《緊急!緊急!デストロイヤー警報!!デストロイヤー警報!!機動要塞デストロイヤーが、現在この街へ接近中です!街の中にいる冒険者各員は、至急戦闘態勢を整え街の正門に集まって下さい!繰り返します。街の中にいる冒険者各員は、至急戦闘態勢を整え冒険者ギルドに集まって下さい!特に、ゴジラ様とサキエル様は可及的速やかにお願いします!!そして、街の住人の皆様は、直ちに避難してくださいっ!!》
もはや、毎度お馴染み感すらあるアナウンスがアクセルに響き渡る。いや、今回はいつも以上に切羽詰まっている感じだ。機動要塞デストロイヤーとやらが一体何なのかは相変わらず良く分からないが、相当にヤバイのは流石に察しがつく。
アクアは七転八倒しながら荷物をまとめ、真っ先に逃げだそうとしている。めぐみんは諦観の表情で茶を啜りながら、魔王城へのカチコミを提案する。ダクネスはかつて無いガチモードでギルド出頭を催促してくる。クリスは雪精討伐クエスト以来ご無沙汰。
そもそも、機動要塞デストロイヤーとは一体何なのか?それは太古に栄えた技術大国ノイズによる負の遺産に他ならない。通った後にはアクシズ教徒以外、草も残らないとまで言われる極めつけの大物賞金首だ。
全長:80メートル
重量:25000トン
最高移動速度:600㎞/h
動力:永続宝珠コロナタイト
材質:超耐熱合金NT1S
装甲:特級対魔障壁
武装:自動対空撃用ハイパワーメーサ―×4、ファイヤーミラー、パラライズ・ミサイル×2、放射線流、強縛デスクロスネット、侵入者迎撃用自立型ゴーレム多種多量、自爆装置
そのスペックも、異次元の領域である。ゴジラであっても、サイズダウンした今の状態では厳しいと言わざるおえまい。何しろ、当時のノイズには優れた対魔王軍用兵器の数々や大勢の紅魔族達が居たのにもかかわらず、逃げる事しか出来ず滅亡してしまったくらいなのだ。
ギルドの作戦会議にて明かされたそれらの情報は、「どうせゴジラが居るんだから何とかなるっしょ」とタカをくくって楽観していた多くの冒険者達に絶望を抱かせ、当のゴジラは闘争本能を燃え滾らせた。
文字通りに難攻不落の要塞デストロイヤー攻略作戦会議は紛糾を窮める様相を呈している。並大抵の火力の魔法では障壁に掻き消される。障壁を貫通し得る超火力魔法は事前に感知されて、持ち前の機動力で回避されるか、先制攻撃で潰されるか、下手をすればファイヤーミラーで威力を増幅された状態で反射される。
アクアが女神パワー全開で『セイクリッド・ブレイクスペル』を撃ち込んだとして、果たして真面に命中させられるかどうか。当たりさえすれば障壁を破れようが、カウンターを喰らう恐れもある。
仮にアクアの攻撃が無事成功して障壁を破ったとして、次撃にて機動の要である脚部機関の破壊が望ましいが、やはり先程と同様の問題が立ち塞がる。否、より一層に危険となるだろう。と言うか、スーパーXⅢはコーティングを施されていたとは言え、バーニングゴジラの赤色熱線の直撃を2度喰らっても耐えていたのを考えると・・・・・最低でも爆裂魔法をクリーンヒットさせる必要がある。めぐみんとウィズによる左右全くの同時攻撃、それでも分の悪い掛けと言わざるおえない。
そしてゴジラが限界までチャージしたバーニングスパイラル熱線で炉心を撃つ抜く。無論、容易くは無いだろう。最大の急所である故に、決して外部からの攻撃を受けないよう厳重に護られている筈なのだから。
万一にも放射流線で反撃されようものなら、片手の指で数えられる位の者しか生き残れないだろう。第一段階の広域核焔熱は、破壊力はそこそこ程度だが都市丸ごと炎の海に沈める程の攻撃範囲を誇り、それ故に市街地における対人殺傷能力は恐るべきものだ。第二段階の収束熱線については、使用した記録が無い為に詳細は不明なれど、設計理論通りであるなら使用は可能な筈である。その場合の威力がシン・ゴジラのものと同一であるのならば、直撃に耐えうるのはアクアとゴジラのみ、サキエルやウィズやダクネスですら耐えきれずに灰燼と為り果てるだろう。
しかし漢達は諦めない。不撓不屈の瞋恚を以て斃す為の作戦会議を続ける。その全員が
ウィズが自分の店から持ってきた魔道具やポーションを手に取り、どうにかして足止めに使えないか話し合う。兎にも角にも、アクアの攻撃が当たらなければどうしようもないからだ。その為にはデストロイヤーの機動力を多少なりとも削がねばならない。だが芳しくは無い。
爆発系ポーションを予想侵攻ルートに埋めて地雷にする。無駄に強力な魔道具を敢て自壊させ、その魔力を炸裂させる。長大な特製のワイヤーを用意して、盗賊職全員で『バインド』を掛ける。他にも様々な意見が出た。その中で一番有効と思われる案は、
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「・・・やはり、このままでは拙いですね。なんとかしなければ・・・」
そこは厳かな空気が満ちた、紛う事なき神殿。その空間に唯一存在する玉座に在すは、女神エリス。
「はぁ、こうなっては致し方ありません。・・・まあ、先輩のおかげで規定違反も今更ですしね。」
その手に持つ書類にはこう書かれていた。
ゴジラ拘束制御術式解放承認
生煮えの頭のままに指動かしてたらデストロイヤーの事メッチャ強くしちゃってた・・・