「あら?花園さん?」
「あ、先生」
放課後、先生にあった。私が仲よくしてて、以前盗撮事件のことを聞いた佐藤睦美先生だ。
あの時はそのことから手を引けといっていたが、まあ教頭先生や校長先生から箝口令を敷かれていただろうから仕方ないよね。 先生にも立場ってものがある。
「なんでこんな時間に・・・もしかしてまだあのことを?」
「・・・あのこと?・・・ああ、違いますよ。安心してください」
とっさに嘘をつく。私がまだ動いていると知られたら先生も監督不行き届きとかで不利益被るかもしれないからね。
表向きだけでもかかわっていないことを言っておかなきゃ。
「それならいいけど・・・まだ気にしてるなら少しでも早く忘れるようにね?花園さんがこれ以上危ない目にあったら先生も嫌だし」
「うん、わかったよ。ありがとね先生」
「気をつけて帰るのよ」
そういって先生は立ち去る。
・・・・さて、行こうかな。
※
18:00。私は指定された通り、屋上へと向かっていた。正直罠だとわかっている。でも相手の正体がつかめない現状を鑑みると、向こうから接触を図ってくれるのは大きなヒントだ。
本当は奏也と相談したかったんだけどなぜか奏也は今日連絡がつかない。
「これってあれだよね・・・どう考えても罠だよねえ・・・」
「ええ、まず間違いなく。ですが逆にチャンスととらえるべきかもしれません」
「あ、紗夜さんも同じこと考えてたんだ。そうだよね、プラスに考えよう」
連絡が付かないのは仕方がないので同じく呼び出されたという紗夜さんと奥沢さんとともに、今屋上のドアの前にいる。
ちなみに2人も奏也に連絡がつかないらしい。もしかして何かあったのかな・・・?
奏也なら大丈夫だと思うけどさ。
「さすがくぐってきた修羅場が違うなあ・・・二人は。じゃあ、開けますよ・・・・」
奥沢さんが屋上のドアを開けるとそこには仮面をした女性が一人たたずんでいました。
「あなたは・・・・!」
「紗夜さん知ってるの?」
「ええ、この前私たちを襲ってきたグループのリーダー格ですよ。あの時は逃げられましたが・・・まさかそちらから来ていただけるとは」
「ようこそみなさん。色々お世話になったみたいですね」
あっけからんと仮面の女性は言い放つ。
「そちらから姿を現してくれるなんて好都合」
「そうだね。それにいったい何の目的で呼び出したのか聞きたいね」
「まあ十中八九罠でしょうけど・・・まあいいです要件を聞きましょうか」
私たちは各々、思っていることを口にする。
それを聞いて相手は突然笑い出したのだ。
「あーっはっはっは・・・あーおかしい。罠ってわかっててきたの?それにずいぶん余裕じゃない。後ろ、見てごらんなさいよ」
するとどこから現れたのかガラの悪そうな男がぞろぞろ、物陰から現れた。
「ふいー・・・やっと出番かよ」
「狭いところに押し込めやがって・・・お、女子コーセー3人か!」
「けっこー可愛いじゃん。ワクワクしてきたぜ」
「マジでこいつらをヤレば金までくれるのか?」
「ワリがいいぜ」
好き放題いいながらゾロゾロゾロ現れる。
うーん、格好とか雰囲気に規則性がないし、お金に釣られた寄せ集めって感じかなあ。
「あーっはっはっは!あんたたちで裏ビデオ撮影会をやるって人を集めたのよ!いつまでもおしっこするだけの動画じゃ顧客も飽きるからね。そろそろホンモノ女子高生の本番ってのもいいと思って」
「うーん、いっぱい人がいる」
「そうだね。なんていうかよくこんなに集めたなって感じ」
「まったく、無許可で男性を校内にいれるのは校則違反なのに・・・風紀委員として見逃せませんね」
私たち3人は臨戦態勢をとる。相手はガラの悪い男が21人ほど。よく目立たずこんな人数を呼び込めたなあ。
「なんでそんなに余裕そうなのよ!」
「なんだこいつらナマイキ言いやがって・・・」
「こちとら女子コーセーとヤレて金まで貰えるって聞いて深夜から待ってたんだ。たっぷり楽しませてもらうぜ」
そんなことを考えていたらそんなことおっしゃった。うわー・・・深夜から待ってたんだあこの人たち・・・ちょっと引くかも。
「ねえ、1人で何人倒せるか競わない?」
「いいけど・・・花園さん楽しんでる?」
「せっかく夜から楽しみに待っててくれたんだし、私たちも楽しまなきゃ損かなって」
「まあ、割り切りは大事ですよね。では一番多く倒した人が一番少ない人に飲み物を買ってもらうというのはいかがでしょう?」
「シンプルだね。オーケー、わかった」
こんな感じでルールも決まった。
さ、ジュース目指してがんばろー
「あんたたち・・・えらく余裕だけど21人のヤンキーよ!?なんでそんなに余裕なの!?」
「わっ、急に大きな声出してびっくりした。なんで余裕かって?そうだなー・・・別になんとも思ってないからかな?」
「もういい、やっちゃって!」
「ヒャッハー!女子コーセーだぜええええ」
※
「そんな・・・・うそでしょ・・・・!?」
「紗夜さーん。何人?」
「私は7人ですね。奥沢さんは?」
「あー・・・私も7人だ。ってことは・・・」
「うん、私も7人。引き分けかー。ジュースはまた今度だね」
屋上に積み重なる死屍累々。それを作り上げた3人はまったく興味を示すことなく、賭けの話をしている。
なんで・・・なんでこいつらはこんなに余裕そうなのよ!それにあの動き、強さ・・・金で集めたとはいえ屈強なヤンキー共21人をたった3人で倒すなんて・・・
私は夢でも見ているの・・・・?
「さて。その仮面、とってもらおうかな」
「ひっ・・・やめて!近寄らないで!」
そして私はポケットから煙幕を取り出し・・・
ガシッ!!!!!
「え!?」
「同じ手は効きませんよ。その煙幕、そのせいで前回は逃げられましたね」
「離して!」
氷川さんに腕を掴まれ、煙幕の発動はかなわなかった。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
これを防がれたら私にも手立ては・・・・!
「んー・・・とりあえずさ、顔を合わせないで話すのは失礼。奥沢さん」
「はいはい、じゃ、とりましょうねー」
「やめてー!!!!」
「・・・・あなたは」
そして仮面を取られた私は素顔を晒してしまった。
「委員長・・・・」
※
「委員長・・・・」
なんとそこにいたのは風紀委員長である津藤美沙さん。
なんてことでしょう・・・信頼していた委員長がまさか盗撮犯だったなんて・・・
「委員長・・・なぜこんなことを」
「・・・・・」
「だんまりですか・・・・」
「じゃあ、とりあえず。みんなの気持ちを味わってもらおうかな」
「え・・・?花園さん?なにするの?」
奥沢さんが疑問の声を上げる。
私はなんとなく花園さんがやらんとしていることは想像つきますが・・・
女性相手にやるのはあまり気が進みませんね。それは花園さんも同じでしょうけど。
「何ってせっかく私たちのために高画質のカメラ持ってきてくれてるんだし、この人の体に聞いてみようと思う」
そのことをいうと一転、委員長の表情が変わりました。
そして暴れだし、叫んだのです。
「いやあ!それだけはやめてえ!」
「・・・・できれば私もやりたくない。話してくれるなら考えてあげるよ」
「ううっ・・・!話すからあ・・・裸にするのだけはやめてえ・・・」
※
「はじまりは私に送られてきた1つの動画だった」
「動画ですか・・・一体なにが映されていたのでしょう?教えてください、委員長」
「えっと・・・その・・・言わなきゃダメかな・・・」
顔を赤くしてうつむきながらそういう。事件の全貌を明かすにはいってもらうほかないよね。
「えっと・・・その・・私の・・・・い・・・いよ」
「え?聞こえない。もっとはっきり言ってもらわなきゃ」
「うううううううう!私の自慰行為よ!!!!!!!!!」
そう叫ぶ津藤さんは涙目で顔が真っ赤。そしてそれを聞いた紗夜さんと奥沢さんも魂が抜けた表情をしていた。
「えっ・・・その・・・委員長・・・自慰行為というのはいわゆる、その・・・」
「オナ〇ーのことだね」
「花園さん!!なんでそんなアッサリと!?」
「うううう・・・・うえええええん!」
さっきまでの威勢はどこへやら、泣き出してしまった。これでは完全に私たちがいじめているようにしか見えないなあ。
「・・・でもそれって家に盗撮カメラでも仕掛けられてたのかな?」
奥沢さんが疑問を口にする。確かに。オ〇ニーを撮られるなんて自室しかないのに。
「・・・・学校の教室よ」
「・・・・は?」
「えっと・・・私・・学校の教室でしか興奮しなくて・・・その・・・」
「こいつぁたまげた・・・風紀委員の長が・・・学校で・・・自慰行為・・・」
「紗夜さん!?」
紗夜さんが奏也見たいな口調で驚きを口にする。そしてそんな紗夜をみて奥沢さんまで驚く。
まあ確かにこれは予想斜め上だよね。学校でオナニ〇だもん。
「変態で悪かったわね!!でも・・・それを動画に撮られてて、協力しなきゃこの動画をバラまくって!」
「なるほど。委員長も脅されている側だったのですね」
「でも、さっきまでの委員長さん、かなりノリノリだったような」
「奥沢さんの言う通り。脅しで動いていたわりには楽しそうだった」
「やっているうちに・・・慣れてきちゃって。それに脅されているとは言えお金ももらってたし・・・でも信じて!決して楽しんでやってたわけじゃないの!お金はもらえる、謎の自信がついていたのも本当・・・でも、ずっといつか動画をバラまかれるんじゃないかって、潜在的な恐怖で今も夜は眠れてない・・・!ムシのいい話なのは分かってる・・・私のことも・・・助けて・・・今までこんな話誰にも言えなくて・・・・あなた達だけなの!!」
涙で顔をグズグズにして大きな声で津藤さんは叫ぶ。
その声は悲痛でとても演技には見えないけど・・・こんなとき、奏也ならどうするんだろう。
「・・・とりあえず黒幕の名前を教えてくれませんか?」
「そうだね・・・結局はそこを叩かないと終わらないわけだし」
「と、いうこと。津藤さん、答えてもらっていいかな」
「わからないわ・・・わからないのよ・・・!指示はすべてメールだし・・・あ、でもあなたたちは仕留めたら連絡を寄越すようにって。多分、今夜カメラを仕掛けるつもりなんだと思う」
「ってことは今この瞬間も学校のどこかで待機しているってことになるのかな。よし、じゃあ津藤さん。私たちを仕留めたってメールを送って」
「え?」
「なるほど・・・私たちを倒したことにして油断を誘うのですね。そして仕掛けに来たところを捕らえると」
「それが一番よさそうだね」
3人は同意する。よし、これで行こう。
「津藤さん。あなたがやったことは許されることじゃない。でも事情もあるし・・・約束してもらえるかな。黒幕を捕まえてあなたも解放してあげる。そしたら二度とこんなことはしない。いいよね?」
「わかったわよ・・・だからお願い!」
さて、じゃあ総仕上げに行こうかな。
こうして、私たち3人はそれぞれの設置予測ポイントに向かったのだった。
※
「よう、リサ」
「そ、奏也!いらっしゃい」
「あれー神剣さんだー」
「青葉さんもいたのか」
終業後、俺はリサのバイトするコンビニに寄って晩飯を買っていた。
今日は自炊するのがめんどくさいし、買い置きも欲しいからそれなりの量のカップ麺を買った次第だ。
「奏也、一人暮らしだっけ?」
「ああ。そうなるな」
品出しでレジを離れた青葉さんの背中を見送りながら、リサにレジを打ってもらう。
「こんなカップ麺ばっかじゃ栄養偏っ寄っちゃうよ?」
「うーむ、自覚はしてるんだがな。あ、たまには自炊もするぞ!」
「へーそうなんだ。何作るの?」
「具なしペペロンチーノとか・・・?」
「栄養バランスボロボロじゃん!」
SAOのキリトみたいな得意料理をさらけ出した後、リサに突っ込みをもらった。
「あのさ、奏也。もしよかったら・・・こ、今度アタシがなにか作りに行こうか?」
「え?」
心なしか顔を赤い気がするリサから大変魅力的な提案をいただいた。
「そうだな・・・たまにはいいかもしれんな。でもいいのか?わざわざ来て作るのってめんどくさいだろ?」
「全然全然!それくらい大したことないから、ほんと!」
「そっか・・・じゃあリサの都合のいい日でいいからまた来てくれ」
「明日!!」
「おお?」
「明日でどう?急、過ぎるかな・・・」
「・・・じゃあお願いしようかな」
「・・・!!ほんと!?」
「なんなら明日一緒に買い物にでも行くか?」
「えっ!?い、一緒に買い物・・・?」
「あ、さすがにそれはあれか・・・リサ友達も多いし俺みたいなのと二人で買い物したら・・・」
「大丈夫だから!あ、でも明日はRoseliaの練習が・・・」
「いいよ、練習終わるまで待つから。またどっかで待ち合わせするか」
「わかった!楽しみにしてるね!!」
※
勢いであんなことを言ってしまったがよかったのだろうか。
買い込んだカップ麺の入った袋をぶら下げ、帰りながら俺は考える。
まあ俺もリサと一緒にいるのは楽しいし、女の子の手料理なんて人間らしいものは口にしてなかったしたまにはいいかもしれない。
「ん?」
そんなことを考えていると携帯が震えた。メッセージを受信したようだ。
差出人は・・・おたえ?
「ちょっと相談したいことがあるんだけどいいかな?」
ふむ。一体何だろうか。あれ、よく見ると紗夜と美咲からも同じようなメッセージが届いて・・・・
「ってオイオイなんじゃこりゃ」
携帯の画面に夢中になっているとあら不思議。
知らない間にたっくさんの男どもに囲まれていた。
「神剣奏也だな?昨日は世話になったぜ」
「お、昨日ぶちのめした変態じゃん」
「バカにしやがって・・・仕返しに来たぜ。昨日とは違うから覚悟しやがれよ」
「んなこといったってたかが4人で何ができんだよ?」
「4人?お前、これがそう見えるのか?」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ
あーうん。これはあれだ。地面に落ちているアメに群がるアリみたいな。
烏合の衆がゾロゾロと現れる。あれ?これ結構多くね?10人とかそこらじゃねえ、20とか30とかいない?
「うーむ。これってさあ、今日はお腹痛いから見逃してくれっていったら聞いてくれる?」
「んなわけねえだろ・・・やれ!」
「やっぱそうですよねえ!」
しゃーない・・・これやるしかないのか・・・
「いいぜ、かかってきな」
ものすごくイレギュラーではあるが仕方ない。
ぶちのめして早いとこおたえの相談とやらに乗ってやるか。
明日はリサの手料理もあるしな。なるべく無傷で終わらせよう。
ということでバトルスタートだ。
モブキャラならまあいいよねってことでちょっと過激な感じ?
3話で納めるつもりが4話までいっちゃいます。
引き続きよろしくお願いいたします!
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