勧善懲悪BanG Dream!   作:光の甘酒

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第4話 偶然(偶然とは言っていない)

警察より事務所に宮野に警告を与えたことが告知されてから1週間。あれから気味の悪いプレゼントやストーカー行為は鳴りを鎮めていた。

しかしまだ1週間。まだ油断はできないので俺は相変わらず彩の送り迎えは続けていた。しかし今まで抱えてたストレスを感じなくなったのか彩は明らかに笑顔が増えてるし、メンバーも胸のつっかえがとれた感じになっている。スタッフも悩みの種だった宮野がおとなしくなり仕事が進んでいるようだ。

 

 

「どうだ、彩。あれから周りで変わったことや変なことはないか?」

 

「全然!なにもなくて気味が悪いくらいだよ(笑)」

 

「何もないのはよいことだ。警察の警告が効いているみたいで何よりだな」

 

 

そのまま他愛のない話をしながら進む。しかし今日はいい天気だな。漠然と、なにかいいことが起こる予感がする。

 

 

「おーい!彩ちゃーん!奏也ー!」

 

 

・・・前言撤回。俺は目線の先にある騒がしい天才幼馴染の姿を見て、ものすっごく嫌な予感を抱えたのであった。

 

 

 

 

 

彩ちゃんのストーカー事件がひと段落したあの夜、彩ちゃんが突然言い放った「アイドルって恋愛NGなのかな?」って言葉。

これってやっぱそーゆーことだよねえ?

ま、奏也って普通に見たらカッコイイ部類だと思うし、それに女の子って守られるってことに弱い子多いから自分の日常を脅かしていた存在を退治したってのはすっごく大きい要素だと思う。

あたしは奏也を「男の子」「友達」ってより恋愛がないだけの言葉にできない深い関係って・・・言ってしまえば「深友」いう認識だ。あたし(っていうか筆者)の造語だけど、親友以上恋人未満って感じの意味かなあ。

だから今さらどうとも思わないけど、彩ちゃんみたいな子は今回のことでコロっと好きになっちゃっても仕方ないのかもね。

うーん、すっごくるるるんっ♪って感じ!それに奏也、今まで浮いた話聞いたことなかったからもしかして彩ちゃんが人生初の彼女になったりするのかな?

当然、お忍びになるだろうけどね。

そんなことを次の日に彩ちゃんに話したら彩ちゃんは顔を真っ赤にして否定してたけど、わかりやすすぎて面白かったよ!

うまくいくと嬉しいなあ。奏也と彩ちゃん、大好きな人同士がくっついたらあたしもうれしいし。

 

 

「っと。そんなこと考えてたら」

 

 

見つけたのは彩ちゃんと奏也。後ろから見ると結構いい感じじゃない?

特に彩ちゃんはすっごく楽しそう。あんな姿見せつけられたら否定に説得力なんてないよ?

 

 

「しかしなー」

 

 

そう、肝心の奏也はなんていうか・・・完全にいつも通りって感じ。

彩ちゃんすごく頑張ってるの後ろから見ててもわかる。でも奏也は言動も、表情も、完全にフツーだ。

仕方ない・・・ここはあたしがいきますかー

 

 

「おーい!彩ちゃーん!奏也ー!」

 

 

後ろから二人を呼ぶ。すると同時に振り返り、彩ちゃんは友達に会った時の顔をし、奏也は・・・露骨に嫌そうな顔をした

 

 

「げっ日菜!」

 

「げっ!ってなにさー」

 

「いやー今日って天気いいじゃん?なんかいいことありそうだなーって漠然と考えてたんだけどさ」

 

「へー奏也ってそんなロマンチストだっけ?」

 

「んなことねえよ。そしたら日菜が現れたからよ。俺の勘は外れたなーと」

 

「ふーん・・・ってどういうこと!?」

 

 

結構強めの力で奏也を小突く。痛い痛いといいつつ奏也には効いていないようだった。

 

 

「てっきりあたしはせっかく彩ちゃんとの放課後デート気分なのに邪魔されて怒ったのかと思ったよ」

 

 

ここで軽いジャブを打つ。さて、ふたりはどんな反応をするのかな??

 

 

「ひ、日菜ちゃん・・・そんな、で、デートなんて・・・!」

 

 

うわー彩ちゃんわかりやすい!火を見るより明らかとはこのことだね。

 

 

「そうだぞ日菜。事務所に向かうだけでデートもクソもねえし、俺みたいなのとそんな風に見られたら彩に悪いぞ。なあ、彩?」

 

「え!?あ、私!?えっと・・・その・・・まあアイドルとしては・・・うん・・・別にいいのに・・・

 

 

ニッッッッッッッッッブ!鈍いとかそんなレベルじゃねえ!・・・っと驚きすぎて奏也みたいな口ぶりになっちゃった。

あたしのジャブを受けた彩ちゃんをみてその反応かあ!これは想像以上だなあ・・・

でも、前々から考えてたけど奏也がこうなったのってある意味あたしたち幼馴染のせいかもしれないしなあ・・・多分奏也の女性観はあたしたちが元になって形成されているんだと思う。ずっと昔からあたしたちと距離感ゼロで接してきたから女の子と接することに抵抗がないうえに感覚がマヒしてるんだろうね。近すぎたが故の弊害かー。うーん、今になってそれが影響してくるとはなあ

 

 

「ふーん。ま、いいや。これから事務所でしょ?あたしも一緒していい?」

 

「うん!(構わんぞ)」

 

「あはは、息ぴったりだねー。じゃ、行こっか!」

 

 

 

 

「と、いうわけで今週の日曜日は完全にオフになります。みなさんゆっくり休んでください。特に丸山さん。あのことが解決しても仕事が続いて休む暇なかったでしょう?ゆっくり羽を伸ばしてくださいね!」

 

 

練習が終わった後、スタッフさんからそんな告知がされた。

 

 

「久々の日曜オフね。久しぶりに花音とお茶にでも行こうかしら」

「ジブンはずっと前から行きたかった楽器屋さんに行くッス!」

「ワタシはツグミさんとおでかけです!」

 

 

各々予定を立てているようで嬉しそうだった。

私は特に何もないなー・・・

お、思い切って奏也くんを遊びに誘ってみったり・・・うー!ムリムリ!そんな度胸ないよぉ~・・・

 

 

「ねえ、彩ちゃん!」

 

「うわっ!?日菜ちゃん!?」

 

 

そんなことを考えていたら日菜ちゃんが話をかけてきた。

すごくニコニコしてて嬉しそう。これが日菜ちゃん流にいうるんっ♪ってやつなのかな?

 

 

「あはは、日菜ちゃん驚きすぎー!それでね、次の日曜日、奏也と買い物行こうって話してたんだけどさ」

 

あ、そうなんだ・・・

日菜ちゃん奏也くんはそういうのじゃないってわかってるんだけどやっぱちょっと妬けちゃうな・・・

 

 

「そんな露骨に落ち込んだ顔しないでよー」

 

「え!?そ、ソンナコトナイヨ?」

 

「あはは、棒読み!それでね、彩ちゃんも一緒に来ない?って思っ「絶対いく!!!!!!!」

 

 

日菜ちゃーん!!!!

今日ほど日菜ちゃんが輝いて見えた日はないよー!

 

 

「すごい反応速度だね!じゃあ決まりで。あとでグループ作るから、そこでどこ行くか話そ!」

 

 

何気にいつもの送迎デート以外で初めてのおでかけ。日菜ちゃんも一緒だけど、いきなり二人はハードルが高いからちょうどいいかもしれない。

うーん、すごく楽しみだよー!

 

 

 

 

「あれ?奏也?」

 

「リサじゃないか。今日は友希那さんと一緒なんだな」

 

 

彩たちとの待ち合わせに向かう途中、俺はリサと友希那さんに会った。

 

 

「二人はお出かけか?」

 

「うん!友希那と買い物に行くんだ!」

 

「へーデートかよ。羨ましいな」

 

「女の子同士でデートも何もないわ。・・・そういう奏也くんはこんな日曜の朝から何をしているのかしら?よかったら一緒にいく?そうすればリサも喜ぶし」

 

「友希那!?」

 

 

友希那さんのお誘いに対し、リサがなぜかあたふたする。

そういやリサって結構友希那さんにあたふたさせられている場面が多い気がする。

意味まではわからないが。

 

 

「よくわからんがすまんな。今日は俺も出かける用事があるんだ」

 

「相変わらず鈍いわ・・・でもそういうことなら仕方ないわね」

 

「そ、そうだよ!奏也にだって予定があるし!」

 

「ちなみに誰とどこへいくのかしら?」

 

「いやに食いついてくるな・・・ま、リサと友希那さんならいいか。日菜と彩と買い物に行くんだよ」

 

「彩!?」

 

「どうしたリサ?」

 

「彩ってあの彩?パスパレの?」

 

「あ、そっかリサは知らないんだったな。今俺、パスパレの事務所の手伝いしててな。一応、彩担当で色々サポートしてるんだ」

 

 

嘘は言ってないな。一応ストーカー事件はオフレコ扱いだし。

 

 

「んで最近大きい仕事がひと段落してな。久々の日曜休みってんで遊びに誘われたわけだ」

 

 

日菜に、だけどな。

 

 

「思わぬ伏兵がいたわね・・・」

 

「友希那あ・・・・って違う!ふ、ふーんそうなんだ!まあ、楽しんできてよ!」

 

「・・・・?ああ。まあちょっとショッピングモールに行って買い物するだけだからそんな大したものんじゃないよ」

 

「世間一般ではそれはデートって言うんじゃ・・・」

 

「おっと時間がマズイ。じゃあ、俺は行くから二人もせっかくの休日、楽しめよ!」

 

 

 

 

「・・・リサ、大丈夫?」

 

「・・・はっ!大丈夫大丈夫!奏也だって色々交友関係あるし、日菜も一緒なんでしょ?そんな深く考えることないって!」

 

「・・・・無理してるのバレバレよ。何年親友やってると思ってるの?」

 

「う、友希那あ・・・」

 

「ショッピングモールに行くって言ってたわね」

 

「あ、そういえばアタシたちがいくのも」

 

「・・・偶然よ、偶然目的地が一緒で、偶然後ろを歩くだけよ」

 

 

もっともらしい言い訳をして友希那は笑った。

えーこれってアリなのかなあ・・・・

でもアタシも気になるし・・・

 

 

「うん、偶然、偶然だよね!」

 

「覚悟を決めなさい、リサ」

 

 

そういって歩みを進める。

 

しかしそこで見たものは・・・

 

 

キイイイイイイイイイイイイイ

 

 

「彩あー!」

 

「えっ!?」

 

 

ドガッ!!!!

 

 

「奏也くーん!!!!」

 

「オラ、車に乗れ!」

「オイ、奴の携帯が」

「んなもん捨てとけ!」

 

「いやだぁ!はなしてよぉ!奏也くーん!目を開けてえ!」

 

「うるせえ!おい、早く出せ!」

 

 

ブロロロロロロロ

 

 

奏也と彩に突っ込む車。

そして彩をかばい車にはねられる奏也。

そして・・・二人を連れ去った車が去ったあとには奏也のスマホだけが取り残されていた。

 




お気に入り50件突破ありがとうございます!
ニッチな作品なので正直1桁も覚悟してたのですが、思っていたより多くの方に読んでいただけているようでうれしいです。

励みになるので、もしまだという方はぜひどうぞ!


複数ヒロインとなるこれらの話を書くためだけに、あまり接点のなかったギャルゲーをいくつかプレイしましたが、案外面白いのですね。
話の進め方など色々参考になります。

次回、丸山彩編終了です。

引き続きよろしくお願いします!


●評価のお礼●

OZU☆さん
★3評価ありがとうございます!まだまだ精進します!
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