ハリー・ポッターと空から降ってきた女の子 作:にゃんこ(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
リンがいなくなってから2日経った。
3頭犬を見た日からあの子はいなくなってしまった。
どこにも、どこを探しても、あの幼いながらに凛とした美しさはどこにもなかった。
先生達は皆血眼になりながらリンを探していた。マクゴナガル先生なんかは昼飯を食わずに探してるし、あの、気味の悪いクィレル先生でさえ、ポスターを作っていた。
僕も、ロンもハーマイオニーも、授業が終わったら探しに行ってる。いけ好かないマルフォイでさえ、たまに探しているし、ハグリッドも禁じられた森で探してくれてる。
胸にぽっかり穴が空いたような気がする。悲しみを通り越した寂しさ。虚空。
あんな暗いところで置き去りにしてしまったのだ、僕は。
走ってる時になんでリンを確認しなかったんだろう?
罪悪感で気がどうにかなりそう。飯すら食えない。
この広いホグワーツ。この中でリンはいるのであろうか?
どんな日にもいずれ、夜が来て、闇が来る。
あの子はあの日から朝を迎えられずにいるのかな?
ダンブルドアはあの日から大広間で姿を見なくなったが、廊下で姿を見かけるようになった。探してくれてるらしい。
アクシオという呪文があるらしい。ものを呼び寄せる呪文。これがうってつけかなと、ハーマイオニーに声をかけてみた。
「ハリー。アクシオの呪文を今からあなたが習得するよりは、パーシーにアクシオしてもらった方が早いわ。」
「そうか。じゃあ、パーシーに頼むよ。」
グリフィンドールの談話室へ行くと、パーシーは机で勉強をしていた。
「あの、パーシー。ちょっとだけ、時間いいかな?」
「構わないぞ。」
「アクシオという呪文で、リン・ブラックを呼び寄せて欲しいです。」
「あまり、人に使うことはおすすめしないが…いいよ。アクシオ!リン・ブラック!」
どこからか騒がしい音がした。壁を突き破る音が、だんだんこちらに向かっていく。
そうして、リン・ブラックは全身に縄を巻かれた状態でグリフィンドールの談話室の壁を突き破って到着した。
「ぐえっ。がっ。」
「リン!ちょっと待って、今縄を解くからさ。」
リンの全身に巻きつけられた縄は、執拗に縛られていて、とてもじゃないが手で解けなかった。」
「パーシー、魔法で解ける?」
「ちょっと待っててくれ。縄、エバネスコ!」
縄が影すら残さす消えた。魔法便利。
リンは放心状態で仰向けで口を開けて倒れていた。
「大丈夫?」
「ご飯…食べたいよ。」
「はいこれ、パーシーが持ってたポテチ!」
「いや、ぼくのポテチかーい。」
「美味しい…。ううっ。これがホグワーツ…。」
「いままでどこにいたの?」
「闇の魔法に対する防衛術の教室の教員室…。ハリー、あいつは、クィレルは!」
パーシーが思い出したかのように急に立ち上がった。
「とりあえず僕はマクゴナガル先生に君が無事だと伝えてくるよ。」
「分かった。…リン、無理して立たなくてもいいんだよ?」
「いや、いい。ハリー!クィレルがヴォルデモートだったんだ…。信じてくれないんだろうけど、信じてほしい。」
人は人を殺せる。ヴォルデモートがハリーの両親を殺したように。
だけど、人はその反対に人を心から信用出来る生き物だ。
そう、私が信じてる。
「お願い。」
世の中思ってたよりも理不尽が多くて
嫌なことがあっても押しつけ殺され
体より心が死んでしまいそうになるけどさ
お願いだから。
今ここで信じられないと私の心は死ぬだろう。
それぐらい本気だから。
この目で見たことも確かだから。
「分かった。だけど、証拠は?」
「私が見たから。」
あー、よかった。
生きてて良かったー。死ななくてよかった。
気持ちが1点のくもりもなしに晴れになる。
朗らか。よかった。
気持ちが晴れやかになったら急にご飯が食べたくなっちゃった。
「お腹空いたから、大広間行こう?」
「いーよ。」
大広間についたら私はパンばかり食っていた。
食って食ってくいまくった。
みんなから、あれ、お前いたの?的な視線をうけても食って食って食いまくった。先生達は、マクゴナガル先生がもう私が発見されたと聞いてたらしく、あ、まじでこいつおるわって目でこっちを見てくる。
…先生方の中にクィレルはいなかった。
野郎、どこ行きやがった。いや、居たらいたで困るんだけども。
ハリーと一緒に大広間に出て、校庭にある湖のところへ行った。この湖には巨大イカがいるとかなんとか。食えれるなら食ってみたい。
「ハリー。クィレルは危険だ。近づかないで!」
「なんでだい?確かにクィレル先生は頭おかしいとは思うけどさ。」
「クィレルは、わたしの父親を知ってるらしい。目が似てるらしい。
私でさえ、自分の父親が分からないのに。」
「昔、仲が良かったのかな。」
「ハリー。クィレルは、まるで…まるでヴォルデモートだ。ていうかヴォルデモート。頭の後ろがヴォルデモートだ!」
「何を無茶な?! クィレルは僕の両親を殺した人だと言ってるのか、君は!」
「ああ、そうだよ!」
「そんなことがあっていいのか!闇の帝王がこともあろうか闇の魔術に対する防衛術だなんて!なんてセンスのいい冗談だ!」
「冗談じゃないの!」
「仮にそうだとして、これからどうしろってのさ!大人しくクィレル先生の授業を受けてろって?!僕は自分の親を殺した人の授業なんて受けたくない!」
「一緒にサボろ!」
「7年間もサボるのかい?それじゃ、本末転倒じゃないのか?」
「じゃあ、一緒に殺そ!」
「君に人殺しができる?」
「君こそ!」
「じゃあどうしろって言うんだ!」
「私には…」
私には分からない。
ハリーのヴォルデモートに対する気持ちも。
親を殺された気持ちも。
残酷なまでに。
言ってしまえば他人だし。
憎しみだなんて、悲しみだなんて、誰がこの物語を読んでもハリーにしか分からないはず。体験したのはハリーだけだから。
この世界中どこを探しても、ハリーの気持ちがわかる人なんていないはず。
「お前ら、そこで何をやっている?」
振り返ると、クィレルが湖を背にして立っていた。
クィレル先生ってイケメンなの?実際どうなんだろう?