ナイトキングー勇者の王者と呪われし魔王たちー 作:レイガース
精霊の加護を受けた勇者としてはまだ未熟なラルクは、二人を救うために、ある大精霊の下に向かうのであった。
第5話 : 世界の変革者たち!勇者と魔王
神に最も近く、神の代理を務められるほどの大精霊がいる、魔王の大軍勢すら、まして魔王すら到達できないといわれる強大で難攻の大神殿が、北の大地の通常の1000万倍の崖に覆われたところにある。
ラルクは一人、その神殿に入れる険しき道を識る巫女や老師が守る村に着く。
しかし、ラルクは巫女や老師に聞く前に、村の中で数十日の間、厳しい修行を命じられる。
まだ魔力の少ない、剣の扱い方や攻防の動きなど、ラルクは未熟過ぎるために、多くのことを村で学ぶ。
この村での修行で、ラルクの魔力は暗黒の勇者と戦った頃の100倍以上の魔力を身に付け、攻撃力や防御力は以前の数十倍以上に跳ね上がった。
老師「ここより先は、我々の修行では得られないほどの、強大な霊力を持った精霊神や霊獣が待ち構えておる」
巫女「行きなさい、勇者ラルク。厳しい修行を乗り越え、今度こそ困難といわれる大神殿に辿り着いた時、真の勇者として大精霊に認められることでしょう。いつの日か、またお会いできる日を楽しみにしております」
とても高い崖に覆われた天空に浮かぶような場所に位置する大神殿は、1日では到底辿り着くことは不可能で、数十ヶ所に及ぶ山小屋を巡り、一週間ほどで食糧は尽きた。
「老師が言ってたっけ。食糧が尽きた日から、そこからは自給自足の生活だって」
食糧が尽きてからも、精霊が送る兵士たちや霊獣との戦いは続いていた。
襲って来ない日は、とりあえず目印の位置を半径にして、木の実や精霊池の中で魚を釣り、山小屋を使って食糧を確保した。
ラルクは気付いていなかったが、この修行に近い戦いや道のりで、魔力や能力はさらに飛躍的に増加していたのである。
数週間にわたって険しき道を歩いたラルクは、大神殿の少し手前にある精霊の泉を見つける。魔力や体力を尽きていたラルクは、泉の力で少しばかり回復して、大神殿の中に入った。
大精霊「見事であったラルク。そなたに加護を授ける前に、話しておくべきことがある。私の前に椅子に座りなさい」
ラルクは大精霊により、精霊の村に着いてからが加護を授けるに値するか試す修行が始まっており、さらに、村や山に登ってから起きた時間は、時の流れが遅くなり、まだ半月も経っていないいうことが分かった。
大精霊「世はまさに、英雄を欲しておる。半月の間に、世界の半分は魔王によって支配された。お主の仲間は東西の古城で捕まっている。村に行き、最強の魔導師を仲間にし、他の仲間を助け出し、一刻も早く世界を魔王の手から救ってくれ。頼むぞ、勇者ラルク」
大精霊はラルクに膨大な霊力の加護を授ける。ラルクはワープゾーンから村に行き、半月の間に最強の名を得た魔導師を仲間にした。
女魔導師「で、ラルク。わたしは何をすればいい?」
ラルクは女魔導師に、まずは東西に牢獄されているであろう、ミレイとヤッサンの救出を話す。
女魔導師の空間移動により、二手に分かれた救出作戦は、強くなったラルクは東、女魔導師は西を難なくクリア。ラルクはミレイを救い出し、女魔導師はヤッサンを簡単に救出した。
勢いに乗ったラルクたちは合流ポイントを目指し、人間界を蹂躙する魔物たちを次々に倒し、支配から解き放つ。
人間たちは以前の活気を取り戻すべく、街や都市、村の復興を目指していった。
真の勇者になったラルクに、暗黒の勇者ワルクは、魔界との縁を切り、一人でラルクに戦いを挑む。しかし、真の勇者と最強の名を手に入れたラルクに、暗黒勇者ワルクは完膚なきまでに敗れた。ラルクに光の勇者ラルク剣を体に刺された時、ワルクの中にある闇の力は完全に破壊された。
そのことにより、ワルクは記憶を取り戻す。ラルクは剣をワルクに刺したが、殺そうとまでは思わなかった。ワルクはラルクに、自分たちは兄弟だと告げる。
ワルク「魔界は今、新魔王によって統治されようとしている。俺たちの父ゴルグを殺したバグレンは死んだ」
大きな戦争が始まる予感を、ラルクは感じていた。
ー魔界ー
勇者ラルクたちが人間界を救っている頃、魔界もまた真の魔王は誰か覇権争いを起こしていた。そんな中、いわゆる真の継承儀式を終えた一人の魔王が、各地に名を馳せる魔物たちを次々とひれ伏せたのである。
人間界と魔界。二つの世界は、生き残りを賭けた戦いを開始すべく、領土侵攻を開始した。こうして、長きにわたる人魔大戦が幕を開けた。
一年にわたる大戦が続き、勇者たちの活躍で魔界に繋がるゲート領土を制圧したが、魔王軍の圧倒的勢力に押され、最も重要な貿易都市を占領された。
さらに、人間以上の知略を持った何者かの策略により、人間界組織での均衡が崩れ、各地で戦争が多発する。
魔界侵攻に歯止めをかけられた勇者たちは、人間の戦争に加担できず、押し寄せる魔物たちから人間を守ることだけに専念するも、お上と呼ばれる人間界の上位にいる人間たちを止めることができないまま、さらにもう一年の月日が流れる。
魔界にいる水晶玉を覗く女「ここまでは計画通りだな。あとはあの勇者ラルクがどう出るか」
魔界にいるこの女の存在もやがて、魔界全土に大きな暗雲を呼ぶことになるが、それはまだ先の話である。