龍我「ついに最終決戦か!」
一海「ってか、お前帰る方法あんのかよ?」
龍我「あ、ヤベェ、まだ見つかってねぇ!」
一海「どうすんだよ!この先ずっとコラボとか嫌だぞ俺!」
龍我「俺だって嫌だわ!」
一海「ええい、クローンヘルブロスを倒せばどうにかなるかもしれねぇ!」
龍我「そうだな、覚悟しろクローンヘルブロス!」
2人「てな訳でどうなる第26話!」
「イテテテ……楯無さん容赦なさ過ぎだろ」
放課後、俺は痛む体を動かしながら廊下を歩いていた。
「龍我が来て、もう5日か……」
今思うと長そうで短い5日間だった。もうこのままずっといるんじゃないかって思うぐらい。ーー初めてあった時は「なんだコイツ」って思った。
「バカで、脳筋、KYでデリカシー皆無……初めは嫌いだったなぁ……」
でも今は違った。確かにさっき言った通りの奴だ。でも、アイツは一生懸命だった。生きるのも、笑うのも、戦うのも。
「アイツも、頑張ってたんだな……」
近くに自販機があったのでコーヒーを買う。ガコンと音が鳴ったのを聞いてコーヒーを取り出して振り返ると偶然龍我とばったり会った。
「「あ」」
反応して声を上げる両者。あまりに突然の遭遇に何も言えなくなってしまう。
「……体、大丈夫かよ」
「あぁ、楯無さんの?急に戦う事になっても平気な程度には」
「そうか」
そう言って腕を回す俺。龍我は頷いた。何故だろう。さっきまでコイツの事良いイメージで考えてたから会話しずらい。
「……何か欲しいのあるか?奢るぜ」
「コーラ」
「遠慮ねぇなぁ」
俺は自販機に再びお金を入れると缶のコーラを選ぶ。ガコンと落ちてきたので取り出すと龍我に渡した。
「ほらよ」
「お、ありがとな」
龍我は蓋を開けるとコーラを1口飲んだ。龍我は俺を珍しそうに見る。
「何も言わねぇのかよ。ガキっぽいとか」
「あ?良いじゃねぇか。今日はそんな気分じゃないんだよ」
嘘は言ってない。何故か今は龍我の事を馬鹿には出来なかった。
「……なぁ、ずっと思ってたんだけどよ、お前って何で戦ってんだ?」
龍我がふと聞いてきた。俺は少し考え込む。
「最初は皆を守る為にファウストを倒す為だった……でも、今ではそのファウストも他の奴らに乗っ取られちまった……時々分からなくなっちまうんだよ。守る為に、誰と戦うべきかってのがな」
隠す気のない本当の気持ち。皆を守りたい。それは変える気のない絶対の気持ちだ。だけど、戦う相手に色々ありすぎた。親玉がラスボスで、難波に乗っ取られて……
「そいや、お前はどうなんだよ」
「俺か?俺は……記憶喪失なんだよ。何もねェ」
それを聞いて俺は目を見開く。俺も1部の記憶を失ってた。だけど、自分の事を何も知らないなんて想像出来なかった。
「IS学園は、俺の唯一の居場所なんだ。でも、スマッシュやスターク達が現れる。だから俺が守るんだよ」
何も覚えてないのに、アイツは全力で笑えてた。全力で生きていた。全力で……戦えてた。
多分だけど、アイツは戦ってでしか自分自身を見いだせないのだ。仮面ライダーとして戦う事が万城龍我としての最後の命綱なんだ。
「お前、誰と戦うべきか分からねェ言ってたけどよ。そんなのクッッッソどーでも良いと思うぜ。守りたいのは変わんねェンだろ?」
あぁ、クソ。寄りによってバカに良い事言われるなんて………悔しい。でも、凄く有難かった。
「……ありがとな、筋肉エビフライバカ」
「テメッ、折角良い事言ったのによー!」
「良い事だぁ?あんな程度で俺が感動するとでも思ったら大間違いだっての」
「でもお前聞いた時涙目だったじゃねぇか!」
「見間違いだっての。ほら、缶寄越せ」
俺は龍我から缶を取ると、俺のコーヒーの缶とセットで捨てた。……泣いてねぇからな。涙目になんてなってねぇからな。
「あ、因みにだけどよ……何も出来ない時があっても良いんだぜ?何かしなくちゃいけないのが義務って訳じゃねぇからよ」
「……おう、分かった」
なんだか、微妙な空気になっちまったな。
『侵入者です!特別棟付近に、謎の機械生命体が!生徒の皆さんは早く地下シェルターへと避難してください!』
山田先生の声がアナウンスで聞こえる。って事は、あの歯車野郎だ。
「龍我」
「分かってるっつーの。行くぞ」
スクラッシュドライバーとゼリーを取り出しながら俺と龍我は特別棟へ向かおうとする。
「そういえば特別棟ってどこだ!?」
「お前、カッコよく『行くぞ』とか言ってそれかよ!?ついてこい!」
龍我の素っ頓狂な質問に走りかけていたのをコケかけるが、俺が先導する形で向かう事で直ぐに解決した。
「居たぞ一海!」
「言われなくてもな!」
クローンヘルブロスは、腰を抜かして怯えた表情の生徒の女の髪の毛を掴んで持ち上げている。
「テメー何やってやがる!」
無関係の生徒を襲う事は許さない。俺はドロップキックを歯車野郎の背中にかましてやった。
「ダラァ!」
龍我が髪を掴む腕を捻り上げる。クローンヘルブロスは手を離し、女は地面に崩れ落ちる。
「オイ!大丈夫か!」
「は、はい……」
「だったら早く逃げろ!」
「は、はい!」
龍我がキツい言い方ではあるが生徒に逃げる様に支持する。しかし、逃げ出した先にもう一体のクローンヘルブロスが現れた。
「「なっ!?」」
驚きのあまり同時に声を上げる俺と龍我。龍我が素早く反応してもう一体に突進する。
「早く……ッ!」
龍我が作った隙のおかげで生徒は無事に避難する事が出来た。
「良かった……ガハッ!?」
しかし、生徒の方に意識を向けていた龍我が歯車野郎に殴られてしまう。
「一海くん!大丈夫!?」
「楯無さん!」
すると、楯無さんや専用機持ちのメンツが来てくれた。一夏が龍我をキャッチしている。
「二体に増えてますわね……」
「一体でもアレだけ強かったのに……」
「へっ、何体になろうが関係ねぇな」
「そうだな一海。ブン投げまくってぶち壊してやるよ!」
「アンタ物騒ね……」
鈴がジト目で見る。龍我も龍我で鈴の言う通り言う事が物騒だ。
「そう言うな、鈴。行くぞ龍我!」
「ああ!」
俺は龍我の為にフォローをしておくと持っているドライバーを腰に巻いて、ゼリーをセットした。
『ドラゴンゼリー!』
『ロボットゼリー!』
「「変身ッ!!!」」
俺は挑発的な、龍我はファイティングポーズの様な構えをすると、レンチを下ろした。
『『潰れる!流れる!溢れ出るゥ!』』
『ドラゴン・イン・クローズ・チャージ!!!』
『ロボット・イン・グリス!!!』
『『ブルァ!!』』
俺はグリスに、龍我はクローズチャージへと変身を終えた。
「とりあえず、アイツに効くのは一夏の零落白夜だけなんだろ?だったら、一夏達と一海の7人で左のクローンヘルブロスを相手しろ」
「万城はどうするのだ?」
龍我の案の疑問点を箒が聞く。確かに龍我の言う通りだ。俺には専用機持ちがいるが、龍我は1人だ。
「俺か?俺は右の方を足止めする」
「そんな!危険だよ!」
「確かに危険かもしれねェけど……俺はお前らとほとんど連携の練習した事がねェからな。変に足を引っ張るくらいなら、俺は一人でやってやるよ」
「確かにそれが一番いい作戦だが……」
「おいそれと頷けないですわね」
ラウラとセシリアが龍我を止めようとする。2人だけじゃない。他の仲間達も思いは一緒だ。1週間も経ってはないが、龍我は確かに仲間なのだから。
「誰が一人で足止めするって?」
「この声は……」
物凄く聞き覚えのある声聞いて上を向くと、三羽ガラスがいた。ハードスマッシュになった聖吉の両腕に勝と修也がぶら下がっている。
「お前はムカつく野郎だけどよ……今回は共闘だ」
「そうだよ!僕達も一緒に龍我と足止めすれば、文句ないよね!」
「青羽……黄羽……」
「感傷に浸る暇はないぜ。俺達も行くぜ、青羽!黄羽!」
勝と修也もハードスマッシュになる。なんだかんだ言って三羽ガラスも龍我の事が嫌いではないらしい。良かった。
「これで決まりだな。行くぞ!」
『おう(ええ)(ああ)!!!』
俺の号令に全員が頷くと、俺と龍我は真反対の方向へと走り出した。
「一海くんが指揮を取って!」
「はい!」
楯無さんが槍を構えながら言ってくる。俺は全力で返事をすると、ツインブレイカーを呼び出すと、歯車野郎に接近する。
「オラァ!」
ビームモードで顔面を正確に狙って撃つが、歯車野郎はそれを首を傾けて避ける。しかし、それは想定済みだ。
俺は歯車野郎の真横をスライディングして通り過ぎると、ローズフルボトルをドライバーにセットしてレンチを下ろした。
『チャージボトル!潰れな〜い!チャージクラッシュ!』
腕から放たれる薔薇の茨で歯車野郎をぐるぐる巻きにすると、天井に穴を開けて上の階へ上がり、少し距離を離してから再び穴を開けて元の階へ戻って茨を引っ張った。
歯車野郎の体が浮き、宙ぶらりんになる。少し滑稽だ。
「鈴、ラウラ!」
「オッケー!」
「任せろ、カシラ!」
鈴の龍砲とラウラのレールカノンが歯車野郎に直撃する。煙が晴れると、あろう事か無傷の歯車野郎がいた。
「火力不足かよ……!」
歯車野郎は巻きついていた茨を無理矢理ちぎって解放すると、緑色の歯車の着いたアイテムを銃にはめた。
『ギアリモコン!ファンキードライブ!ギアリモコン!』
銃口を足元に向けると、歯車野郎の姿が消えてしまう。
「消えた……楯無さん、水!」
「アクアナノマシンね!」
俺の言いたい事を理解してくれた楯無さんは辺り一帯にアクアナノマシンを散布する。これでナノマシンに触れた時点で歯車野郎の場所が割り出せる。
「ーッ、一海くん、後ろ!」
「なッ……!?」
後ろを向くと、真後ろで姿を現して銃口を俺の頭に向けている歯車野郎がいた。直撃は確実、避ける事は難しいだろう。
「一海!」
すると、シャルロットが歯車野郎の銃を的確に撃ち落とした。俺はその間に後ろに下がる。
「サンキュ、シャルロット!」
「狙い撃ちは得意だからね!セシリア!」
「お任せを!」
セシリアがビットのビームを放って歯車野郎に当てる。ダメージは少ないだろうが、目潰しにはなる。
「今ならッ!」
『ディスチャージボトル!潰れな〜い!ディスチャージクラッシュ!』
ロックフルボトルをドライバーにセットしてレンチを下ろすと、腕から鎖を歯車野郎目掛けて放つ。しかし、歯車野郎は腕に巻き付けさせてこっちに引っ張ってきた。
「なっ、マズッ……!」
歯車野郎は巻きついていない片腕の歯車を高速回転させて構えている。このままではまたもや直撃確定だ。
「させるかァ!」
すると、箒が鎖を切り離してくれた。体勢を直して後ろへ大きく下がる。すると、後ろから誰かが下がってきた。
「ア?龍我か?」
「俺だよ」
……待てよ、龍我ってプロレスとかそういう系に詳しいよな。て事は……
「龍我お前、俺より敵を拘束するの得意だろ」
「あァ?突然何だよ?」
「いいから!」
「ま、まァお前よりは得意だと思うぞ」
よし、無理矢理ではあるが頷いてはくれた。なら話は次の段階へ踏める。
「そうか。なら、一夏が零落白夜を当てるスキを作ってやってくれ。俺達でかなりダメージは与えておいた」
「なるほどな。分かった。テメー俺が相手してたクローンヘルブロスにやられて死ぬなよ」
「三羽ガラスと一緒で死ぬわけねぇだろ。それより、お前こそ死ぬなよ?エビフライ」
「エビフライって言うな!死ね!」
「さっきと言ってる事真逆じゃねぇかよ」
俺と龍我は方向を180度変えると、走り出す。俺はツインブレイカーにラビットフルボトルを装填すると、スピードが速くなり、一気にもう一体の歯車野郎に接近すると、ぶん殴ってやった。
「「「カシラァ!」」」
「待たせちまったな、テメェら。行くぜ。これまで温めてきた取って置きの連携を見せてやる」
少し後ろへ下がる歯車野郎。その後ろから勝が盾を構えた状態で突進する。俺はレンチを下ろすと、勝と共に迫ってくる歯車野郎をぶん殴った。
『スクラップフィニッシュ!』
「オラァ!」
「よいしょお!」
勝は後ろに倒れると、歯車野郎が見事に吹っ飛ばされる。吹っ飛ばされる先には修也が2本の刀をハサミのように構えていた。
「喰らえッ!」
やって来た歯車野郎を挟み込むと力をいれながら斜め上に持ち上げる。
「今だ!」
「おりゃあああ!」
修也に持ち上げられた歯車野郎目掛けて聖吉が空中から突進する。再度吹っ飛ばされて地面に倒れる歯車野郎。
「そうだ、龍我は……!?」
俺は咄嗟に龍我達の様子を見る。龍我は歯車野郎に鎖で拘束をしていた。しかし、今にも壊れそうである。
「待てよ、ロックフルボトルって……龍我!」
俺はこちら側の世界にあるロックフルボトルを龍我に投げ渡した。
「それを使え!一つで駄目なら二つだ!」
一か八かの判断だ。正直上手くいくかは分からないが、渡すだけ渡しておいて間違いはない。
「テメェら、トドメいくぞ!」
「「「ウス!」」」
三羽ガラスがもう一体の歯車野郎を囲むと、3方向からの突進を行う。衝撃に耐えきれなかった歯車野郎は上へと吹っ飛ばされる。
「「「行け、カシラァァァ!!」」」
「おおおおおおお!!」
『スクラップフィニッシュ!』
俺はジャンプすると、オーバーヘッドキックの要領で歯車野郎を蹴った。爆発が起こり、いつの間にか出来ていた壁の穴へと吹っ飛ばされていく。
「や、やったか……?」
龍我が呟くので、俺達も見に行く。すると、2体の歯車野郎が立ち上がった。ダメージのあまり片方の一体は右の腕を失っている。
「怪物かよ……!」
あまりの粘り強さに声を出してしまう。すると、片方の歯車野郎が突然の崩壊した。
『!?』
突然の事に驚きながらも倒したかと思った矢先、崩壊した装甲はもう片方の歯車野郎に装着された。
「う、嘘でしょ……」
何も言えなくなる中、鈴が絶望するかのように呟いた。
完全な姿へと変えた歯車野郎は目を赤く輝かせると獣の様に吠える。
***
「まだだ。まだここで終われない……!」
震える内海はタブレットを操作して分解されていたクローンヘルブロスを1つへと融合させた。
「全ては、全ては難波重工の為に……!!」
一方、葛城は一海達の元へと向かっていた。
「僕の計算が間違いないなら、ドラゴンの力を使えるのは、龍我くんや一夏くんだけじゃない……!」
走る葛城の脳裏には1つのデータがあった。
それは、クローンヘルブロスを倒せるかもしれない可能性の切り札。
「頼む。間に合ってくれ……!」
決着の時は、近い。
皆さん、次回は待望のアレですよ!お楽しみに!
グリスブリザードの戦いもあと数日……死なないで、カシラー!
第27話 絆のドックタグ
自分関西圏なんで今週も見れなかった……いと残念