勧善懲悪BanG Dream!   作:光の甘酒

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ちょっとくらいオカルト要素があってもいいかなと思いまして。


第10話 魔法カード発動!死者蘇生! 

「おいコラ奏也、起きやがれ」

「んだようっせぇな・・・・」

 

 

かけられた声に反応し、俺は目を覚ます。

いや、覚めてはいない。目を開けたつもりだが目に映るものはなく無限に闇が広がっている。

 

 

「真っ暗じゃねえか」

「そりゃ現実じゃねえからなあ」

「・・・その声はオッサンか?」

 

 

そうだ、この声はオッサンだ。

 

 

「なんだよ」

「いやよ、ぶらついてたらおめえが見えたもんでよ。つい声をかけちまっただけだ」

 

 

すると暗闇にすうっとオッサンの姿が映し出された。

 

 

「そうかよ。しっかしリアルな夢だなあオイ。うさんくさいところまでオッサンの再現度バッチリじゃねえか」

「この野郎・・・・お前が夢だと思うんならそれでいい。しかしよぉ奏也・・・おめえコッチにくるの早すぎねえか?」

「・・・なんだと?」

「覚えてねえのか?」

「・・・・・なんか猛烈に腹が痛くなってきたぞ」

「そりゃおめえあんだけブスリと刺されりゃなあ」

「あーそうだ。俺、琢磨の野郎に刺されたんだったな。うえっ、当分トマトケチャップは見たくねえぜ」

 

 

そうだ、俺は刺されたんだ。そんで弦巻さんに連絡して日菜と少し話したような覚えが・・・アレ?

 

 

「俺は死んだのか?」

 

 

純粋な疑問。もしこれが夢じゃないとしたら。目の前に死んだオッサンがいるということはそういうことなのかもしれない。

 

 

「いんや、死んでねえよ。まあ境目ってとこだな。死ぬかもしれねえし、死なねえかもしれねえ」

「なるほどなー。んで、俺はどうやったら生き返れるんだ?」

 

 

俺は疑問を口にする。夢かもしれないが、死んでなお俺に干渉してくる無茶をやるオッサンだ。それくらいの方法は知っているだろう。

 

 

「さあな」

「なるほど、そうやるのか・・・って!知らねえのかよ!?」

「んな方法知ってたら俺が生き返るわ!おめえバカじゃねえのか?」

「このオヤジ・・・・!」

「おっ?暴力?暴力?なんでもかんでも暴力なんて最低だなおめえ」

「その暴力を継承させた張本人が何言ってやがんだあああああ」

 

 

もうやだ、この霊体のオヤジ!

 

 

「だがよ奏也。おめえはこっちに来るには早すぎる。俺は肉体が死んでしまったから何にもできなかったが肉体が生きているおめえはまだ戻れるはずだ」

「それがどうやるのかわかんねえだろうがよ・・・・」

「まあ実際問題これは。気力の問題だ。向こうの肉体は生きているんだ、こっちにいるお前が生きたいと心の底から願えばむこうへ戻れるはずだ」

「さっきから思ってるはずなんだがなあ・・・・」

まだ意思が弱いんだ。・・・・それならばあれを見ろ」

「なに・・・・?」

 

 

 

 

爆発音が鳴り響いた後、病院の駐車場には炎が上がっていた。

 

 

「えっ・・・?どういうこと」

「彩!香澄!煙が来たら危ないから窓を閉めて!」

 

 

リサちゃんの掛け声でハッとし、窓を閉める。

そうだ、ここには病人がいるんだった。

 

 

「でも外で一体何が・・・・」

 

 

「それはワタクシが説明いたしましょう」

 

 

病室の扉が開き、私たち3人が振り向くと、帽子を深くかぶってコートを着込んだ男の人が入ってきた。

 

 

「フム・・・神剣奏也だけかと思っていましたがオマケが3人もいるとは予想外ですね。始末する人数が増えてしまったではないですか。料金外ですが致し方ありませんね」

「ど、どういうことですか!?」

「おやその髪型・・・ネコちゃんみたいで可愛いですね~私は猫が好きでしてねえ」

「そ、それよりもどういうことなんですか!?」

 

 

香澄ちゃんがきいたことに返答はなく、話が進まなかったため思わず大きな声を上げてしまった。

 

 

「おっとワタクシとしたことが質問に質問で返してしまうとは・・・・よろしい。ご説明しましょう。あの車はワタクシが爆破しました。ああすれば人々の注意はあちらに向きますからね」

「なんでそんなことを・・・・?」

「そこに眠る王子様を抹殺するためですよ。全く、眠れる王子様を抹殺するだけの簡単なお仕事だったはずですが・・・おまけが3人もいるとは」

「ま、抹殺!?」

 

 

突然飛び出す物騒な単語に驚きを隠せない私たち。

それでも男の人は容赦なく話を続ける。

 

 

「そうですね・・・猫耳のアナタ!猫好きの私に免じてアナタは最後にして差し上げましょう!」

 

 

そして男の人の手には・・・・

キラリと大きなナイフが光ったのだ。

 

 

「きゃ、きゃあああああああああああああああああああああ!」

「いや!こないでえええええ!」

 

 

男の人は無言で歩みを進める。私たち三人は腰が抜けてしまい、その場にへたり込んでしまった。

 

 

「何をしているのっ!?」

 

 

しかしそこで・・・聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

「お、おたえ!?」

 

 

香澄ちゃんがその人の名前を叫ぶ。そう、それはおたえちゃんだった。

 

 

 

 

 

「あなた、何者・・・・?それに私の友達に何をしようとしたの・・・・?」

「おや・・・アナタはまとっている雰囲気が違いますね」

「そんなことはどうでもいい。あなたは何?ここで何をやっているの?」

「質問が多い女性はめんどうですねえ・・お答えしましょう。私の目的はそのに眠る王子様の抹殺」

 

 

抹殺・・・・?

 

 

「・・・まさか荒神の・・・・」

「!?なんと!?うーむ・・・これはいけませんねえ・・・・」

 

 

一瞬ビクッてなった。ってことはやっぱり・・・

 

 

「決めました。余計なことを話される前にアナタから抹殺しましょう」

「・・・・!」

 

 

ヒュンッっとナイフが振るわれる。

しかしそれを見切った私は避けて、カウンターで一撃の蹴りを放った。

 

 

「ぐぉ!・・・なーんちゃって。いい蹴りですねえ。しかもナイフを避けるとは。だが・・・ワタクシには無意味です」

「えっ・・・!?あぐっ!」

 

 

そういい終わった奴はすごいスピードで蹴りを放ち、それをもろに受けた私は後方に吹っ飛び、壁にたたきつけられてしまった。

 

 

「くっ・・・・」

「蹴りというのはこうやってやるものです。おや、叩きつけられた衝撃で動けないようですねえ」

 

 

その通り、もろに衝撃を受けた私は体に力が入っていなくなっていた。

 

 

「なんで・・・こんな・・・なぜここが・・・・」

「その様子だと神剣奏也が一人の男と交戦したのは知っていますね?結果は相打ちとなったわけですが、念のためにと去り際に片方の男は神剣奏也に発信機をしかけたのです。それでギリギリ帰還を果たしたその人に、ワタクシの依頼主は神剣奏也のことや発信機のことを聞き、余計なことを話される前に急ぎワタクシを派遣したというわけです」

「あなたも・・・・殺し屋・・・なんだね」

「ザッツライト!と、いうわけです。まずはあなたから先に送って差し上げますよ」

 

 

奴がナイフを構えなおし、ジリジリと私のほうへ歩いてきた。

 

 

「では・・・さようなら」

「・・・・!」

 

 

私はもうだめ・・・そう覚悟し目を瞑った。

 

 

「おたえー!!!!!!」

「なにぃ!?」

 

 

しかしそこで香澄が渾身のタックルを放ち、奴の足に当てる。

 

 

 

「この・・・クソガキがあ!」

 

 

 

それに起こった奴はさっきまでの丁寧な口調とは打って変わって乱暴な口調になり、香澄のほうを向いた。

 

 

「最後にしてやるといったのに・・・・いいでしょう。お望みならあなたからあの世に送って差し上げます!」

「香澄―!!!!!!!!!!!」

「たす・・・けて・・・そうやせんぱい・・・・」

 

 

消え入るような声で香澄がそういうのが聞こえた気がする。

しかしそれに対する返答はもちろん・・・・

 

 

「ああ、寝起きだけどやってみるわ」

「えっ!?」

 

 

そこには・・・・

 

 

「寝坊しちまってすまねえな。ちょっと待っててくれ」

 

 

そこには目を覚ました奏也が・・・奏也が起き上がっていたんだ。

 

 

 

「行くのか・・・?」

「ああ。今なら向こうに戻れる気がする」

「そうか・・・・」

「あいつらがあぶねー目にあってんのに寝てるわけにはいかねえだろ」

「そうか・・・ならば、奏也。これだけは言っておく。ここで起きたことは夢みたいなもんだ。目を覚ませば記憶から消える」

「なんだ、そうなのか」

「生者の口から死人の言葉が語られちゃいけねえ。そういうルールなんだよ」

「そいつは残念だ。なあオッサン・・・忘れちまうかもしんねえけど。もう一回アンタと話せてよかったよ」

「なんだよ急にかしこまって気持ちわりぃ奴だな」

「ひでぇな!?でもまあ、そのほうがオッサンらしいか。でもやっぱこれだけは言わせてくれ」

 

 

俺はスゥっっと息を吸い込み、そして叫んだ。

 

 

「今までお世話になりました!!!」

「・・・・バッカやろう」

 

 

オッサンは急に後ろを向いてしまった。その肩は心なしか震えている気がする。

 

 

「おら、さっさと行け」

「ああ」

 

 

そして俺は意識を集中する。さて、すぐ戻るからみんな待っててくれ。

 

 

「奏也」

「なんだよ?」

「また、いつになるかわからない遠い未来・・・・」

 

 

 

お、オッサンがガチトーンで話し始めたぞ?

なにかかしこまったことでもいうつもりなんだろうか?

 

 

「おめえが死ぬのを楽しみに待ってるぜ?」

「最後の言葉がそれかよ!?!?!?!?!?!?」

 

 

全くい最後の最後までこのオッサンは・・・・まあい。

そして俺はそのまま・・・暗闇から脱したのであった。

 

 

 

 

「寝坊しちまってすまねえな。ちょっと待っててくれ」

「奏也・・・・!?」

「奏也・・・・」

「奏也せんぱい・・・・・」

「奏也くん・・・」

「おたえ、リサ、香澄ちゃん、彩。どうしたんだそんなハトが機関銃を食らったような顔をしやがって」

 

 

しかしなんで俺はこんなここに至るまでの光景を見てきたかのような言葉を発してしまったんだろうか。

なんだか懐かしい夢をみていたような気がする。

 

 

 

「だって・・・だって・・・・!」

「お、おい彩!いきなり泣き出すのは勘弁してくれ!」

「これぐらい許してよ・・・バカ奏也!」

「リサまで!?」

「奏也せんぱあああああい!よかったよおおおおおお」

「香澄ちゃん!?」

 

 

数秒で3人の女を泣かせるって俺どんなクソ野郎なんだよ・・・・?

 

 

「さて、感動の再会はもうよろしいでしょうか?」

「あ゛?人の病室で随分と物騒じゃねえか。ナニモンだテメエ?」

「しかし目が覚めるとは・・・・?まあいいでしょう。私は・・・・」

 

 

奴は余裕綽々と言った感じで堂々と自己紹介、そしてここに来るまでの経緯まで話してくれた。

 

 

「あちゃー発信機かあー!油断したなあ。まあ死にかけてたからしゃあねえか。だってよ・・・・お前を黙らせればそれで解決なんだろ?」

「そんな満身創痍でバカなことを・・・・死になさい!」

 

 

奴から殺気を感じたかと思えばナイフを構え、俺に放ってきた。

しかし不思議だ。さっきまで寝てたはずなのに体が軽い。奴の動きが手に取るようにわかる。

 

 

「遅せえな」

「なに!?」

 

 

速さ・・・動き・・・これはなら琢磨のほうが1145141919810倍強い。

俺は近くにあった点滴スタンドを手に取り、そのまま奴のナイフを持つ手に渾身の一撃を放った。

 

 

 

ボキッ!

 

 

「ぎ・・・ぎゃあああああああああああああワタクシの腕がああああああああああああああ」

「殺し屋っていっても強さはピンキリなんだなあ。寝起きの俺にやられるようじゃ大したことねえぜ」

「許さん・・・許さんぞ神剣奏也あああああああああああああああ」

「許してもらわなくて結構。それによぉ・・・この状況・・・てめえこの子たちに何しようとした・・・・?」

「そんなもの!決まっているだろう!!ワタクシを見たものはすべて抹殺!抹殺あるのみです!」

「そうかよ・・・じゃあ俺は抵抗させてもらうぞ」

「抵抗・・・どうやって・・・?」

「 拳 で 」

 

 

俺は今出せる力をすべて開放し、奴に拳を放った。

 

 

「これは彩を泣かせた分!」ドゴッ!

「ふぐおおおおおおおおお」

 

「これはリサを泣かせた分!」バキッ!

「ぎゃあああああああ」

 

「これは香澄ちゃんを泣かせた分!」ゴキッ!

「ぶがああああああああ」

 

「そしてこれは・・・・おたえがやられた分!」ゴスッ!

「ひぎゃあああああああああ」

 

「そしてこれは・・・・今までてめえが命を奪ってきた人たち全員分だゴルァァァァァァァ」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!

「なんでもありじゃないですかあああああばばばばばばばばばばばばばばばばばば」

「オラア!」

 

 

ガシャーン!!!ドサッ!

 

 

「あひっ・・・あひっ・・・・」ガクガク

 

 

最後の一撃で吹っ飛んだ奴は窓を突き破り、2階から下へと転落し、体をピクピクさせていた。まあ草がクッションになったっぽいし死にはしないだろう。

 

 

「おたえ。弦巻さんを呼んで奴を回収してもらってくれ」

「う、うんわかったよ」

 

 

ふう。寝起きで動いたら疲れた。

 

 

「さて、お前らなんともないか?」

「奏也くん!うん!・・・・・うん????????」

「おいどうしたんだ彩。ハトがレールガンくらったような顔しやがって」

「そ、奏也・・・・」

「なんだリサまで」

「あの・・・奏也せんぱい・・・・その・・・・おなか・・・・」

「え?おなか?」

 

 

俺はそういわれ特に何も考えず自分の腹を触った。

するとその触った手は・・・・深紅に染まっていたのだ。

 

 

「なんじゃこりゃぁああああああ!」

 

 

俺は往年の松田優作のような大声を上げ、そのままパタンと意識を失ってしまったのである。

そして次に目を覚ますと傷口が開きかけてる、無茶するんじゃねえと医者にこっぴどく叱られたのであった。

 




と、いうわけで神剣奏也くん、復活でございます。
なんだかんだ10話まで行っちゃいましたね。あと何話続くのでしょうか。
引き続きよろしくお願いいたします!


★元ネタ解説★

●拳で
ツイッターで一時期流行った21歳の彼

●なんじゃこりゃぁあ!
故松田優作氏の代表作「太陽に吠えろ」で松田優作氏が演じるキャラクターが死ぬ際に放った言葉。
ドラマは知らないけどこのネタは知っているという人は案外多い。


★評価の御礼★

生ナマコさん ★9ありがとうございます!
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