??「大変なことになったな!」
一海「お、今度は誰だ!?」
夏野「俺は夏野魔騎。よろしくな!」
一海「おう、よろしく頼むぜ!」
夏野「まさか、クラスメイトがナイトローグだったなんてな……テロリズムをする理由があったのか?」
一海「さぁ……何かあったんじゃねぇの?」
夏野「丸投げかよ!もしかしたらお前自身に関わるかもしれないんだぞ!?」
一海「ま、まさかぁ……ど、どうなる第17話!」
『忍びのエンターティナー!ニンニンコミック!イェーイ!』
スタークと激闘を繰り広げるビルド(葛城)。彼は忍者フルボトルとコミックフルボトルのベストマッチ。ニンニンコミックフォームになると、剣先はペン型になっており、4コマ漫画が描かれた刀身をもつ『四コマ忍法刀』を呼び出した。
「フッ、ハァ!」
「おっと、危ないねぇ〜」
忍法刀による連撃を容易く避けるスターク。スタークはバルブを回し、ビルドは忍法刀のトリガーを2度引いた。
『エレキスチーム!』
『火遁の術!火炎斬り!』
互いの一撃がぶつかり合い、相殺し合う。互いに後ろに引き合うと、構えた。
「スクラッシュ計画を父さんと共にやったのか!?」
「計画の存在を知ってたのか。その通りさ!俺と葛城忍の手で行った!」
「スタァァァク!」
怒りに震えるビルド。ビルドの一撃が少しずつ大きくなっていく。
「クッ……感情の昂りでハザードレベルが上がったか。そろそろ潮時だな。……クロム!」
ビルドがスタークに接近しようとした直前にポーンが現れた。
「ポーン……チェスハードスマッシュか!」
「ご名答です。葛城博士」
スタークの傍にチェスハードスマッシュが現れる。さらに、複数のポーンが現れた。
「今回はポーンは皆サクリファイス……なので、プロモーションはしませんよ。さ、スターク」
「あばよ、葛城」
「待て、スターク!」
葛城がポーン達に阻まれている間にスタークは煙を撒いてチェスと共に逃げていった。ポーン達は次々とビルドに襲いかかる。
「クッ、ならば!」
『分身の術!』
ビルドが忍法刀のトリガーを1度引くと、ビルドが8人に増えた。
『さぁ、実験を始めようか』
8対8の大混戦が始まった。
***
「氷……室……!?」
訳が分からない。何で、何で氷室がナイトローグなんだよ……!
「何で、お前が……」
俺の疑問を聞いた氷室は怒りを宿しながら俺を見た。
「何が分かる……!真実の知らないお前に、何が……」
氷室はトランスチームガンを構えると、煙を撒いて消えていった。氷室のいた所に誰もいなかった。
「「一海(さん)!」」
鈴とセシリアがこちらにやって来る。大きなダメージは無さそうだ。
「あぁ、無事か?」
「あー、アタシ達は無事ね」
「一先ず、あちらをお願いしませんか……?」
セシリアの向いている方を見ると、スマッシュ2体が倒れていた。3体相手でもグリスに負けたスマッシュとは言え、倒してしまうとは。
「分かった。……後で集まらねぇとな」
俺はスマッシュから成分を抜き取ると、エンプティボトルを強く握り締めた。
***
福音撃墜作戦とファウストの襲撃から時間が経過した。日は少しずつ暮れていこうとしている。俺は自分の部屋で座っていた。
まず、石動惣一がブラッドスタークだった。俺を騙して一夏達の元へ行かせたらしい。しかも、スクラッシュドライバーのデータを盗んで、葛城さんから逃げたそうだ。みーたんの父親とは言え、なんて事してくれたんだ…!
で、福音撃墜作戦は失敗。一夏は意識不明の重体らしい。箒の方も戦意喪失の様子だった。
でも、1番でかいのは、氷室がナイトローグである事だと思う。
「もしかしたら、シャルロットは既に気づいていたのかもな……」
昨日の会話からして、シャルロットは氷室がナイトローグである事を察していたのかもしれない。何かとあの二人仲良かったからな。
「とりあえず、ファウストの件は後にして……福音だな」
俺は立ち上がると、部屋を出た。俺は迷わず歩いていくと、ある部屋にたどり着く。扉を開けると、眠っている一夏と側で座る箒がいた。
「……少しは頭冷やせたか?」
「……一海」
俺は箒の傍まで歩み寄る。一夏は眠るだけで何も反応しなかった。ISが一夏の命をつなぎ止めてくれていた。
「私の責任だ。私のせいで一夏が……一海、お前の言う通りだった。 もう、ISには乗らない」
それを聞いた俺はムカッと腹が立った。
「そんなので……そんなので良いのかよ!俺は!お前にISを乗せない為にそんな事言ったんじゃねえ!お前に覚悟を持って欲しかったんだよ!」
俺は箒の胸ぐらを掴むと、無理矢理立たせて怒鳴りつける。箒は驚いた様子だった。
「俺は、仲間や学園の為に戦ってきた!お前にはねぇのかよ!戦う理由が!今だけでもいい!戦う理由が!」
「わ、私は……一夏の為に……一夏の為に、戦いたい!」
箒はすぐに立ち直ってくれた。メンタルは弱い方だが、いざって時は強い奴だ。俺も、みんなも、箒の事を信じている。
「生憎様、俺は行けねぇ。だが、見送る事は出来る。行くぞ、箒」
「あぁ……!」
俺と箒は箒と共に部屋を出ていこうとする……前に一夏の側でしゃがんだ。
「……一夏、俺も、仲間も頑張ってる。テメェも頑張って早く戻って来い」
俺は部屋を出ると、箒と共に旅館を出ようとする。出入り口まで来ると、既に専用機持ちの4人は集まっていた。
「ほら、言った通りだろう?やはりカシラが箒を連れて来てくれた」
「まぁ、面倒見のいい一海の事だから、予想は出来たけどね」
ラウラが胸を張っていると、鈴が肩をすくませながら言った。俺はシャルロットの方を見る。
「……シャルロット、幻徳の事は」
「良いよ、大丈夫。言いたい事は言えたから」
シャルロットは平気……なのだろうか。少し不安だ。だが、俺にどうする事も出来ない。悔しいが、今の自分が憎い。
「では、一海さん。旅館の方は任せますわ」
「おう、お前らが無事に戻ってきてくれる事を信じてるぜ」
5人は旅館を出ていった。俺はそれを最後まで見届ける。……後は任せるぜ。
「一海くん」
すると、葛城さんが俺の元へ来た。その顔は真剣なものである。
「話しておきたい事があるんだ。……君は覚えてないだろうけど、君や氷室幻徳を対象にしたとある計画があったんだ」
葛城さんはたんたんと話していく。何故か、嫌な予感がした。聞いてはいけないような。そんな予感が。
「その名はスクラッシュ計画……君がスクラッシュドライバーを使いこなせる理由となった出来事だ」
***
「ハァ……ハァ……ここまでこれば、大丈夫だな」
旅館から少し離れた森林で幻徳は身を潜めていた。
「よぉ、無事か?」
すると、渋い男の声が聞こえた。そちらを見ると、スタークが立っている。
「スターク!……例のドライバーのデータは?」
「あぁ、ちゃんと取ってきたぜ」
スタークの手にはスクラッシュドライバーのデータが入ったUSBメモリがあった。
「やったぞ……!これで俺もライダーに」
「おっとそれは聞けない話だな」
幻徳は喜びの笑みを浮かべ、USBメモリに手を伸ばすが、スタークはそれを拒んだ。それに戸惑いを隠せない幻徳はスタークを見る。
「どういう訳だ……!?俺がライダーになれば、グリスに対抗出来る、貴様はそう言っただろう!?」
「あぁ、その事なんだが……お前に見てもらいたい物があるんだ」
すると、影からとある人物が現れた。ファウストの一員、クロム・タークである。クロムの手にはタブレットがあり、クロムはその画面を幻徳に見せた。
「クロム……これは……!?」
タブレットにはファウストの仲間達がチェスのポーン達によって拘束されている光景だった。
幻徳がクロムを見ると、クロムの服には歯車のバッジが付いていた。ーー難波の物である。
「まさか、お前達は!」
「ご名答!俺達はファウストではなく、最初から難波についてたのさ!」
それを聞いた幻徳はその場で項垂れてしまう。その表情は絶望そのものだった。
「全ては、難波の手のひらの上だと言うのか……ッ!」
「そうさ。
スクラッシュ計画を行ったのも、
ファウストを作らせたのも、
お前にファウストの長をさせたのも、
猿渡一海にネビュラガスを注入させるよう命令させたのも、
お前をIS学園に入学させたのも、
デュノア社を乗っ取ったのも、
シャルロット・デュノアにボトルを持たせたのも、
シャルロット・デュノアを殺すように差し向けたのも、
全て難波と俺がやった事なのさ」
幻徳が怒りに震え出す。全て、目の前の悪意によって仕組まれた物語である事が、許せなかった。
「仲間の事を思うお前に最後のチャンスをくれてやろう。……猿渡一海と、戦え」
それでも尚、悪魔は囁き続ける。
***
「ライダーシステムは、僕と僕の父、葛城忍で創り上げた防衛システムだった。ビルドドライバーは初めての発明品だった。そして僕は、スクラッシュドライバーの理論を組み立てる事に成功した。でもスクラッシュはデメリットが多すぎて、発明する事は断念した」
葛城さんはビルドドライバーを見つめながら話し出す。それは懐かしんでいるようにも見えた。
「その裏で、父さんは難波と共にある計画を立ち上げた。それが、スクラッシュ計画」
葛城さんは、パソコンを取り出すと、それを見せた。スクラッシュ計画の内容について書かれていた。何を書いてるのかはさっぱりだったが。
「スクラッシュ計画はスクラッシュドライバーに適応できる人間を『創り出す』為の計画だった。その中には、一海くん、氷室くんの名前もあった。一海くん、君は、きっとスタークに記憶を抜き取られたんだろうね」
自分の名前が出た時、心臓がバクンと跳ねた。思い出せない、真実。それがついに紐解かれる。
「身体をスクラッシュドライバーに適応できるように改造できるだけ、改造させた存在。つまり、人として人の限界を超えた存在こそが君達だったんだ」
つまり、俺はーー既に人なのに人でない存在だった。
「計画は成功したけど、計画の存在がバレて、被験者の5人のうちの4人は保護が出来た。そして、保護出来なかった最後の1人こそが、氷室くんだったんだ」
『真実の知らないお前に、何が……』
氷室の言葉が思い出させる。氷室はずっと、覚えていたのか。
「スクラッシュ計画は被験者達に様々な効果を与えた。例えば、アドレナリンの過剰分泌の際にセロトニンを自動的に分泌したり、身体・学習・記憶能力を底上げしたり、ハザードレベルが上がりやすくしたり……思い当たる節は、あるかい?」
恐ろしいくらいにあった。
体は丈夫で、運動は誰よりも出来た。
頭は良い……と言うよりかは、察しが良かったり、頭の回転が良かった。
他人の名前や思い出の記憶はすぐに出来てしまった。
「一海くんや、氷室くんは、特異体と呼ばれていた。IS適正を手に入れれたのは、これが原因だと思う。……これを聞いて、君がどうするかは、任せるよ。逃げても構わない。だってこれはーー僕自身の責任だから」
ーーどうしようも、出来ねぇよ。
覆しようのない現実。かつてネビュラガスを注入された事よりもその現実は深く突き刺さっていた。
「最悪だ……」
その場にしゃがみこんでしまう。氷室も、辛い思いしたんだろうな……今ならわかるような気がする。
「ーー何してんだよ、一海!」
ふと、声が聞こえた。そちらを見ると、一夏の姿があった。傷が全て元通りになっている。
「俺の知ってる一海は、そんなんでへばらねぇぞ!」
話を聞かれていたのだろうか。
「一夏……」
「俺よ、正直お前の事が適わねぇなって、すげえなって思った。守るって決めたら、絶対に守ってたから。半人前の俺より、誰かを守れていたから。皆だってそうだ。一海のおかげで、変われた奴がいる。一海のおかげで、頑張ろうと思える奴がいる!」
……あー、何でヤケに一夏がモテるのかが不思議に思ってたけど、そりゃモテるわな。こんなにお人好しな奴だったら。
「それが出来るのは、俺でも、三羽ガラスでも、氷室幻徳でもないんだよ!お前なんだよ、猿渡一海!」
思い出すのは、三羽ガラスや学園の皆、ファームの人達や俺を支えてくれる人達、みーたん、そして……楯無さん。
「あぁ、そうだな。今ここで萎えたら、三羽ガラスに笑われちまう。『そんなんで悩んじまうカシラの器はちっせぇな』って。ありがとな、一夏。お前って結構良い事言えるんだな。馬鹿だけど」
「うぐっ、わ、悪かったな!……じゃ、行ってくるぜ」
俺は「おう」と言うと、一夏は出て行こうとする。俺の横を通り過ぎる時に俺と一夏はタッチした。一夏は向かう、仲間の元へ。
「……行ったか?」
「織斑先生……!」
げ、気づかれてたか。ってか、気配隠すの上手くね。
「全く、勝手に行動してくれる……!帰ったら処罰は確定だぞ」
「お手柔らかにしてやってくださいよ」
「出来たらな……あぁ、後、猿渡」
織斑先生は立ち去り際に俺を呼んだ。俺が「はい?」と返事をした。
「良い仲間を持てただろう?」
「あー、はい。流石は先生の弟だなって思いました」
「自慢の弟だからな。まだ発展途上だが」
弟にさえシビアな所とか、先生らしいなーと思いながら俺は織斑先生を見届けた。
すると、誰かが旅館に現れた。俺が出入口を見ると、ソイツは真剣な顔つきでいる。
「遅かったじゃねぇか、氷室。さぁ、ケリつけようぜ。因縁全部に」
「……」
ナイトローグーー氷室幻徳と俺は見つめ合う。
決戦の火蓋は切って落とされようとしていた。
スクラッシュ計画
スクラッシュドライバーに適応のできる人間を創り出す計画。計画は成功し、被験者には以下の能力が与えられた。
・アドレナリンの過剰分泌の際にセロトニンを自動的に分泌する
・身体・学習・記憶能力の向上
・ハザードレベルの上昇率を上げる
・特異体(一海と幻徳)はIS適正を手に入れる
計画は途中で停止、被験者の内の4人は保護。氷室幻徳のみが行方不明となる。
被験者リスト(5人のうちの3人は文字化けしていた)
・猿渡一海
・氷室幻徳
・×斑××
・×ュー×・××ン×ラ×
・陽××
さて、次回で臨海合宿編は終わりです。スクラッシュ計画の内の2人は外伝に登場予定です。
その次はコラボだ!*\(^o^)/*バンザーイ
では、次回予告!
***
次回、INFINITE・GREASE
辛い事、苦しい事
嬉しい事、楽しい事
自分自身の運命を呪った事
好きな人が出来た事
世界にはまだ希望があると気づいた事
仲間の大切さを知った事
ーーもう、氷室幻徳に明日が無い事
大丈夫だよ。悔いはない。
だから……さよなら。
第18話 さらば、ナイトローグ