??「お、ここがINFINITE・GREASEのあらすじかい?」
一海「お、またお客さんか」
惣一「石動惣一だ。よろしく頼むぜ」
一海「おう。さて、前回は海で遊んだな」
惣一「楽しそうだねぇ。俺も海で遊びたいもんだ」
一海「で、今回は例の天災って奴が来るらしい」
惣一「そうなのか!じゃあそれまでコーヒーでも飲んで待つかい?」
一海「おう……マズッ!?何コレ、マズッ!?」
惣一「そんなオーバーリアクションになる必要は無いだろ?全く……第14話、始めるぜ」
一海「ヤベェ、口の中にまだ不味いのが……」
「いてて、ラウラの奴……あんなに強かったんだな」
「一海って結構頑丈なんだね。僕、顔面に当たっちゃった時、びっくりしたよ」
海で遊び尽くした俺はシャルロットと一緒に旅館の廊下を歩いていた。
ビーチバレーはラウラと俺のアタック&ブロック合戦が何度か続いた後、ラウラのアタックが俺の顔面に直撃するまで続いた。凄く痛かったぜ。
「明日からISの実習か……頑張らねぇとな」
「そうだね……ねぇ、一海」
「ん?」と返事をしながらシャルロットの方を向く。シャルロットの表情はとても複雑な状態だった。
「もし……もしだよ?好きな人や親しい友達が、テロリストだったら……どうする?」
「どうする、か……」
うーん、難しい質問だな。そもそもそんな事一度もなかったからな。
「……ソイツをぶん殴る」
「そうなんだ……って、えぇ!?物騒だね……」
「そりゃそうだろ。間違っているのは事実だからな。一発決めて目を覚まさせてやる」
「……一海って、脳筋っぽい所ある?」
うぉい、酷いな。まぁ、否定できる要素が無いから何とも言えないが。でも、考えを変えるつもりは無い。俺に出来る事はそれだけしか無いからな。
***
2日目が到来した。1年全員が集められており、岩場に囲まれたそこはさながらビーチの隠れスポットだ。
「ああ、篠ノ之。お前には専用ーー」
「ちーちゃ〜〜〜ん!!」
遠くから物凄いスピードで人がやって来た。不思議の国のアリスの様な服装をした女性である。
「……束」
この人がISの生みの親「篠ノ之束」なのか!?なんか、物凄くキャラが濃いような気がする。ってか濃い。
「やあやあ!会いたかったよ、ちーちゃん!まずは愛を確かめるためのハグをーーぶへっ」
「うるさいぞ」
「ぐぬぬ……相変わらず容赦ないね!」
篠ノ之博士は織斑先生にアイアンクローを食い込ますが、それを華麗に脱出してみせた。織斑先生の腕力から逃げるなんて凄いな。
「やあ!久しぶりだね。大きくなったね。こうして会うのは何年ぶりかなぁ」
「…どうも」
箒と篠ノ之博士は少し中が悪そうだ。と言うより箒が一方的に拒絶しているだけだろう。難しいな、人気者の姉と姉のせいで環境に振り回させる妹の関係……。
生徒達を見てみると、ポカンとしている。三羽ガラスは「誰?」みたいな顔をしていた。氷室は……怖い。顔が怖い。
「おい、束。周りの奴らが混乱している。挨拶しておけ」
「うーん、ちーちゃんが言うなら!やっほー!束さんだよー!終わり」
篠ノ之博士は挨拶の後にすぐ180度方向転換した。他人はどうでもいいって感じだなありゃ。周りの奴らも目の前の人が稀代の天災だと言うことを自覚してざわつき出す。
「1年全員はテストの続きをしろ。猿渡一海。お前はこっちに来い」
そこで登場、内海さん。クールかつ手際の良い指導は流石の一言だ。ちなみに今はスーツ姿である。暑くないのかこの人。
俺は言う通りに内海さんと織斑先生の元へ行く。
「それで、頼んでおいたものは…?」
「うっふっふっ。それは既に準備済みさ!上をご覧あれ!」
箒が躊躇いがちに聞くと、篠ノ之博士は笑顔で空を指さした。それにつられて全員が上を向く。
ズドーンッ!
「「「おわーっ!?」」」
「っ!?何だいきなり…!?」
突然鉄の塊が落下した。その時に砂浜の砂を吹っ飛ばしてしまう。三羽ガラスや俺は突然の出来事に反応する。
鉄の壁がバタリと倒れると、そこには1つの「紅」があった。
「どジャアァぁぁぁ~~ン!これぞ箒ちゃんの専用機こと『紅椿』だよ!」
「「「お、おぉ〜〜」」」
篠ノ之博士が真紅の機体を紹介すると、三羽ガラスが皆を代表して感嘆の声をあげた。
「さあ、箒ちゃん!フィッティングとパーソナライズを始めるよ!お姉ちゃんが手取り足取り教えてあげるね!」
「よろしくお願いします」
篠ノ之博士はノリノリなのに対して箒の方は完全他人モードだ。姉妹同士の壁は日本を3つに分けてしまいそうである。
「篠ノ之さん、身内ってだけで専用機が貰えるなんて……」
「ずるいよねぇ」
「ワイトもそう思います」
群衆からヒソヒソと話し声が聞こえる。ってか、今ワイトいただろ。おい、大人しく出てこい。
「おやおや、歴史の勉強をしたことがないのかな?有史以来、世界が平等であったことなど一度もないよ?」
それに素早く反応したのは篠ノ之博士は一瞬で論破させてしまった。口の方も天災ってか。恐ろしいな。
「僕もそれには同感ですね、篠ノ之博士。人間は身体的、精神的、地位的に見ても全く同じ人間なんていない。完全に平等な世界なんて何も面白くない。そんな世界に科学者は必要ないからね」
と、三羽ガラスとも、氷室とも、一夏とも、内海さんとも、ましてや俺の声でも無い男性の声が聞こえた。
そちらを見ると、夏用のスーツを着た葛城さんだった。
「やあ、IS学園の諸君。僕は葛城巧。難波重工で化学者をしている物だ今日は猿渡一海くんに用があってきた」
葛城さんはそう言うと、俺達の元へと来る。その歩く姿はとても余裕があって、流石天才だなって思う。って、ちゃっかりヤベーイ兵器作った人達が集まってね?
「やあ、一海くん。今日は君に誕生日プレゼント……もとい、渡したい物があってここに来た」
そういや、もう少しで俺の誕生日だ。7月17日。臨海学校が終わって少ししたらである。
おっと、話がズレたな。葛城さんは指をパチンとすると、葛城さんの後ろに光の粒子が漂いだし、形を作り出していく。
ーーそれは、1つのISだった。
「君の専用機、グリスコートだ!」
「これが、俺の……!」
無意識に言葉を漏らしてしまう。待ちに待った感じではあるが、実際に貰うと、その、何だ……嬉しくなる。
だが、それと同時に背筋がピンと伸ばしてしまう。何せったって一兵器だ。スクラッシュを貰った時もこうして緊張感を感じてしまっていた。人を殺しかねない存在。それが俺に託されたのだから。
「フィッティングとパーソナライズはしなくて良い。君はこの機体の資料を呼んどいてくれ。一応、『兵器』だからね。あ、スクラッシュ貸してくれる?」
「あ、ウス!」
俺は持っていたスクラッシュドライバーを渡すと、葛城さんはビルドドライバーとスクラッシュドライバーを機械に繋ぐと、キーボードを叩き出す。俺はその間にグリスコートの資料を読んでおいた。
「ビルドドライバーとスクラッシュドライバーの中にある一海くんがグリスとして戦ったデータを元にすれば……ホイッ!」
キーボードを打ち終えると、グリスコートの形が変化していく、その見た目はグリスに近い物になり、黄金の装甲が日光を反射していた。
「さて、試しに乗ってみよう。そうだな……篠ノ之博士。少しよろしいでしょうか?」
「ん?誰だい君は。君みたいな奴は知らないぞ、さっさとあっち行って」
葛城さんは満足げにしていると、束さんに近づいて話しかけだした。勿論篠ノ之博士は葛城さんを突き放す様な言い方をする。
「そう言わずに、篠ノ之博士。妹さんの晴れ舞台。今ここで作りましょうよ」
「ーーへぇ、話だけは聞こうか」
葛城さんの言葉に篠ノ之博士は反応した。葛城さんは「計画通り」と言わんばかりにニヤリと笑うと、俺とグリスコートの方に手を伸ばす。
「今ここに2つの新しい専用機があります。互いのテストとして模擬戦をしてみませんか?篠ノ之箒さんと、一海くんとで」
暫し沈黙する篠ノ之博士。葛城さんは笑顔のままだが、その頬には一滴の汗が流れていた。ーー物凄く緊張してるのだろう。
「……良いよ。やってあげる。箒ちゃんと紅椿がどれだけ凄いか教えてあげるよ」
「こちらこそ、グリスコート……そして何より、一海くんの実力を見せてあげましょう」
天才と天災の目からバチバチと火花が散っていた。うわぁ、物凄い対抗しあってる。話の流れからして俺と箒は戦うのだろう。事情は知らないが、 しない訳にはいかない。
「さてと、一海くん、準備しようか。三羽ガラスの3人も手伝ってくれないかい?」
「「「ウース!」」」
三羽ガラスも混じって準備を行う葛城さん。一体どうなるんだろうか……?
***
「制限時間は3分。どちらかのシールドエネルギーが無くなったら勝ちだ」
審判を務めているのは内海は模擬戦のルールを説明する。ビーチの上空には紅椿を纏った箒とグリスコートを纏った一海がいた。
「カシラ、大丈夫かなぁ」
「大丈夫に決まってんだろ。葛城さんが作ったISなんだ。他の第3世代機に負ける訳ねぇだろ」
「何より、それを使ってるのはカシラだからな!俺達のカシラが負ける訳ねぇ!」
黄羽、青羽、赤羽の順で会話する三羽ガラス。それを聞いた束はふふんと鼻を鳴らした。
「ところがぎっちょん。紅椿は第4世代機なのだよ。一技術者が作った程度のISに負ける訳が無いのさ」
束の説明を聞いた三羽ガラスは顔を青くさせる。そこに葛城が口を開いた。
「それに、この機体、第2.5世代機なんだ。難波の方が予算下ろしてくれなくて……もう少し予算があればもうちょっと強化できたんだけど」
「「「エエエ!?」」」
あまりの衝撃に三羽ガラスは開いた口が塞がらない。不安要素だらけの模擬戦に三羽ガラスは心配しだした。
「大丈夫だよな!?カシラ勝てるよな!?」
「うーん、断言はできないが、大丈夫だとは思うよ。だって、グリスコートを使うのが一海なのだから」
パニくる赤羽を謎の自信を持ちながら宥める葛城。
内海がビーッ!とサイレンを鳴らした。試合開始の合図である。
「いくぞ、一海!」
「へっ、来いよゴラァ!」
箒が一海に接近すると、二対の刀の内の一つである「雨月」を振り下ろす……が、それを一海は右腕の「ギガンティックナックル」で受け止める。一海は左手に装備されているツインブレイカーを模した武器「シールドブレイカー」の3連ビーム砲で箒をゼロ距離で撃とうとするが、先に気づいた箒は一海から距離を離した。
「ハッ!中々やるじゃねぇの。だが、まだ満たされねぇ!」
「ッ、来るか。なら!」
箒はもう1つの武装「空裂」を振ると、斬撃そのものをエネルギー刃として放出した。
「そんな弾幕、温いぞ!もっと来いよ、ア"ァ"!?」
ヒョイヒョイとそれを避けた一海はギガンティックナックルを構えると、腕からのパージ・射出を行った。
「何!?グッ!」
避けれず防御した箒だったが、逆に一海にとってそれは好都合だった。一海は瞬時加速を行うと、ギガンティックナックルにパンチを行った。
「ドラァ!」
「グアッ!」
パンチの衝撃がギガンティックナックルの威力を上げて箒を吹っ飛ばした。
「カシラすげぇ!」
「良いぞ、カシラ〜!」
「んだよ、結局カシラの独り占めか」
赤羽、黄羽、青羽の順で一海に声援を送り続ける三羽ガラス。一方束はとてもつまらなさそうな表情をしていた。
「くっ、このままでは……!」
「頑張れ、箒!」
箒がバッとそちらを見ると、一夏が応援をしてくれていた。
「(そうだ……折角専用機を手に入れたんだ。ここで負けたら、何の意味も無くなる!)」
箒の目が変わった。一海がナックルで殴り掛かると、箒はそれを受け流すと背中を斬りつけた。
「ガッ……!?まずい!」
「逃がすか!」
箒が雨月で刺突攻撃をすると、レーザーを放出した。レーザーは一直線に進み、一海に当たってしまう。
「ウッソだろ、想い人の応援だけで強くなるとかラノベじゃあるまいし!」
「ハァァァ!」
次々と攻撃を放つ箒に一海はナックルで受けるしか出来なくなってしまう。
「しょうがねぇ、一か八か!」
「これで、どうだ!」
一海のシールドブレイカーが変形を開始すると、2つの砲門が収納され、残りの1つから杭が展開された。一海がパイルバンカーを構え、箒が刀を振り下ろしーー
ビーッ!
「「ッ!?」」
時間切れの合図が鳴った。しかし、箒の攻撃が止まらずにいる。一海は後ろにムーンサルトを決めると、そのまま地面に着地した。
「うーん、シールドエネルギーが一海の方が減ってるから。篠ノ之さんの勝ちだね。いやー、残念無念だ」
葛城がおちゃらけた感じで模擬戦の結果を言う。一海は少し悔しそうにしており、勝った箒はとても嬉しそうにしていた。
「ありがとうございました、篠ノ之博士。最後に一言良いでしょうか?」
「ん?何だい?負け犬の遠吠えかい?聞く気ないから向こう行って」
笑顔で束に近づく葛城。それを突っぱねる束だったが、葛城はその表情を真剣なものに変えた。
「身内という理由だけで専用機をあげるのは良いが、技術者として一兵器を持つ事の『重さ』は教えた方が良い。それをしないなら、貴女は一技術者として失格だ」
天才と天災は沈黙しあう。誰もその緊迫した空気に入る事が出来ずにいた。
「言いたい事それだけ?じゃあ終わりね。バイバイ」
束は手をひらひらとして箒の元へと言ってしまった。明らかに聞く気なんてなかった。
「たっ、大変です!織斑先生!」
すると、摩耶が大慌てでやって来る。手に持っていた資料を千冬に見せると、千冬はその表情を険しいものにした。
「ーー分かった。全員注目!テスト稼働は中止、全員旅館の自室で待機しろ。専用機持ちは全員集合!織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、鳳!ーーそれと、篠ノ之と猿渡、三羽も来い」
突然の出来事に困惑しながら移動を始める生徒達。それを見ていた一海は波乱の幕開けを感じ取っていた。
今回のあらすじには花蕾さんの『INFINITE・STARK』から石動惣一を出させていただきました!ありがとうございます!
そして!今回から初登場のグリスコートは……ミストラル0さんが考えてくれました!この場を借りて感謝させていただきます。ありがとうございます!グリスコート、沢山活躍させてみせます!
……とテンション高めで言ってますが、ビルド本編でカシラが死亡フラグ建てていることに凄い怖がっています。お願いだから死なないでカシラぁ……!!
では、次回予告!
***
次回、INFINITE・GREASE!
軍事ISが暴走!?
束「こんな時こそ、紅椿の出番なんだよ!」
作戦開始前の中、一海はーー
一海「箒、テメェに伝えときたい事がある」
そんな中、ファウストが再び牙を剥く!
幻徳「今こそ、世界を変える時……!」
第15話 緊迫のオペレーション