勧善懲悪BanG Dream!   作:光の甘酒

5 / 51
★この話に出てくる専門用語の解説★


●住宅ローン減税

住宅ローンを組むと10年間、借入金額の一定割合が返ってくる制度。
金は持っているが、減税をガッツリ受けるためにあえて住宅ローンを借りる人は意外と多い。

●団体信用生命保険

住宅ローンに付帯する保険で、万が一返済期間中に死んでしまったらローンがチャラになるもの。

●犯罪被害者給付金

犯罪の被害に遭った本人や親族に支払われる給付金。大体1000万くらい。
(条件満たしてなかったり法改正とかあったらスミマセン、仕様ということで)

●ケッチャコ・・・

仮面ライダー剣にて相川始が言い放った言葉。
決着を・・・と言ってるらしいが活舌が悪すぎてケッチャコ・・・にしか聞こえない。
オンドゥル語が始に感染した瞬間であった。


こんな感じでよろしくお願いいたします!


第2話 お家を労わって差し上げろ

-病院-

 

羽沢さんから蘭へ突然連絡が入った。

お父さん、店長が何者かに襲われて重傷を負ったと。

それで俺と蘭はすぐさま病院に駆けつけたのだ。

 

 

「つぐ!!」

 

「蘭ちゃあん・・・・」

 

「お父さんの容体は!?」

 

「骨が何本か折れてて・・・頭は何針か縫ったけど命に別状はないって」

 

「そっか・・・」

 

「うん」

 

「こんにちは、羽沢さん」

 

「あれ・・・昨日のおたえちゃんの幼馴染さん」

 

「そういえば名前、教えてなかったね。俺は神剣奏也。その、お父さんのこと大変だったね・・・」

 

「命が助かってよかった・・・でもね、でもね・・・お父さんの腕が・・・バリスタの腕が・・・・!」

 

「・・・・まさか」

 

「特に複雑な折れ方をしてて、明らかに集中的に狙って攻撃を受けてるって・・・!治るのには時間がかかるし、仮に治っても以前みたいに動かせるかどうかはわからないって先生が・・・」

 

「そんな・・・」

 

 

蘭はどう言葉をかけていいのかわからない表情をする。

 

 

「お店・・・うちのコーヒーを楽しみにしてくれる人いっぱいいるのに・・・商店街の人たちのいために・・・支えてくれるみんなのためにこれからって時に・・・ううん、こういう時だからこそ私が頑張らないといけないんだね!

・・・こういう、とき、だから、こそ・・・・・」

 

羽沢さんは明らかにこらえている。

その方は小刻みに震え、うつむき涙をこらえているのがまるわかりだ。

 

 

「「「つぐ!」」」

 

 

その声のするほうを見ると、女の子が3人立っていた。

 

「聞いたよ、親父さんがケガをしたって!」

「大丈夫!?」

「つぐ・・・すごくつらそう」

「巴ちゃん・・ひまりちゃん・・・モカちゃん・・・うええええええええん」

 

聞いたところによると彼女たちは同じバンドメンバーらしい。

その姿をみて緊張が解けたのかついに泣き出してしまった。

そして、この場は彼女たちに任せたほうがいいだろうと思った俺はその場を後にした。

 

 

※

 

外で時間をつぶしていると蘭から連絡が入る。

そして指定された場所へと向かったのだ。

 

 

「奏也、私の言いたいことわかるよね」

 

 

そこにはブチ切れて、怒りに満ちた表情を浮かべている蘭の姿があった。

 

 

「ああ、キレたぜ、俺も・・・・!」

 

「やるよね?」

 

「やるしかねえよな?」

 

「・・・つぐの話によるとあの時、逃げる二人組を見たみたいなの」

 

「あの時のバカどもか!!」

 

「おそらくね。確証はないけど。とりあえず調べてみるよ」

 

「ああ、頼む。俺は他のメンバーに声をかけておく」

 

「うん、1日で調べ上げてやる・・・・!」

 

「任せた。報告を待っている」

 

 

※

 

 

そういえば説明してなかったな。俺の家は敷地面積約45坪、建物面積約35坪の3LDKの一軒家だ。

数年前両親が住宅ローンを組んでマイホームを購入。

郊外だしで特別大きいわけではなくいたって普通の家なのだが、その両親はすでにいない。

 

数年前、この町で起こった連続通り魔事件に巻き込まれ二人そろって亡くなってしまったのだ。

団体信用生命保険でローンは帳消しになったが両親を失った俺の悲しみはすごいものだった。

 

しかし、そこに待ち受けていたのは相続の問題。実は両親は住宅ローン減税を利用するためにローンを借りていただけで、元来贅沢嫌いで貯金が趣味だと豪語していただけあって、かなりの蓄えがあったらしくかけていた生命保険もあり莫大なカネが俺に転がり込んできた。

 

しかし相続税の問題や、名前もしらない親戚ども(当然、相続権はない)がこぞって現れ、無知なガキである俺から金をむしり取ろうとしてきたのだ。

そんな時、力になってくれたのはオッサンだ。

 

「てめえらハイエナ野郎共がっ!こいつが両親を失って悲しんでるのに慰めの言葉もねえのか!」

「なんだあんたは!これは家族の問題だ!」

「家族だぁ?奏也、こいつら知ってるか?」

「・・・知らないよ」

「だ、そうだ。帰れ!」

「私たちは血がつながってんのよ!ほら奏也・・・小さいころ遊んであげたでしょ??」

「そこまでいうならお前らの続柄教えな・・・ってお前ら全員相続権ねえじゃねえか!!」

 

 

そこからは有識者であるオッサン無双。カネのニオイに釣られてきた奴らを次々と論破し、引き下がらせた。

このあたりはさすがは元議員といったところであった。

その後、相続税の処理や銀行口座の開設や貯金の方法から葬式の手配まですべてオッサンがやってくれた。おかげで両親が残してくれた遺産、そして国から給付を受けた犯罪被害者給付金という莫大な貯えがある。

 

「オッサン、世話になったお礼だよ」

 

 

そういってガキだった俺はこっそり引き出しておいて100万の札束をオッサン委渡そうとしたことがある。

 

 

「バーカ、んなもん受け取れっかよ。その金はお前の父さんと母さんがお前のために残した大事なもんだ。俺は俺のやれることをやったにすぎねえ、見返りなんて求めてねえんだよ」

 

 

俺はすぐにオッサンにとんでもない失礼を働いてしまったことに気づいた。

悔しいがこの時のオッサンはメチャクチャかっこよくて、この部分は真似したいと必死に勉強し、より一層鍛錬に取り組んだ記憶がある。

 

さて、俺のどうでもいい過去を話したところでそろそろ〆に入ろう。

とどのつまり俺は広い家に一人住まい。そこに幼馴染のひいき目に見てもかわいい女の子が4人も出入りしている。

まるでギャルゲーの世界であるが現実はどうだ、そんないいもんじゃない。

1人は頭ハッピーワールドで1人は頭ハナゾノランド。

姉妹の片割れはカタブツに見えて頭のネジがぶっ飛んでるし、妹はルンルンしすぎて意味わかんねえ。

 

男:女=1:4の幼馴染というシチュエーションにありがちな

 

「私・・・奏也のこと好きだったんだよ!」

「私も!」

「え?あなた達もですか?」

「えー?いくらおねーちゃんでも奏也は渡さないよ!」

 

 

みたいな俺一人をめぐって争いが起こったりなどは微塵もない。

むしろ俺はあいつらに男と認識されていないし、俺もあいつらのことを女性としてみたことがないのだ。

そう、女性というかもう「幼馴染」以外の何物でもないのだ。

 

こんな感じで俺は今日も変態幼馴染軍団と集まり、今後の計画について話すのだ。

 

 

「誰が変態幼馴染軍団ですか!!!!」

 

「こころの声読まないで!?」

 

「あら、呼んだかしら?」

 

「頭ハッピーワールドは口をつぐめ!!」

 

 

※

 

「・・・というわけだ」

 

「あの時の二人組がそんなことを・・・?」

「またひとつこの町に涙が流れてしまったのね。つぐみが心配だわ」

 

 

ドン!バキッ!!!

 

 

その刹那、日菜と紗夜壁をぶん殴る様を垣間見た。

その拳は壁に吸い寄せられ、プラスターボードは無残に飛び散った。

 

 

「ええええええ・・・・ちょっとそこの姉妹!何しちゃってくれてるんですか!!」

 

「なんですか・・・?」ギロッ

 

「なにかな・・・?」ギロッ

 

「ヒェ・・・」

 

 

そこには目から光が消えた氷川姉妹が鬼の形相でこちらを見ていたのだ。

 

 

「まあ、怖い顔!相当ぷんぷんしてるわね!」

 

 

空気を読まずにこころが言う。

ヤメテ・・・そのシワ寄せ俺に来るんだからヤメテ・・・

 

 

「ねえ、つぐみちゃん何も悪くないよね・・・・?」

 

「ハイ!その通りであります!!」

 

「ふざけないでください」

 

「ハイ(白目)」

 

 

怖い!紗夜さん怖すぎ!!

 

 

「あんなに一生懸命でみんなのために頑張る羽沢さんをそんな目にあわせるなんて・・・!」

 

「おねーちゃん、あたしも同じ気持ちだよ」

 

紗夜はかつてお菓子教室でつぐみとともに過ごした時間を思い出し、それによってもっと日菜と仲良くなれたこと、そして羽沢珈琲店のあたたかさを知っている。

それを理不尽に、自分勝手な理由でぶち壊したやつらに怒りを抱いているのだ。

そして日菜は、つぐみは普段みんなのために生徒会も、どんな頼まれごともこなし頑張っているのを知っている。そして一緒に天体観測をしたのを機に星についていろいろと話すようにもなっていた。さらにAfterglowによるパスパレの楽曲提供など数々の交流があり、日菜に中では大切な仲間という認識があったのだ。

 

「奏也、今回は私(あたし)たちにやらせて」

 

 

氷川姉妹は顔を上げ、力強くそう宣言したのであった。

 

 

「・・・わかった。相手はちょうど二人。それに奴らは他の商店街の店にも迷惑をかけている。どちらにせよこの町には必要のないゴミだ。俺たちで片付けてしまおう」

 

 

・・・そして壁をちゃんと直そう。

 

 

※

 

 

「奏也、入るよ」

 

 

後日作戦を練るということでいったん解散となった数時間後、蘭が訪れた。

 

 

「蘭か」

 

「あいつらの身元が割れたよ」

 

「馬面幸助、榊原一輝・・・なんでこう、悪党の名前ってポジティブな漢字入るかねえ」

 

「それと、こいつら飲食店から金を巻き上げるだけの小悪党じゃなかったよ」

 

「なに?」

 

「こいつらはこの町にある雑居ビルの一室を拠点に、中年とか年配の方がやってる店で強盗事件を引き起こしてる。それもそれは金だけが目的じゃない。小金を奪ってその店主をボコボコにしてストレスを解消してる、正真正銘のクズだよ」

 

 

「なんだと・・・?」

 

「あと、これを聞いて」

 

「これは・・・?」

 

「奴らの雑居ビルに仕掛けた盗聴器の声を録音したものだよ」

 

※

 

 

「しかしこの前のコーヒー屋のジジイムカついたぜ」

「ああ、昼間散々バカにしやがったからターゲットにしてやったのにヨ、金もださねえかよぉ」

「そうそう、おとなしく金だけで出してればもっと優しくしてやったのによ」

「必死こいて金渡さねえからやりすぎちゃったぜ。やめろぉぉぉなんて情けねえ声出しやがって。病院運ばれて重傷らしいぜ?」

「あのバカ腕を折っても全然離さなかったしな」

「ま、さびれた商店街のちいせえコーヒー屋が潰れたところじゃあ、俺らには関係ねえよな」

「そりゃそうだ。ひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

 

 

 

※

 

「こいつあ想像以上のゴミ野郎だな・・・・!」

 

「私も聞いたとき、正気じゃいられなかったよ。こんなやつらのためにつぐは・・・・!つぐはほんと頑張り屋で、いつも私たちを引っ張ってくれて、縁の下の力持ちで、何か決めるときはいつもつぐがやろう!っていってくれて・・・ほんとに、本当にいいやつなのに・・・・!」

 

「ああ、こいつらは」

 

「許せませんね」

 

「許せないね」

 

 

バキバキバキ!!!!

ものすごく不吉な音がする。

さっき聞いた音だ。そしてその音はこの部屋の中から聞こえる。

俺は恐る恐る音のほうを向くと、そこには入り口のドアを粉砕する氷川姉妹の姿があった。

 

 

「お前ら、何でここに?」

 

 

「蘭ちゃんが見えたから戻ってきたの」

 

 

「頼むから家さんを労わっておくれ・・・・」

 

 

怖いので突っ込むのを少しにした。

てかヤバい。うん、ブチ切れる気持ちはわかるし俺もハラワタが煮えくり返っている。

でも俺の家関係ないやん・・・直すのにいくらかかると思ってんのよ・・・

まあいいけどさ。

 

 

「それで・・・・今回はどうするつもりなのかな?」

 

「奏也、考えを聞かせてください」

 

「そうだな・・・蘭。この町にヤミキンはあるか?」

 

「あるにはあるよ。この前かかわった畜生組の上位組織の経営だね。えーっと従業員数は・・・少ないね、3人。末端だね」

 

 

パソコンをカタカタ叩きながら蘭が言う。一体その小さな箱にどんだけの情報量が詰まってるんだ・・・

 

 

「どうするの?」

 

「奴らは強盗だろ?そんなら、次はここに強盗してもらおうじゃねえか」

 

 

そこで俺は思いついた方法を話したのであった。

 




次回、ケッチャコ・・・・

引き続きよろしくお願いいたします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。