「エンドフェイズ時にリバースカード発動! 【DNA改造手術】! 場のモンスターを全て私の指定した種族へと変更させる! 私は機械族を選択!」

 

「なるほど……ね。攻撃しておけばよかったかしら。いいわよ、あなたのターン」

 

桂希 手札0 LP3000

ー罠ーー裏

ーーーモー

 リ リ 

ーりリリー

ーー裏ーー

斉場 手札1 LP4000

 

「私のターン……」

 

桂希は再び目を閉じ、静かにデッキに右手を当てる。

そして、無言のまま力強くカードを引いた。

 

「何を引いても無駄よ! 特別に教えてあげる。私の伏せカードは【サイバネット・コンフリクト】。あなたが魔法カードでも罠カードでもモンスター効果でも発動したらなんでも無効にして除外できるカードよ。勝ち目はないのだからもう諦めなさい!」

 

「……だと思っていた。だからエンドフェイズ時に"切り札"を発動させた」

 

「そのカードが切り札……だって言うの……?」

 

「ああ。そして私の覚悟にデッキも応えてくれたようだ。【レフティ・ドライバー】をリリースし、いでよ、我がデッキの起源! 【サイバー・ドラゴン】!」

 

ーーー

【サイバー・ドラゴン】☆5 光 機械 ③

ATK/2100

ーーー

 

ここで【サイバー・ドラゴン】……?

あのカード1体のみで何をしようと言うのだろう……?

 

「嘘……まさか……嘘でしょ……!」

 

「あれだけ私の情報を探っていたのならば理解しただろう斉場? 【サイバー・ドラゴン】を含む場の機械族モンスターを融合素材として墓地へ送ることで融合できる特殊な融合モンスターが存在することをな!」

 

「ええ……。まさか【DNA改造手術】を用いて私の場のモンスターを全て……」

 

「その通りだ。お前の大好きな耐性ってやつは通用しない。私は場の全てのモンスターを墓地へ送り、融合! "限界を超える機械仕掛けの力! 万物を贄とし、戦場を焦土と変えよ! 融合召喚! いでよ、【キメラテック・フォートレス・ドラゴン】!"」

 

ーーー

【キメラテック・フォートレス・ドラゴン】☆8 闇 機械 ①

ATK/0

ーーー

 

斉場のモンスター全てが【サイバー・ドラゴン】に吸い込まれるようにして、場から消滅する。

そして、大きな輪っかのようなものが連なる体をした機械龍が現れ、咆哮を上げた。

 

「ううぅ……くそ! なんで……この私が! ここまで展開して負けたことなんて一度もなかったのに!」

 

「自らが思い描いたとおりにいかないデュエルはどうだ? これが戦場でのデュエルってやつだ」

 

「ふざけないで! 桂希……楼……!」

 

「一度帰って出直してくるんだな。【キメラテック・フォートレス・ドラゴン】は融合素材にしたモンスターの数×1000ポイントの攻撃力を得る。素材にしたモンスターは合計6体。よって6000だ。バトル! 【キメラテック・フォートレス・ドラゴン】でダイレクトアタック! "エヴォリューション・レザルト・アーティレリー!"」

 

数多の輪っかより機械龍の頭がそれぞれ出現し、光線を発射する。

その圧倒的なまでの光線の数は視界が真っ白になるほどだった。

 

【キメラテック・フォートレス・ドラゴン】

ATK/6000

 

「私が……負けるなんて……」

 

斉場LP4000→LP0

 

やがて視界が戻る頃には桂希の勝利でデュエルは終了していた。

これで俺が司令直属班へ移動することはこれでなくなるはずだ。

助かったぜ……桂希。

 

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