勧善懲悪BanG Dream!   作:光の甘酒

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構想こねこねから早1か月。
最終回です。よろしくお願いいたします。





最終話 勧善懲悪BanG Dream!

目まぐるしく過ぎる季節。

あたしの幼馴染、神剣奏也が旅立ってから早くも6年の年月が経った。

まだまだではあるけどあたしたちは悪党狩りを続けていたため、ある程度この町の治安もよくなったといえる。

しかし最近、各々仕事とかでそう頻繁に会えるものではなくなってしまっていた。

 

そしてあたしももう24歳。

パスパレはベテランとまではいかないけどアイドル業界ではそれなりの地位が出来上がってきた。

 

 

「奏也・・・なにしてんだろ」

 

 

肝心の奏也はというものの、旅立ってから4年が経過したあたりで連絡が取れなくなってしまっていた。

 

 

-2年前-

 

 

「え・・・?連絡が取れなくなるの?」

「ああ。どうもこれから行くところは普通の携帯とかじゃ電波が入んねえらしい。琢磨の野郎・・・めんどくせえところにいきやがって・・・」

 

 

突然テレビ電話がかかってきたかと思ったらそんなことを言われた。

どうやら大学卒業以後、敵を追って国を移動するらしく、その国は未発達な部分が多いためうまく連絡が取れなくなるらしかった。

 

 

「まあ奏也なら心配ないでしょうが・・・気を付けてくださいね」

「ああ。連絡が取れるようになったら真っ先にお前らに連絡するから」

「なんか奏也、本格的にエージェントって感じ」

「茶化すんじゃねえよおたえ」

「でもやってること完全にソレだよ・・・」

「美咲の言う通りね!一応お父様の会社の所属になるのかしら?」

 

 

奏也は卒業後、そのまま向こうでお世話になっていた会社に就職したらしい。

なんでも扱い上は警備会社だけど実態は民間の軍隊みたいかところだとか。

ただでさえ強い奏也がプロの訓練を行けるんだからヤバイことになってそうだ。

 

 

「まあな。一応弦巻さんとこの社員で、出向でコッチにきてる扱いになるらしい。琢磨を片付けたら日本に戻るさ」

 

 

それが最後に交わした言葉。あれから2年間、一度も連絡はない。

 

 

「でも奏也なら・・・大丈夫だよね」

 

 

そう言ってテレビをつける。

なんか緊急特番になってる。なんだろ?

 

 

『当局によると某国でテログループの日本人リーダーが拘束されたとのことです。拘束されたのは国内で指名手配となっていた荒神琢磨容疑者の模様です。荒神容疑者は国内で連続通り魔事件の・・・・』

 

 

「・・・・・え?」

 

 

『繰り返しお伝えします。当局によると某国でテログループの日本人リーダーが拘束されたとのことです・・・・』

 

 

「ええええええええええ!?」

 

 

そのニュースを見たあたしは久々に、幼馴染みんなで集まることにした。

 

 

 

 

「みんな、久しぶり!」

「しょっちゅう電話をかけてくるせいで日菜とは全然久しぶりって感じがしないわね」

「おねーちゃんは会って話しても相変わらずだ!るんっ♪ってするよ!」

「あなたのソレも相変わらずね」

 

 

やわらかい表情で笑うのおねーちゃんは大学在学中にプロデビューした。

Roseliaはデビュー時から絶大な人気を誇り、若い人を中心に一気にファンを増やした。

ちなみに金曜の夜にやっている音楽報道番組でパスパレとRoseliaで共演したこともある。そんなおねーちゃんたちでもまだまだ頂点には届かないらしい。

 

 

「ホント。みんな変わらない」

 

 

おたえちゃんは今、ライブハウスの店長をやっている。

おたえちゃんは大学在学中はCiRCLEでバイトをしていたんだけど、ちょうど大学卒業のタイミングで事業が好調に好調を重ねたCiRCLEはもう一つライブハウスを作った。オーナーやまりなさんに気に入られていて腕も確かなおたえちゃんは、なんちとバイトからそこの店長に大昇格を果たしたのだ。

 

 

「美咲ー!次の予定はどこだったかしら?」

「あーはいはい。次は小原グループの社長さんと会う予定。ちょっと距離あるよ」

 

 

そしてこころちゃんと美咲ちゃん。

こころちゃんは大学在学中から実家のグループ会社をいくつか任されている。

大学で経営の事しっかり学んだのに加えて元々持っていた型破りな手法でバンバン業績を上げているようだ。

そして、そんなこころちゃんを支えているのは美咲ちゃん。

美咲ちゃんは学生の頃からこころちゃんの仕事を手伝ってて、なんとそのままこころちゃんの秘書になっちゃった。

 

 

「間に合わなかったら自家用ジェットを使えばいいわ!」

「あれ調整とか結構大変なんだから思い付きでいうのやめて!?」

 

 

美咲ちゃん以上にこころちゃんのことをわかってる人はいないってことで大抜擢だったとか。

ここまで上手くいってるのは型破りで前衛的なこころちゃんの手法と細かな調整とすり合わせが得意な美咲ちゃんのバランスがベストマッチしているのかもしれない。

 

 

「それで、今日集まったのは昨日のニュースの件ですね」

 

 

おねーちゃんが本題を切り出す。

ちなみにここは奏也の家だ。奏也の留守中、当番制で定期的にみんなで掃除しているためカギを預かっているんだ。

 

 

「うん、そうだよ。昨日のニュース・・・琢磨さんが拘束されたって。ってことはさ、奏也・・・やり遂げたんだよね?」

「奏也ならやってくれると思ったわ!!こっちに戻ってきたら美咲と一緒に私の手伝いしてくれないかしら?」

「こころ、気が早いよ」

「あら?物事はポジティブに考えなきゃダメよ?そうすれば物事がもっと楽しくなるわ!!」

「ふふっ・・・弦巻さんは相変わらずですね」

「うん。やっぱこのメンバーは安心する。あとは奏也が戻ってくれば完璧」

「あ、そうだ・・・・」

 

あたしはテレビをつけてみてた。

最近はつまらないニュースばかりだったせいもあり、日本の凶悪犯が海外でテロリストになった末拘束されたというニュースはインパクトがある。

昨日からこの話題で盛り上がっていて新情報がどんどん出てきているから、もしかしたら新しい情報が出たんじゃないかと思い、。

 

 

『ただいま入った情報です。荒神容疑者を捕らえるにあたり、25歳の日本人と思われる男性が犠牲になったとのことです・・・・・これにあたり・・・』

 

 

そのニュースを聞いた瞬間。全員の顔に緊張が走るのがわかった。

 

 

「まさか・・・奏也じゃないわよね?」

「まさか・・・違うでしょう」

「まさか・・・ね。奏也がくたばるわけない」

「ちょ、ちょっとお父様に聞いてみるわ。やり遂げたのならお父様に連絡の一本も入っててもおかしくないわ!」

 

 

珍しくこころちゃんが動揺してる。

でも気持ちはわかるあたしも正直気が気でない。

 

 

「どうしましょう・・・?お父様でも連絡が取れないですって・・・・!」

「「「「そんな・・・・!!」」」」」

 

 

それから1週間たっても―

奏也からは連絡もなく、こころちゃんのお父さんにも連絡がないとのことだった

 

 

 

さて、この視点は私が担当しましょう。おっと、これはメタ発言でしたね。

私は今日、奏也の家を掃除する当番なので、こうして奏也の家に一人で来ています。

 

 

「ふう、こんなものですかね」

 

 

掃除を終えて一息をつく。

さて、買っておいたフライドポテトでも食べましょうか。

冷めているので電子レンジを借りましょう。

 

 

「・・・・・・?」

 

 

なんでしょう、この感じ。

 

 

「人の気配・・・?」

 

 

下のLDKから気配がします。

玄関ドアは鍵を閉めておいたはずですし、この家に入れるのは私と合鍵を持っている日菜、弦巻さん、花園さん、奥沢さんだけのはず。

とすると・・・・

 

 

「空き巣・・・でしょうか?」

 

 

それならばこうはしていられません。

 

 

「取り押さえねば」

 

 

私はそのままLDKの方へ向かう。すると冷蔵庫を漁る男の影が・・・確かに見えたのです。

 

 

「動かないで・・・!」

 

 

私は後ろから腕を押さえ拘束し、制圧する。

よし、このまま取り押さえて・・・

 

 

「それはこっちのセリフだぜ盗人野郎・・・人が留守している間によ・・・・」

「なんですって・・・!?」

 

 

刹那、相手に1本で一転攻勢をされてしまい、逆に私が床に組み伏せられてしまいました。

 

 

「あぐっ・・・・!離しなさい!」

「喋るな。質問への回答以外、発言は許さん・・・・ってあれ?」

「え・・・?」

 

 

何かがおかしい。その違和感の正体を探るとそれは聞き覚えのある声であることに気が付きました。

 

 

「って紗夜・・・・?」

「まさか・・・まさか!」

 

 

鍛え上げられた体、片腕一本で私を制圧する腕力。

これは・・・・まさかまさか・・・・?

 

 

「奏也・・・?」

「・・・マジかよ」

 

 

ここで私は・・・6年間離れ離れになっていた幼馴染である神剣奏也に再会したのでした。

風貌が荒々しくなっており、それは向こうでの過酷な訓練・生活をうかがわせました。

 

 

 

 

「散々心配させておいてひょっこり帰ってくるなんてどういう了見なんですか!!」

「なんで俺怒られてるの!?!?!?!?」

 

俺が行ってた国は携帯を使えないため、長時間使用しなかったことによりバッテリーがダメになり壊れてしまっていた。

話を聞くところによるとそれで直接連絡が取れなかったため、結構心配させてしまたらしい。

どうやら向こうでの俺の上司が、後処理が終わったあとに俺が帰国すること弦巻さんに連絡するはずだったのをすっかり忘れていたらしい。

さらに間が悪いことに俺と同じ年齢の日本人が犠牲になったというニュース(実際は日本人ではなかった)が流れてしまい、俺が死んだんじゃないかと騒いでいたというオチ・・・というわけだ。

 

 

「まあそれに関しては悪かった・・・っていうか完全に上司のせいなんだよなあ」

「まあいいでしょう。奏也・・・まずはこれを言っておきます」

 

 

紗夜は柔和な笑みを浮かべながらゆっくりといった。

 

 

「おかえりなさい」

「ああ、ただいま」

 

 

うん、日本に帰ってきた。そんな感じがする。

 

 

「あ、フライドポテト食べますか?」

「紗夜は相変わらずだなあ」

 

 

そんな雰囲気のまま、フライドポテトを電子レンジであっためて紗夜はそういったのだ。

 

 

 

 

「奏也ー!」

「こころ!感動の再会に見せかけてタックルしてくるのはやめろ!」

「あら、いいじゃない。今のあなたは私くらいじゃビクともしないでしょ?娘に久々にあった父親って考えれば楽しくなるわ!」

「誰が親父じゃ!まだ25歳じゃい!」

「こころ・・・九州出張から無睡でとんぼ返りしてよく元気残ってるね・・・」

「美咲の体力がなさすぎなのよ!」

「こころの無尽蔵なパワーと一緒にしないで!?」

 

 

こころは相変わらずだ。これで会社をいくつか任されててそれが急成長してるんだってから驚きだ。

そして美咲も苦労が絶えないだろうなあこれじあ・・・

 

 

「でも奏也アレだねー。最初は誰!?って思うくらいだったけど、喋ったらいつもの奏也!ってかんじだ♪あ、でも彩ちゃんあたりがみたら気絶しそう(笑)」

「彩か・・・元気してるか?」

「うん!彩ちゃんはいつも通りだよ!」

 

 

敵を作りやすいアイドル業界であるが、彩は先輩にも後輩にも慕われているらしい。ただ相変わらずな性格なのでとちるときはとちる。

ツイッターのハッシュダグに #丸山とちった が存在するほどだとか。

 

「そういえばRoseliaはプロになったんだったか?さすがだな」

「いえ、まだまだ頂点には遠いですよ」

「リサは・・・どんな感じだ?」

「今井さんは相変わらずですよ。Roseliaの精神的支柱で彼女がいないとRoseliaは回りません」

「そうか・・・頑張ってるようで嬉しいよ」

「今度ライブに招待するので遊びに来てくださいね」

 

 

あとでRoseliaが出ている動画を見せてもらったが皆相変わらずだ。

ただ、雰囲気はかなり良くなったように思える。

 

 

「さて、いよいよ私の番だね」

「順番待ってたのかおたえ・・・・んで?どうなんだ?」

「うーん、店長としてはぼちぼち。ポピパとしてもぼちぼち」

「どっちもぼちぼちじゃねえか」

 

 

ポピパはプロの誘いもあったらしいが、沙綾ちゃんの実家の問題とおたえのライブハウス就職、他のメンバーがそこまでを望まないということで自ら流したらしい。

ということで今はアマチュア社会人バンドという立ち位置に収まっているとか。

 

 

「香澄も元気してるよ」

「なにも聞いてないんだが・・・」

「でも、気になってたでしょ?」

「おたえにはかなわねえなあ」

 

 

香澄ちゃんはなんと学校の先生になったらしい。

精神的にも成長し、あのキャラを保ちつつバッチリな距離感で生徒とも接するため、保護者にも生徒にも同じ職場の先生にも評判がいいとか。

 

 

「奏也くん、久しぶりだね!」

「弦巻さ・・・社長」

「あら?お父様じゃない!」

 

 

本来であれば俺から出向くところではあるが、連絡したら来てくれるとのことだったので来てもらった。

 

 

「帰国早々で悪いがやってほしい案件がある。これなんだが警察じゃ手が出せないらしくてね・・・」

「なるほど」

 

 

俺は書類を受け通り目を通す。

 

 

「ふむ。このレベルだと俺一人じゃ手に負えますね・・・・」

「やはりそうか。ならば作戦に必要な人員を用意してもらって構わない。とりあえず準備をしてくれ」

「わかりました」

 

 

そういって弦巻さんは出ていく。

 

 

「ねえ奏也?話は聞かせてもらったわよ?」

「こころ・・・・考えてることはわかるけどさ・・・とりあえず休ませて・・・」

「もちろん、やるんだよね?あたしたちも!」

「今さら仲間外れにするのはナシですよ。それにあなたがいない間にも私たちだけでやっていましたからね」

「その通り。久々の勢ぞろいで腕が鳴る」

 

 

みんなはキリッっとした表情(1名除いて)で俺に問いかける。

・・・そうだな。そうだよな。

 

 

「ああ。よし、じゃあ作戦について打ち合わせをしよう」

 

 

 

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああ」

「な、なんだお前たちは・・・この力・・・普通じゃねえ!!」

 

 

 

全員そろって俺たちは今日も悪党を狩る。

各々進んだ道は違えども、この町を想うこころは同じだ。

 

 

「おまえら・・・・お前ら何なんだあああああ!?」

「俺たち?俺たちは・・・」

「私(あたし)たちは・・・・」

 

 

そして、高らかに。こう宣言する。

 

 

「通りすがりの悪党狩りだ」

 

 

~Fin~

 




ぬわああああああああああああああん疲れたもおおおおおおおおおん

息抜きに違う話を書きながら構想をこねこねして悩みに悩んだ結末。
いかがだったでしょうか?

実は色々案はあったんですね・・・
奏也は遠くで頑張ってる・・・帰ってこないままで終わりにするですとか、奏也が敵と相打ちで死亡してしまうパターンですとか・・・
でも結局、それのいいところを織り交ぜた誰も不幸にならないこんな感じに収まりました。


もともとが趣味全開・ニッチな層を狙った話で、ハーメルンのバンドリ小説にはなさげな展開など異色づくしにも関わらずたくさんの方に読んでいただいて嬉しい限りです。

本当は10話くらいで打ち切りにしようかと思っていた時期もありましたが、ここまで続けられたのは皆さまのおかげです。

UA、お気に入り、評価に一喜一憂したり、たくさん感想もいただいたり・・・
とても思い入れの深い作品になりました。

文章も読みづらいところがあったっと思いますが本当にここまでご支援いただけて嬉しいです。


さて以下はお知らせです!

1.後日談を執筆します。

彩、リサ、香澄にそれぞれスポットを当てた後日談・・・いわゆる彩ルート、リサルート、香澄ルートといったところでしょうか。
こちらを気まぐれに書いていこうと思います。
ギャルゲーでいうと今までの本編が共通ルートでこれから個別ルートに入るという感覚ですかね?
需要があるかはわかりませんが、よかったら読んでくださると嬉しいです!


2.別作品もよろしくお願いします!

現在下記の小説を連載しております。

・本作のパラレルワールドで設定が異なる、丸山彩がヒロインとなる”彩のこころ”

・これまた趣味全開で、完結寸前ですが日菜が主人公を務める”偽りの幸せとクズの結末”
実はこの小説、本作と同一世界線という裏設定もあったりします。



と、いうわけで今までありがとうございました!
そして引き続きよろしくお願いいたします!!


★評価のお礼★

将太さん ★10ありがとうございます! 
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