遊戯王Connect   作:ハシン

76 / 84
年末ギリギリの更新です。
来年はもう少しペース上げていければと思いますのでよろしくお願いします…!


Ep73 - 信じる者と信じぬ者 前編

大きな爆発音が絶えず響き渡るSFS西門前。

私のデュエルウェポンによる攻撃は全て眼前にいる騎士モンスター……【大地の騎士ガイアナイト】が受け止めていた。

 

思わぬ足止めをくらい、目的であった赤見達の乗る車はどんどん遠ざかっていく。

その様子を見て私は思わず舌打ちをしてしまった。

 

「おい宗像……お前は赤見のダチじゃねえんかよ!」

 

私の足止めをしている郷田副班長が私に問いかけてきた。

あいつはSFSの問題児として有名。追放されそうなところを赤見が拾ったんだったな。

そこまであいつとの面識はないが……あいつも長いこと赤見と戦場を共にした仲だ。

そういう意味では……私と似ているところもあるかもしれない。

 

「あぁ……入隊時は良いライバルとして切磋琢磨し合った仲だ。だが、あいつは自らの目的に溺れ狂ってしまった。だから私はあいつの唯一無二のライバルとして連れ戻すつもりだ」

 

ここ最近になってジェネシスの情報が明らかになってから赤見の行動は私の想定を超えたものばかりだ。

正直……私にはついていけない。何を考えているのかもわからなくなってしまった。

世界平和を求めるはずが、ペンダントをくだらない理由で守り続け、挙句の果てに国防軍に手を出す。

ペンダントの力を行使して破壊行為を……とは思いたくないが、やっていることはテロリストそのものだ。

大きな力を前にして欲に溺れたか……あるいは誰かに命令を受けたか……。

くそ、考えてもキリがない。あいつに直接問いただすまでは……。

どこから狂い始めたのかも今となってはわからない。

 

そして、あの郷田副班長も問題児である以上正常な判断はできない人間と考えた方が良いだろう。

あの男にまともな交渉は通用しない。やるのであればデュエルで決着をつけてしまうのが得策だろうか。

 

赤見の性格をよく理解している私は、赤見が廊下に罠を仕掛けていたのはわかっていた。

だからこそ遠回りしたのだ。

だが、ここにきて単独行動してしまったのが失敗だった。あの男が捨て身覚悟で立ちはだかるとは思わなかったからな。

あの郷田はデュエル以外の戦闘ではかなりの戦闘力を誇る。私一人では到底打ち破ることはできない。

 

「おめえはなんにもわかってねえ! 赤見はペンダントを……世界を守るために戦っている! それがわからねえのか宗像! 白瀬の野郎を信用するっていうのか!」

 

「白瀬班長のことは関係ないだろう。今、お前たちがやっている行動が何よりも証拠だ。そこを通してもらうぞ郷田副班長。デュエルだ」

 

「へっ……望むところよ! 俺様を信じてくれた奴のために一歩も引くつもりはねえ!」

 

郷田副班長は堂々とした表情でデュエルウェポンを構える。

なぜあそこまで赤見のやつを信じれる? あいつも破壊願望があるのか?

赤見と過ごしてきた期間なら私の方がむしろ長いはず。一体あいつは何を聞かされているんだ。

 

何はともあれ私は赤見にもう一度会う必要がある。

破壊行動をするのであれば止めるし、それ以外であれば事情を聞く。

それがSFSで共に戦いあってきた"ライバル"としての決意だ。

 

「覚悟してもらおう! デュエル!」

 

宗像 LP4000 手札5

ーーーーー

ーーーーー

 ー ー 

ーーーーー

ーーーーー

郷田 LP4000 手札5

 

「私のターン」

 

先攻は私だ。郷田副班長のデッキは情報ではよく知っている。

効果を持たぬシンクロモンスターに、それを素材とする強力な効果を持った融合モンスター。

猪突猛進な相手だ。冷静に対処すれば負けることはないだろう。

 

「私はモンスターをセット。そして、手札の【メタルフォーゼ・ビスマギア】と【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】の2体でペンデュラムスケールをセッティング。ペンデュラム召喚はせず、【ゴルドライバー】の効果発動! 私の場の表側表示カード1枚を破壊し、デッキからメタルフォーゼ魔法、罠カードを場にセットする。私は【ビスマギア】を破壊し、【メタルフォーゼ・カウンター】をセットする」

 

「ちみちみとややこしいことしてくれるなぁ! さっさとかかってこいやあ! 宗像!」

 

あいつの猪突猛進なパワーデッキなところからすれば、デュエルのペースを掴むのは簡単そうだ。

うまいこと誘導してやって罠にはめたあと、一気に攻め立ててやろう。

 

「まぁ慌てるな。追加でカードを2枚セットしエンドフェイズ時、【ビスマギア】が破壊されたことで効果が発動する。デッキよりメタルフォーゼモンスター1枚を手札に加える。同名の【ビスマギア】を加えよう。さぁ、お前のターンだ」

 

宗像 LP4000 手札1

ー裏裏裏モ

ーー裏ーー

 ー ー 

ーーーーー

ーーーーー

郷田 LP4000 手札5

 

「俺様のターン、ドロー! 【召喚僧サモンプリースト】を召喚するぜ! こいつは召喚した時、守備表示になり手札の魔法カード1枚を捨てることでデッキからレベル4のモンスターを特殊召喚できる! 手札より【禁じられた聖杯】を捨てて、デッキより【レスキューキャット】を特殊召喚するぜえ!」

 

ーーー

【召喚僧サモンプリースト】☆4 闇 魔法使い ③

DEF/1600

ーーー

【レスキューキャット】☆4 地 獣 ②

ATK/300

ーーー

 

「さらに【レスキューキャット】を墓地へ送り、デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚できる! デッキより来い! 【イリュージョン・シープ】、【X-セイバー・エアベルン】!」

 

ーーー

【イリュージョン・シープ】☆3 地 獣 ②

ATK/1150

ーーー

【X-セイバーエアベルン】☆3 地 獣 チューナー ④

ATK/1600

ーーー

 

「いくぜえ! レベル3の【イリュージョン・シープ】にレベル3の【X-セイバーエアベルン】をチューニング! "大地の力! 鋼鉄なる鎧に宿し、神速の槍を貫け! シンクロ召喚! いでよ、【大地の騎士 ガイアナイト】!"」

 

ーーー

【大地の騎士 ガイアナイト】☆6 地 戦士 EX①

ATK/2600

ーーー

 

現れたか、奴のデッキの切り込み役とも言える効果のないモンスター。

攻撃力はなかなかだが効果がなければそれ以外に恐るものは何もない。

奴にぴったりな脳筋……といったところか。

 

「ハッハッハ、先手はもらったぜえ! 【大地の騎士 ガイアナイト】でセットモンスターを攻撃! ”スプリント・スピア!”」

 

【大地の騎士 ガイアナイト】

ATK/2600

【黒き森のウィッチ】

DEF/1200

 

「私の破壊されたモンスターは【黒き森のウィッチ】。墓地へ送られたことでデッキから守備力1500以下のモンスターを手札に加えることができる。さらにモンスターが戦闘破壊されたことでトラップカード、【メタルフォーゼ・カウンター】を発動! デッキから"メタルフォーゼ"モンスター1体を特殊召喚できる」

 

「くっ……ちょこまかと動きやがって……」

 

「お前の攻撃は単調だ。いくらでも対処がきく。悪いが勝たせてもらうぞ」

 

「おっと、油断大敵だぜ……。俺たち特殊機動班の力、たっぷり味あわせてやるよ!」

 

ずいぶんと自信有りげに郷田は言った。

あいつのあの自信は一体……。あいつのデュエルの成績はよくなかったはずだ。

なにか切り札があるのかあるいはただのハッタリか……まぁいい。今は気にせず自らの戦術を遂行するのみだ。

 

「そいつは楽しみだ。私はデッキから【メタルフォーゼ・ヴォルフレイム】を特殊召喚し、デッキから【サイバース・ウィザード】を手札に加えよう」

 

「俺様はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」

 

宗像 LP4000 手札2

ー裏ー裏モ

ーーモーー

 シ ー 

ーモーーー

ーー裏裏ー

郷田 LP4000 手札2

 

「では、私のターン。ドロー! 永続トラップ【光の護封霊剣】を発動! そして、このカードを対象に【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】の効果を発動する! 【光の護封霊剣】を破壊し、デッキから【錬装融合】を場にセットする。そして、この破壊をトリガーに、トラップカード【融爆】を発動!」

 

「なんだなんだ? いっぱい効果使いやがるじゃねえか!」

 

「この程度ついてくれないとはよくぞ副班長職になれたものだな。【融爆】は私の場のカードが魔法カードの効果によって破壊された時、相手の場のカード1枚を破壊する効果を持つ。消え去れ、【大地の騎士 ガイアナイト】!」

 

私の目の前にある【光の護封霊剣】のカードが大きな爆発と共に弾け飛ぶのと同時に、郷田の場にある【大地の騎士 ガイアナイト】からも大きな爆発が発生し、あたりには大きな煙が立ちこむ。

 

これで郷田の残りのモンスターは守備表示モンスターのみ。私のエースモンスターを用いれば一瞬で勝負を決めることができる。

さっさとこのデュエル、終わらせてしまおう。

 

「続けてわたしはーー」

 

「反撃だぜ! "リザレクト・スピア!"」

 

「なっ?!」

 

郷田の叫び声が聞こえると同時に私の【メタルフォーゼ・ヴォルフレイム】が大きな槍に突き刺され破壊されていた。

その姿に驚き郷田の方を確認すると、そこには破壊されたはずの【大地の騎士 ガイアナイト】が健在していた。

これは一体……。

 

「あめえよ! 効果のないモンスターが破壊された時、手札に存在する【天威龍-シュターナ】の効果を使わせてもらったぜ! このカードを除外するとな、破壊された【ガイアナイト】を復活させたあとに相手モンスター1体を破壊できる!」

 

「くっ……」

 

想定外の反撃に思わず驚いてしまったが、別にこの程度どうということはない。

わたしはわたしの戦術を遂行するのみだ……。この男にデュエルで遅れを取るつもりはない。

なにせわたしは……赤見と切磋琢磨し合ったSFSの生き残りだ。今の若年化が進んだSFSの中では上位に入るレベルだと自負している。

だからこそ……狂った特殊機動班を……赤見を止めるためにはわたしが動かねばならない!

 

「まだだ! マジックカード【予想GUY】を発動! デッキから通常モンスターである【メタルフォーゼ・スティエレン】を特殊召喚! さらに手札より【メタルフォーゼ・ビスマギア】を通常召喚!」

 

ーーー

【メタルフォーゼ・スティエレン】☆2 炎 サイキック ③

DEF/2100

ーーー

【メタルフォーゼ・ビスマギア】☆1 炎 サイキック ④

ATK/0

ーーー

 

「来い! 魂燃やすサーキット! 私は2体のメタルフォーゼモンスターをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク2、【ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム】!」

 

ーーー

【ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム】リンク2 炎 サイキック EX①

ATK/1800

ーーー

 

「【ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム】の効果発動! デッキからペンデュラムモンスター1体をEXデッキへ送ることができる! これで【アストログラフ・マジシャン】をEXデッキへ送る。そして、【エレクトラム】の更なる効果発動! 場のカード1枚を破壊し、EXデッキからペンデュラムモンスターを手札に加える。わたしはペンデュラムゾーンの【ゴルドライバー】を破壊し、【アストログラフ・マジシャン】を手札に加えよう」

 

「今度は何する気だあ? よくわかんねえが正々堂々かかってきやがれ!」

 

「お望みとあれば全力で叩き潰してあげようか! 手札に加えた【アストログラフ・マジシャン】の効果発動! 場のカードが破壊された時、このカードを特殊召喚し、同名カードを手札に加える! そして、【エレクトラム】の第3効果でペンデュラムゾーンのカードが破壊された時、カードを1枚ドローする!」

 

ーーー

【アストログラフ・マジシャン】☆7 闇 魔法使い ⑤

ATK/2500

ーーー

 

さて……ここまで進められればもう勝ったも同然か。

わたしのデッキの下準備は終わったようなものだ。

このターンで一気に畳み掛けるまでだ。

 

「墓地の【メタルフォーゼ・カウンター】は除外することでEXゾーンの表側ペンデュラムカードを手札に加えることができる。【ビスマギア】を手札に戻し、手札の【ゴルドライバー】と【ビスマギア】の2体でペンデュラムスケールをセッティング! スケールは1と8。レベル2から7のモンスターが同時召喚できる! ペンデュラム召喚! EXデッキより、【ゴルドライバー】! 【スティエレン】! 手札より【サイバース・ウィザード】!」

 

ーーー

【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】☆4 炎 サイキック ①

ATK/1900

ーーー

【メタルフォーゼ・スティエレン】☆2 炎 サイキック ③

DEF/2100

ーーー

【サイバース・ウィザード】☆4 光 サイバース ④

ATK/1800

ーーー

 

「そして再び来い! 魂燃やすサーキット! わたしは【エレクトラム】と【サイバース・ウィザード】の2体をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚、リンク3、【サイバース・エンチャンター】!」

 

ーーー

【サイバース・エンチャンター】リンク3 光 サイバース EX①

ATK/2400

ーーー

 

「さらに伏せカードより【錬装融合】発動! 場の2体の"メタルフォーゼ"モンスターを融合! "猛き爆風、鋼鉄の意思に宿りて心肝を貫け! 融合召喚! いでよ、我が燃え上がる炎! 【メタルフォーゼ・オリハルク】!"」

 

ーーー

【メタルフォーゼ・オリハルク】☆8 炎 サイキック ②

ATK/2800

ーーー

 

機械仕掛けのジェット装備を身につけた人型モンスターが出現する。

こいつこそわたしのメタルフォーゼデッキのエース。"鉄壁殺しのオリハルク"だ。

 

「さぁて、覚悟してもらうぞ! バトル! 【サイバース・エンチャンター】の効果発動! 1ターンに1度、相手モンスターを守備表示に変更し、その効果を無力化する! 【大地の騎士 ガイアナイト】には守備表示になってもらうぞ!」

 

「ごちゃごちゃ色々やってるとこわりいが、潰させてもらうわ! カウンタートラップ【天威無双の拳】を発動するぜ! 効果のないモンスターがいる時、相手のモンスターの効果の発動を無効にする!」

 

くっ……さすがにそのまま通してはくれないか。

これが通れば守備力800の【大地の騎士 ガイアナイト】に攻撃することでワンターンキルができたところだったが……。まぁいい。

奴に1ターンの猶予が与えられただけだ。姑息な真似をしやがって……。

 

「ならば【オリハルク】! 守備表示の【召喚僧サモンプリースト】を攻撃! このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、2倍の貫通ダメージを与える!」

 

「2倍だと!? なかなかのパワーじゃねえか!」

 

「ふっ、貫け! "ヴォルケーノ・ダイブ!"」

 

【メタルフォーゼ・オリハルク】

ATK2800

【召喚僧サモンプリースト】

DEF/1600

 

【オリハルク】の背中に装着しているジェット機から迸る火炎の力を受けて、ものすごい速度で【召喚僧サモンプリースト】へと突撃する。その衝撃で大きな爆発が発生し、爆風が郷田に襲いかかった。

 

「ぐおはああああ! いてえダメージだぜ……」

 

郷田 LP4000→LP1600

 

郷田は吹っ飛ばされながらもまるでダメージを受けていないかのように立ち上がる。

デュエルウェポンのダメージをものともしていない。

デュエルでの対決じゃなかったら化物だな。

 

「メインフェイズ2。墓地の【錬装融合】の効果発動。このカードをデッキに戻すことで、デッキからカードを1枚ドローする。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

宗像 LP4000 手札1

モー裏ーモ

ー融ーーペ

 リ ー 

ーーシーー

ーー裏ーー

郷田 LP1600 手札1

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。