遊戯王Connect   作:ハシン

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現在、Ep1から内容の修正を随時行ってます。
ですので最新話の投稿は少し更新は遅くなるかもしれません。
よろしくお願いいたします。


Ep66 - 裏口の刺客 前編

ーーはじめて使ったけど……不思議な感じだ。【空間移動】ってカード。

 

今回私が使ったのはあらかじめ指定された場所にしか移動できず、SFSの中でしか使えない限定的なやつだけど、使った瞬間宙に浮いたような不思議な感覚に陥り、気が付けば場所が移されていた。

 

ジェネシスからSFSを守る大防衛戦。私と上地くんの二人は、繋吾くんの影武者として動き、敵を攪乱する役目を担っている。

 

あえて前線でアピールしたことであのジェネシスの人たちは私か上地くんのどっちかが繋吾くんだと勘違いしているはずだ。

あとはうまいこと赤見班長達が前線で戦ってくれればいいけど……。それに作戦内容を聞いていない決闘機動班の人たちが何をしでかすかわかったものじゃない。

 

きっと野薔薇さんなんかぶーぶー言ってるでしょう。あいつにはお似合いですね。なんにも知らないのでしょうから……。

 

それはそれとして……ここから先、赤見班長から言われた指示は二つ。

一つ目は無駄な交戦はしないこと。そして、二つ目は危なくなったら顔を隠すフードを取ること。

 

繋吾くんと思って狙ってくるのであればジェネシスは私を全力で潰しにくる。だからこそ下手に交戦はしないこと。

じゃないと……殺される可能性が高いから……。

 

それにいざという時は繋吾くんじゃないことを示すことで逃走を図る。

それでも情報を聞き出すために捕らえようとしてくるかもしれないけど。

 

でも今回の作戦で敵部隊を分散させたとして……それでもSFSは勝てるのだろうか。

きっと先ほどの挑発で敵の主力部隊は裏口へ侵攻経路を変えてくる可能性が高い。

 

だが、肝心の裏口の防衛は駐屯決闘班。

決闘機動班に比べれば戦いは慣れていない。

施設の防衛に関してはぴかいち……だなんて聞いたことはあるけど、実際にデュエルが強いという人物は駐屯決闘班では聞いたことがない。

だからこそ私は下手に顔を出さないほうがいいかもしれない……。駐屯決闘班の人を混乱させてしまうし、判断を誤れば全滅してしまうかもしれない。

 

私は裏口へ転移後、廊下に配置された大きな棚の影に身を潜め、裏口の様子を伺うことにした。

 

ざっと見る限り駐屯決闘班は40~50人くらいだろうか。班長である斉藤部長の姿も見える。

その様子は少しざわついていた。きっと正面口の決闘機動班より特殊機動班の行動について連絡を受けたのかもしれない。

 

あぁ……また特殊機動班が問題視されてしまうのだろうな……。だけど今回の作戦は司令直属班も関わってる。

赤見班長はあの斉場副班長って人のことを信頼してたみたいだけど……本当に大丈夫なのかな。少し心配だ。

 

それはそうと繋吾くんは今頃どうしてるんだろう。

司令直属班が責任を持って守るらしいけど。彼のことだからきっと何か起きればじっとなんかしてられないんじゃないかな。

メッセージは送ってみたけど返事はこないし……少しくらい状況を教えてくれたっていいのに。

 

突然、大きな叫び声が聞こえてきて裏口に目を向ける。

どうやらジェネシスの構成員たちが現れたみたいだ。斉藤部長が何か叫んでいる。

いよいよこちらも戦闘開始ってところだろうか。

 

しかし、しばらく経っても駐屯決闘班の人たちは出入り口付近から一切動こうとしていなかった。

それに本来真っ先に聞こえそうなデュエルウェポンでの戦闘する音もまったく聞こえてこなかった。

一体何が起きているんだろう……。

 

「次はどいつだ! かかってきやがれ!」

 

外から男の人の叫び声が聞こえる。

気になった私は棚の影から出ていき、裏口の窓から外を見る。

するとそこには多くのジェネシス構成員を前に仁王立ちするフードを被った人物が立っていた。

うん……あれはきっと上地くんだ。下手な交戦は避けろって言われていたのに何をしているんだか……。

 

だけど……彼の前には倒れたジェネシス構成員が数名。それに他の構成員も上地くんを前にそれ以上攻めてこようとしない。

そんなにデュエルが強かった印象はなかったけど……随分と調子がいいみたい。

その様子を見ていた駐屯決闘班の人たちは特殊機動班を賞賛するような声を上げていた。

 

私たちにとってはいいことなんだろうけど……ちょっと妙な光景に違和感は感じる。

だけどもしかしたら……ジェネシスも部隊によってはこの程度なのかもしれないな。

 

上地くんがギブアップするまではこのままでもいいかもしれない。もうしばらく様子を見ていよう……。

 

「あなた、特殊機動班の方ですよね?」

 

「え……」

 

突然、見知らぬSFS隊員の男性から声をかけられる。

駐屯決闘班の人だろうか。

 

「いや、フードを被っていたのでそうかなと……」

 

「あなたはどこの配属ですか?」

 

「あー……私は決闘機動班所属の栗下って言います。あなたは?」

 

「……名乗るほどのものではありません。それで私に何か用ですか?」

 

すると男性は少し考えた仕草をし、デュエルウェポンをいじりだす。

しばらくすると再び私の方を向いて口を開いた。

 

「裏口部隊の状況の偵察に来たのですが、こちらは大丈夫そうですね。それで……敵部隊の攪乱のためあなたには再び正面口へ向かっていただきたいのですけども」

 

「私が……?」

 

決闘機動班も私たちの目的が攪乱であることはわかったってことなのかな。

ターゲットは裏口だと思わせて再び正面口に行けば、更なる攪乱効果は見込めるかもしれない。

だけどなぜわざわざ裏口にまで人を割いたんだろう? その連絡だけならデュエルウェポンの通信機能で話せばよかったのに。ましてや正面口の方は激しい戦闘の真っ最中だろうし……。

 

「ええ。早くしないと敵が裏口に回ってしまいます。急いで!」

 

その男性は急かすようにして私の腕を掴み引っ張り出す。

 

「離してください。私は決闘機動班に指図される筋合いはありません」

 

「ちっ……」

 

私が反抗するとその男性は舌打ちをし、今度は力強く突き飛ばしてきた。

突然の出来事に対応できず、私はその場で尻餅をついてしまう。そして、その反動で私の被っていたフードがめくられ私の素顔が明らかとなってしまった。

 

「もう少し人気のないところでやるつもりだったが仕方ねえ。性別も違うのに影武者なんて務まると思ってんじゃねえよガキが!」

 

「……っく!」

 

その男はいきなりデュエルウェポンを構えだした。そして、私の周りにはデュエルによる不可侵領域が広がっていく。

 

やっぱり怪しいと思った。

よくよく考えれば決闘機動班の連中は自らを名乗る時は決闘機動第○班といった所属班まで答えるはずだ。この人はそれを知らない。

ってことはSFS関係者ではないってことになる。おそらくジェネシスの構成員だろうか。

仕方ない……戦うしかないか。

 

「お前には遊佐 繋吾を引きずり出す餌になってもらうとするか! へっへ」

 

「誰のことだかわかりませんが、ジェネシスの構成員なら容赦しません」

 

「そっちもお見通しってわけか。いいぜ、デュエル!」

 

栗下 手札5 LP4000

ーーーーー

ーーーーー

 ー ー 

ーーーーー

ーーーーー

結衣 手札5 LP4000

 

先攻は相手みたいだ。

まずは相手の出方を見て、どういうタイプのデュエリストか見極める……!

 

「んじゃ、俺のターン。【ハイドロゲドン】を召喚! カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

ーーー

【ハイドロゲドン】☆4 水 恐竜 ③

ATK/1600

ーーー

 

栗下 手札2 LP4000

ー裏ー裏ー

ーーモーー

 ー ー 

ーーーーー

ーーーーー

結衣 手札5 LP4000

 

相手の場に現れたのは攻撃力1600の奇妙な形をした恐竜モンスター。

攻撃力はあまり高くないけど……おそらくあの伏せカードで何かしらの迎撃を取るって感じかしら。

迂闊に攻めれば思わぬ反撃を受けるかもしれないな……。

 

「私のターン、ドロー。【魔界発現世行きデスガイド】を召喚! このカードが召喚に成功した時、デッキからレベル3の悪魔族モンスター1体を特殊召喚できます。来てください、【エッジインプ・シザー】!」

 

ーーー

【魔界発現世行きデスガイド】☆3 闇 悪魔 ③

ATK/1000

ーーー

【エッジインプ・シザー】☆3 闇 悪魔 ④

ATK/1200

ーーー

 

「そして、現れてください。心を変えるサーキット! 私は【デスガイド】と【エッジインプ・シザー】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚、リンク2。【彼岸の黒天使 ケルビーニ】!」

 

ーーー

【彼岸の黒天使 ケルビーニ】リンク2 闇 天使 EX①

ATK/500 左下 右下

ーーー

 

「【ケルビーニ】の効果を発動します。デッキからレベル3のモンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターの攻撃力分エンドフェイズ時まで自身の攻撃力を上げます。私は【魔神童】を墓地へ送ります。このカードの攻撃力は0……ですが、この【魔神童】は墓地へ送られた時、場に裏側守備表示で特殊召喚されます」

 

ーーー

【魔神童】☆3 闇 悪魔 ③

DEF/2000

ーーー

 

「だがその程度では俺の【ハイドロゲドン】すら倒せねえようだな。そんな雑魚並べてどうするって言うんだ?」

 

「そんなこと言っていられるのも今のうちですよ。私はカードを2枚伏せて、ターンエンドです」

 

栗下 手札2 LP4000

ー裏ー裏ー

ーーモーー

 リ ー 

ーー裏ーー

ー裏ー裏ー

結衣 手札3 LP4000

 

「なんだよ……口ほどでもねぇみたいだな。とっとと倒して遊佐 繋吾のところに案内してもらうぜ! 俺のターン、ドロー! 【魂喰いオヴィラプター】を召喚! このカードは召喚した時、デッキから恐竜族モンスターを手札に加えられる! 俺は【オキシゲドン】を手札に加えるぜ」

 

ーーー

【魂喰いオヴィラプター】☆4 闇 恐竜 ②

ATK/1800

ーーー

 

レベル4のモンスターが並んだけどエクシーズ召喚でもしてくるのかな。リンク召喚の可能性もある。

いよいよ相手の主力モンスターがわかるかもしれない。

そのモンスターを見極めなければデュエルに遅れを取ってしまう。

 

もう……デュエルに負けて痛い思いはしたくない。それに……私が負ければ繋吾くんに迷惑をかけることになる。

どんなモンスターが来ようと絶対に負けない……!

 

「何やら随分身構えているみたいだが、このままバトルに入らせてもらうぜ。【ハイドロゲドン】で【ケルビーニ】を攻撃! ハイドロ・プレッシャー!」

 

「え……くっ!」

 

何も出さずに攻撃? 私の予想は大きく外れることとなった。

あの人は私の伏せモンスターの【魔神童】の守備力を知っているはず……。現状のモンスターでは倒せないからてっきり何かモンスターを出してくるかと思った。

だけど少し予想が外れただけ。取り乱さないようにしないと。ただの下級モンスターの攻撃に過ぎないのだから。

 

やがて、【ハイドロゲドン】の口から放たれた水流が【ケルビーニ】へ被弾し、そのダメージが私の体に襲いかかる。

 

【ハイドロゲドン】

ATK/1600

【彼岸の黒天使 ケルビーニ】

ATK/500

 

結衣 LP4000→2900

 

「これだけじゃないぜ。【ハイドロゲドン】の効果発動! 戦闘で相手モンスターを破壊した時、デッキから同名モンスターを呼び出す。いでよ、2体目の【ハイドロゲドン】!」

 

ーーー

【ハイドロゲドン】☆4 水 恐竜 ④

ATK/1600

ーーー

 

なるほど。あのカードは自身の効果でモンスターを増やせたのか。だから先にバトルフェイズに入ったのかもしれない。

ということはメインフェイズ2に本命のカードが……。

 

「続けて俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

「え……?」

 

まだ何も出してこない……? 何を狙っているのかな。

想定外のプレイングに私は不抜けた声をあげてしまう。

もしかして……EXデッキから出せるモンスターを持っていないとか……? そうなれば現状下級モンスターしかいない相手のデッキはかなりレベルが低いこととなる。

そんなに苦労しなくても勝てるかもしれない。

 

「なんか文句あるのか? おい」

 

「いえ、大したデュエリストじゃないと思っただけです」

 

「んだと? 口だけは達者なやつだな……。ならたっぷりと痛い目にあわせてやらねえとな……?」

 

そんな子供じみた脅し私に効くものですか。

私は私のデュエルをするだけでいい。深いことは考えないようにしよう。いつもどおりにやれば勝てる相手だ。

 

栗下 手札2 LP4000

ー裏裏裏ー

ーモモモー

 ー ー 

ーー裏ーー

ー裏ー裏ー

結衣 手札3 LP2900

 

「弱い人に用はありません。私のターン、ドロー。手札より【ティンダングル・エンジェル】を召喚。そして、【魔神童】を反転召喚し、リバース効果を発動します。デッキから悪魔族モンスターである【ティンダングル・イントルーダー】を墓地へ送ります」

 

ーーー

【ティンダングル・エンジェル】☆4 闇 悪魔 ②

ATK/500

ーーー

【魔神童】☆3 闇 悪魔 ③

ATK/0

ーーー

 

「来てください、心を変えるサーキット! 私は【ティンダングル・エンジェル】と【魔神童】の2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚、【サブテラーマリスの妖魔】!」

 

ーーー

【サブテラーマリスの妖魔】リンク2 地 幻竜 EX①

ATK/2000 左下 右下

ーーー

 

「【サブテラーマリスの妖魔】の効果を発動します。デッキからリバースモンスター1体を墓地へ送ることで、手札のモンスター1体をこのカードのリンク先に裏側守備表示で特殊召喚できます。私はデッキより【魔神童】を墓地へ送り、手札のモンスター1体をセット! さらに、墓地へ送られた【魔神童】は裏側守備表示で場に特殊召喚できます。そして、それに反応し、墓地に存在する【ティンダングル・イントルーダー】は墓地から裏側守備表示で特殊召喚することができます!」

 

ーーー

【魔神童】☆3 闇 悪魔 ②

DEF/2000

ーーー

【ティンダングル・イントルーダー】☆6 闇 悪魔 ①

DEF/0

ーーー

 

「ちっ……わらわらとモンスターが増えてきたか……。だけど裏守備じゃ恐れることはねぇな?」

 

「甘いですね。バトルフェイズに入りリバースカードオープン。永続トラップ、【ゴーストリック・ロールシフト】を発動! バトルフェイズに一度私の場の裏側守備表示モンスターを表側攻撃表示にできます。これにより【ティンダングル・イントルーダー】を攻撃表示に。この時、リバース効果が発動し、デッキから"ティンダングル"モンスター1体を手札に加えることができます。さらに【サブテラーマリスの妖魔】の効果発動! リンク先のモンスターがリバースした時、デッキからリバースモンスター1体を手札に加えられます。これで私は【ティンダングル・ベース・ガードナー】と【魔神童】の2枚を手札に加えます」

 

「攻撃モンスターを増やすと同時に手札も増やしやがったか。まぁいい。そのくらいは許してやるよ」

 

「……では、あなたのモンスター、倒させていただきます。【ティンダングル・イントルーダー】で【魂喰いオヴィラプター】を攻撃! ダーク・ディフューザー!」

 

【ティンダングル・イントルーダー】

ATK/2200

【魂喰いオヴィラプター】

ATK/1800

 

相手に強力なモンスターを出させる前に各個撃破して優位に立つまで……!

問題はあの伏せカードが何か……だけど。

 

「ならばリバースカードオープン。トラップカード、【立ちはだかる強敵】を発動! 相手の攻撃宣言時に発動でき相手はこのターン、俺の指定するモンスターにしか攻撃することができなくなるぜ! 俺はそのまま【魂喰いオヴィラプター】を選択!」

 

私は元々【魂喰いオヴィラプター】を攻撃対象に選択していた。

それなのにあえて使ってきたということは、【ハイドロゲドン】を守りきりたかったから……かな?

【立ちはだかる強敵】の指定モンスターがいなくなれば私は攻撃対象を失い、もうバトルの続行が不可能になる。

つまり【サブテラーマリスの妖魔】で【ハイドロゲドン】を攻撃することができなくなるってことだ。

ただのその場しのぎか……それとも何か考えがあってのことか……。一応警戒はしておいた方がよさそうだな。

 

「いいでしょう……ならばそのまま攻撃! 受けてください!」

 

「ちぃっ……」

 

栗下 LP4000→3600

 

「メインフェイズ2、私の場に裏側守備表示モンスターがいる時、手札の【ティンダングル・ベース・ガードナー】は特殊召喚できます。そして、再び来てください。心を変えるサーキット! 私は【サブテラーマリスの妖魔】と【ティンダングル・イントルーダー】と【ティンダングル・ベース・ガードナー】の3体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! 閉ざされた闇を開く、撃鉄の号砲打ち鳴らせ! リンク4、【ヴァレルガード・ドラゴン】!」

 

ーーー

【ヴァレルガード・ドラゴン】リンク4 闇 ドラゴン EX1

ATK/3000

ーーー

 

朱色に光る透き通る翼を宿し、銃口のような顔を持つドラゴンモンスターが出現する。

このカードは好きなタイミングで場のモンスターを表側守備表示にできる。つまり、いつでもリバース効果が使えるってことだ。

次のターンに主力モンスターを出して、一気に勝負を決めてみせる……!

 

「私はカードを1枚伏せて、ターンエンドです」

 

 

栗下 手札2 LP3600

ー裏ー裏ー

ーモーモー

 リ ー 

ー裏裏ーー

ー裏裏罠ー

結衣 手札2 LP2900

 

 

 

 

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