「ほんとに大丈夫かな達宮君と海堂先輩…さっきベンチでの会話ほとんど舌打ちか無視だったよ」
カチローが心配そうに二人を見つめる、その横でメガホンを持った堀尾がその不安を吹っ飛ばすかのように
スーッ 「達宮~初めてのダブルス頑張れよ~」
大きな声でコートに向けて声援を飛ばす…、一応初めてじゃ無いんだけどな…いや?テニスとしてならほぼ初めてに近いか…
コートを挟んだその先に堀尾君の声援を聞いてニヤニヤしている二人がいる今回の対戦相手玉林中の布川と泉だったかな?
「おい聞いたかよ、あの二人ペア組むの初めてだってよ…余裕だな」
「賭けてもいいさ結成 初日のダブルス素人に負けるわけがない」
天使様に貰った「丈夫な身体」のおかげでだろうか…それとも梁山泊で生き残る為に進化したのか…俺の耳には彼らの小さな声での呟きがハッキリと聞こえた、まーそれをそのまま右から左へ海堂先輩にチクったけどね
おー…こわい こわい
ーーーーー
「ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ 玉林サービスプレイ!」
審判の声と共に盛り上がる会場「玉林魂見せてやれー」や「いけぇ~ 海堂・達宮!」など声援が送られる
「ダブルスに出てきたことを後悔させてやるよ」
泉がボールをトスしてサーブの体勢にはいる、サーブを受けるのは俺だ
「ミスすんじゃねーぞ」
「オッケーです、海堂先輩こそミス無く頼みますね」
「チッ」
俺は海堂先輩の舌打ちを背中に聞きながらサーブを難なく返球する
(いくら青学でもダブルス素人…ガタガタのコンビネーションで恥をかけばいいさ、狙いは単純に二人の間 真ん中)
「さーてお見合いかな」
その呟きと共に返ってきた球は綺麗に俺と海堂先輩の間、 原作とかだと桃ちゃん先輩とリョーマ君が共に見送ったり ラケットが当たったりと言う事があり「阿吽戦法」とか言うのが生れた
しかし今回は俺はあえて際どいボールは全て無視するという戦法をとろうと思う
名付けて「海堂先輩 頑張ってね戦法」
ぶつかったり、二人して見送る位なら海堂先輩に任せちゃっていいさ という発想のもと考えた戦法だ(海堂先輩には言ってないと言うより無視されました)…海堂先輩の負担がかなり大きくなるけどスタミナの鬼だから問題無いだろう、 現にボールしっかり拾ってるし
それで俺の役目は…ボールを無視した結果 走ってネット際に付いた俺…
「このボレー…爆ぜるよ」
格好つけながら放つ「天泣」普通のボレーのようなモーションから放たれるスマッシュのような速度のボールに 玉林ペアは全く反応ができていなかった
「0ー15」
「おぉ、意外と息合ってんじゃん 海堂と達宮」
観客席から来る声援を背に玉林ペアの二人に向かって試合開始前に二人が言っていた言葉を言う
「「賭けてもいいさ結成 初日のダブルス素人に負けるわけがない」…お二人様は何 賭けますか?」
ーーーーー
「おりゃーーっ てね」
スマッシュ体勢からクルッと空中で横回転してフワッとドロップボレーをおこなう
「エアウォークドロップ」
トントントン…相手コートにボールが静かに跳ねる
「0ー40」
「さすが海堂先輩ですね、全部拾ってくれるから 攻撃に専念出来ますよ 」
「チッ 集中しろ」
「了解です」
褒めたのに睨まないで下さい先輩…こわいです
ーーーーー
「くそッ なんて1年だ…」
布川の言いたいこともわかる、急加速する変なボレーや空中で打ったドロップショットとまさになんて1年だ…だが
「焦るな 布川 揺さぶればボロが出る…見てろ」
右サイド前衛の後ろにボールを落とす!
サーブをして返ってきたボールを右サイドにいる達宮の頭上を越えるように打つ…やはりな
ダブルスの基本陣形は対角線上にお互いがいることが理想となる、ボールを取りに言ったらもう一人の選手は逆サイドのフォローに回るのが基本だ
達宮の頭上を越えるボールを打った事で海堂が右サイドに走り込みボールを拾う、達宮はフォローに入れていない…つまり相手二人は今縦一列に並んでいる
「片方のコートががら空きだぜ!」
力強くラケットを振り左サイドへとボールを返す…決まっ…た?
「なめんじゃねー」
なんでお前がいるんだよ?
決まったと思ったボールは何故か右サイドにボールを拾いに言った海堂が打ち返した
くそッもう一回だ…?
海堂が返球したボールを返そうと身構えていたがボールの軌道がおかしい…
跳ねたボールはコートの外に獲物を見つけた蛇の如くコート脇に消えていった…コートに響くは審判のコールと相手コートから聞こえる蛇の威嚇音のみだった
ーーーーー
「「虎砲」っと」
シュタンッ
相手コートにボールが突き刺さる
「やったー達宮君達、サービスゲームもキープしたよ」
「しかもまだ達宮と海堂先輩1ポイントもとられて無いんだぜこれはもう勝ったも同然だな」
…観客席から聞こえる堀尾君達の声…堀尾君…そういう発言はフラグになるから止めなさい
ほら…あっちの玉林ペア何かやるつもりじゃん…目がクワってなってるよ…
サーブは玉林、布川がサーブの為にトスを上げる
パシ
?打ち損じのヒョロいサーブ…
そのボールと共に布川が前へと走り出す
ダブルポーチ!!
「あれだけ二人でネットに詰められたら打つスペースが無いじゃん」
トシュッ
くっ 観客席の堀尾君が言った通り抜くスペースが無い…返球したボールがネット際の彼らのボレーによって角度を付けて返されてしまう
「15ー0」
「あーっ まただ」
さっきと同様にヒョロいサーブと同時にダブルポーチの状態になる…なら相手のボディーめがけて強めのショットを放つ
シュタ
その球も上手に捌かれ角度をつけられる、海堂先輩が角度のきついボールに追い付いてくれ ロブを後方に上げるがそれも難なく返球され またダブルポーチの形になりポイントを取られてしまった…
…これは困ったなこの玉林ペアかなりネット際のボレーが上手い…まるで壁があるようだ…壁…ねぇ
壁を乗り越える…壁を壊す?…でも普通 目の前に壁あったら横から回り込むよな…よし挑発してみよう…もちろん味方の
「海堂先輩~俺との試合で最後に見せたショット打ってくださいよ」
「なに言ってやがる…」
「隠してるんですか?練習してるの知ってるんですよ」
「チッ」
「試合で試す良い機会じゃ無いですか…それとも練習しても…出来なかったとか?」
舌打ちすらされずにただ睨まれました…だが所定位置について蛇の威嚇音と共にゆらゆら揺れている…挑発は成功だきっと海堂先輩ならやってくれるだろう
ーーーーー
また相手のヒョロいサーブから始まるゲーム…彼らの必勝パターンなのだろうかダブルポーチをまた仕掛ける、俺は俺で出来る限り海堂先輩にいいボールが行くように努力する
よし絶好球、この前の俺との試合の時のようなコースに向かい相手から海堂先輩へとボールが飛んでいく…
低い姿勢、凄い勢いで振り上げられるラケット 超回転で放たれるボール
「ははっ ドコ打ってやがる!?」
ポールの外側に飛んでいったボールは空中で大きく軌道を変えネットの横を通りコートに戻ってくる…まるでブーメランのように…
シュタンッ
「チッ 気に入らねぇ…」
「いやいや、喜びましょうよ海堂先輩…ダブルならあそこもポイントですって」
でもきっと海堂先輩はシングルコートに入れたかったんだろうな…
「スゲー 海堂先輩のボールブーメランたいに戻ってきたよ」「ブーメラン見たいなスネーク?」「ブーメランスネークだってよ」「へーあれブーメランスネークって言うのか」
1年トリオの会話をきっかけに伝播していきこのポール回しの技名が勝手に「ブーメランスネーク」と決定される
盛り上がる青学応援席を余所に玉林のほうは静まりかえっていた…
「ポールの横を通って…おいおいそんなのありかよ…」
せっかくダブルポーチにより来ていた流れがたった一球で完全に断たれてしまった…
そのあとの試合は終始 達宮・海堂ペアが主導権を握り危なげ無く6ー0で青学の勝ちで試合は終了した
ーーーーー
「ダブルス2勝、シングル3勝よって、5勝0敗で青学の勝ちとします、 礼 」
「「「ありがとうございました」」」
礼が終わり昼過ぎからある準決勝の試合に備える、次は…水ノ淵中?記憶に全くないな
うーーーん…
と考えているうちにその準決勝は青学の3戦先勝で終わっていた…
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれはコートの前で準決勝が始まると思っていたらいつのまにか終わっていた』
…きっと俺はDIO様のスタンド攻撃をくらったに違いない…
こうして青学が順調に決勝に駒を進めていたころ
もう一方の準決勝ではシード校の 柿ノ木中が敗れるという波乱が起こっていた…
追伸
海堂先輩は試合後 相変わらず舌打ちと無視がほとんどでしたが、美羽さんが作ってくれた蜂蜜レモンを渡したら食べてくれました…ちょっと心の距離が近付いた気がします(*´ー`*)
お気に入り2000超え、そしてたくさんの感想等ありがとうございます大変嬉しいです。これからも皆様のご期待に少しでも答えれるようにゆっくり頑張っていきます(*´ー`*)
次回投稿は7/30です…亀筆で申し訳ありません(´・ω・`)