勧善懲悪BanG Dream!   作:光の甘酒

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第4話 げどう×げどう 

掃除道具入れに入り、息をひそめ気配を待つ。正直私の中では黒幕の正体について心当たりがあった。

ちなみに、どこに現れてもいいように、各々空メールを送れるようにしてある。

どこのトイレがアタリかわからいので、アタリを引いた人がメールを送信し、受信した人はその場所へ向かうという算段だ。

 

 

「うーん・・・」

 

 

しかし狭いなあ・・・。トイレ掃除はトイレ本体だけでなく道具入れまできちんと整頓するように風紀委員広報を紗夜さんに出してもらわなきゃ。

 

 

ガチャッ!ゴン!(迫真)

 

 

そんなことを考えているとトイレのドアくんが迫真の音をたてて開いた。

私がアタリを引いたようだ。

すぐさまメール送信ボタンを押し、気配をうかがう。

 

 

ガチャガチャ・・・

グッ・・・ウィーン・・・

 

 

うーん、明らかに怪しい出してる。

 

 

「よしっ!」

 

「いやよくないでしょ」

 

 

仕掛け終わったタイミングで外へ出る。

そしてそこにいる黒幕に声をかける。

 

 

「誰だ!?」

 

「やっほ、先生。できればこんなところで会いたくなかったよ」

 

 

そうそこにたたずんでいたのは・・・佐藤睦美先生。その人だった。

 

 

「は、花園さん?えっと、どうしたのかしら?こんな時間に。下校時刻はもう過ぎているわよ?」

 

「んーそうだなー。そこに仕掛けられたカメラの確認と、それを仕掛けた人をひっとらえるため・・・・かなあ」

 

「な、なんのことかしら?先生はただ見回りの途中で用を足してただけで・・・」

 

「じゃあ私はトイレ掃除でもしようかな。先生、少しどいてもらっていいですか?」グイッ

 

「あ、ちょっと!」

 

 

そしては私は便所ブラシを手に先生が出てきたトイレへ入る。無論、抵抗する先生を押しのけてだ。

 

 

「じゃあきれいにしますねー・・・せいっ!」ボチャン!!

 

 

ブラシを便器に突っ込みかき回すと、何かが落ちてきた。

 

 

「先生、これ・・・・なんだかわかります?」

 

 

それは言うまでもなく盗撮カメラだ。

私は便器に手を突っ込むことをためらいもせず、カメラを拾い上げる。

そんなもの後でしっかり洗えばいい話だもんね。それよりは今は相手にインパクトを与えることが大事。

 

 

「くっ・・・!」

 

「先生が仕掛けたんじゃないっていうなら再生してみる?先生を含めいろんな人がおしっこするとこ映ってたら先生はシロだし、逆に何も映ってなかったら・・・わかるよね?」

 

「・・・・さっきの倒したって連絡はフェイクだったのね・・・どうして私だとわかったの?」

 

 

観念したのか先生は私に問いかける方向へシフトした。

 

 

「んー正直、今日まで先生を微塵も疑ってなかったよ?てっきり津藤さんが犯人だと思ってたし」

 

「え・・・?じゃあなんで?」

 

「今日さ、先生と会ったよね?あの時【これ以上花園さんが危ない目に遭ってほしくない】って。先生はそう言ったけど・・・でもそれっておかしいんだよね。なんでこの問題をめぐって私が危ない目に遭ったのか知ってるのかなーって。このこと知っているのその場にいたメンバーとけしかけた張本人しか知らないはずなのに。それで、津藤さんも操られてたって聞いて確信めいたものを感じたってところかな」

 

「たった・・・たったそれだけで私に疑いを向けたの・・・?」

 

「そ。私って重箱の隅つつくの得意だし」

 

「あなた何者なの・・・!?あの人数を難なく倒して、私にまで迫るなんて・・・!一体何者なのよ!」

 

「通りすがりの悪党狩り・・・ってところかなあ。とりあえずさ、先生。先生がやったことは許されないよ」

 

 

「許さない?だからなんなの?私がやったなんて証拠、どこにもないじゃない。あなたが持ってるそのカメラだってあなたは素手、私はこの通り手袋。あなたの指紋しか残ってないわ。この状況で私があなたが犯人で見回り中偶然見つけて捕まえたっていったらみんなそう思うでしょうね」

 

「なんでこんなことしたの・・・?」

 

「お金のためよ。最初はね。でも途中から目的が変わったわ」

 

「もしかして校長先生と教頭先生?」

 

「よくわかったわね。あのハゲ校長はセクハラばっかしてくるエロオヤジだし、教頭のババアは私が若いからってパワハラばっかしてくるし・・・クズばっかなのよ」

 

「なるほどね。ぞれでいずれ問題を明るみにして責任を全部津藤さんや私たちを襲った男の人たちに押し付けて、校長先生・教頭先生を失脚・自分だけ助かる算段だったんだ」

 

「そこまでわかるなんてすごいわね!探偵に向いているんじゃないの?」

 

 

よし、これくらいかな。

 

 

「言質はとれたね。紗夜さん、奥沢さん、もういいよ」

 

 

ガチャッ

 

 

「ですね。いい画が撮れました」

 

「面白いくらいペラペラしゃべったねー・・・ここまでうまくいくなんて思ってなかった」

 

「えっ・・・・?えっ・・・・!?」

 

 

そこに現れたのは紗夜さんと奥沢さん。

実はハズレを引いた人は合流後すぐにトイレに突入せず、スマホのボイスレコーダーと動画モードでアタリを引いた人と黒幕の応酬を録画・録音する算段を立てていた。そして見事それはあたり、先生の自白、私に犯行を押し付けようとしたこと、そして当初の計画や狙いはすべてカメラに収められた。

 

 

「ってことなんだけどさ、先生。何か言うことはあるかな?」

 

「うっ・・・くくっ・・・・!」

 

 

歯をギリギリとかみしめ、ものすごい表情で先生は言葉を失うのが分かる。

チェックメイトってやつだね。

 

 

「何もなさそうですね」

 

「そうだね。で、花園さんこの人どうするの?」

 

「そうだなー・・・せいっ!」ゴスッ

 

「うっ・・・」ドサッ

 

「過激ですね」

 

「この人がやってきたこと考えると・・・あとは流れに任せるのがいいと思う」

 

 

 

 

「あれ・・・・?ここは」

 

「よう、お目覚めかよ、センセイ」

 

「えっ!?」

 

 

佐藤は目を覚ましたら見覚えのない廃雑居ビルの一室にいた。そしてさっき屋上にいた21人に囲まれていたのだ。

 

 

「目を覚ましたらよ、こいつが黒幕で、用が済んだら俺たちもろとも警察に売るつもりだったっていうことがわかってなあ・・・おいてあった動画をバッチリ見せてもらったよ」

 

「え・・・・ちがっ・・・」

 

「まあアンタの言い分なんて聞くつもりはねえ。おい、カメラ持ってこい!」

 

「女子コーセーと本番するのは逃したが・・・若い女教師ってのも悪くねえな」

 

「いや・・・やめて・・・」

 

「おいおいおいおいおい・・・俺たちが言えた義理じゃねえけどよ。あの女子コーセーたちも同じような目に遭わせようとしてたんだろ?こういうことやるならやられる覚悟もあるはずだから好きにしてもいいよな?」

 

 

そう、おたえたちの手引きで撮影に使ったこのビルはヤクザが管理している物件。

厳密にはここを使うように仕向けただけなので、こいつらに「おたえに手引きされた」という自覚はない。

 

 

「いやあ・・・やめてえ・・・なんでもするからあ・・・」

 

「ん?今何でもするっていたよね?」

 

「じゃあ俺たちの裏ビデオ撮影会に参加してもらおうぜ。なんでもするんだろ?安心しろよ。終わったらちゃんと帰してやるから」

 

「いやああああああああああああああああ」

 

 

バンッ!

 

 

「おいてめえら!全員そこを動くな!!」

 

 

入ってきたのは多数の男たちだ。

 

 

「なんだてめえら!?人の楽しみを邪魔すんじゃねえ!」

 

「・・・・うちの組のシマで裏ビデオ撮影たあ度胸あるじゃねえか」

 

「最近よぉ・・・シマを荒らす不届きモンが増えていてなあ・・・・俺たちの管理してるビルで裏ビデオ撮影会が開かれるって聞いてきてみたら・・・ドンピシャじゃねえか」

 

 

現れたのはこの町をシマにしている暴力団”外道会”だ。

かつて畜生組や1章で逮捕された五味葛を擁していたり、2章で奏也達に末端のヤミキンが強盗された奴らである。

さらには前章でシマ内で畜生の残党が女子高生相手にクスリを売っていたりととにかくシマを荒らされていることに腹を立てていた外道会はいつもより過敏に、そして血の気が多くなっていたのだ。

 

 

「女・・・おめえ拉致られたのか?俺たちは女には優しいからよ。アンタは見逃してやる。但しよ・・・・」グイッ

 

 

佐藤の顎を持ち、男の一人は言う。

 

 

「ここで見たこと、聞いたことはすべて忘れろ。そして明日にでもこの町から出ていけ。いいな?」

 

 

「は、は、ははははいいいいいいいい」

 

「じゃあ、お前らは全員強制連行だな」

 

「おい、うそだろ・・・おい・・・い、いやだああああああああ」

 

 

 

 

「ふう、もう結構遅い時間になったね」

 

 

すべてが終わるころには夜の8時を超えようとしていた。

一応、各々遅くなると家には連絡してあるので大丈夫かと思う。

 

 

「しかし花園さん、鬼だね・・・」

 

 

さっきまでの出来事を顧みて奥沢さんがそう口にする。

 

 

「そりゃそうだよ。佐藤先生は卑怯な手で自分たちの教え子を金もうけの道具に使った外道だし、あの男たちはお金をもらって女子高生をレ〇プして撮影しようとした外道だよ?救いなんて必要ないと思う」

 

「は、花園さんは怒らせないようにしよう・・・・」

 

「大丈夫。人の道を外れなければ敵に回ることはないよ」

 

「しかし、委員長はあれでよかったのですか?」

 

「心を入れ替えて自首して、やり直すって言ってるしこれ以上はいいと思う。話をきいてみたらなんかマインドコントロールされてるっぽかったし」

 

「ですね。まあ、今回の指揮を執っているあなたに従いましょう」

 

「それにして奏也、まだ連絡がつかない。ほんとに大丈夫かな?」

 

「あ、そうですね。もう一回かけてみますか」

 

 

そうして紗夜さんは端末を操作して奏也に連絡をするのであった。

 

 

 

 

「せーい!」

 

「うごおおおお!」ドサッ

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・何人倒したのかもうわかんねえ・・・」

 

「おまえ・・・なんなんだ・・・」

 

 

ほぼ全員倒したと思われるところで残ったうち、リーダーの男が聞いてくる。

 

 

「なんでもねえよ。ちょっとケンカが強い高校生さ」

 

「ちょっとどころじゃねえぞこの強さ・・・ありえねえ」

 

「現実を見ろ。実際にいるんだからよ」

 

「それもそうだな・・・・」

 

「俺はよ、ただ単に自分の生活が壊されず、平穏に生きたいだけなんだ。ただしその平穏を脅かす異分子は問答無用で叩き潰す。今回のお前らみたいにな」

 

「なるほどな・・・高校生のくせに大したもんだ」

 

「わかったんならもう俺にはかかわるな。俺を街で見かけても、何かしてても一切関わるな。それだけ守るならこれ以上どうこうするつもりはねえ」

 

「そうか・・・じゃあよ、神剣。最後に俺とタイマンしろ」

 

「あ?タイマンだあ?」

 

「どのみち残ってるのはほんの数人だ。俺とお前で決着をつけてそれで終わり。どうだ?」

 

「こんだけ疲弊させといて決着もクソもねえだろうよ・・・でもそうだな。それで終わるなら乗ってやるぜ。・・・そうだな、俺がこのコインを投げる。地面についたらバトル開始だ」

 

「いいだろう」

 

 

 

 

勝負は無論、俺の勝ちだ。

一瞬・一撃で勝負を決め、その後奴の意識が回復するのを待った。

 

 

「こんな力見せられたんじゃ仕方ねえな。わかった、今日限りでお前にかかわるのはやめる。神剣奏也。あんたみたいなやつと戦えてよかったぜ」

 

そういって奴らは退却していく。

・・・なんかすげえいい話みてえになってるけどお前らが金で動いて女子高生を襲うクソ野郎なうえ、数十人で攻めてきた卑怯くせえ手を打ってきたことは忘れねえからな?

 

 

とまあこんな感じで突然始まりあっという間に終わった大乱闘スマッシュブラザーズであった。

もう夜中じゃねえか・・・うわ、せっかく買ったカップ麺どっかに落としてきちゃったよ。

 

 

「ん?」

 

 

すると携帯が震える。紗夜からか・・・ってうお!?不在着信の数がものすげえことになってる!?

さっさと帰るか・・・おたえたちの用事が何だったのか気になるし。

 

「もしもし紗夜か・・・実はな・・・」

 

 

帰るか、我が家に。

 

 

 

 

そしてエピローグだ。俺が遊んでる間にどうやら花咲川女子学園盗撮事件は終わっていたようであった。

 

まず風紀委員長の津藤美沙。佐藤の呪縛が解けると、佐藤に脅されていたとはいえ自分がやってしまったことに罪悪感を感じたようで自首し、すべて警察に話すことにしたらしい。当然、おたえたちの部分は避けてだ。

これにより花咲川学園盗撮事件は一時期ワイドショーをにぎわせた。

一介の女性教師が立場を利用して盗撮を行い、金を稼いだことはもちろん、生徒を脅迫・マインドコントロールして手駒につかうという悪どさが際立ったためだ。

また、このことを隠蔽しようとしていた学校側も責任追及がされ、校長・教頭ともに処分を受けることとなった。

 

そして犯人とされた佐藤睦美教諭。郵送で退職届が届き、そのまま行方が分からなくなっているらしい。津藤から語られた黒幕であったにもかかわらず身柄を確保できていないので、警察が躍起になって探しているらしい。

そして名もなきヤンキー21名は完全に姿を消した。多分外道会の制裁を受け、どっかで強制労働でもさせられているのだろう。

 

この騒動を解決した陰におたえたちがいることは明らかにされていない。

細かい証拠はないし、存在を語りうる人間は全員いない。

ほぼ俺抜きで完全にやり遂げ、花咲川に平和を取り戻したのだから大した奴だ。

 

しかし最近、顔出しで事件に絡むことが多くなっているな・・・

相手がヤバい奴らじゃないからまだいいが・・・この辺のルールは今一度決めておいたほうがいいかもしれないな。

 

そんな感じでこの物語は終わりだ。次はどんなことが起こるかはわからないが、まあ気ままにやるさ。

 

さて、リサとの約束があるしそろそろ行くか。

たまにはいいもん食わねえと体に悪いしな。

 

 

第5章 完

 




ちょっと新しい(?)試みではありましたがいかがだったでしょうか?
幼馴染サイドを主眼におくとこんな感じかな?って思って書き上げました!
ニッチな部類に入ると思うのですが見てくださる方がたくさんいてうれしく思います!
引き続きよろしくお願いいたします!
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