今までのものを読み直したりしてみたんですが、色々と誤字があったり、文章がおかしいところがあったりしてるので、書き直しか全修正かけたいなとも思っております……。
ただ、物語が中途半端なので、一度最後まで書ききりたいなとも思ったり……。
とりあえず続きを進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
結衣の衝撃的な一言に俺と赤見さんの二人は驚きを隠せないでいた。
まさか……結衣の父親がこんなところにいるなんて……それに国防軍の所属だったとはな。
だけど、国防軍である以上俺たちにとっては敵だ。
そう思い俺はデュエルウェポンを構えを崩さずに結衣の父親に対して臨戦態勢を続けていた。
「結衣……生きていたのか……」
「なんで……国防軍に……いるんですか……」
確か結衣の父親はプロデュエリストなはずだ。
プロデュエリスト世界で通用し続けること……それが佐倉家の伝統……。
「あぁ……色々あってな。海外で行っていたプロリーグから帰ってきたら、家にお前の姿はなく、その影響からか妻は自殺して亡くなっていた。全てを失ってしまった私は絶望し、プロリーグの世界からも消えることとなってしまった」
「そう……ですか……」
「私は食っていくために仕方なく国防軍へ入った。プロリーグで名は売れていたからな。そんなことよりも結衣。今までどこにいたんだ! 私はずっと……」
「……っ! 今更親面しないでくれる? あなたはいつも仕事ばかりで家にいなかったじゃない」
結衣は真剣な眼差し父親を睨みつけていた。
それは憎悪によるものなのか。あるいは……ほかの感情か……。
「プロの世界で活躍できるような名デュエリストとして君臨し続けること……それが代々受け継がれる佐倉家の伝統だ。お前も佐倉家の一員ならその程度受け入れるべきことだろう?」
「その程度……? 勝手なこと言わないで! 私がそのくだらない伝統のせいでどれだけ苦しい思いをしてきたことか……!」
「苦しいことかもしれないが、その先には必ず栄光ある幸せな生活が待っているはずだったんだ。私や母さんのようにな。だが、お前は私たちの言うことを聞かなかった。そして母さんは死んだ。全てはお前の行った身勝手な行動が生んだ不幸に過ぎない」
「うるさい! 何が幸せかは私が決めること……私はもう佐倉家の人間じゃない! 私は……ただの結衣。SFSの結衣だ!」
その結衣の発言を聞き、父親の表情が険しくなっていく……。
一体父親はどんな心境でいるのだろうか……。
「知らない間にそこまで考えが歪んでしまったか……。SFSに所属してしまったのが悪影響だったようだな……。お前たちSFSのせいということか」
「……結衣は自らの意思で我々と行動を共にしている。それは本人の意思だ。あなたに結衣の人生を決めつける資格はない」
赤見さんは低い声で言った。まるで結衣の父親を威嚇するように。
ただでさえ国防軍に対して警戒している状態だ。ましてや結衣の過去を知っている者としては敵対して当然だろう。
「ほう? 部外者の分際でえらそうなことを言うな。これは家庭内の話だ。これ以上口を挟まないでいただきたい。それに……そこのあなたは指名手配中の赤見 仁……か。なるほど」
こちらの素性はばれているということか。
その言葉を聞いた途端、赤見さんはデュエルウェポンを構えながら結衣の父親へと近づいていく。
「赤見班長。私にやらせてください」
赤見さんを静止するように結衣が声をあげた。
「結衣……」
「父の言うようにこれは私の家庭内の問題です。佐倉家としてのしがらみを断ち切るには私自身で決着をつけさせてください」
その言葉に赤見班長もさすがに動きを止めたようだ。
結衣の意思を尊重すると言った手前手は出せないという判断か。
確かに仮に俺が同じ立場だとしたら、自分の手で決着をつけようとするだろう。
「私に勝てると思っているのか? 結衣。私はプロの世界でトップレベルに君臨し続けていた。お前のような親からの教えを聞ずに、独学だけで身に着けたデュエルなど通用するはずがない」
「デュエルはやってみなきゃわからない……! それが私がSFS特殊起動班に所属して……地獄のどん底から這い上がってきたデュエルから学んだもの! 国防軍に落ちぶれたあなたに言われる筋合いはない!」
そのどん底は俺だったりするのだろうか。少し照れるな。
「親になんて口を聞くんだ! いいだろう。徹底的に思い知らせてやる必要があるようだな!」
結衣の父親は目を輝かせながら言う。
その様子は少し不気味だった。
「望むところです……!」
「まったく……この日を何年望んだことか……! 毎週のようにこの廃工場に通い続けた甲斐があった! それに結衣を連れ戻すだけでなく、指名手配犯も確保できるんだ。この数年で落ちた佐倉家の栄光を取り戻すことができる……! あぁ……今までの苦労は今日のためにあったんだな。全てを失った私の栄光を取り戻すために!」
確かに結衣の父親であると同時に国防軍だ。
いつ仲間に連絡されるかもわからない。この廃工場の位置特定されていれば逃げようがない。
「赤見班長、繋吾くん。逃げてください! でないと国防軍につかまって……」
「お前……」
逃げるように促してくる結衣。
でもそうなれば結衣だけが俺たちに協力したとして捕まることとなるだろう。郷田さんと同じように。
見捨てていけるわけがないだろう……!
「そんな仲間を見捨てることなんてできるか! 逃げるなら一緒だ。結衣!」
「繋吾くん……」
「繋吾の言うとおりだ。結衣をおいてはいけない」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう! 私の父は国防軍なんです! 当然、仲間に連絡がいってるはず……」
結衣の父親に視線を向けると、どうやらデュエルウェポンを操作しているようだった。
「当たり前だろう。じきにお前たちは包囲される。私を倒したとしても逃げ場はないぞ。まぁ、そもそも私に勝てるはずがないがな」
「くっ……」
いまから正面口に出て逃げるか……?
いや、でも結衣を置いてはいけない。
籠城作戦で隠れ続けるのも無理だ。そうなればデュエルで戦いを挑むことになるか……。
相手が何人いるのかわかったものじゃない。到底体が持たないだろう。
いくらデュエルに勝ち続けられたとしても、デュエルウェポンで受けたダメージが蓄積すればライフより先に体に限界がくる。
くそ……どうしたら……!
「……わかりました。赤見班長、お願いがあります。例の部屋から飛び降りれる準備をしてください。あそこからなら崖を下って裏通りに出られます。もし私が負けてもそこから逃げれるはずです」
例の部屋……? 結衣が襲われていた場所のことか?
そこから出られるというのなら国防軍と遭遇せずに逃げれそうだ。包囲されていなければの話だが……。
「例の部屋……お前が連れ込まれた場所か。確かにあそこなら脱出できるかもしれない」
「はい……出口の状況次第ですが……」
「……わかった。負けるなよ、結衣……。それに繋吾。お前は入口を開かないようにしていてくれ。その間に私が道を用意する!」
「わかりました!」
「……結衣の近くで見守ってやってほしい。くれぐれも頼むぞ!」
赤見さんは俺の両肩にしがみつくようにしながら訴えてきた。状況が状況だ。赤見さんとしては心配で仕方がないのだろう。
俺が頷くのを確認すると、赤見さんは奥の部屋へと走って行ってしまった。
さっそく俺はデュエルウェポンで【ジャンク・シンクロン】と【ドッペル・ウォリアー】の2体を召喚し、入口を塞がせる。
これなら仮に入口を見つけられても少しの間なら耐えられるだろう。
「そんなことしても無駄なことだ。逃げるのなら今のうちだぞ? 結衣が私に勝てるはずがないからな」
さっそく結衣の父親が呆れたように言ってきた。
なんと言われようと俺は結衣を信じる。今はそれしかできないからな。
「やってみなければわからないだろう。結衣はあんたが思うほど弱い人間じゃない! 誰よりも人のことを思いやれる強さがある!」
結衣は自分の境遇を変えようと行動した。
その行動力は強さだ。誰しも出来ることじゃない。流れに身を任せるだけでなく、自ら運命を変えようと立ち上がったんだ。
俺はその結衣の決意を信じてやりたい。
「繋吾くん……そうですね。今まで人を恨んだりすることばかりでしたけど今は違う。私は仲間のために戦っている……」
「そんな個人的な感情などデュエルには何の意味もない。さっさと構えろ結衣。本物のデュエルってやつを教えてやる」
「……デュエルなら例えあなたでも負けるつもりはありません! 覚悟してください!」
「言うようになったじゃないか。いくぞ!」
「デュエル!」
太郎 LP4000 手札5
ーーーーー
ーーーーー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー
結衣 LP4000 手札5
先攻は父親の方だ。
プロデュエルがどの程度のものか……見せていただこうか。
「私のターン。手札を1枚墓地へ送り、【ティンダングル・ジレルス】の効果を発動! デッキから【ティンダングル・ドールス】を墓地へ送り、このカードを裏側守備表示で特殊召喚する! さらに、【ティンダングル・ドールス】の効果で手札コストで墓地へ送った【ティンダングル・エンジェル】を墓地より裏側守備表示で特殊召喚しよう」
ティンダングルモンスターか!
結衣も確か何体か使用していたような気がする。やはり元々持っていたデッキも父親の影響を受けて完成していた戦術みたいだな。
「さらにモンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
太郎 LP4000 手札1
ーー裏ーー
ー裏裏裏ー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー
結衣 LP4000 手札5
裏側のモンスターが3枚。結衣と同じようにリバース効果を主軸をしているようだな。
変わった戦術ゆえに対策も難しい。
結衣はどこまで父親のカードを把握しているのかはわからないが、一筋縄ではいかなそうだ。
「いきます。私のターン。ドロー! 【暗黒の招来神】を召喚。このカードの効果でデッキより【七精の解門】を手札に加えることができます。そして、このまま永続魔法【七精の解門】を発動! この効果によってデッキからもう一枚の【暗黒の招来神】を手札に加えることができ、場の【暗黒の招来神】の効果で攻守が0のモンスターである【暗黒の招来神】を追加で召喚できます」
ーーー
【暗黒の招来神】 闇 悪魔 ☆2
ATK/1000
ーーー
「ほう。いつの間に見ないカードを入れるようになったな結衣」
「ええ、あなたの力がなくても戦えることを見せてあげます。【暗黒の招来神】2体でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! "深淵より目覚めし悪魔の囁きよ! 堕とされし弱者を誘い、蠱惑しなさい! エクシーズ召喚! ランク2 【ゴーストリック・サキュバス】!"」
ーーー
【ゴーストリック・サキュバス】 闇 魔法使い ランク2
ATK/1400
ーーー
結衣の前には悪魔のような羽を生やしながらも、まるで子供のような女性モンスターが現れる。
攻撃力もさほど高くはないが、見た目相応といったところだろうか。
「お前が好きだった"ゴーストリック"モンスター。いまだに使っているのだな」
「私にとっては……このカードたちだけが家族みたいなものですから」
「お前……」
その言葉を聞き父親はむすっとしたような表情をする。
ピリピリした空気だ……。いつ声を荒げてもおかしくはないだろう。
「……では、私は【ゴーストリック・サキュバス】でオーバーレイネットワークを再構築! "闇夜の帳より誘う嘲笑の翼よ! 幻想に囚われし醒めぬ冀望を打ち砕け! ランクアップ、エクシーズチェンジ! ランク4、【ゴーストリックの駄天使】!」
ーーー
【ゴーストリックの駄天使】 闇 天使 ランク4
ATK/2000
ーーー
結衣のおなじみのモンスターが現れた。下準備としては順調のようだな。
この調子で頑張れ……結衣!
「【ゴーストリックの駄天使】の効果を発動! オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから【ゴーストリック・ロールシフト】を手札に加えます。そして、バトル! 【駄天使】で【ティンダングル・ジレルス】であるセットモンスターに攻撃! "ファシネイト・ディザイア!"」
「悪いがもう準備はできていてな。永続トラップ発動! 【星遺物の傀儡】! 場の裏側モンスター1体を表側表示へと変える。私はその隣の【ティンダングル・エンジェル】をリバース」
「くっ……そのカードは……」
どうやら結衣も効果を知っているようだ。
険しい表情を崩さない。
「このカードがリバースした時、墓地からリバース効果を持つモンスターを裏側守備表示で特殊召喚し、バトルフェイズである場合はそのバトルフェイズを終了する。私は【ティンダングル・ドールス】を特殊召喚しようか。さて、バトルは終了だ。どうする?」
「さすが……ですね……。ですが、このデュエルは佐倉家との決別を決めるためのデュエル。絶対に負けない……私も手札の【ティンダングル・ジレルス】の効果を発動! 手札を1枚捨てて、デッキから【ティンダングル・イントルーダー】を墓地へ送ることで、このカードを裏側守備表示で特殊召喚。カードを2枚伏せて、ターンエンドです」
「ふん、何が決別だ。そのカードを使っている時点で、お前は親から何も独立できてはいない! なんなんだ? その"ティンダングル"カードは?」
「うっ……」
結衣は自らのデュエルウェポンに視線を落とす。
「それこそ佐倉家としてデュエルをしていくことに他ならない。お前はただの結衣といったが、それではなんの力もない出来損ないにしかなれないぞ。いいか、今からでも遅くはない。そんな犯罪者たちから離れて私のところへ戻ってきなさい。今ならお前だけ罪を免除してもらうよう私から働きかけよう。な? 結衣」
「……」
結衣は父親に言い返せない様子だった。
歯で唇を噛みしめながら悔しそうな表情をしている。
そんな結衣の様子を見て黙っていられるわけないだろう。
「結衣、気にするな! そのカードは佐倉家だけのものじゃない! お前が信じて使ってきたカードなら、それはお前のデッキであり、お前の力だ」
「繋吾くん……」
結衣はハッとしたような表情をして俺の方を向く。
お前はこの程度であきらめるような人間じゃないだろう。どんな相手でも負けじと嫌味を言えるくらい強いはずだ!
「ふざけたことを言わないでもらえるか? 犯罪者の言うことなんて聞くものじゃない。そもそもそのカードを信じ使っていたならば、お前は佐倉家の力を信じていたことに過ぎない。そう、父親であるこの私が使っていたからこそ"ティンダングル"を強いカードだと信じて使ってきたのだろう? 違うか?」
再び結衣は視線を落とす。
だが、その目にはまだ闘志が宿っているように活気があった。
「残念だけどあなたの言うことは大きく間違ってる」
「なに……?」
「……繋吾くんと赤見班長は犯罪者ではないこと……そして私は……あなたが強いと尊敬してこのカードを使っていたわけではなく、私の方がうまく扱えることを証明するために私は"ティンダングル"カードを使ってることを!」
「ぐぐっ……調子に乗るなよ結衣! ここまで親に楯突いたことを後悔させてやろう!」
結衣の父親はしびれを切らせたのか急に大きな声で叫びだした。
しかし、冷静さを欠いているわけではない。そこはさすがのプロといったところか。
「本物のプロはな……時にはエンターテイメントじゃなくて、ただ勝利だけを追求することもある。それは国防軍で戦うには本当に好都合だったよ……。せっかくだから味合わせてやろう……"国防軍殺戮部隊の力"をな……」
「殺戮……部隊……?」
結衣は少し動揺したように口にした。
そんな部隊聞いたことないぞ……?
「ふん、今更怖気づいても遅い。さぁ、私の本気はここからだ! 覚悟しろよ……結衣! お前にたっぷりとわからせてやる……。私のターン、ドロー!」
このターンからが父親の本領発揮といったところか。
耐えてくれよ……結衣……。
太郎 LP4000 手札2
ーー罠ーー
ー裏裏モ裏
ー エ
ーー裏ーー
ー裏魔裏ー
結衣 LP4000 手札2