テニスのお弟子様   作:テニス歴0年 HORIO

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14・データテニス

「いよいよ3年レギュラー乾先輩との試合か」

 

 青学のランキング戦二日目、Dブロックの今日 2試合目が始まろうとしている

 

「勝てたら達宮君のレギュラー入りは確定!」

 

 今まで全勝の達宮はこの勝負に勝つとレギュラー入りが確定となる

 

「乾先輩って強いのかな?」

 

 堀尾がボソッと呟く、その言葉に答えが帰ってくる、後ろから来た桃ちゃん先輩だ

 

「強いよ、ここ半年間一度もレギュラーを落としたことがない…ちなみに俺は苦手な相手だ、なんてたって 乾先輩はな…」

 

 乾先輩の強さの秘密を語ろうとする桃ちゃん先輩…

 

「おーい桃、おチビと乾の試合見てんの?」

 

「あっ エージ先輩これから始まるんッスよ 達宮と乾先輩の試合」

 

 Dブロックのコートを見ながら答える

 

「へぇー、でも 前の試合が早く終わったから お前今から試合だよ オ・レ・と」

 

「ええっ! ウッソォ…」

 

「別に俺の不戦勝でもいいけどね~ 残念無念 また来週~」

 

 桃ちゃん先輩は 試合見たかったな~と後ろ髪引かれながら「そりゃないっスよ~」って菊丸先輩を追いかけていった

 

「行っちゃった…桃ちゃん先輩、何か言おうとしてたね?」

 

「それより見てみろよ、あんなに身長が違うぜ、まるで大人と子供だな」

 

 ーーーーーー

 

 聞こえててるよ堀尾君…大人と子供で悪かったね……実に的を得た発言だよ、目の前に巨人がいるんだよ ナニコレ マジで中学生? 秋雨先生ほど正確では無いが 目算 185㎝…デケぇ…

 

 ネットを挟み乾先輩を見上げる、その視線に気づいた乾先輩は紳士的に手を出してくる

 

「お互いくいの残らない試合にしよう」

 

 「こちらこそ よろしくお願いします」

 

 お互いに握手を交わし試合が始まる

 

 ーーーーー

 

「ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ 乾サービスプレイ!」

 

 審判のコールが試合開始を告げる…快進撃を続ける同級生に1年トリオも観戦に熱が入る

 

「いよいよ達宮君の試合開始だね、乾先輩のあの身長からどんな技が…」

 

 乾の左手からトスが上がり 高身長を生かした 高い打点から強烈なサーブが放たれる

 

「はや…すげぇ 高速サーブ、放った瞬間にはもう達宮の所に届いてるって感じだ 強烈~!」

 

 コート外で盛り上がる堀尾君をよそに コートの中にいる達宮は冷静にその高速サーブをしっかりと対処して打ち返す

 

 「乾先輩がネットにつめて来る!」

 

「うまい!プレーに全く無駄がない」

 

 そう、ギャラリーが言うようにまったく無駄が無い…ネットにつかれ達宮が抵抗して逆サイドに放ったボールが…

 

「ハズレ」

 

 その声と共に放たれるボレーであっけなく始めの得点コールが響く

 

 「15-0」

 

「乾先輩が先制した!」

 

 盛り上がるギャラリー、逆に達宮を応援している1年生トリオは若干盛り下がる

 

「あっ やられちゃった まるでアプローチの方向読まれてたみたいだね」

 

「偶然だろ? 確かに乾先輩はサーブ速いし お手本のようなプレースタイルだけど 海堂先輩の「スネイク」のほうがスゴかったって…」

 

 1年トリオが話をしている間にも試合は流れる

 

 

「いいコースだけど…ハズレだ」

 

 また乾先輩の呟きの後に審判のコールが響く

 

 「30-0」

 

「乾がまた取ったぞ」

 

 盛り上がるギャラリー、淡々とプレーする乾先輩のテニスに違和感が加速する

 

「ねぇ…乾先輩って達宮君が打つと同時にポジションについてない?ほら…」

 

「やっぱり乾先輩って相手の打ち返す場所がわかってるんじゃ…」

 

「…あっ乾先輩がまた前に出た」

 

 乾先輩自身が前に出ることにより返すコースがいくつかに絞られる、左側(クロス)にはスペースが無い…ロブを上げるか?右側に打つか?

 

「なんのっ」

 

 低い球を剣術の居合抜きのようにバックハンドでスペースが僅かな左側(クロス)の方向へと返す達宮

 

「あえて意表を突くためにスペースの無い左側(クロス)に強烈なショットを!これなら乾先輩を…」

 

「バックハンドで左側(クロス)に打つ確率93%…」

 

「なんで乾先輩が?」

 

 意表を突いたかのような左側(クロス)の位置にはもうすでに乾先輩が打ち返す万全の体勢で準備していた

 

 お返しにと強烈なボールが達宮のコートへと放たれる

 

「決まった!?」

 

 この強烈なショットにギャラリーのほとんどは乾の得点を確信する

 

 「いや…彼はここで終わらない」

 

 乾の言葉の通りギリギリ追い付く達宮

 

「取った…達宮もすげぇ…でも」

 

 ギリギリで拾ったボールは弱々しく

 

 「…しかし返したボールはネットに阻まれ…ボール2個分届かないか」

 

 その言葉と共にネットに引っ掛かりポトリと音をたてるボール

 

 「どうしよう完全に読まれてるよ」

 

 「気味悪いほどスキのないプレイじゃん海堂先輩より手強いかも…」

 

丁度 試合が終わり観戦に来た不二先輩がその堀尾君の発言を聞いて情報を付け足してくれる

 

 「 ふふ あたりまえだよ、乾は海堂に3戦3勝なんだから」

 

 ーーーーー

 

 ネットを挟み 先程まで 独り言のようにデータを呟いていた乾の言葉が 俺の方へと向けられる

 

 「海堂の試合を含め君の過去4試合をみせてもらった、君は剣術…又は武術を習っているね」

 

 あー…やっぱり解っちゃいますか…武術の部分

 

 「……はい」

 

 「武術というのは格闘技…テニスのような球技とは考え方が全く違う、それを混ぜ合わせテニスに応用した「特殊」な動きが君の強さだ…しかし「特殊」という事は癖があるという事でもある…今回はそれを利用させてもらったよ…」

 

 「…俺 変なクセついてましたか?」

 

 「あからさまなものでは無いが随所にテニスではない動きが出ている…その特殊さ故に君は傾向は読みやすい…実際にデータの確率は高く 君はデータ通りにクロスの方向へとボールを打った」

 

「……そうですか」

 

 でも90%超えって あからさまじゃ無いと出ない確率だよな…ヤバいな…データテニス、秘策その1とその2を惜しみ無く出したとしてデータの確率をいくつ下げられるかが勝負の鍵だな…

 

 

 「ゲームカウント 1-0 乾リード」

 

 

 




お気に入り、感想等ありがとうございます大変嬉しいです。これからも皆様のご期待に少しでも答えれるようにゆっくり頑張っていきます(*´ー`*)
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