ナイトキングー勇者の王者と呪われし魔王たちー 作:レイガース
ついに、物語は新たな局面に向かいます。
マミルの魔物ラミシスに、ラルクたちは魔法や攻撃で傷付けるだけで、倒すことを躊躇っていた。ラミシスを気絶させることはできたが、マミルが魔物の姿になる術を止める手立てがなかった。
「また、同じ繰り返しね。どうするの、ラルク?」
ミレイは不安そうに、ラルクを訊ねる。そこに、一人の老人が歩いてきた。
「マミル様をお救いする方法は、一つだけあります。今のあなた方なら、我々が断念した方法を成し遂げられるかもしれません」
「教えてください。彼もこのままでは、自身の内に潜む脅威に殺されてしまいます」
ラルクは老人に近寄り、その方法を成し遂げる決意を見せた。
「よろしい。マミル様の妖魔活性を意思で防ぐ果実が、ここから一里離れた山、ドウモン山に隠れ住む魔物ドウモンドラがいる、果樹園にあります。果樹園には、様々な薬草、果実、樹水などが存在していて、あなた方なら、自らが危険に陥る場合、救ってくれるとても良い道具となるでしょう」
老人の話を聞き、ラルクたちは少しの間、睡眠を取り、ドウモン山に向かうことになった。地図によると、ドウモン山に向かう途中に、一つの国境があるらしく、長旅を癒すのにちょうど良かった。
やがて、国境近くに出たラルクたちは、魔物に襲われている村に出会う。
「ケーヒッヒ、村人は皆殺しだ〜!金銀、食糧奪ってアジトに持ち帰るゾ〜!」
ラルクたちは魔物たちに戦いを挑む。けれど、魔物たちは呆気なく倒したが、何か釈然としない。
ラルクは村人たちを助け、お礼など言われて村を後にした。
その少し離れたところで、黒い影が彼等を見つめていた。黒い鎧やマントを着た謎の存在は、数枚の札をラルクたちが向かう国の方に飛ばす。札は魔物に変わり、ラルクたちより先に、国に向かって飛んで行く。
ラルクたちはようやく、国境の門に入り、一晩休憩することにした。
ラルクは宿屋の一室で、仲間と寝ていた。そのラルクは、夢を見ていた。自分に瓜二つの男が武器を構え、こちらを狙っている。ラルクは剣を抜き、その男と戦うが互角の勝負が続き、戦いは終わらない。
黒い男は影となり、ラルクの周りを暗闇に覆い尽くす。ラルクは目を開け、鼓動をドクンドクンいわせながら、仲間たちを見渡す。
「夢?にしても、何だろう。この、変な感じ」
ラルクはもう一度、布団の中に入り、それからは悪夢は見ることはなかったが、ラルクの頭からはその悪夢は離れていなかった。
ラルクたちが目覚め、外の様子がおかしいくらいに騒がしいのが理解できた。
外に出てみると、門兵たち数名が、ゴンドラ国がある方向からたくさんの煙が立ち昇っているのを見ていた。ゴンドラ国の上空には、黒雲が立ち込めており中から大量の魔物が出てきていた。
「大変だ。国王が守っておられる、イザナギの剣が奪われてしまう」
ラルクたちは、急いでゴンドラ国に走り出した。ゴンドラ国は幾多の家が炎上し、王国軍がモンスターの退治に動き出していた。
黒雲は未だ消えず、魔物の軍勢が王国に流れ込んでくる。ラルクたちは、王の守るイザナギの剣を守るべく、王宮に入る。王宮内は大混乱に陥っており、王と妃のいる謁見の間に軍勢が一直線に向かっていた。魔物を謁見の間に近付かせないためにも、ラルクたちは魔物をどんどん斬り、奥へと進む。しかし、謁見の間に付くと、既に時は遅く、王と妃は殺され、イザナギの剣を持った男が王と妃の間に立っていた。
「随分遅かったじゃないか。魔物にでも手こずってたか?」
ラルクたちは武器を構える。
「お前は何者だ!なぜイザナギの剣を狙う?」
「俺はワルク。お前たちが光の勇者なら、俺は暗黒の勇者。まあ、イザナギの剣を狙ったのは、お前たちをおびき寄せるためだ。少しの町や村を救ったくらいで、自分たちが強いと思ったら大間違いだぜ?」
ワルクはイザナギの剣をマットに突き刺し、自分の剣を抜く。さらにワルクは、殺気をみなぎらせ、波動を謁見の間全体に流す。
「先手必勝!食らえ、魔導派!」
強力なエネルギーがワルクの手に集まり、ラルクたちに襲い来る。城が崩し落ちるほどの攻撃により、天井に大穴が空き、ラルクたちはワルクの放った攻撃に傷付いた。
「こんな攻撃に弱るようじゃ、まだまだだな。イザナギの剣はくれてやる。こんな弱い剣、俺の狙ってる獲物じゃないからな」
ワルクは黒い闇が自らの周りに輪を描き回転して消え去る。この日、一つの国が魔物の軍勢によって滅ぼされた報せは、世界中に震撼を余儀無くされた。
運命はラルクではなく、ワルクに味方し、ワルクは国を魔王の配下であるドラゴンキングに任せ、魔王の勢力はまた一つ拡大していった。
戦いに負けたラルクたちは、城から追い出され、外で町人に助けられ、少し遠く離れた民家でベッドに休ませてくれた。
その頃、魔物世界のとある場所で、異変に気付いていた一人の女性がいた。彼女は鏡に映るラルクの弱った姿を見て、とても悲しそうな表情を浮かべていた。
【ー第六話に続くー】