やはり俺の特典は間違っている。   作:大枝豆もやし
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初レンゲル

『でやあ!』

「はあ!」

「おりゃ!」

 

 レンゲルが槍を振るい、クリスがダガーなどを投擲、ゆんゆんが魔法を放つ。それで周囲の悪魔やアンデッドは次々と倒れていった。

 3人の息は驚くほど合っていた。レンゲルが戦ってゆんゆんとクリスが支援する。理想的な組み合わせだ。

 

『…意外とやるな』

「お褒めにあずかり光栄です!」

「そりゃあ冒険者稼業長いからね。いくらレンゲルさんでも、まだ新入りには負けないよ!」

 

 口を動かしながらレンゲルを支援する二人。クリスは盗賊スキルで敵を阻害、ゆんゆんは攻撃魔法で援護、そしてレンゲルが全てを薙ぎ払った。

 しかし数が多い。このままでは埒が明かないと判断したレンゲルは二人に敵を一か所に集めるよう指示した。

 

《スクリュー》《ファイアー》

『フン!』

 

 再びレンゲルがアンデッドの力を解放して放つ。炎の竜巻となったその功攻撃は一か所に集まった敵を全て焼き尽くした。

 

『…こんなところか。二人のおかげで助かった』

「い…いえいえ。ほとんどハチマンさんが頑張ってますし…」

「僕もまさかここまでレンゲルさんが強いとは思わなかったよ。まさにチートだね」

 

 レンゲルは二人の返事を謙遜だと思ったが、本人たちにその気はない。本心で言ったことだ。

 レンゲルの戦闘力は駆け出しの冒険者にしてはあまりにも高い。無論チートを使っているおかげでもあるが、それを差し引いても強いことに変わりなかった。

 

『しかしここはなんだ?洞穴を抜けたかと思いきやまったく別の場所になっているぞ』

 

 レンゲルが天井を見上げる。そこは洞穴らしく土と岩から出来た自然の天井・・・ではなかった。

 そこにあったのは石畳のように整理された立派な天井だった。自然の状態ならばまずこうはならない。人が手を入れたのはまず間違いない。

 天井だけではない。床も手入れされており、扉や柱といった人工物もちらほらとある。燭台やランプなどにも火が灯されているおかげで道は明るい。

 この中はもう洞穴などではなく、完全に人工物の迷宮だ。

 

 そして今彼らがいるのはそんな迷宮の一室。こうして一つ一つ調べることでマッピングしながら調査をしているのだ。

 ちなみにマッピングしたり罠がないか調べるのはクリスの役目である。彼女のジョブは盗賊なので、こういった仕事は彼女に任せているのだ。

 

「いったいこのダンジョンはどうなってるのよ?人工物があるのは兎も角、明かりまで用意してくれるなんて親切すぎない。…あ、お宝見っけ」

「そうですね。建物の質もかなり良いですし、老朽化も見られません。おそらく専門の魔法がかかっているのかと。…あ、こっちにもありました」

『…にしても、ずいぶん無防備に宝が置いてあるな。普通こういったとこに罠が仕組まれているのではないのか?』

「そうだね。だけどここは違うみたい」

 

 宝を漁りながら会話する三人。宝といっても大したものはない。せいぜい薬草や保存食であり、貴金属や宝石などはあまり見当たらななかった。

 しかしそれでも大量の宝を手に入れたことに変わりない。いくら少し安いからと言って、ここまで安全かつ大量に宝が手に入ることなど普通はないのだ。

 

 明らかにおかしいダンジョン。出現するモンスターは悪魔やアンデッドばかりで宝も多い。三人は少し不気味に思いながらも探索をつづけた。

 

『…おしゃべりは終わりだ。そろそろ本拠地にたどり着くぞ』

 

 探索が一区切り終えた処でレンゲルが槍で扉を差す。

 その扉は他の扉と比べて異様に大きかった。悪魔と天使が戦っているような絵図が刻まれ、取っ手には禍々しい金細工が施されている。

 

「…どうする?」

 

 正直、開けたくないというのが全員の感想だ。

 既に扉の向こう以外の調査は終えており、十分な成果を残している。基本的な探索は終えているので、本格的な探索は次のパーティに回す方がいいのだ。

 

「なんかいかにも何かありますっていう扉だよね。こういった扉はボスを倒すまでは出られないといった仕組みが多いから…」

『だな。では帰るか』

「そうですね。十分収穫はありましたし」

 

 三人は帰ろうと足を翻す。その時だった。扉が突然開いたのは。

 

 

「おいてけーーーー!女をおいてけーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 突如扉が開き、中から猿のような悪魔が現れた。

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