艦娘に嫌われるとはいかないまでも好かれているわけでもない俺は、戦艦レ級(雷役)とリ級(高雄役)と、カ級(19役)に臨時の秘書官になってもらいⅯ鎮守府に向かうのであった。
「着いたぞ」
車で走ること1時間、俺たちは目的地であるM鎮守府へとやってきたのだ。
移動中レ級が「あれはなんだ?」「これはなんだ?」とひっきりなしに聞いてくるのにはいささかウンザリしたが。
そのレ級は寝心地が良かったのか後ろで熟睡中だ。
リ級「レ級さん起きてください、着きましたよ」
レ級「んあ~、もう着いたのか~」
「そうだよ、さあ起きた起きた」
カ級「うう~ん、あへあへ~」
カ級の様子がおかしい、どうやら車酔いを起こしてしまったようだ。
最初のほうこそ、レ級と一緒に初めて見る景色に大はしゃぎだったが、時間がたつにつれてどんどん体調が悪くなっていき、今はぐったりしている。
リ級「カ級ちゃん大丈夫?」
カ級「気持ち悪い・・・」
「レ級は平気だったのか?」
レ級「僕達は普段から海の上を走り回ってるからね、これくらいなんともないよ」
リ級「カ級ちゃんはほとんど水中だからね、仕方ないね」
「それよりカ級はどうするんだ、置いていくわけにも・・・」
カ級「私は大丈夫だから二人で行ってきて~。ごめんね~勝手についてきたのにこんなことになって~」
レ級「僕がここに残るよ!」
「いいのか?楽しみにしてたはずじゃあ」
レ級「カ級のほうが大事だよ、それに帰ればまた来られるしね」
「レ級は深海棲艦の鏡だなあ」
リ級「昔からです」
「分かった、できるだけ早く戻ってくるからおとなしくしてろよ」
カ級「いってらー」
自分のところとは違って、目の前を行きかう艦娘はみんな生き生きしていた。
俺の着任と同時にいなくなった艦娘と同じ艦娘を見かけると、なんともいえない複雑な気持ちになった。
もちろん出て行った艦娘とは別の艦娘だ、今はイケメンの提督のところで楽しくやっているのだろう。
「提督、どうかしたのか?」
俺の心境を察してか、リ級が心配そうに話しかけてきた。
「いやなんでもないよ、迎えはまだなのかなと思ってな」
そんな俺たちの前に、一人の艦娘が近づいてきた。
「よう、迎えが遅くなって悪かったな」
話しかけてきたのは重巡摩耶だ。
「問題ない、今来たところだ」
摩耶「それにしても、ハイエースってお前・・・」
「車のことはよく分からないんだよ」
摩耶「買えよ!金あんだろ?」
「ああ、まあ考えておく・・・」
摩耶「で、そっちは?」
摩耶が俺の隣にいるリ級、今は高雄に目を向けた。
リ級「私は重巡リ、んんっ、高雄ですよろしくお願いします!」
摩耶「ん?なんで他人行儀なんだ?一応姉妹艦だろ、それになんか姉貴にしてはスラッとしてねえか?」
リ級「そんなことないよ、こう見えて脱ぐと結構あるんだからね!見とけよ見とけよ~」
とリ級が服を脱ごうとしたのであわてて止めに入った。
「そこまでしなくていいから!」
まずい、リ級のいきなりの行動に摩耶はポカーンとしていた。
それにしても体格のことは全く失念していた。今のリ級はマスクで口元を隠している、何とかこれでごまかせるか。
「個性だよ個性!」
摩耶「個性?」
「そうだよ(便乗)。みんながみんなパンパカ言ってるわけじゃないだろ?中にはこういう特別な高雄もいるってことだよ」
摩耶「それは愛宕の姉貴じゃないのか?ていうか今は体格の話をしているわけで」
「どうでもいいじゃないかそんなことは、それより早く案内してくれよ、もう待ちきれないよ!」
これ以上話し続けているとボロがでそうになるのであわてて話題を切り替えた。
摩耶「そんなに慌てんなよ、こっちだ」
納得してないけど、納得してくれたようだった。
摩耶を先頭に3人そろって歩き出した。
まずは第1関門突破(?)突破といったところか。
レ級サイド
カ級「うーん、うーん」
提督たちが去った後の車の中では、カ級がいまだに苦しんでいた。
レ級「カ級ちゃん、どう?、少しは楽になった?」
カ級「まだ駄目っぽい・・・」
カ級の体調はあまりよくなかった。そこでレ級が一つの決断を下した。
レ級「そうだ!僕が薬をとってきてあげるよ」
カ級「えっ!?それは危ないよ、提督もいないのに」
レ級「大丈夫だって、僕には秘密兵器があるからね」
そういうとレ級はポケットから赤い眼鏡を取り出した。ここに来る前に提督が持たせてくれたものだ。
提督『その微妙な変装じゃすぐに正体がばれてしまうからな、これでもつけてろ』
リ級『効果あるのか?』
提督『まあ、ないよりマシだろ』
レ級「それじゃあいってくるね」
カ級「・・・気を付けてね」
レ級「さて、クルマから出たはいいけど薬なんて一体どこにあるんだろ?」
勢いよく出たはよかったが何も考えてなかった、もちろん薬のある場所なんて知るわけがない。
レ級「手近な奴に聞いてみるかな」
と、数人の駆逐艦があわてて走っているのが見えた。
レ級「ちょうどいいやアイツらに聞いてみよう、おー」
と話しかけようとしたらいきなり手をつかまれてしまった。
陽炎「あんたこんなところでなにやってんのよ、早くいかないと神通さんにどやされるよ!」
とレ級の手を引っ張って連れていこうとしたのだが、戦艦の力にかなうはずもなく、びくともせず逆に陽炎が勢い余ってその場に背中から倒れこんでしまった。
陽炎「グェッ!!」
レ級「あ、あの、大丈夫?」
陽炎「ゲッホ、ゴッホ!」
「何してんねん、アンタは」
「一人で勝手に転んだように見えましたが」
後から続いて黒潮、不知火の二人が追い付いてきた。
黒潮「雷が遅刻なんかするわけないやろ、うちらが一番遅れてんのや」
不知火「あなたとは違うんです」
陽炎「ゲホッ、じゃあこの子いったい誰なのよ」
黒潮「今日はよその提督さんが来るいうてたから、その秘書官ってところかな」
レ級「あ、ああ、えっと暁型3番艦駆逐艦雷、だです!」
急に振られたレ級はあわてて練習した自己紹介を繰り出した。
黒潮「ウチら同じ駆逐艦やさかいそんなかしこまらんでもええで。」
レ級「そうなのか?」
不知火「ところで雷さんは何をしていたのですか?提督とはぐれたのですか?」
レ級「僕の友達が車に乗ってたら気分悪くなっちゃって、それで薬を探してるんだけどどこにあるか知らない?」
陽炎「薬ねぇ、酒保に行けばいいんじゃないかしら?」
レ級「しゅほ?それはどこにあるんだ?」
陽炎「それじゃあ私達が案内してあげるわ」
黒潮「ちょいまち!訓練はどないするんや?」
陽炎「どうせ今さら急いでも間に合わないわよ。どうせ遅刻するんなら人助けって言えば許してくれるわよ。さ、行くわよ」
不知火「お、そうだな」
黒潮「アンタキャラ変わってるで」
提督サイド
俺達は摩耶の案内で提督の部屋へと向かっていた。
摩耶「ところでさぁ、アンタんとこの艦娘とはうまくいってんのか?」
俺にとっていま最も話したくない話題が飛び出した。
うまくいってないからこうやって影武者頼んでんだよ!等とは口が裂けても言えず「ああ、まあ」などとあいまいな返事で返した。
ここの摩耶には俺が艦娘と全く仲が良くないことが分かっているので、ときどきこうして気を使ってくれているのだが、うまくいく見込みがないだけにはっきり言って有難迷惑である。
全部俺が不甲斐ないせいで、摩耶を疎ましく思うのは筋違いだということは分かってはいるのだが。
そんな俺の表情から何かを読み取ったのか、
摩耶「その様子だとまーた進展なしってところかな」
ため息交じりに摩耶が言った。
摩耶「アタシが口きいてやってもいいんだが、こういうのは自分でなんとかしねぇといけねえからな。まあ、元気出せよ」
その気遣いが一番つらい。
摩耶「ところでさぁ、アンタはこの提督のことどう思ってんだ?」
いきなり摩耶が高雄(リ級)に話を振ってきた。へこんでいた気分からから一気に、冷水を浴びせられた気分になった。
ここで変な受け答えをしようものなら正体がばれてしまう。
ハラハラしながら見守っていると、
リ級「提督は料理がうまくて、気も優しい、いいやつだと思うぞ、あいや、ですぞ」
摩耶「へー、アンタ料理が得意なのか?初耳だなあ」
「いや、そんなにたいしたことは・・・」
リ級「そんなことないぞ、みんなに大うけだったじゃないか」
「バッ、おまっ」
俺はかなり焦った。リ級の言うみんなとは深海棲艦のことであって、うちにいる艦娘のことではないのだ。これまで艦娘たちに料理をふるまったことなど一度もない。
『リ級、何言ってんだ!今のお前は高雄だろうが!』
一瞬俺の言うことが理解できずに、訝しげな表情を浮かべていたがすぐに自分の言ったことに気が付いたようだった。
リ級『そ、そうだった!しまった~』
摩耶「へぇ~、アンタにそんな特技があったとはねぇ~」
「ほんと大したことないから、いやホントに」
リ級「そうわよ(便乗)」
摩耶「そうだ!鎮守府内対抗料理大会なんてのはどうだ?うまいもんも食えて、みんなとも仲良くなれる一石二鳥だと思うぜ」
俺の話を聞いていないのかとんでもない爆弾を投下しやがった。
今うちにいる艦娘たちの料理の腕は、前任の提督と料理をしているだけあってプロのレベルにまで達している。
対する俺の料理の腕は、前にも言ったと思うが中の下レベルだ。
そんな艦娘たちに俺の料理をふるまうことはビルゲイツにパソコンをプレゼントするような愚かな行為に等しい。
摩耶「待てよ、鎮守府対抗にするのもおもしろそうだな。ウチの提督に相談してみるか」
俺の心情を知ってか知らずか話がどんどん大きくなってしまっている。
『リ級、なんとかしてくれ!』
どうしていいかわからず俺はリ級に助けを求めた。
リ級「摩耶!」
摩耶「な、なんだよ」
リ級「提督は料理がうまいといったな、あれは嘘だ」
摩耶「はあ?」
リ級「え~っと、まだ練習中なんだ。だからもっと練習して、もっとうまいものを作れるようにならないと勝負にならないよきっと」
摩耶「そうなのか?」
「あ、ああ、まあな」
摩耶「そうか、それは楽しみだな!いつか勝負しようぜ、こう見えてアタシも腕に覚えがあるからな」
とりあえずは納得してくれたようだ。願わくばそのうち忘れてくれることを祈るばかりだ。
そうこうしているうちに提督の部屋の前にたどり着いた。
摩耶『ところで姉貴らしくないしゃべり方だなあ、これも個性ってやつなのか?』
カ級サイド
「う~ん、気持ち悪い~」
車の中で横になっていたカ級だが一向に体調が回復する兆しが見えない。
「ダメだ、一旦外に出よう」
外の空気を吸えば少しは良くなるかと思い、少しだけ車の外に出ることにした。
「あー今日もいい天気☆」
車のタイヤにもたれかかってしばらくボーっとしていた。普段はほとん水中にいるためか、たまには陸地で太陽の光を浴びながらボーっとするのも悪くない。
そんな風にボーっとしていたためか、横から接近してくる人影に気が付くことができなかった。
「こんなところで何をしているんでちか?」
「・・・・・!!!」
どうしようどうしようどうしよう、カ級の頭の中はその言葉でいっぱいだった。
車酔いなんてどこかに吹っ飛んで行ってしまった。
今の自分の状態は深海棲艦そのものだ、変装なんてあってないようなものだ。
仲間なんて呼ばれたら一貫のおわりだ。
カ級「あ、あう、あう~」
何か話さなければと思ったが、何を話していいかわからない!言葉にならない!と思っていたら、
伊58「その水着を着ているということは、あなたも潜水艦でちね!それにしても見たことない潜水艦でちね、もしかして新型?」
カ級「わ、私は・・・その・・・」
伊58「そうだ!19の水着を着ているということは19のお姉さんでちね、ついてくるでち」
カ級「え、ちょっと、あの」
こっちの話をまるで聞いていないのか58はカ級の手を引いて走り出した。
しかし下手に抵抗しようものなら怪しまれることになってしまう。
しかたなくカ級はされるがままに58に連れて行かれる羽目になってしまった。
提督サイド
摩耶「提督、連れてきたぜ~」
摩耶がそういいながら執務室の扉を開けるとそこには
金剛「加賀!テートクはこの後私とお茶する予定なのです、邪魔しないでほしいネ!」
榛名「そうだよ(便乗)」
霧島「そうわよ(便乗)」
比叡「そうですよ(便乗)」
加賀「いい加減にしなさい、この便乗四姉妹。提督、この後はホテルで私と会う予定となっております」
響「やれやれ、田舎空母はスケベなことしか考えないのか」
金剛「テートクの膝の上に座りながら言うセリフじゃないね!っていうかそこからどきなサーイ!」
М提督「この後は他所の提督と打ち合わせだよ、もういい加減にしてくれよ」
目の前にはうらやまけしからん光景が広がっていた。これがどこの鎮守府でもごく普通の光景だっていうんだから本当にどうかしてると思う。こんなことはウチじゃまずありえない光景だ。否、おかしいのは俺の方なのかもしれない。
М提督もいい加減にしてくれよといいつつもまんざらではない模様だ。
М提督「ほら、もう来てるから早く出て行ってくれ」
М提督がそういうと艦娘の視線が俺に集中した。そして、イチャついているところを邪魔されて若干嫌そうな顔をしながら軽く会釈してさっさと出て行ってしまった。艦娘に好かれないのはウチの艦娘だけに限ったことではないようだ。
と摩耶も一緒に出ていこうとしたので
「え、一緒にいなくていいのか?」
というと
摩耶「アタシはこの後予定が入っているからな、代わりは姉貴がやってくれるさ」
嫌な予感が
摩耶「そいうことだから後はよろしく頼むぜ」
?「ご苦労様、後は私に任せて」
よりによってどうしてこいつを呼んだんだ!
「摩耶!これは一体どういう了見だ!」
摩耶「しょうがないじゃないか、手が空いてるのが姉貴しかいなかったんだからよー。別に問題ないだろ」
あるからあせってんだろうが!などと口が裂けても言えない。
高雄「高雄型1番艦重巡洋艦 高雄です、今日はよろしくお願いします」
こっちの高雄と向こうの高雄を見比べてみる、並んで見るとこちらが偽物なのは明らかだ。
高雄「あなたも高雄なのね。今日はよろしくね」
リ級「は、はい、よろしくお願いします・・・」
高雄「同じ高雄じゃない、そんなに硬くならなくていいわよ」
こちらの心情を知ってか知らずか気さくに話しかけてきた。
高雄「ところであなたはどうしてマスクなんてしてるのかしら?」
リ級「ええっと、最近風邪気味でゴホゴホ」
高雄「だめよ、あなたも秘書官なら自分の健康管理ぐらいちゃんとしなきゃ。提督だって迷惑するじゃない」
リ級「す、すいません・・・」
リ級『提督どうしよう、本物が出てきちゃったぞ』
『とにかく極力喋らないようにしよう、仕事はほとんど俺がやるから』
リ級『わ、わかった』
改めて俺とリ級はM提督と対峙した。
リ級「高雄型1番艦重巡洋艦 高雄です、よろしくお願いします」
M提督「遠路はるばるよくお越しくださいました、こちらこそよろしくお願いします」
ただ挨拶しているだけだというのに、気品に満ち溢れている。もてる男と言うのはやはり違うのだなと痛感させられた。それを見ていた高雄の表情も若干誇らしげだ。
「それじゃあ打ち合わせの方を・・・」
若干卑屈な気分を引きづりつつ本題に入ることにした。
M提督「そうですね、早速始めましょうか」
へこんでいる場合ではない、無事にこの難関を乗り越えることができるか。
レ級サイド
レ級「ここがしゅほって所なのか?」
陽炎「そうよ、ここに行けば大抵のものは揃ってるはずよ、っていうかアンタ酒保も知らないの?」
レ級「ウチにそんなのないもん」
陽炎「ええ(困惑)、どうなってんのよアンタの鎮守府は」
店の中にはお菓子やら、生活雑貨やらが所狭しと並べられている。
陽炎「明石さーーーん、いるーーーーー?」
?「はいはい、そんな大声出さなくっても聞こえてますよ」
店の奥からピンク色の髪の女性が姿を現した。
明石「あれ?陽炎ちゃんあなたこの時間は訓練だったはずじゃあ」
陽炎「途中でこの子拾ったのよ。まあ人助け故仕方なしってことで」
黒潮「コラテラルダメージってやつやな」
不知火「なんで3人で来る必要があるんですか?」
陽炎「細かいことはいいのよ!」
明石「全く、どうなっても知らないわよ。それで私に用があるのはこの子なの?」
レ級「そうだよ(便乗)、友達が車に乗って気分悪くなっちゃったんだ。何かいい薬出してよアガシ!」
明石「私はサッカー選手じゃありません!ちょとまっててね、酔い止めの薬はと・・・・これでいいかしら?」
レ級「これでカ級がホントに治るのかなあ?」
明石「え?火球?」
レ級「あ、いやいやいや、僕も蚊に刺されてかゆいなーなんてハハハ」
明石「じゃあ、このムヒも持っていくといいわ」
レ級「むひ??」
レ級は試しにムヒを手に塗ってみた。
レ級「あ、なんだかすっごくひんやりしてきた!冷たくって気持ちいいー」
明石「う~~~ん」
陽炎「どしたの明石さん」
明石「この子”雷”なの?」
陽炎「本人がそういってるからそうなんじゃない?」
黒潮「そういえば普通の雷と違うなあ、髪の色も肌の色も違うし」
陽炎「言われてみれば・・・」
不知火「私どこかで見たことあるような気がするのですが」
陽炎「そりゃ別の鎮守府の雷なんて何度も見たことあるでしょ」
不知火「いえそういうことではなくて」
?「あなた達!こんなところで何をしているの!!」
酒保の外にまで聞こえるような大声で、女性が怒鳴り込んできた。
神通「訓練をさぼって酒保で買い食いとはいい度胸してますねえ」
陽炎「ち、ち、違うんすよ!人助けですよ!別にさぼってたわけでは」
黒潮「せやせや、ほら、アンタもなんか言ってやってーな」
そういうと黒潮は、店の物をあちこち弄り回していたレ級に助けを求めた。
レ級「この人は僕を酒保に案内してくれたんだよ、だから怒っちゃだめだよ」
神通「(僕?)それが本当だったとして、なんで3人で行く必要があるんですか?」
不知火「やっはひな(申レ)ムシャムシャ」
陽炎「アンタ何食ってんのよ!!」
不知火「まるごとバナナですが何か落ち度でも?」
黒潮「落ち度しかないわ!!」
神通「やっぱり買い食いしてるんじゃないですか」
レ級「なあ、何をそんなに怒ってるんだ?」
神通「あなたは黙っててください!これは私達の問題です!」
レ級「そうだ!これを塗ればスーッとして落ちくぞ」
そういうとレ級は神通の顔面にムヒを塗りたくった。
神通「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!目がああああああ!!」
さしもの神通もあまりの激痛にのたうち回っている。
陽炎「アンタなにしてんのよ!」
レ級「これってイライラしてるやつに塗ると落ちつく薬なんだろ?」
陽炎「そんなドラえもんの道具みたいなものあるわけないでしょ!」
明石「あ、これムヒじゃなくてアンメルツヨコヨコだった」
黒潮「アホかーー!!水水水!はよう洗い流すんや!」
不知火「食べ終わるまで少しお待ち下さい」
黒潮「食っとる場合か!!」
神通「グワーッ!!」
レ級「それじゃカ級が心配だから僕帰るね、いろいろありがとねー」
レ級は酒保の騒ぎを背にその場を立ち去るのだった。
リ級サイド
M提督の執務室ではいまだに話し合いが行われていた。
俺の隣にリ級、机を挟んで正面にM提督その隣に高雄が座っている。
高雄「ここの海域のことなんですけども」
「あ、それはですね・・・」
M提督「今度新しく入った装備のことですが」
「それはすごいですねー」
高雄「ねえ、あなたはどう思う」
「それについては私がお答えします」
俺はなんとかリ級に質問が及ばないようにするのに必死だった。
会議の内容なんていちいち説明している時間などなかったので、リ級に話を振られると何も知らないことがばれてしまう。
このままうまくいけばよかったのだが
高雄「ちょっと、あなた」
リ級「は、はいっ!何でしょうか」
高雄「さっきからずっと黙ったままだけど、どうして話し合いに参加しないの?」
リ級の態度に向こう側の高雄がいら立ちを隠せなくなってしまったようだ。
「彼女には私の護衛という重要な役目が」
高雄「そんなのは当たり前です!他にもやらなきゃいけないことはたくさんあるでしょ?ただそばにいればいいというわけではないのよ」
M提督「高雄、落ち着け」
助け舟を出したつもりがかえって火に油を注ぐ結果になってしまった。M提督もかばってくれたが高雄の怒りはまだ収まらない。
高雄「だいたいそのマスクはなんなの、いい加減に外しなさい!」
と高雄がリ級のマスクに手を伸ばした瞬間、リ級が高雄の腕をガシッとつかみ凄まじい力で締めあげた。深海棲艦特有の怪力で締めあげられたのではさすがの高雄もたまったものではない。ミシミシと嫌な音が執務室に響き渡る。
高雄「ぐああああああああああああああ!!!」
「お、おい!」
リ級「あ、し、しまった、つい本気出しちゃった。ごめんなさい!」
正体がばれると思ってリ級が手加減を忘れて本気で締めつけてしまったらしい。
さらにまずいことに高雄の悲鳴を聞きつけて複数の艦娘が執務室になだれ込んできた。
摩耶「すげえ悲鳴が聞こえたぞ!一体何の騒ぎだ!?」
加賀「提督無事ですか!?」
金剛「ウチの提督に何をしたデスカー!?」
榛名「姉様やっちまいましょう」
霧島「そのための右手、あとそのためのマイク?」
比叡「カレー!暴力!SEX!」
響「いい加減にしろKBS姉妹」
なんとか言い訳をしたいところだが、完全に俺達を敵視していてこちらの言うことに聞く耳を持ってくれるとは思えない。
提督LOVE勢を敵に回すとこれほどまでに恐ろしいとは思わなかった。
俺の運命もこれまでか、と思っていると
高雄「待ってください!」
今まで激痛のあまりにうずくまっていた高雄が声を上げた。
高雄「あなた!さっき何と言いました」
リ級「ふぇっ、わ、私ですか?えーと、本気出しちゃった。ごめんなさいだったかな」
「え、いや俺に言われても・・・」
高雄「人を愚弄するのもいい加減にしてください!!」
リ級「私、そんなつもりじゃ・・・」
高雄「提督、演習の準備をしてください!」
M提督「だめだ、私闘目的の演習は禁じられている。それはお前が一番よく分かっているはずだ」
高雄「ですが・・・」
摩耶「そうだ!私にいい考えがあるぜ」
様子を見ていた摩耶が突如口を開いた。この場を何とかしてくれる方法があるというのか。
摩耶「料理で決着をつけるってのはどうだ?」
高雄「料理?」
摩耶「そこの提督さんはかなりの達人だって聞いたぜ。そのあんたの部下ならウチの姉貴ともいい勝負になるんじゃないのか」
いつのまにやら俺は料理の達人にされてしまった。ていうかそんなことを考えている場合ではない!
「いやだから俺は料理の腕は」
M提督「いいじゃないですか、その方が平和的でかつ合理的じゃないですか。金剛、厨房をつかえるよう間宮さんに言ってきてくれ」
金剛「はい、なんだかおもしろそうなことになってきましたネー」
霧島「ギャラリーも多いほうがいいですね、私が館内放送で呼びかけておきますね」
比叡「私の伝家の宝刀(カレー)が火を噴く時が」
霧島「榛名は比叡を押さえてて」
榛名「分かったわ」
「いや、あのだからね」
高雄「いいでしょう、料理で殺す!!」
なんとか言い訳をしたかったが、周りが盛り上がってしまっていて、高雄もやる気満々で最早引き返しができないところまで来てしまっている。
M提督「そうだ、対決となると敗者には罰ゲームを受けてもらわないといけませんね」
こいつ罰ゲームとか言い出しましたよ、一体どんな罰を用意しているのかと思っていると
M提督「ウチの高雄が負けた場合はウチの艦娘から何人かあなたの所に派遣しましょう、人手が足りなくて困っているのでしょう?」
超ありがた迷惑である。
M提督「そしてあなたの所の高雄が負けた場合には、そのマスクを取ってもらいます」
そういうM提督の目線はリ級をまっすぐとらえて離さなかった。これはもうほとんどバレているようなものと考えていいかもしれない。
いや、それともこの程度の罰で許してくれるつもりなのか。
とにもかくにもここまで来たら後には引けない。
「条件があります」
M提督「条件?」
「ウチの高雄とあなたの所の高雄じゃ実力の差がありすぎますから私が高雄のサポート役として参加します。そちらのサポート役は比叡で」
M提督「さらっとペナルティを課さないでください。それではタッグマッチということでよろしいですね」
「いいでしょう」
リ級『どうしよう提督、私料理なんてやったことない』
『心配するな、俺も全力でサポートするから』
リ級『提督と料理したいとは思ってたけど、こんな形になるなんて』
『こうなったらやるしかあるまいよ』
正体がばれると思いきや、料理対決をする羽目になってしまった。果たしてこの戦いに勝利し、リ級の正体を守ることはできるのであろうか。
カ級サイド
伊168「19のお姉さん?」
伊58「そうでち!車の近くにいたところを連れてきたでち」
伊168「それはよその19じゃないの?勝手につれてきたら駄目じゃない、この子困ってるわよ」
伊19「っていうか私こんな子知らないよ」
伊58「えっ?生き別れのお姉さんとかじゃなくて?」
伊19「なんなのその設定は・・・」
伊8「じゃあ妹?」
伊19「姉よりすぐれた妹などおらぬ!(胸囲的な意味で)」
カ級『リ級ちゃん、レ級ちゃん、提督、助けて~~』
今カ級は58に潜水艦寮まで連れてこられ、潜水艦娘に囲まれ事情聴取を受けている。
まさか自分は深海棲艦だと言うわけにもいかず、正体が発覚するのも時間の問題かと思っていると
?「あー、やっと見つけたよ」
潜水艦寮に誰かが入ってきた。
カ級「レk、雷ちゃん」
レ級「帰ってきてみたら車の所にいないんだもん、心配したよ」
カ級「ご、ごめんね」
レ級「それでこの人たちは?」
改めてレ級が潜水艦たちのほうに向きなおった。
伊58「そういうあなたは・・・えっと誰でちか?こんな子いたっけ??」
レ級「自己紹介がまだだったね、僕は暁型駆逐艦3番艦雷だよ、よろしくね!」
伊8「これはご丁寧にどうも、私はい号潜水艦3番艦の伊8、はっちゃんってよんでね。って雷?あなたが?」
レ級「そうだよ、何か問題でも?」
伊8「だってあなた、肌は白いし、髪も白いし」
伊168「ちょっと待って、私この人達どこかでみたことあるよ!」
それまでカ級に対して不信感を抱いていたイムヤだったが、レ級の登場により何かに気が付いたようだった。
カ級『レ級ちゃんマズイよ!』
レ級『ああん?なんで?』
深海棲艦が二人もそろえば怪しくなるのは当たり前だ。
カ級『こうなったらアレをやるしかないかも』
カ級は伊19に向きなおった、そして
カ級「姉さん!会いたかった!」
伊19「え、え、ええええええええ~~~~~~!?」
カ級は突如、伊19に抱き着いた。
伊58「やっぱり、妹だったんじゃないでちか」
伊19「だから私知らないって!」
カ級「姉さん!私のこと忘れちゃったの?」
レ級『カ級ちゃん、ホントにこの子の妹だったの!?』
カ級『レ級ちゃん、今は私に合わせて!』
レ級『わ、わかった』
レ級「この薄情者!生き別れの妹の顔を忘れるなんてお前それでもお姉さんか!」
伊8「そうわよ(便乗)」
伊168「艦娘だったら背負わないかんときは、背負わにゃならんぞ」
伊19「そんなこと言われたって、全然似てないじゃんアゼルバイジャン」
レ級「共通点ならあるぞ、胸の大きさとか、ツインテールとか、あと君とおなじ水着をきてるじゃないか」
伊19「胸の大きさはともかくとして、あとは誰でもできるんじゃ」
伊58「認知して!」
伊19「その言い方はやめて!」
とここで、またしても潜水艦寮に誰かが入ってきた。
ろーちゃん「みんな~料理大会が始まるですって~、ってみんな何やってるの?」
伊58「イクが妹と感動の再会を果たしたところでち」
ろーちゃん「そうなの?」
伊19「えっと、そう言われるとそんなような気がしてきたような・・・」
伊8「ところで料理大会っていうのは?」
ろーちゃん「えっとね、なんでもウチの高雄さんとよその高雄さんが料理で対決するんだって。なんでも相手の提督さんは凄腕の料理人らしいよ」
伊168「それは楽しみね」
伊8「私はシュトーレンでも作ってもらおうかしら」
カ級『レ級ちゃん、もしかしたら』
レ級『うん、きっとリ級のことだよね僕たちも行ってみよう』
伊58「よーし、私達もその料理大会にイクゾー。イク、いつものアレをやるでち!せっかくだから今日は妹ちゃんにおねがいするでち」
カ級「(いつもの!?)え、えーっと、はーいカク、掻くのー」(ポリポリ)
伊58「ンモー、イクが変なことするから妹ちゃんがマネしちゃったじゃないかー」
伊19「私そんなことしてないよ!たまにしか・・・」
伊58「やっぱりやってるんじゃないでちか、壊れるなあ」
伊8「はーい、ハチ、吐くのーオエエエエ!」
伊168「かぶせなくていいから!」
ろーちゃん「ろーちゃんのローキック!」
長門「ありがとうございます!ありがとうございます!」
レ級「準備はいいか、センメツー」
伊168「すな!」
伊58「あーもうめちゃくちゃでち」
114514文字を目指したのですが、無理でした。
代わりと言っては何ですが、過去最高文字数です。
あまリ遅くなってはいけないと思い、とりあえず投稿しました。
もしかしたら後で少々変更するかもしれません。