インフィニット・ストラトス~白き翼~ 作:ReiFeL@Ayuru
鈴・セ「「・・・・・・」」
場所は保健室。先ほどの模擬戦から一時間が経過していた。ベッドの上では打撲などの治療のために包帯を巻かれた鈴とセシリアがむっすーとした顔で視線を明後日の方向に向けていた。
鈴「別に助けてくれなくても良かったのに」
セ「あのまま続けていれば勝っていましたわ」
ノ「(よく言うよ。強がりもここまで来ると感心するよ)」
二人の態度にノーランは呆れながらも感心した。
一「おまえらなぁ・・・。はぁ、でもまぁ、怪我がたいしたことなくて安心したよ」
鈴「こんなの怪我のうちに入らな――――-いたたたっ!」
セ「そもそもこうやって横になっている自体無意味――――っつうう!」
一「馬鹿なのか、お前ら?」
鈴「馬鹿って何よ馬鹿って!バカ!」
セ「そうですわ!バカって言う方が馬鹿ですわ!」
今にも噛み付いてきそうな二人に一夏は距離をとり、どうしたもんかと頭を悩ませていると、
シ「好きな人に格好悪いところを見られたら、恥ずかしいんだよ」
ノ「あ~、そういうこと……ふふっ♪」
飲み物を買いに行っていたシャルが戻ってきて二人の内心をズバリ言い当て、ノーランは納得が言ったように微笑む。言い当てられた二人は顔を真っ赤にしながら否定するも全くの無意味である。
唯一人、当の一夏だけは聞き取れなかったのか首を傾げていたが。
シャルは二人に頼まれていた飲み物を渡し、一休みしたら部屋に戻ろうと話しているとき、それは起きた。
ドドドドドドドドドッ!!!!!
一「な、なんだ?何の音だ?」
ノ「あ、あれ、なんでだろう?今すぐここから逃げろって直感が・・・」
シ「こ、怖いこと言わないでよ・・・」
近づいてくる地響きにノーランは思った事を口にし、そんなノーランの発言にシャルは若干怖くなってきた。
そして・・・。
ドッカーーーン!!!!
比喩でも大げさでもなくドアが吹き飛んだ。
そして、同時に雪崩込んでくる人、人、人。
「織斑くん!」
「ノーランくん!」
雪崩込んできた女子生徒たちはあっという間にノーラン
達を包囲し、亡者の如く手を伸ばしてきた。
まだ夕方なのに、軽いホラーである。
一「な、なんだなんだ!?」
ノ「ど、どうしたのみんな・・・ちょ、ちょっと落ち着いてよ」
「「「「これ!!」」」」
状況が飲み込めず混乱する一夏達に一斉に突き出されたのは学内の緊急告知文であった。
それには、今月の学年別トーナメントはより実践的にするために二人組での参加を必須にすることで、ペアが決まらなかった場合には抽選で決めるという事。
そこまで読んだ後、また一斉に手が伸びてきた。
「私と組もう、織斑くん!」
「私と組んで、ノーランくん!」
ノ「……ごめんね。俺はシャルと組むことになってるんだ」
シーン・・・と先程までの喧騒が一瞬で消え去った。
「まあ、二人は姉弟だし……」
「他の子と組まれるよりかは……」
「姉弟でってのも絵になるし!」
「ハァハァッ・・・シャル×ノーラン?いえ、ノーラン×シャルかしら!」
最後の腐海の住人については後でゆっくり話を伺うことにして、ノーランはコソコソと逃げようとする一夏に向けて、
ノ「そう言えば、一夏はまだペアがまだ決まってなかったよね?」
一「の、ノーラン!?お、おまえなんて事を――――ヒィッ!?」
こっそりと身の危険を感じて抜け出そうとした一夏だったが、ノーランの身売り発言に抗議の声を上げるが、それがいけなかった。
一瞬で包囲され亡者のごとし手の波が彼を飲み込もうとしていた。
一「あ、ちょっ・・・まっ――――」
アッーーーーーーーーーーーーー!!!!?
保健室に一人の男の叫びが上がった。
シ「もう、ラン?ダメだよ、あんまり一夏を苛めちゃあ」
夕食後、部屋に戻るなりシャルは腰に手を当てて注意してきた。
ノ「い、いやさっき一夏にも謝ったでしょ?」
シ「はぁ、次からやっちゃダメだよ?」
ノ「う、うん」
あの後、数多の女子生徒亡者達の手から逃げようとボロボロになりながら一夏は丁度、彼を探していた箒さんと出会い、自分は箒さんと組むことを宣言。
女子たちは、幼馴染同士なら・・・という事で若干意気消沈しながら手を引いた。
しかし、鈴さんとセシリアさんはそれでも引き下がらず自分と組めっと申し出てきたが、ISのダメージレベルがCを超えていたため不承不承で出場を断念した。
その時のノーランは帰りながら、
ノ「フッ・・・計画通り!」
シ「・・・テイッ」
ノ「あぅっ!?」
某新世界の神ばりの笑みで去ろうとしていた彼の頭をシャルが可愛い掛け声と共に結構な力で後頭部を叩いたのは全くの余談である。
シ「……まあいいや。……あ、あのね、ラン」
ノ「んぁ?何ぃ~シャル?」
急にモジモジし始めたシャルに尋ねるノーランにシャルルはえっと・・・あの・・・と言い淀み顔を赤くしながらも真っ直ぐノーランと向き合う。
シ「あ、あのねっ。遅くなっちゃったけど、助けてくれてありがとう」
ノ「ん~?気にしないで、シャルは俺のお姉ちゃんなんだから」
ふふっと微笑むノーランにシャルルも暖かく笑うのであった。
―――――――――――――――――
六月も最終週に入り、IS学園は月曜から学年別トーナメント一色にと変わる。
ノ「……凄いなぁ」
更衣室のモニターから観客の様子を見る。
シ「三年にはスカウト、二年には一年間の成果の確認にそれぞれ人が入っているからね。一年には今の所関係ないみたいだけど、それでもトーナメント上位入賞者には早速チェックが入ると思うよ」
ノ「人が多くて嫌だなぁ……」
シ「ランって昔から人混み嫌いだよねぇ」
そう言って、俺の頭を撫でてくるシャル。
って、どうしてそうなる!?
ノ「あ、頭撫で撫でしないでぇ」///
シ「ふふっ可愛いなぁ」
うぅ~……。
ノ「そ、それにしても初戦の相手って誰かなぁ」
シ「やっぱり、ボーデヴィッヒさんとの対決が気になるの?」
ノ「いや、初戦はやっぱり……次の対戦に、拍車をかけるから、勝ちに行きたいよね」
シ「そうなんだ……。でも、そうだね。やっぱり次に繋げられるように勝ちたいもんね。っと……こっちは準備で来たよ、ランは?」
ノ「既に、出来てるよ」
シ「そろそろ対決票が決まるはずだよ」
ノ「……うん。」
シ「……ねえラン。今日は怒りに任せて動くのは駄目だよ?怒りに任せたら、ランは……」
ノ「うん、分かってる……」
流石に、怒りで動きはしないよ……。
皆を敵にしたくないし……。
それにしても……ボーデヴィッヒさんのIS……気を付けなきゃいけないのは停止結界。
AICだね……。
破る方法なら……あると言えばある……。
仕掛けるのなら、一番最初……開始早々……。
停止結界を作動される前に、叩く。
今回は【ハイパーオーラ斬り】を使う事も考えておかないと
シ「あ、対戦相手が決まったみたい」
モニターがトーナメント表に切り替わる。
僕もモニターを凝視して、対戦相手を確認する……相手は……。
シ「―――――え?」
ノ「………そんな気がしてた」
シャルが呆気に取られた声を出すけど。
僕にとっては予想通りだった。
一回戦の相手は、ボーデヴィッヒさんのペアだった……。
次回はパート2です!お楽しみに!