この素晴らしい世界に灼熱の怪獣王を!   作:千本虚刀 斬月

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魔剣の勇者様のご冥福をお祈りします

 ゴジラの原動となるものは一体なにか?それは『憤怒』である。身を焦がす程の怒りを以て、眼前に立ち塞がる者の全てを焼尽くすのだ。何処かの世界には、怨念と憎悪を以て、生者を蹂躙することに愉悦するゴジラも居るのかも知れないがそれは置いておく。

 

ゴジラは決して忘れない。例え歴史を改編されようとも、人間達が行った水爆実験の所為で全てを失い、見るも無惨に変貌してしまった事を。その苦痛は筆舌に尽しがたく、唯一無二という孤独は何より恐ろしかった。故にゴジラは赦さない。自分を傷付けようとする存在、自分の仲間を奪おうとする者を。

 

 

 

 

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 御剣の発言を聞き、カズマ一行は唖然とした。

 

「ええっと、御剣だっけ?悪い事は言わねえから、アイツとだけはやめた方が良いぜ?」

 

「そうね、カズマさんの言うとおりだわ。やめておきなさいな。」

 

「知らないというのは、こうも恐ろしい事なのですね。アレに挑むなんて、自殺も同然だと言うのに。」

 

「うむ、皆の言うとおりだ。私が代わりに相手をしてやるから、それで我慢しておけ。なんならその自慢の魔剣を遠慮無く振って良いんだぞ?私は一向に構わん!いや、寧ろやれ!!」

 

これには流石の御剣も困惑するが、前言を撤回する気は無いらしい。余程自信があるのだろう。

 

転生の際に女神アクアから貰った魔剣グラム、高レベルの上級職、最前線で積み重ねた経験、それらに見合った業物の鎧。

 

成程、確かに諸々の尊大さにも頷けるだけの戦闘能力を誇っている。

 

しかし、ゴジラの前では無意味どころか逆効果でさえある。

 

「コイツ本っ当に人の話聞かねぇな。・・・おい、どうするよ?」

 

「ん~~~、とりあえず実際に遭わせてみたら?」

 

「遭えばきっと腰抜かしますよ。」

 

「そうだな、仕方ないか・・」

 

一行はギルドに向かう事にした。サキエルなら恐らく巧い事ゴジラを宥めてくれるだろう。なんならサキエルに決闘の代理役を頼みたいくらいだ。彼女であればそつの無い美事な対応をこなすに違いないのだから。

 

ギルドの酒場にはサキエルは居らず、ゴジラとクリスが居た。なんとも間が悪い事に、サキエルは野暮用で少し席を外したらしい。ちなみにクリスはゴジラ語をちゃんと理解できるらしく、ゴジラも意外にもクリスの事を邪険にしている様子は無かった。

 

真逆の怪獣王に御剣は文字通りに吃驚仰天、取り巻きの美少女3人は声にもならず卒倒しかけている。

 

凡そカズマと同じリアクションの御剣にざっくり説明するアクア。めぐみんとダクネスから決闘云々の話を聞き不快の意を表明するゴジラ。この世界の大戦力の一人が死にそうで頭を抱えるクリス。

 

「・・・・・え~~~っと、君さあ・・・本当にゴジラと戦う気?」

 

クリスの掛ける声に御剣が応えるよりも先に反応したのは取り巻きの女達の方だった。

 

「ひっ、卑怯者っ!卑怯者、卑怯者、卑怯者!!あんた最低っっ!!男だったら正々堂々、自分で勝負できないの!?」

 

「そっ、そうよそうよ!!いくら何でもこんなの反則よ!!」

 

喧しく喚き立てる。まあ仮に本来通りカズマが相手をしたとしても、結局は敗北していただろう。冒険者同士の決闘とは則ち何でもありな喧嘩であり、騎士の御前試合やルールに則ったスポーツ等とは訳が違うのだから。

 

「・・・心配してくれて有り難う。でも、大丈夫。なにせ、僕は女神様に選ばれし勇者だからね。」

 

端から見れば精一杯の虚勢なのは一目瞭然。だが女共には一体どう映っていたのか

 

「「キョウヤ・・・素敵!絶対に勝ってね!!」」

 

「勿論!例え相手が天下の怪獣王だろうと、引く気は一切無い!僕が勝った暁には、約束通り彼女達は皆ウチのパーティーに来る!いいな!!」

 

自分に心酔している女達の前でああも威勢良く啖呵を切ったからか、今更引くに引けなくなっている。そしていつの間にかアクアのみならず他の女性陣も移籍対象になっている。

 

ゴジラとサキエルについては、決闘の如何に関わらず後ほど王都招集の勅命が下されるそうだ。

 

ゴジラとしては怪獣達との戦い自体には否意は無い。元よりその為にこの世界に来たのだから。ただ人間の守護獣に成り下がるなど、断固として拒否する構えである。

 

何より、この人間はカンに障る。アクアに対して恩義があるのは理解したが、その後のコイツの言い分は聞くに堪えない稚拙なもの。身勝手な正義を振りかざして、自己満足の悦に浸り、他者を蹂躙しておきながら自分が正しいと信じて疑わない。成程、()()()()()()()()()()

 

断じてカズマのように『リア充共マジでウゼェ!大・爆・死・確・定だオラァ!!』などと思っている訳では無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔剣の勇者と名高い御剣 響夜VS怪獣王ゴジラ

 

決闘はアクセルの街から少し離れた高原にて行われる事になった。ギルドの裏にある広場程度じゃ間違いなく周囲に被害が出る為だ。野暮用を済ませたらしいサキエルも合流した。決闘はアクアが主審を、クリスとサキエルが副審を務める。勝負ありと見なされても尚オーバーアタックを仕掛けようとした場合は、この3名が総掛かりで制止する。

 

両者はこの条件に同意し、所定の位置にスタンバイする。

 

「準備は良いわね?用意―――――――

 

ゴジラはバーニング化はせず通常モードで、嚇灼の殺意を湛える。その様はまるで噴火直前の火山の如く。

 

対する御剣は魔剣グラムの性能と自身の魔力を全力で発揮し、相乗させる。そうして練り上げたエネルギーをグラムに纏わせ、研ぎ澄ます。

 

―――――――開始!!」

 

「━━━これが、僕の全力だ!行くぞ!!『ギガブレイク』!!」

 

御剣は、この一撃に全てを賭けることにした。端から長期戦の事など一切考えず、正しく初撃で決殺するに足りる業。

 

その斬撃は確かにゴジラへと届いた。皮を裂き、肉を斬り、しかし骨を断つには到らず。

 

ゴジラは『ギガブレイク』を真っ向から受け止め、あろう事かそのエネルギーを背鰭で吸収していく。そして、放射熱線にその威力を上乗せして発射。

 

「なあ!?ぐ、がああァァァァ―――」

 

「勝負あり!!それまで!」

 

驚く事に、御剣は瀕死の重傷ではあれど絶命していなかった。素のステータスの高さと、魔剣グラムの恩恵と、跡形も無く砕け散った業物の鎧のおかげだろう。もっとも、全身の至る所が熱傷深度II以上で心肺停止状態。おまけに放射能被曝している。

 

アクアが習得している最高の回復魔法『セイクリッド・ハイネスヒール』を以てしても完治とはいかない。少なくとも数ヶ月は治療に専念せねばなるまい。

 

まあ本気のゴジラと戦ったのだ。死ななかっただけマシと思うしか無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 一方その頃、紅魔族の里は遂に限界を迎えていた。異なる宙より来たりし破壊神スペースゴジラの力は紅魔族を以てしても余りにも圧倒的だった。

 

モゲラ(擬)はとうとう全滅し、爆殺魔人もぐにんにんは『フォトンハリケーン』による電磁パルスによって呆気なく機能停止。司令塔のジェットジャガーも何だか良くわからない理屈で巨大化して戦ったが、既に中破状態。

 

昔から里にある用途不明の謎施設は軽微な損壊だが、中に収められている『魔術師殺し』や『世界を滅ぼす兵器』については、極めて残念な事に使い方が分らない。それでも凡そ安全と思われる場所に非戦闘員達と一緒に送り届けた。しかし、レールガン(仮)については、同行していた幹部シルビアに接収されてしまった。

 

「嗚呼・・・里が、燃えていく・・・」

 

「――――もはやこれまでか。・・・里は捨てるしかあるまい。魔王軍の思い通りになるのは癪だが、生きてさえ居ればまたやり直せる。」

 

「そんな、族長・・」

 

しかし、売られた喧嘩は必ず買う、やられたらやり返す。紅魔族に伝わる掟である。この場に残って今まで戦っていた者達、既に退避している非戦闘員達、彼等全員がその屈辱と憤激を心に刻み込んだ。彼の邪知暴虐の怪獣を討滅ぼすと決意した。紅魔族は対魔王軍用改造人間である。しかし基本的には、政治や権力に与する事無く自由気ままに人生を謳歌している。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

 

彼等は誓う。アイツ絶対ぶっ殺す!!!

 

 

 

 




この世界のアルダープは召喚神器を手に入れてない為、悪魔マクスウェルと契約していません。原作程に好き勝手し放題に出来て居らず、最低限は領主としての務めを熟さざるおえないので、ぶっちゃけキャラとしてほぼ死んでいます。なので殆ど出番はありません。
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