なんでこうなるの?   作:とんこつラーメン

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この間、気が付いたんですけど、もう『なんでこうなるの?』も100話に到達してたんですね~。

まさか、気紛れに書いたこの作品がここまで長続きするとは思いませんでした。

これも偏に読者の皆様のお蔭です。本当にありがとうございます。

これからも頑張っていく所存ですが……今の段階で百話って事は、最終話の頃には余裕で200話とか行ってたりしないよね……?





これ・・・本当に着なきゃダメ?

 昼休みの食堂。

 私はお昼ご飯であるビーフカレー(超大盛り20人前)を食べながら、とあるチケットを目の前でプラプラとさせていた。

 

「う~ん……」

「弥生?」

「姫様。いかがなされたのですか?」

「こ…れ……」

「あぁ。先生達から貰った招待状だな」

 

 箒が言ってくれたが、これは学園の生徒や関係者たちに一枚だけ配られる学園祭の招待状で、普段は外部からの人間の出入りがご法度であるこのIS学園に、このチケットがあれば学園祭の時限定で入る事が可能になるという魔法のチケットなのだ。

 噂では、このチケットは裏では相当な額で取引されているとかなんとか。

 

「弥生さんはやっぱり、おじいさまをご招待するのですか?」

「最初……はそう思ってた……けど……」

「けど?」

「おじいちゃん……って……ここ…の理事長さん……と仲がいい…みたい……で……その人…から招待状……を貰った…から……大丈夫……だって言って…た……」

 

 電話でその事を聞かされた時は本気で驚いたよ~。

 吉六会以外にも交友関係が沢山あるのは知ってたけど、まさかIS学園の理事長さんとまで知り合いだったなんて思わないじゃない。

 

「さ……流石は内閣総理大臣……!」

「来訪の仕方一つとってもスケールが違うな……」

 

 全くだよ。でも、おじいちゃんが来てくれることが確定したのは嬉しい。

 

「それなら、ソレはどうするんだ?」

「そうな…んだ……よね……」

 

 パクパクパク……。

 他に学園外にいる私の知り合いって言えば……塩田さん達と桜井さんかな?

 でも、塩田さん達は普通に『特権』を利用して入ってきそうだし、そうなると必然的に……。

 

「桜井さん……でも呼ぼう……かな……」

「その人って確か……」

「弥生のミドルスクール時代の親友だったな」

「ん……」

 

 ぶっちゃけ、なんで桜井さんってIS学園に来なかったんだろ?

 頭も凄くよかったし、運動神経だって抜群だった。

 普通に入学とか余裕だったと思うんだけど。

 

「桜井さんなら大丈夫なんじゃないか? もし仮に塩田さん達を連れて来たら、かなりとんでもない事になりそうだし……」

「一夏……お前は夏休みの間に彼女達に何をされたんだ?」

「特訓……と、その他諸々……」

「その間はなんだ」

 

 別に塩田さん達は問題行動とか起こさないと思うけどな~。

 だって、あの六人も超が付くほどのお嬢様集団だよ?

 

「でも……塩田さん…達……なら……普通…に入れる…かも……」

「「え?」」

「そ…その子達って、そんなにも凄い子達な訳?」

「ん……。お嬢様……だから……」

「一夏はどんな子達に特訓を受けたのよ……」

「俺も詳しくは知らね」

 

 だろうね。あの人達は自分達の詳しい素性は滅多に話さないし。

 それだけの重要人物って証拠でもあるんだけどね。

 

「それよりも……箒達から聞いたわよ」

「な…にを……?」

「一組、メイド喫茶をするんですってね」

 

 話しちゃったのね……。

 まぁ……うん。どことなく予想はしてましたよ。はい。

 

「弥生もメイド服を着るのだろう?」

「ら…しい…けど……」

「「「絶対行く」」」

 

 ロ…ロランさんと鈴と簪の目が血走って怖いんですけど~!?

 凄い必死感がここまで伝わってくるよ~!?

 

「しかも、くじ引きが当たった人には弥生の耳かきも堪能出来るって本音から聞いた」

「そ~だよ~。やよっちの耳かきだよ~?」

「フッ……このロランツィーネ・ローランディフィルネィ。家の名に懸けても是が非でも当たりくじを引き当てて、必ずや弥生の至高の耳かきを味わおうではないか」

 

 そんな事に家名を懸けなくていいです!

 来るなら来るで普通に来てよ~!

 

「いつもならここで対抗心を燃やすけど……」

「今回はくじ引き……。こればかりは運頼り」

「まさに、幸運の女神に愛された者だけが弥生と至福の一時を過ごせるという事か」

 

 なんか表現が段々と大袈裟になってませんかね?

 あ~……ビーフカレー美味し~(現実逃避)

 

(まぁ……)

(私達は……)

(同じクラスの特権で……)

(やよっちに耳かきして貰うけどね~♡)

 

 箒とセシリアとシャルと本音が超ドヤ顔で勝ち組オーラ出してるんですけど。

 何がそんなに嬉しいの?

 

「俺は誰に出そうかな~?」

「う~む……ここはクラリッサにするのが妥当か?」

 

 そんな中、一夏とラウラだけがさっきまでの話題で悩んでるし。

 こんな時だけ、この二人って意外と仲がいいんじゃないかって思ってしまう。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 放課後になり、いつもならばここで各々に部活に行ったりアリーナに自主訓練に行ったりとかして過ごすんだけど、この時期だけは違った。

 なんせ、文化祭まであまり時間が残されていないので、どこのクラスも放課後は文化祭の準備にあてている。

 そして、それは我がクラスである一年一組も決して例外では無いわけでして……。

 

「本番で使用するメイド服が届きましたわよ!」

「「「「「早っ!?」」」」」

 

 もうかよっ!? 幾らなんでも早すぎないっ!?

 話し合ったのってついこの間だよね!?

 どんだけ超特急で届けさせたのさっ!?

 

「では早速、弥生さんの試着をしましょうか……グヘヘ……♡」

 

 涎! その涎拭いて!! もう完全に淑女がしていい顔じゃないよセシリア~!

 いつものお嬢様然としたアナタはどこに行ったのよ~!?

 

「いつもの私はイデオンソードで真っ二つにされましたわ」

 

 地味に私の心を読まないで!?

 つーか、イデオンソードとか怖っ!!

 

「しかし、よくもまぁこんなにも早く届いたな」

「あの話し合いが終わった直後、すぐに実家に連絡をして配達の準備をさせましたの」

 

 オルコット家のメイドさん達……ご苦労様です……。

 本気で同情しますよ……いやマジで。

 

「織斑君は先生達に呼ばれて今はいないし、試着するなら今がチャンスだよね~」

 

 そうだった! ここで唯一ストッパーになりえたであろう一夏は、クラス代表の仕事で千冬さん達に呼ばれてるんだった!

 チクショ~!! どうして余計な時にはいつもいるくせに、肝心な時にはいないんだよ~!!

 

「み…んなは…しない……の……?」

「私達は後でするよ。まずは板垣さんから」

「だね。なんせ、今回の主役の一人みたいなもんだし」

 

 ソウデシタ……(泣)

 本当に……どうして私まで巻き込まれちゃったのかなぁ~……。

 

「おい。あまり姫様に無理強いをさせるな」

「それはちゃんと分かってるって。あくまでお願いしてるだけだから」

 

 お願いと言う名の命令ですけどね。

 でも、ここでちょっと冷静に考えると、いずれは必ず試着はしないといけない訳だし、それなら羞恥心に耐えてでもいいから一番最初に終わらせれば後々が楽なのでは?

 うん。そう思うとなんかやる気出て来たかも。

 ……私も随分と前向きになったもんだな。

 

「い…いよ……」

「いいのっ!?」

「うん……」

 

 もうこうなったら自棄だ。

 少なくとも最後にするよりかはずっとマシだ。

 

「本当によろしいのですか?」

「大丈夫……だよ……」

「むぅ……姫様がそう仰られるのならば……」

 

 フフ……♡ 困った顔のラウラも可愛いなぁ~♡

 

「それじゃ、すぐに即席の更衣室を作るから待ってて!」

「え?」

 

 まさか……ここで着替えるの? マジで?

 

「教室から更衣室は遠いし、この時間帯は他にも使ってるクラスとかいるしね~」

 

 またもや私の心が読まれたっ!? このクラスの女子達は皆揃って読心術の使い手なのかっ!?

 

「てなわけで、ちょちょい……とな!」

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 クラスの子が予め用意しておいた紐と大きめのカーテンで即席の更衣室を作って、セシリアから手渡されたメイド服に着替える為に弥生が中に入っている。

 最初は隙間から着替えている途中の弥生が見えてしまうんじゃないかと思って心配したけど、弥生自身の要望でちゃんと隙間なくカーテンを敷き詰められた。

 足元までちゃんと隠されていて、これなら僕が心配しているような事態にはならないだろう。

 それはいい……それはいいけど……。

 

「板垣さんってかなりスタイルがいいから……」

「絶対に似合うわよね……」

「しかし……この布一枚を隔てた場所で弥生が一糸纏わぬ姿になっていると想像したら……ゴクリ……」

「心臓が先程からドキドキしっぱなしですわ……」

「やよっち……裸……」

 

 僕も他の皆と同じように、さっきからずっと心臓が激しく鼓動しまくってます。

 皆が弥生の魅力に気が付いてくれたのは嬉しいけど、同時にライバルが一気に増えたような気分で複雑なんだよなぁ~。

 

「難し…い……な……」

「姫様? 大丈夫ですか?」

「なん……とか……」

 

 とは言ってるけど、かなり手こずってるみたいだね。

 僕もさっき自分の分のメイド服を渡されたけど、思ってるよりも複雑な構造をしてるみたいだし。

 

「弥生。よかったら僕が手伝おうか?」

「え?」

 

 ここは他の皆よりも先手を打っておかないと。

 きっと、他の皆も同じ事を考えただろうし。

 

「それ…じゃあ……お願…い……出来…る……?」

「う…うん! 任せてよ!」

 

 よし! 弥生からもお願いされた! これで誰も文句なんて言わないでしょ!

 

「くっ……! 妄想に浸って出遅れた……!」

「不覚ですわ……!」

「むむむ~……でゅのっち…やるな~……!」

「うむ。シャルロットならば問題無かろう」

 

 悔しがっても後の祭りだよ~。

 この即席更衣室はお世辞にも広いとは言い難いから、最大で入れても二人が限界だからね。

 ここで僕が入れば、もう誰も中には入れなくなるわけだ。

 ラウラだけは普通に感心してくれたけど。

 

「失礼するね」

「ん」

 

 皆から見えない角度で中へと入っていくと、そこでは手を後ろに回しながら腰の部分を結ぼうと悪戦苦闘している弥生がいた。

 

「成る程ね。これは一人じゃ難しいかもしれないね」 

「見えな…いか…ら……」

「だよね。僕が結んであげるよ」

「頼む…ね……」

 

 これぐらいなら簡単にちょちょいと……ん?

 何か固い物が手に当たったような気が……これは金属?

 

「弥生。服の下に何か着てるの?」

「ガ……ガーター…ベルト……」

「ガーターベルトっ!?」

「「「!!?」」」

 

 あ。今、確実に外で箒とセシリアと本音が反応した。

 って、どうしてガーターベルトなんて代物がっ!?

 

「メイド服……についてた……から……これ…も一緒……につける…もの…だと思っ…て……」

「そう……なんだ……」

 

 まさか、メイド服の事を詳しく知らない弥生に付け込んで、ガーターベルトなんて最高にエロ可愛いアイテムを用意しておくなんて……セシリア……君は……君はなんて……!

 

(最強のファインプレイをやってくれるんだ~!!!)

 

 弥生にガーターベルトとか最強最高の組み合わせに決まってるじゃないか!!

 唯でさえモデル顔負けのスタイルを誇る弥生にそんなアイテムを装着なんてさせたら、まさに日本の諺にある『鬼に金棒』ってやつになるじゃないのさ!!!

 ヤバイ……下着姿の弥生がガーターベルトを付けている姿を想像したら……それだけでもう……僕は……。

 

(愛が溢れて止まりません♡)

「シャ…シャルロット……?」

 

 おっといけないいけない。今は弥生に魅惑のメイド服を着させることに専念しなくちゃ。

 それから簡単に整えてから、最後にメイドキャップを弥生の頭につけて……っと。

 

「よし完成……」

 

 メイド服を着終えた弥生を改めて正面から見ると、本当にとてもよく似合っていた。

 可愛くて綺麗で、それでいて清楚でもある。

 まるで本職のメイドさんのように、見事にメイド服を着こなしていた。

 もうこれは……皆にも見せるしかない!!

 

「皆見て!! 弥生のメイド服だよ!!」

 

 バッとカーテンを開いて皆にお披露目。

 さて、クラスの皆はどんな反応をしてくれるかな?

 

「ちょ……いき…なり…は恥ずか…しい……よ……」

 

 あ~もう! 恥ずかしくてモジモジしてる弥生も可愛いよ~♡

 

「メ…メイド姿の弥生……なんて破壊力だ……」

「予想通り……いえ、予想以上に素敵ですわ……♡」

「やよっち……本当に可愛いね~♡」

「姫様……可憐だ……」

 

 箒とセシリアと本音はいつも通りの反応だけど、今回はラウラも魅了されてしまったみたい。

 無理も無いよ。だって、こんなにも可愛いんだもん!

 本職のメイド服なだけあって、コスプレ用のとは違いちゃんと足首の所までスカートが伸びていて、手には手袋まで装備済み。

 弥生にとってはその方がいいんだろうけど、それが却って彼女の魅力を極限まで引き立ててる気がするのは僕だけじゃない筈。

 

「うわぁ……」

「これはまた……」

「元がいいから似合うとは思ってたけど……」

「これは幾らなんでも大化けし過ぎでしょ……」

「美少女って……服装一つでここまで可愛くなるのね……」

 

 うんうん。皆も弥生の可愛さの虜になったようでなによりだよ。

 この可愛さに魅了されないなんて有り得ないからね。

 

「お? なんか騒がしいけど、どうしたんだ?」

 

 このタイミングで一夏が帰ってくるっ!?

 一夏って実は何気に強運の持ち主だったりする?

 

「オルコットさんが用意してくれたメイド服の試着をしてたんだよ!」

「で、最初に板垣さんが試着してくれたんだけど……」

「なにっ!? 弥生のメイド服だとっ!?」

 

 相変わらず凄い反応。

 気持ちはよく分かるんだけど。

 

「あ……一夏……?」

「や……弥生……?」

 

 一夏と弥生の目が合って、一夏が恐る恐る近づいてきた。

 あれ? なんか変な空気になってる?

 って、急に弥生の両手を掴んだしっ!?

 

「可愛い……」

「え?」

「ヤベぇよ弥生……最高に可愛いよ……」

「あ……ありが…とう……」

 

 ちょっと? お~い? お二人さ~ん?

 

「許されるなら、今すぐにでも結婚したい。いや、絶対に俺の嫁にする」

「えぇっ!?」

 

 いきなり何を言い出すんだ~!?

 突然の爆弾発言に弥生も驚いて顔を真っ赤にしてるよ~!

 ……驚いてるからだよね?

 

「ラ……ラ……」

「ラブコメだ~~~~!!!」

「これが青春なのね……」

 

 あれ~!? 皆もなの!?

 でも、約四名は違ったみたい。

 

「一夏……き~さ~ま~は~……!!」

「何度も何度も何度も何度も……!!」

「う~ふ~ふ~? おりむ~?」

「貴様如きが姫様に言い寄ろうなどと……!!」

 

 あ~あ。僕知~らない。

 本当は僕も同じ気持ちだけど、あの四人が代弁してくれたからいいや。

 

「「「「身の程を知れ~~~~~!!!!」」」」

「なんでさ~~~~~!?」

 

 四人の合体攻撃に吹き飛ばされた一夏は、クルクルと回転しながら頭から落ちた。

 確か、日本だとこれって『車田落ち』って言うんだよね?

 なんか鈍い音がしたけど、一夏なら大丈夫でしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 




メイド弥生爆誕!!

そして、一夏はヒロインズの犠牲になったのじゃ……。

ギャグ補正で一夏は数分後には無傷で立ち上がりました。

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