もうすぐスパロボXの一週目が終わるぞぉぉぉぉぉぉぉっ!!
でも、私的には二週目からが本番。
ガッツリと資金を稼いで、自軍を魔改造していきますよ~!
最終的には全部の機体を15段階改造して……。
鈴が転校して来てから暫くが経過して、今はもう五月に突入。
私が鈴の愚痴を聞いてからというもの、彼女の私に対する態度が完全に一変した。
例えば朝。
「弥生! 一緒に朝ごはんを食べに行きましょ!」
例えば昼休み。
「や~よ~い♡ よかったら一緒にお昼食べに行かない?」
そして、放課後。
「ねぇ~弥生~。 実は少し分からない問題があってさ、ちょっと教えてくれない?」
トドメは夜。
「……今日もここに泊まっていい?」
ここまで過剰に接触してくれば、流石の私でも理解出来る。
……完全に懐かれた……。
なんで? どうしてなの? 別に何も特別な事ってしてないよね?
それとも、私なんかに愚痴を聞いて貰った事が、そんなによかったの?
正直に言うとね、別に仲良くなるのは構わないんだ。
でも、ここまでグイグイと来られると、却って落ち着かないんだよね。
少しずつ改善(?)はされてきているとは思うけど、それでもまだ私の中じゃ……
第一期原作ヒロイン=導火線に火の着いた爆弾
のイメージが完全に払拭出来ていないんだわ。
いくら性格がよくなっても、ふとした拍子でいつ私に向かって爆発するか分かったもんじゃないし。
つーわけで、可能であればこれ以上は私に近づくな……とは言わないけど、少しは接触を控える事を覚えて欲しい。
じゃないと、本気で私の方がヤバいから……。
いっつも冷や冷やしながら会話してさ、その度に胃がキリキリ言ってるんだよ?
お蔭で、私の部屋には『あの日の薬』以外にも胃薬君が新たなルームメイトになってしまった。
昨日早速、私は胃薬君のお力を借りてしまったよ……。
いつの日か、胃に穴が開いて吐血……なんて事にならなきゃいいんだけど……。
現状、それが最大の心配事です……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「や~よい♡ 今日も一緒にお昼食べに行こ?」
ま~た教室に呼びに来ましたよ……。
お昼休みに突入した途端に速攻で呼びに来るから、逃げられないんだよな~……。
ここで断れる勇気があれば、こんな事にはならないんだろうけど……。
あ~あ……私って本当に駄目だなぁ~…。
こんなんじゃいつか、本当に詐欺で騙されて莫大な借金とか作りそう……。
「鈴さん! いい加減にしつこいですわよ!」
「なによ。 別にアタシが誰とご飯を食べようと勝手でしょ?」
「それでも限度と言うものがありますわよ! 毎日毎日、弥生さんと仲がよさそうにくっついて……!」
「あれ~? もしかしてアンタ……アタシに嫉妬してんの?」
「そ…そうですわよ! 悪いですかっ!?」
否定しないのかよ。
「いや……そこは普通、否定しなさいよ……」
考えが同じだった。
なんちゅーシンクロ。
「大体! 織斑一夏はどうしましたの!?」
「あ~…アイツ? うん、今は別にどうでもいいかな?」
「なんですのそれ……」
そうなんだよ。
なんて言うか……一夏に対する態度が『不機嫌』とかじゃなくて『無関心』って感じがするんだよ。
原作があれだけ激おこプンプン丸だったのに、一体彼女に何があったんだ?
私にこれだけベタベタするのと何か関係があるのかな?
「一々気にしていたら身がもたないぞ。それよりも、行くんだろ?」
「そうよ。気にしたら負けよ? 箒も偶にはいい事言うじゃない」
「偶には余計だ」
まぁ、場の流れに逆らう発言力も無い私には、ここで皆と一緒に行くと言う選択肢以外ないわけで。
せめてもの救いは、本音や簪とも一緒に行ける事か。
それが無かったら、もう普通に学校にも胃薬持ってきてるわ。
「そう言えば、おりむ~がいないね~」
「アイツなら、さっき織斑先生に呼ばれていたぞ。恐らく、クラス代表としての雑用じゃないのか?」
「ププ……一夏ざまぁww」
こらこら、人の仕事を笑うもんじゃないぞ。
例え雑用でも、クラス代表の立派な仕事なんだから。
「んじゃ、早く行きましょ? 座る場所が無くなっちゃう」
おっと、それは普通に大変だ。
生徒数が多いから、少しでも出遅れたらすぐに込み合ってしまう。
そうなれば、座る席を探すだけでも困難になる。
「って、何をしれっと弥生さんの腕に抱き着いているんですの!」
「私がこうしたいから、こうしてるだけだけど?」
「あー言えばこう言う……!」
「なんとでも言ってちょ~だい」
あああああ~……なんかもうセシリアの顔に血管が浮き出てるんですけど~!?
「私もリンリンの真似っこする~♡」
「ちょっ!? 本音さんまでっ!?」
「早くしないと置いて行くぞ」
「なんで箒さんは、そんなに落ち着いてるんですの!?」
「ふっ……大人の余裕と言うやつだ」
「貴女は私達と同い年でしょうっ!」
あの~……私の周りでコントをするのは止めてくれませんかね?
ほら……一組まで来てくれた簪が冷めた目線でこっちを見てるから……。
「何やってるの……?」
「私……に…聞かない…で……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
食事をして教室に戻ろうとしている途中の帰り道、廊下にある掲示板にクラス対抗戦のトーナメント表が大きく張り出されてあった。
とっくの昔に確認したんだけどね。
「まだこれ貼られてるのね」
「少なくとも、来週のトーナメントが終わるまでは貼られているだろう」
「それもそっか」
そういや、トーナメントって来週だったね。
今回、最も重要な一年生の部のトーナメントの第一試合は、1組VS2組と言った組み合わせで、私的には捻りの何も無い組み合わせだった。
だって、モロに原作通りじゃん。
つーことは、当然のように『アレ』も介入してくるんだよな……?
「はぁ~……」
「弥生? 何か悩み事でもあるの? アタシでよかったらいつでも相談に乗るわよ」
「ありが…とう。でも…大丈…夫だか…ら……」
「そう?」
言えるわけないだろ? 君と一夏の試合に無粋な奴が乱入してくるなんて。
もしも来たら、私は即座に避難する方がいいだろうな。
私なんて戦力になるわけないんだから。
「やっぱり、鈴さんに付き纏われてうんざりしてるんですわよ。ねぇ? 弥生さん?」
「んな訳ないじゃない。だって、アタシと弥生の仲だもんね~?」
悪いが、ここはセシリアが大正解だよ……。
君にはスーパー弥生ちゃん人形を差し上げたい。
5つ集めて、自腹でハワイ旅行にでも勝手に行ってきてくれ。
君なら楽勝だろ?
「あ……弥生。それに皆も」
「一…夏……」
廊下のど真ん中で会うなんて、もしかして今から昼御飯か?
「あの……鈴」
「なに?」
「えっと……俺……」
「あぁ~……別に今は謝罪とかはいいから」
「い…いや、でも……」
「約束とか謝罪とかより前に、まずは今度のトーナメントでアンタの事をぶっ飛ばす事にしたから」
「ぶ…ぶっ飛ばす……?」
「そ。精々、アタシのストレス発散に付き合って頂戴」
「俺はお前のサンドバックか……」
「今のままじゃそうですわね」
ここでセシリアの援護攻撃。
「女の敵には相応しい末路」
「俺……君に何かしたか……?」
「社会の敵が何か言ってる」
「しれっとランクアップしてるし!?」
「それじゃあ、日本の敵にしてあげようか?」
「なんで出身国と敵対しなくちゃいけないんだよっ!?」
「仕方が無い……んじゃ、もう世界の敵でいいじゃん」
「別に俺は世界征服とか目論んでないんですけど!?」
「最終的には宇宙の敵に」
「凄いけど普通に嫌だ!!」
か…簪が一夏と漫才をしてるだと……!?
よもや、生きている内にこんな光景にお目にかかろうとは……。
「廊下のど真ん中でコントをするな」
「別にしてない。唯のストレス発散」
「君もかよっ!?」
「悪い?」
「そこで開き直られても困るんだけど……」
容赦にないなぁ~……簪も。
「一夏。今から食事か?」
「そうなんだよ~。千冬姉ってば、俺を思いっきりこき使いやがって……」
「姉弟水入らずでいいじゃないか」
「仕事中に色々と言われなきゃな……」
色々って……一体何を言われたんだよ…。
「『板垣とはどこまで行ったんだ?』とか『知り合いに聞いた、いいデートスポットでも教えてやろうか?』とか……肉体よりも精神的に疲れたよ……」
「「「「「織斑先生……」」」」」
あの暴力教師は~! よりにもよって、私と一夏をくっつけようって魂胆なのかっ!?
残念だがそうはいかんぞ! 私はもう簪と本音の二人を娶るって決めてるんだ!
既にネットで式場とかも探してるんだぞ!
後はなんとか法律改正すれば問題無し!
「油断ありませんわね……」
「よもや、あの人がそんな風に動いているとは……」
「まさかの伏兵……」
「織斑せんせ~……」
「それでも、アタシは負けるつもりとかないけどね」
その自信はどこからくるんですか……。
「ところで、こんな所で呑気に話してていいのか? 早く食べないと、午後の授業に遅刻してしまうぞ?」
「そ…そうだった!」
「あの人の事だ。どんな言い訳も通用しないだろうな……」
「お昼を抜けばオールオッケー」
「それだけは御免だ! それじゃ!」
あらら……いくら時間が無いからって廊下は走っちゃ駄目でしょ~。
もしも先生に見つかったら、その時点でアウトですよ?
「何を走っている?」
「ち…千冬姉……!?」
ほら、言わんこっちゃない。
「廊下は走っていけないと言う事も理解できないのか? 今時、小学生でもちゃんと守っているぞ?」
「いや、それはクラス代表としての仕事で時間が押して……」
「言い訳をするな」
「きらっ!?」
い…痛そ~……。
普段は心の中でほくそ笑むんだけど、今回だけは本気で同情するわ……。
「それと……」
「あすらんっ!?」
二発目っ!?
「私の事は『織斑先生』と呼べ。お前は何度言えば分かるんだ?」
「ずびばぜんでじだ……」
「分かればよろしい。とっとと行け」
「ばい……」
一夏……哀れな奴。
前のクラス代表決定戦の時みたいに、ほんの少しだけ優しくしてやってもいいかもしれない……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
またまた時間は過ぎ去って、あっという間にクラス対抗戦当日。
既に開会式は終わり、後は第一試合の開始を待つばかり。
あれからもずっと鈴は私に付き纏い、それはついさっきまで続いていた。
『アタシの勇姿、ちゃんと目に焼き付けてよね!』ってウィンク付きで言われたら、そりゃ私も見学に来ざるを得ないわけですよ。
私は今、今から試合が行われる第2アリーナの観客席の一番前に座っている。
隣には本音と箒、その向こうにセシリアもいる。
4組のクラス代表である簪はここにはいなくて、既に待機場所に移動しているとメールを貰った。
「最初は鈴さんと織斑一夏との試合ですわね……」
「アイツには悪いが、勝敗はする前から決しているだろう」
「ほんの一ヶ月ちょっとの努力で代表候補生と互角に渡り合えたら、誰も苦労とかしないよね~」
全くもって本音の言う通り。
仮にも国を背負ってここにいるんだ。
それに、鈴はかなり短い時間で代表候補生まで上り詰めた逸材。
努力の鬼でもあるんだろうが、それ以上に秘めていた才能も開花したに違いない。
元から才能を持っている者が必死に努力をすればどうなるのか。
ある意味で、鈴はその体現者なのかもしれない。
「同じ負けるにしても、せめて無様な姿だけは晒さないでもらいたいな。普通に一組の恥になるから」
「私も箒さんに同感ですわ。いくら経験を積むためにクラス代表になったとは言え、すぐに負けてしまっては意味が無いですもの」
「このポップコーン美味し~♡」
箒とセシリアは辛辣な意見で、本音に至っては興味の範囲外……と。
「弥生さんはどう見ますか? 今回の試合は」
「私…は……」
どうと言われてもな~……。
専門家でもない私の意見なんてなんの参考にもならないでしょうよ。
それでもいいなら言わせて貰うけど。
「私か…ら見ても……一夏…の勝ち目は薄い……とは思う……。白式…には遠距離……の武装…が無いから……離れた位置……で射撃戦…に……持ち込まれたら……危ない……。仮に…チャンスがある……とするなら……白式…の高い……機動性…と運動性……を利用した撹乱…戦法……が有効……。け…ど……それ…は……一夏…が白式の……性能…をフル…に発揮……する事……が前提条件……になるけど……」
「撹乱……。白式のスピードで相手を翻弄し、隙を狙って渾身の一撃を叩き込む……と?」
「う…ん……。攻撃……の時に……
「成る程な……。弥生の言う通り、もしも一夏が勝ち目を狙えるとしたら、それぐらいしかないな……」
「で…でも……鈴……の事…だから……瞬時加速……を使っ…ても……普通……に対応…してみせる……可能性……が高い……」
「そうですわね……。悔しいですけど、私から見ても鈴さんの実力は紛れも無く本物。普段の動きを見ていれば、嫌でもそれが分かりますわ」
「私もそれは分かった。なんと言うか……歩き方一つとっても、隙が無かったな。あれは間違いなく武芸者の動きだ」
え? そうだったの? 私には普通に見えたけど……。
「流石は弥生さん! 見事な分析ですわ!」
「そうだな。弥生も私達と同じように、普段の動きから鈴の秘められた実力をきちんと理解していたに違いない」
な…なんか過大評価しすぎてない!?
私は自分が思った事を言っただけであって、別に鈴の隠された実力とか全然分からなかったからね!?
彼女の実力が分かったのは、単純に『原作知識』と言う予習をしていたからだよ!?
「あ! おりむーとリンリンが入って来たよ!」
「遂に始まるのか……」
「精々、頑張ってほしいものですわね」
「がんばれ~」
「ん………」
アリーナのステージに、真っ白なISと紅色のISが入場してきた。
あれが鈴の専用機の『
これ、絶対に読み方間違えてるよな?
私としては、心情的には鈴を応援したいけど、一応は一組の生徒である以上、自分達の代表である一夏の応援もしなくてはいけないと思うわけでして。
つまり、この場で私は二人を平等に応援しようと考えるのです。
「鈴……一夏……二人…とも……頑張れ……」
例の奴がやって来るまでには試合が終了する事を祈るよ。
割と切実に。
主人公なのに、全く戦闘シーンが無い弥生ちゃん。
でもいいんです。彼女は基本的に平和主義者ですから。
そして、このクラス対抗戦にて、遂に弥生の専用機が明らかに!