勧善懲悪BanG Dream!   作:光の甘酒

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筆者に医療知識はまったくございません。
故にこの小説で登場する医療に関する知識は物語の用意されたフィクションとお考え下さい。


●オリキャラ解説
私が執筆し完結した「偽りの幸せとクズの結末」の主人公である弓神陽葵がゲスト出演しています。
こっちを読んでいなくても話は分かりますのでご安心ください。


第2話 ワイルドで悪い顔

僕の目覚めから1日たった。

あれから聞いた僕を担当する医者、研修医、そしてやってきた警察官の話。

そして丸山彩さんと名乗る女の子に話を聞くに、僕は不審者を追って崖から転落してしまったらしい。

不審者は間一髪、崖下には落ちずそのまま逃走。

対して僕であるが、どうやら相当体を鍛えていたみたいで、幸いそんなに高い崖でもなかったため大きなケガはない。しかしショックは大きく、それで記憶を一時的に失っている状態だとか。

まあ鍛えていたとはいっても普通の人なら骨を数本折っていてもおかしくないといわれてちょっと血の気が引いたけどね。

ありがとう、記憶を失う前の僕。

 

 

「あの・・・・奏也?」

 

 

本日は実に気持ちがいい。

目覚めはバッチリ、落下で負ったであろう外傷はほとんどない。

そして病室には世間では大人気らしいアイドルグループのメンバーが集まっている。なんて華やかで気持ちがいい空間なんだろう。

そう、ただ一つ僕自身が彼女たちのことをすべて忘れているという点を除いてはね。

 

 

「えっと・・・奏也くん?私のことわかるかしら?」

「・・・・・」

「奏也くん・・・?」

 

 

おや、どうやら僕が呼ばれているらしい。

あ、そうか。僕の名前は神剣奏也というんだったね。

 

 

「ああ、ごめんね。まだ呼ばれ慣れてなくて。えっと・・・白鷺さん・・・だっけ?」

「白鷺さん・・・ね。本当に覚えていないのね・・・」

「ごめんね」

 

 

謝ると白鷺さんは複雑そうな顔をする。

 

 

「ふーん・・・奏也、ほんとになんにも覚えてないんだ・・・」

 

 

対して氷川日菜さん。

僕+丸山さんと一緒の旅館に泊まっていたらしい。

さらにそうなることをセッティングしたのは他でもない彼女らしく、丸山さん曰くかなり責任を感じているようだ。

 

 

「ほんとごめんね奏也!あたしができることだったらなんでもするからさ!」

「そう謝らなくても大丈夫だよ?話を聞くにキミは何も悪くないし、一時的なものだろうしね。それよりも可愛い顔をそうやって曇らせちゃう方が僕には辛いかな」

「・・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

ん?何か僕、変なこと言ったかな?

氷川さんは心底驚いた顔をしており、白鷺さんは何故かゴミを見るような顔をしている。

そして丸山さんは顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。

 

 

「えっと・・・・・」

 

 

と、言葉を発そうとしたところで病室のドアが開く。

 

 

「失礼します。奏也、調子はどうだい・・・・ってなんで美女百面相が繰り広げられてんのココ」

 

 

入ってきたのは研修医の弓神陽葵(ゆがみ はるき)先生だ。

僕と同年代、そしてどうやら氷川さんと良い仲らしい。

 

 

「細かいことはいいじゃないですか。それで先生、僕は相変わらずですよ」

 

 

よくわからない不穏な空気が怖かったのでとりあえずごまかしておいた。

 

 

「僕・・・ねえ。一応検査の結果を持ってきたけど、やっぱり一時的な記憶喪失みたいなんだよね」

「じゃあすぐに戻るの?」

「悪い日菜・・・それがわからない。人の記憶って結構デリケートでね。なにかのきっかけで思い出すかもしれないし、時間がかかるかもしれない。とりあえず外傷はないしレントゲン・CTの結果も良好。退院して日常生活に戻ったほうがいいだろうね」

 

 

と、いうことで日常生活に戻ることを勧められた僕。

ぶっちゃけやることないし、それに従うようにした。

数日後、退院手続きを取り病院を後にする僕。ありがたいことに丸山さんと氷川さんが仕事を安んで色々と世話をしてくれた。

 

 

「よしじゃあ帰ろうか。ごめんね、付き合わせちゃって」

「ううん!全然いいよ!私たちにも責任あるし・・・・」

「そうそう!でもやっぱその奏也の口調、落ち着かないなー。あたしが言えた義理じゃないけどさ」

「前の僕ってどんなんだったの?」

 

 

ふと疑問に思い聞いてみた。

 

 

「んーなんていうかワイルド?」

 

 

それが丸山さんからみた僕。

 

 

「そうだなー・・・なんていうか悪い顔!」

 

 

それが氷川さんの意見。

 

 

「ワイルドで悪い顔って・・・・ええ・・・・メチャクチャ悪人ってことか・・・?何やってたんだろ僕・・・・」

 

 

そんなことを考えながら僕は歩き、分かれ道に来たようで丸山さんが言葉を発した。

 

 

「じゃあ、私はここで」

「あたしもこっちだから」

「うん、二人ともありがとね」

「うん、バイバイ!奏也くん!」

「じゃあね!」

 

 

二人の背中を見送る僕。さて、僕も帰宅しようかな。

 

 

「・・・・・・・・・んん?」

 

 

そういえば僕の家どこだ・・・?

 

 

「いやあ、参ったなあこれは。よし、とりあえず逆立ちでもすれば考えが浮かぶかな?」

 

 

何故かわからないが道端で逆立ちをする僕。ひょいっとできるあたり体が鍛えられているのがわかるね。

そんなことを考えていると丸山さんが帰った方向から足音が聞こえてきた。

 

 

「ごめ~ん奏也くん!忘れてるってことは家もわかんないよね!?」

 

 

どうやら丸山さんは気が付いてわざわざ戻ってきてきれたようだ。

 

 

「うん、いや~助かったよ。おっしゃる通り途方に暮れていてね。丸山さんが来てくれて助かった」

「ほんとごめんね!送っていくから・・・・ってなんで逆立ち??」

「なんかこのほうが考えが浮かぶと思ってね・・・・あ」

「どうしたの奏也くん???」

「いやぁなんというかまあ・・・・」

 

 

逆立ちする僕。そして目線の先には丸山さんのスカートの隙間から、絶対領域の中が見えてしまっていたのだ。

 

 

「奏也くんどこをみて・・・・・・!?!?!?!?!?」

「いやっその、丸山さん、これはね、違うんだよ。事故というか不可抗力というか」

「み、み、見たんだよね!?」

「・・・・・さすが丸山さん。ふわふわピンク担当だけあってそっちもふわふわピンク担当なんだね」

「冷静に実況しないでよぉ~~~~~~~~!!!!!」

「ほんとごめん、ほんとわざとじゃないんだ!」

「だったらいつまで逆立ちしてるのぉ!早く戻ってぇ!」

「ま、丸山さん、蹴りは勘弁して蹴りはゴフォ!」

 

 

ああ、アイドルのキックを顔面に受けるなんてそうない経験なんだろうな・・・

特殊な趣味をもつ方々からしたらご褒美かもしれないね。

 

 

「フリフリまでついてるとは恐れ入った・・・・」

「~~~~~///ばかああああああ!」

「ゴフォオォォォォ!」

 

 

キックにより見えてしまったモノの感想を追加で言ったらおまけをもらってしまい、僕は完全に体制を崩して地面に倒れこんだ。

 

 

「・・・奏也が家の場所まで忘れてること思い出して戻ってきてみれば・・・なんで彩ちゃんが顔を真っ赤にしながら奏也の顔面にキックして地面を這わせてるのさ・・・・あれ、もしかして奏也・・・記憶を失ってそういうプレイに目覚めちゃった・・・?彩ちゃんも乗るってことは同レベル・・・?」

 

 

そういいながら現れた氷川さんは明らかにドン引きしており、後ずさりしていた。

 

 

「日菜ちゃあん!違うのぉ!」

 

 

まあ僕が悪いんだけどさ。

氷川さんの誤解を解くのはちょっと大変だった。

 

 

 

 

そして翌日、僕の雇い主である弦巻さんという人にあって事情を話した。

記憶がきちんと戻るまでは仕事は休んで構わないと快諾してくれた

しかしめちゃくちゃ大きい家だった・・・・・

 

 

「ん・・・・?」

 

 

その帰り道、マスクにサングラスをした男が道で僕を待ち伏せるようにして立っていた。

なんかやばい気配がする。

なんだろう、なぜだかわからないけど本能的に危険だと直感する。

 

 

「・・・・・!」

 

 

その刹那、その不審者は手に刃物を握り、僕の方へ向かってきた。

 

 

「えっえっえっ・・・ちょままままま」

 

 

あたふたすることしたできない僕。やべーよ!さすがに刃物はやばいって!なんで僕襲われてんの!?

 

 

「いやだぁー!」

 

 

そんなことを叫びながら敵に背を向けて逃げる僕。

 

 

「たーすーけーてー!」

 

 

しかしここはちょっとした町のはずれ。助けがくる気配はない。

しかし奴はまだ追ってくる。僕はがむしゃらに逃げるが、土地勘が失われているせいで袋小路に逃げ込んでしまい、逃げ場をなくしてしまった。

 

 

「ちょっとあんた話し合おう!僕がなにをしたっていうの!?」

「・・・死ね」

「質問に死ねで返すってどういう教育受けてるんですかぁー!」

 

 

ああ、僕はここで終わりのようです。このまま刺されて記憶が戻ることなく息絶えてしまうのですね・・・・

 

 

「・・・・・!?」

「え?」

 

 

なんて思っていたら不思議だ。奴の動きが手に取るようにわかる。

僕はそのまま奴が刃物を握る手を掴み、力で押さえつけていた。

 

 

「な、キサマ!」

「・・・・大したことねえじゃねえか」

 

 

ゴキッ!

 

 

「うぐおおおおおおおお!」

「チッ・・・折れてはないか」

「よくも・・・・やりやがったな!」

「なーに言ってんだクソ野郎。不意打ちナイフかました卑怯モンの分際でよぉ、やられたことに対してブツクサ文句言ってんじゃねーぞ」

「・・・・・覚えていろ!」

「捨て台詞吐くのは死亡フラグだってそれ一番言われてるから。待ちやがれ・・・・!?」

 

 

背を向け逃げるやつを追う・・・・ことは叶わなかった。

俺は・・・僕は突然めまいをおこし、その場にへたり込んでしまった。

 

 

「今の僕は・・・・なんだ・・・・?」

 

 

今、奴に対峙していた僕。ほとんど無意識だった。なぜこんなことに・・・?

そういえばワイルドで口が悪い・・・・

もしかして、あれが本当の僕?なんらかのショックで記憶がすこし戻りかけたのかな・・・・?

 

 

「ダメだ、これ以上思い出せない」

 

 

とりあえずアクションがあったことは確かだ。明日になったらこのことを病院で話そう。

それと不審者に襲われたこと・・・これは警察に通報したほうがいいんだろうか・・・?

そんなことを考えながら僕は、暫定的に僕のサポートをしてくれている丸山さんと氷川さんに相談すべく連絡を取ったのであった。

 

 

 

 

奏也くんから連絡があった。あろうことか刃物を持った不審者に襲われたって!

でもこころちゃんのお父さんや日菜ちゃんを交えて話した結果、警察への相談はしないことになった。なぜだかわからないけど・・・・

そして病院で奏也くんがその時経験したことを相談をしたところ、陽葵くんからはこんな回答があったのだ。

 

 

『多分、記憶を失う前によくやっていたことを体が覚えていて、脳がその刺激を受けて一時的に記憶を回復させたんじゃないかな』

『つまり記憶を失う前のできごとをすれば、戻る可能性が高まるということ?』

『さすが日菜、その通り・・・かもしれない』

『そっか!じゃあ・・・・・』

 

 

ということで私と日菜ちゃん、そして奏也くんは例の温泉旅館に来ていた。

 

 

「さあ、ここで奏也の記憶を取り戻すよ!」

「うん!がんばるぞー!」

「お手柔らかに頼むよ」

 

 

奏也くんの記憶を戻すためのプチ旅行再び。

で知らなかったんです。ここであんなことが起こるなんて・・・・

 




記憶喪失ものにしたはいいですがメチャクチャ書くの難しい・・・難しくない・・・?
いつも以上に駄文感はんぱない・・・

引き続きよろしくお願いいたします。

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