この世界の冒険者達はカードを使ってスキルポイントを消費することで様々なスキルを習得する。そうすることで人は漸くモンスターという脅威に立ち向かうに足る技能を得られるのだ。
だが、此処に例外が存在する。
ゴジラである。ゴジラはカードを常時サキエルに預けており、自分では触ったことすら殆ど無い。今習得しているスキルも、元々なんとなくで出来ていたことが、冒険者になったことで明確なスキルに昇華されたにすぎないのだ。
今、ゴジラの習得可能スキル一覧に、新たなスキルが表示された。
神聖拘束制御術式解放 習得に必要なスキルポイント:100
自分の意志で何時でも本来のサイズに戻ることが出来る。
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アクセルの正門前に広がる平原にて、必滅の意を以てデストロイヤーを迎撃せんとするは灼熱の怪獣王バーニングゴジラ。やや後方にて大天使サキエルと、コロナタイトを携えた彼岸棲姫。当作戦の要とも言える、女神アクア。
門前にはダクネスやカズマ、街の冒険者達。そして、正門の両隣にある見張り用の高台にはアークウィザードにして爆裂魔法担当のウィズとめぐみん。
遂にその時がやって来た。
「▇▇▅▇▅▅▂▂!!▇▇▅▇▅▅▂▂!▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!」
デストロイヤーがバーニングゴジラをアナライズスキャンし、脅威度を測る。その瞬間、デストロイヤーの脚が止まったのを黙って見逃す冒険者では無い。
ビオランテ・リコリスが蔦を幾重にも脚に絡ませ、しかし予想通りに引き千切られていく。いかにコロナタイトの恩恵を得ようとも、足止めさえ10秒と持たない。だが、十分だ。
「神の力、思い知れ!━━━『セイクリッド・ブレイクスペル』!!!」
デストロイヤーの対魔障壁と、アクア渾身の神聖魔法がぶつかり合う。数秒の拮抗の後、競り勝ったのはアクアの魔法。デストロイヤーの特級対魔障壁が甲高い破砕音を響かせる。
デストロイヤーにとって紛れもなく痛手なれど、駆動力や攻撃力は未だ健在。己を破壊しうる脅威を粉砕するべく進撃を開始する。だが突如、脚下の地面が大爆発する。街中から掻集めた魔道具を惜しみなく大量に使用した特製の地雷が起爆したのだ。
すかさずサキエルの『フリーズバインド』や、冒険者各員のスキルや魔法が放たれる。そして
「「黒より黒く、闇より暗き漆黒に、我が真紅の混淆に望み給もう。覚醒の時来たれり、無謬の境界に堕ちし理、無業の歪みと成りて現出せよ!踊れ、踊れ、踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり!万象等しく灰燼に帰し、深淵より来たれ!━━━━『エクスプロージョン』!!」」
古より暴走し続け、未だかつて誰も破壊するに到らず、天災とまで謳われるに到った超兵器、機動要塞デストロイヤー。
冒険者達はこの古代兵器の真髄を見損なっていたと言わざる負えない。
デストロイヤーは上顎に相当する部分を展開し、ファイヤーミラーを以て二重爆裂魔法を受け止め、光線を打ち返したのだ。
「▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!」
バーニングゴジラのフルチャージのバーニングスパイラル熱線と相殺、大爆発を引き起こした。これによりファイヤーミラーは破損し標準のコントロールがきかなくなりはしたが、冒険者達に与えた衝撃は計り知れない。
デストロイヤーは先ず邪魔な有象無象から片付けようと、後方に『強縛デスクロスネット』と『パラライズ・ミサイル』を放つ。アクアとサキエルとビオランテ・リコリスが対処するが、このままではジリ貧、敗北は確定的に明らか。
サキエルはバーニングゴジラに回復魔法と支援魔法をかけながら、必至に思索する。
やはりゴジラこそが最期の希望であり、しかしこのままでは例え破壊に到ったとしても、炉心温度が限界を超えて死滅する可能性が非常に高い。
「何か、何か手は・・・・・っ!?」
大天使サキエルに女神エリスから天啓が下った。サキエルはゴジラの冒険者カードに表示されている習得可能スキル一覧を確認、『神聖拘束制御術式解放』を発見すると即座にポイントを消費し、スキルを獲得させた。ゴジラ本人の合意は得ていないが、状況が状況だ、事後承諾して貰うしかない。
闘争において、大凡にして身体の大きさは強さに直結する。格闘系の競技が何故に体重別で行われるのか、身体の大きさとはそれ程如実に力の差を生じさせてしまうからだ。
「▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!▇▇▅▇▅▅▂▂!▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!」
久方ぶりに本来の身体に戻り、掛け値無しの全力を発揮出来ることに歓喜の雄叫びを上げるバーニングゴジラ。
バーニングゴジラは立て続けの3発もの赤色熱線を浴びせ掛ける。デストロイヤーはファイヤーミラーで受け止めようとするが、熱と衝撃に耐えきれずに完全に損壊する。
デストロイヤーは自慢の高機動能力を生かし、バーニングゴジラの周囲を飛び回りながら『強縛デスクロスネット』を浴びせ『パラライズ・ミサイル』で動きを止めようという算段だったようだ。しかしデスクロスネットは炎熱に弱いという、バーニングゴジラ相手には致命的な欠点があった。パラライズ・ミサイルにしても、効果が発揮するには何十発と撃ち込まなければならない。
そもそもゴジラの学習能力は決して低くは無い。ワンパターンな攻撃を繰り返し続ければ見切り、カウンターを合わせて撃墜することも可能。
尻尾攻撃で五月蠅く飛び回るデストロイヤーを叩き落とし、赤色熱線の連射で脚部機関を完全に吹き飛ばした。
「▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!▇▅▅▇▅▇▇▇▅▅▂▂▅▂!!」
だが、バーニングゴジラの炉心はかなりの温度にまで上昇している。これ以上のヒートアップは流石に拙い。戦うにしても、一度冷却して炉心温度を下げなければならない。そう判断したサキエルとアクアによって緊急停止をかけられた。
デストロイヤーの炉心部、コロナタイトが設置されている部屋にソレは鎮座している。
「マサカ、デストロイヤーガ・・此程ノ痛手ヲ被ルトハ・・・」
侵入者を迎撃する為の、管制司令官として作られた高性能人型ゴーレム『ポートダーウィン』。白濁した肌と髪、鮮血の如き瞳、額の一本角、両の掌は禍々しい鉤爪、背後にはタンクが二つ、右側からは邪竜の顎、左側にはクレーンのついた砲台。
そして、デストロイヤーの敗北が確定した場合、自爆機能を作動させる役割も担っていた。
自爆機能を作動させ、自動的にアナウンスが流れる。外でデストロイヤーに侵入する機会を窺っている冒険者連中にも伝わっただろう。
邪竜の顎より輩出された幾多の自立飛行式小型ゴーレムを通して侵入してきた冒険者達を発見する。
「クルナ、ト・・・イッテイル、ノニ・・・」
その様子は陰鬱としていて、まるで摩耗し果て、あらゆるものに倦んでいるかのようであった。
美女型ゴーレム『ポートダーウィン』
デストロイヤー開発責任者が侵入者迎撃用に制作した特別なゴーレム。戦闘行為に対してはやや消極的だが、本気出すとかなり強い。
ボンキュッボンのムッチリボディ×ノースリーブの縦セタ横乳×膝立ち上目遣い
ノイズに仕官する以前に制作していた美少女型ゴーレム『ダッチハーバー』を踏襲、軍用に設計し直しパワーアップさせた。尚、『ダッチハーバー』は今もどこかに厳重に保管されている模様。
ゴジラ一行の戦力について
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ちょっとチート過ぎんよ~
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まだまだ盛れるではないか。やれ
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ん~、このままでいいんじゃね?