INFINITE・GREASE   作:オーマピジョン

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一海「仮面ライダーグリスとして戦う猿渡一海はファウストを乗っ取った難波重工と戦う事になる。IS学園に現れた謎のIS。その正体はハードスマッシュだった」

一夏「子供がハードスマッシュにされるだなんて、世も末だな」

一海「アレ、一夏?って、髪白ッ!どうした!?目も赤いし!グレた!?グレたのか!?」

一夏「落ち着け!俺は別世界の一夏だよ。石動一夏だ」

一海「んだよ、別世界の一夏か。てっきりグレて髪を染めてカラーコンタクト使ったのかと……」

一夏「オカンかお前は!?ったく、さっさと始めてくれ」

一海「そうだな。どうなる、第29話!」


兵器達のオリジン

謎多い元襲撃社、ISハードスマッシュの変身者との事情聴取から数十分が経った。

 

「アイツ、遅いっすね……」

 

俺の隣でいた修也がポツリと言う。勝はゲームしていて、聖吉は寝ている。退屈しすぎたろお前ら。

 

「大丈夫だよ。少し長引いているだけで、いつか終わる」

「カシラ……分かりました」

 

すると、部屋から織斑先生が出てきた。気の所為かとても疲れている様子だ。

 

「せ、先生、アイツは……!?」

「あぁ、その事で頼みたい事があるんだ」

 

修也が先生に詰め寄る。先生は修也を制すると、話を続けた。

 

「あの少女、中々口を開かなくてな。私や山田先生が何を言ってもだんまりだ。そして、先程やっと口を開いた。……相河と猿渡なら話を聞くらしい」

 

それを聞いた俺と修也は顔を見合うと、先生の方を見る。

 

「俺達でやってみます」

「頼む。子供の面倒を見るのは、私よりも猿渡の方が得意だからな」

 

まぁ、子供みたいな奴ら普段から引き連れてますからな。俺と修也は織斑先生の横を通り過ぎると、部屋へと入った。

 

「失礼しまーす……」

 

扉を開けて見てみると、中心に机があり、椅子に座る女の子と向き合う様に2つの椅子が置かれていた。

 

「……アオバと……カシラ?」

 

女の子は思い出す様に呟く。どうやら、戦いの後に呼びあっていたのを聞いていたらしい。頭回るんだな。

 

「えーっと、話しに来たぜ。とりあえず、座らせてもらおうか」

 

修也がぎこちなく言うと、先に椅子に座った。俺もそれについて行くように座る。

 

「さて、まずは挨拶だな。猿渡一海だ。三羽ガラスからはカシラなんて呼ばれてる」

「相河修也だ。えーっと……青羽なんて呼ばれてる」

 

俺達が自己紹介をすると、女の子はコクリと理解したように頷いた。

 

「お前の名前は?」

「検体番号0108」

 

……え、今の名前!?あまりに意外な名前に俺も修也もポカンとしている。

 

「な、名前が無いのか……?」

「私は幼い頃から実験されてた。実験対象に名前は必要無い……て言われてた」

「……誰にだよ」

 

女の子が平然と答える。それを聞いた修也は怒気を孕んだ声で女の子に質問した。

 

「私の『親』に当たる人」

 

俺と修也は沈黙する。つまり、この子の親は、我が子を実験の道具として使っていたと言うことだ。そこに愛情なんて、一切無かった。

 

「ふざけんじゃねぇ!!!」

 

修也が大声を上げながら机に拳を叩きつける。机が少し凹み、拳から血が出てくる。女の子は突然の音にビックリしていた。

 

「修也、落ち着け。アイツが怖がるだろうに」

「落ち着けれるか!親が子に酷い目を合わせてるんだぜ!?カシラだって、何とも思ってねぇはずだ!」

 

俺は修也の肩を強く掴んだ。肩を掴む手を見てから修也は俺を見る。

 

「何とも思ってる訳じゃねぇ。だけど、今は怒りよりもあの子を優先しろ」

「カシラ……すみません」

 

頭を下げる修也。俺は肩を掴んでいた手を離して、ポンと優しく置いた。そして、女の子の方を見る。

 

「大変だったな……もう大丈夫だ。これからは俺達がお前の事を守ってやるよ」

「……青羽達が?」

 

女の子が首をかしげて聞いてきたので頷く。修也は女の子の側まで来ると、頭を撫でた。

 

「IS学園の奴らは全員良い奴らだ。お前の力になってくれると思うぜ」

「うん、分かった」

 

修也の言葉に頷く女の子。それを見た修也は立ち上がった。

 

「よし、じゃあ名前を決めないとな!うーん、俺達三羽ガラスより小さいから……小羽!」

「……こはね?」

 

修也の考えた名前をリピートする女の子……もとい小羽。修也は「おう」と頷くと、小羽は嬉しそうに「小羽……」と呟いていた。

 

「そう言えば、なんでIS学園に来たんだ?」

 

俺はふと疑問に思った事を聞いてみる。小羽は思い出すような素振りをしてから答えてくれた。

 

「研究所から逃げてあちこち飛んでたら、ISがやって来たから、ISに乗ってる人達は皆敵なのかなって」

「『かなって』ってなんだよ『かなって』……」

 

もしかしたら、小羽は敵味方の線引きが濃すぎる所があるのかもしれない。またキャラの濃いヤツが来たなぁ……。

 

「猿渡、どうだ?」

 

すると、織斑先生が部屋に入ってきた。小羽を見てみると、少し警戒しているだけで敵対視している様子は無かった。

 

「心は開いてくれました。会話くらいならしてくれるかと」

「そうか。突然ですまないが、2人に彼女を連れて会議室まで来て欲しい。葛城博士が話をしたいそうだ」

 

俺は小羽を1度見てから、織斑先生の方を見て聞き返した。

 

「ーー葛城さんが?」

 

***

 

「やぁやぁ、突然集まってくれてありがとう」

 

葛城さんがディスプレイの前で挨拶をする。会議室にはいつもの面子が揃っていた。

 

「今回、えーと、君名前は?」

 

葛城さんが小羽を指さして名前を聞いてくる。そう言えば、まだ俺と修也以外は名前を知らなかったな。

 

「小羽」

「よし、小羽ちゃんね。……小羽ちゃんの持っていたISフルボトルに小羽ちゃんの移動経路が描かれていたデータがあった。それを辿ると、とある場所へとたどり着いたんだ」

 

葛城さんはディスプレイを操作すると、何かの建物の構造が映し出された。

 

「難波東京兵器実験基地……通称、東京基地。表向きは難波重工の兵器実験基地。裏向きは……」

「……人体実験」

 

俺の言葉に葛城さんが頷く。

 

「小羽ちゃんや他の子供達を実験対象にして人体実験を行っていた。ネビュラガスの注入等を行っていたんだ。ただの噂だったと思っていたが、本当に実在していたとはね……」

 

葛城さんは悔しそうに拳を握る。科学者として幼い子供を利用する事が許せないんだろう。

すると、シャルロットが手を挙げた。

 

「あの、僕ずっと思ってたんですけど、ネビュラガスってネビュラリウム?から出来てるんですよね?」

「あー、その情報なんだけど………世界政府を誤魔化す為の嘘」

 

それを聞いた直後、全員がびっくりする。最初内海さんに話されたソレは全くの違いだったとは……。

 

「まず、10年前に東京に落ちてきた隕石は知ってるかい?」

「聞いた事あるわね。確か東京の年のど真ん中に落ちてきて、今でも隕石の落下地点では毒ガスが充満してるって……」

 

東京に落ちてきた隕石は、東京に落下。大規模な被害を出した。死者や負傷者、行方不明者を大量に出し、日本に大打撃を与えた。

 

「そう、そして隕石の落下地点から出ている毒ガスこそが、ネビュラガスだ」

 

葛城さんはとある資料をディスプレイに浮かびあげる。

 

「隕石が落下した所からネビュラガスが出ている事を察知した難波重工はそれを隠蔽したのさ。生態兵器を幾らでも製造出来る。それにーー」

 

葛城さんは再び拳を強く握る。悔しさよりも怒りが滲み出ていた。

 

「ネビュラガスを独占する為に……ね」

 

成程。……そりゃ葛城さんもキレるわけだ。

 

「ネビュラガスの放出地点、通称パンドラポイントを創り出した元凶である隕石にはとある箱があるんだ」

 

再びディスプレイが切り替わる。そこには幾何学模様が特徴的な立方体の箱が映し出されていた。

 

「それこそが、パンドラボックス。今も尚隕石の中に眠る禁断の箱だ」

 

更にディスプレイが切り替わり、6枚のパンドラボックスと同じ模様のパネルと、そこにはめられたフルボトルがあった。

 

「フルボトルはパンドラボックスを開ける60本の鍵なんだ。パンドラボックスが開けた者は、絶大なエネルギーを手に入れれる……らしい」

 

葛城さんの最後の言葉に転けかける一同。すると、一夏が葛城さんに質問をしてきた。

 

「『らしい』って、実際に分からないんですか?」

「そうなんだよなぁ。父さんが研究していたそうなんだけど、その時のデータも無いんだ」

 

葛城さんはとても残念そうに項垂れる。

パンドラボックスがどれだけヤバい代物なのかは分かったので俺は現時点で満足だが。

 

「とりあえず、小羽ちゃんが東京基地を壊滅させた今、難波はパンドラボックスの回収に躍起になるだろう。難波にパンドラボックスを渡す訳にはいかない」

 

ディスプレイが切り替わる。そこには『東京基地攻略作戦』と映されていた。

 

「そこで、IS学園の助力の元、パンドラボックスの奪還を狙おうと言う訳だ」

 

それを聞いた全員の表情が引き締まった物になる。

 

「明日の早朝に東京基地に突入、パンドラボックスを回収し、IS学園で厳重保管するのが今回の目的だ。世界を揺るがしかねない物だ。誰の物にも渡ってはいけない」

 

葛城さんの言葉はとても重みがあった。全ての元凶、パンドラボックス。

それを内蔵した隕石が落下して生み出されたネビュラガス放出地点、パンドラポイント。

……何か、凄い事になってきたな。

 

「明日の為に今日は各自休息を取ってくれ。明日は早いし、大勝負だからね!」

 

葛城さんが微笑みながら言うと、俺達は自由解散を行った。俺はふとドックタグをポケットから取り出す。

 

「……大丈夫だ、龍我。俺は迷わねぇ。誰が相手だろうと、心の火を燃やしていくつもりだ」

 

……まぁ、あの筋肉バカの事だから、相手の事とか理解せずに喧嘩売りそうだけどな。

 

「カシラー、飯食べに行こうぜー!」

「僕お腹すいたー。ね、青ちゃん!」

「……あ、おう。そうだな」

 

修也の返答が曖昧なものになっていたのに俺は気づく。……多分、小羽なんだろう。

 

「なぁ、小羽。お前も行くか?ご飯食べに」

「うん」

 

俺は小羽は修也の元へと行く。小羽の奴、修也に懐いてやがるな。

 

***

 

「ギリギリまでー頑張ってー、ギリギリまで踏ん張ってー」

 

晩飯を食った後、廊下を歌いながら自販機へと向かう俺。廊下はシンと静まり返っていた。

 

「ピンチの、ピンチの、ピンチの……お?」

 

すると、自販機の隣にあるベンチに修也が座っていたのが見えた。

 

「よぉ、何してんだよ」

「カシラ……」

 

俺は修也を通り過ぎて自販機の前に立つと、コーヒーを選ぶ。

 

「昔の事考えてしまって……」

「昔って……中学の時か?」

 

修也は幼い頃から親から暴行を受けており、そのせいか少しやさぐれていた。

中学校で暴行騒ぎが起きた時は必ず修也が関わっていたくらいだ。

 

「懐かしいな……凄いワルしてたよな、お前」

「よ、余計だっての」

 

確か、他のヤンキーとつるんでた修也が勝と暴力沙汰になって、俺が修也達ヤンキーをボコボコにしてやった。

その後、修也が俺にちょっかいかけてきて、俺がソレを返り討ちにしてたら、相談を持ちかけられたんだ。

 

「カシラには今でも感謝してるよ。きっとカシラが助けてくれなかったら、俺はいつか死んでた」

 

家庭内暴力を聞いた俺は急いで親父に相談。無事に修也の親は捕まって、修也の身は猿渡ファームの1人が面倒を見る事になった。

 

「小羽を見てたらよ、昔の自分を思い出しちまいまして。少し……むかっ腹が立ちました」

「……そうか」

 

俺はコーヒーを一気飲みすると、ゴミ箱に捨てた。

 

「昔の自分と重ねて見るのは良いが、そのせいで暴走はするなよ。それに、小羽は小羽で自分の過去やこれからと向き合うさ」

「カシラ……はい!」

 

俺は背中を向けて、手を振って立ち去った。

 

東京基地攻略作戦まで、あと少し。パンドラボックスを賭けた戦いは刻一刻と迫っていた。




今回は龍帝王さんの『INFINITE・EVOL』から石動一夏が来てくれました!ありがとうございます!

さて、ジオウが始まりましたね。個人的に変身エフェクトがカッコ良くて好きです。ゲイツ良いね。

次回は東京基地でのパンドラボックス争奪戦が始まります!お楽しみに!

次回、第30話 騒乱のハードスマッシュ
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