そして本作もいよいよ智花達の登場だあ!
それではごゆるりとお楽しみ下さい(笑)。
どうぞ!!
翌日、慧心学園初等部・中等部校門前――――
遂に来てしまった。俺、梅崎蒼也はゴクリと唾を飲んだ。突然現れた従姉の七瀬唯香から自身の受け持つ女子サッカー部のコーチをやってくれないかという依頼を受け、しぶしぶ引き受ける事になり、なぜか今日という日からのコーチ指導をスタートさせることになったわけだが、
「ヤベえ、マジ緊張してきた。」
かなり緊張していた。それもそのはず、俺は今までこういったお嬢様やお坊っちゃまが通う学園という所に来た試しがなかったのだ。それだけに限らず、今までずっと市立や県立の学校にしか通っていないわけであるから、多少の私立校に対する劣等感もあったのかもしれない。それでもいざ本物を目の前にするとやはり、私立の凄さに圧倒されてしまう。
我ながら情けないなあ...
そんな呑気な事を考えていたら突然警備員さんらしき人に補導された。ツイテないなあ、俺。
そんなこんなで色々と話を聞かれたが、意外と気前の良い感じの警備員だったので自然と会話は弾んだ。
「いやあゴメンね。最近この近辺でウチの生徒を狙う輩がいてね、今日みたいな休日でも部活生に万が一のことがあってはいけないと思ってね。警備をしていたんだ。そうかい、君は七瀬先生の従弟さんか。」
最近は結構、物騒なんだな。
俺はそう思いながらも警備員の人と会話を続けた。
「それで?今日はどうしてこんな所に?何か用事でもあったのかい?」
「いえ、何でもありません。ただ散歩がてらここを通りかかったもので、今日はこのまま帰ります。」
直後、背後から何らかの殺気を感じた。すると、振り向く間もなく背後から思いきりジャンピングキックを喰らわされた。バっと振り返ると、そこには我が憎き従姉の七瀬唯香が仁王立ちで俺を思いきり蔑む様な感じで上から見下ろしていた。...今の地味にきましたよ唯香さん?
「アンタ、なに勝手に嘘ついて一人で帰ろうとしてんのよ?」
唯香が結構強い口調で言ってきたので俺も少し口調を強めながら言い返した。
「うるせえ。テメエがいつまでたっても来ねえから少し冗談のつもりで言っただけだよ。」
とそこへ、先程の警備員さんが割って入る。
「七瀬先生、そちらの子は従弟さんで?」
「そっ、ソイツが私の従弟の梅崎蒼也。サッカー好きの野村さんだったら名前くらい聞いたことはあるでしょ?」
野村さん、という名なのであろう警備員さんは両腕を組んでう~んと考え込んだ。そして、何か閃いたのかポンと手を叩くと、
「ああ思い出した!君はあの梅崎蒼也君だね?ほら、中学の時同じポジションの南勇斗君と一緒に黄金のツートップとして全中の時に全くの無名だった学校をベスト4まで導いたって。そして高校はウチの県で有数の強豪校、鶴美ヶ崎高校で1年からレギュラーをはって、その年の夏のインターハイと冬の選手権大会で両方とも優勝、さらにはMVPも獲得したっていう天才ストライカーじゃないか!!凄いなあ、こんな所で会えるなんて。」
少し興奮気味にそう言った。
それにしても懐かしいなあ、俺はそう心の中で呟いた。
「で、今日は休みだったのかい?」
唐突に答えにくい質問をしてきたので俺は一瞬慌てたが、そんな俺を見かねてフォローしようとしたのか、唯香が
「まあ野村さん、コイツも色々と用事があるから話はまた今度ね。」
野村さんの質問をシャットアウトした。
「そうですか...分かりました、じゃあまた今度話をしよう、梅崎君。それじゃあ。」
そう告げて野村さんは来た道を逆に戻っていった。
「...スマン、助かった。」
「べつにいいってこんくらい。そんじゃあ行こうか。」
そう唯香が言っていざ選手達の待つ部室へ行こうか、という所で不意に携帯の着信音が鳴った。どうやら唯香の方にかかったらしく、唯香はすぐに携帯を取りだし自分の耳に傾けた。
「はいもしもし、七瀬です。...はい、えっ、そうなんですか?はい....はい、分かりました。」
そう言って携帯をしまうと唯香は俺の方をジッと見つめてきた。
「.....何だよ?」
「スマン蒼也。私、今から急な用事が入ったからそっちに向かわないといけなくなった。だからメンバー達との挨拶とかはアンタ一人でやっといて。」
...何でだろう、何でコイツと一緒になって関わるとロクな目にも会わないんだろうか、俺は心底そう思った。つーか最近やけに多いな、俺に降りかかる不幸の数。けっこう数えきれんぞコレ。
そんな俺をよそに、
「じゃあ後は任せた。あ、後部室はここを真っ直ぐ行って右に曲がった所を手前から3番目だから、んじゃまあ頑張ってくれよ♪」
そう俺に告げると唯香はサーっと別の校舎の方へそそくさに去っていった。.....なぜだろう、何かむなしいぞこの空気。
「はあ、まあ仕方ねえ、今さら後に引くわけにもいかねえしいっちょ行ってやるか。」
そう言って俺はゆっくりと歩を進めた。
「ここか...」
俺はドアに貼り付けられた女子サッカー部という文字に目を向ける。いよいよ初のご対面である。コンコンと軽くドアを叩くと中からどうぞー、という声が返ってきた。
「ええい、ままよ!」
俺は意を決してドアを開けた。するとそこには、
『お帰りなさいませ、ご主人様!!』
綺麗なメイド服を着た5人の美少女たちが、俺を見つめていた。
いかがでしたでしょうか?
いよいよ智花達と蒼也の初ご対面です!!思ったより智花達の登場が少なくて待ちわびていた読者の方には申し訳ない限りです。
しかし、次回以降からは智花達に続き、新たなオリキャラ達も続々登場してくるので、ぜひお楽しみに!!
それでは今日はこの辺で失礼します。