INFINITE・GREASE   作:オーマピジョン

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一海「仮面ライダーグリスとして戦う猿渡一海はパンドラボックスを手に入れる為に東京基地へと向かう。次々と現れる難波のハードスマッシュを仲間に任せるが、一海も敵に襲われ、数少ないメンバーでパンドラボックス奪取へと向かった」

??「凄い大混戦だな」

一海「また客かよ。前回の事もあるから少し怖いな……」

龍兎「安心しろ、俺はまだマトモだ。石動龍兎だ、よろしく!」

一海「石動……?まぁ、似たような名前なんてアホみたいにいるか」

龍兎「というか、凄い量のハードスマッシュだな。作者良く全部出そうと思ったな」

一海「ハイそこー、メタ発言しなーい!そもそも作者がし始めた事なんだから、失敗しても作者の責任だろ?」

龍兎「成程、確かにそうだな!」

一海「てな訳でハードスマッシュがアホみたいに出てくるIG第31話、スタート!」


傷だらけのウイング

ーー今でも思い出せる、痛々しい記憶。

 

物心着いた頃には既に人体実験をされていた。

 

「葛城忍がスクラッシュ計画に成功したんだ。私達が失敗するはずが無い」

「頑張りましょう、貴方。我が子を犠牲にしてでも」

 

どうやら私は、あの夫婦の娘らしい。

 

「良いか、検体の諸君。お前は兵器だ。兵器であるお前は、敵を殺す事が幸せなのだ」

 

それ以外は「コジイン」と言う所から連れてこられたらしく。一日を経たずにして帰って来なかった子もいた。

 

「嫌だ!嫌だ!助けて!嫌だァ!!」

 

中には行く事を拒んだ事で殴られたり、注射をうたれたりして実験に連れていかれる子もいた。

 

「検体番号0118が脱走を測ったそうだ」

「愚かな子ね。死ぬ未来しか無いのに」

 

中には脱走を測り命を落とした子もいるらしい。

 

「良い、ハッチー。ここにいる大人達は敵。私たちを人間と思わない化け物なの。でも、痛い事を耐えたら、きっと幸福が待ってると思うの」

 

一番仲のいい検体からは多くを教えてもらった。

 

「ねぇ、あの子は……?」

「検体番号0111か?お前に教えるとでも思ったか?」

 

だが、この研究所の大人達は尽く私の大切な者を奪い去って行った。

 

「大変です!ISフルボトルが過剰適合をーー!」

「早く沈静化しろ!クソッ!このデク人形如きが!」

 

力を手に入れた時は、心の奥底から決心した。私が兵器であろうと無かろうと、幸せだろうと無かろうと、敵を倒して生き延びる。

 

「や、止めろ!許してくれ!父親を殺す気か!?」

「ゴメンなさい!助けて!イヤァァァ!!」

 

敵を○して、私は○き延びてみせる。

 

***

 

「ねぇ、青羽は?」

「相河か?相河なら大丈夫だ。お前は大人しくしとけ」

 

東京基地の外では千冬と小羽が一海達が戻ってくるのを待っていた。

 

「でも、青羽は戦いに行った。とても危ない所で」

「気持ちも分からなくもないが、まだ幼いお前を生かせるわけにはいかない。相河を信じて待つ事が大切な事ーーーおい、待て!」

 

小羽は千冬から走って離れると、ボトルを腕に突き刺してISハードスマッシュへと変貌する。

 

「青羽だけが、私を救ってくれる、幸せにしてくれる!だから、死んだらダメ!」

 

小羽はそのまま東京基地の中へと進んで行った。

 

***

 

東京基地を進み続ける葛城達。すると、これまで以上に広い所へと辿り着いた。

 

「ここだ……ここにパンドラボックスがある!」

 

部屋の中心には巨大な隕石があり、その中にパンドラボックスがあるのである。

 

「ブラボー!良くここまで来れたな。賞賛してやるよ」

 

すると、隕石の影からブラッドスタークが現れた。

 

「スターク!」

「さぁ、最終ラウンドだ。俺『達』を倒してみろ、そして!パンドラボックスを奪うといい!」

 

すると、さらに人数が増えた。

 

「僕はスタークの相手をする。君達も敵の相手を!」

『ラビットタンク!イェーイ!』

 

葛城はラビットタンクフォームになると、スタークに迫る。

 

「私達はパンドラボックスへーー」

「待ちな」

 

楯無が隕石に向かおうとすると、何者かに呼び止められた。

 

「更識楯無、貴方は」

「俺達が相手するぜ」

 

すると、坊主の強面の男と地味目な男が現れる。服装は左右非対称の兵士だった。

 

「貴方達は……!?」

 

2人の青年は腕についている歯車のアイテム、『ギアエンジン』と『ギアリモコン』を抜き取ると強面の方が紫の銃『ネビュラスチームガン』にギアエンジンに装填した。

 

『ギアエンジン!ファンキー!』

 

強面はスチームガンを上に向けて煙を放つとギアエンジンを外して地味目な方にスチームガンを渡した。地味目は銃を受け取るとギアリモコンを装填する。

 

『ギアリモコン!ファンキー!』

 

地味目は正面に煙を放つと2人の姿は見えなくなってしまった。2人は煙の中で宣言する。

 

「「潤動!!」」

 

すると、煙の中で白と緑の歯車が浮遊しながら回転しその体に装着された。

 

『エンジン・ランニング・ギア』

『リモート・コントロール・ギア』

 

煙の中から現れたのは以前一海達が平行世界から来た龍我と共に戦ったクローンヘルブロスが2つに分裂した様な姿だった。

 

「ヘ、ヘルブロス……!?」

「そうさ、俺達はヘルブロス。この俺鷲尾雷はエンジンブロス。兄貴の鷲尾風はリモコンブロスさ」

 

青羽の驚きの声に肯定するエンジン。エンジンはスチームブレードを構えた。

 

「更識楯無、お前は何方から戦いたい?味方と一緒に来ても良いんだぜ?」

「貴方達に……パンドラボックスは渡さない!」

 

エンジンの問いに抵抗の意を見せる楯無。それを見たエンジンは鼻で笑いながら楯無の答えを理解した。

 

「そうか、両方と相手したいか!!」

 

ほぼ同時に駆け出す2人のブロス。楯無はランスを構えるとそれに立ち向かって行った。

 

「か、会長、ッ!!??」

 

青羽が楯無の後を追おうとした瞬間、目の前を何かが通って行った。眼前の床は凍っており、氷のラインはその先にも続いていた。

 

「歌音か。お前も戦うか?」

 

エンジンの先には床を滑べる一体のペンギンの様なハードスマッシュがいた。

 

「雷も風も戦ってる。だから私も戦わねば。何故ならば、そう。私の名はエンペラー……!」

「エンペラー……!?」

 

ドヤ顔(っぽいこと)をするエンペラー。それを見て青羽は戦慄した様な声を出した。……別に意味は無い。

 

「青羽くんはエンペラーの相手をして!私はこの2人を相手に……ッ!?」

「余所見はいけねぇなぁ」

「私達を相手に出来るとでも?勘違いも甚だしい」

 

楯無の隙をついてブレードで攻撃をするエンジン。その後ろでリモコンが援護射撃を行う。

 

「IS学園最強と言えど、所詮は経験値が多少あるだけの小娘」

「お前以上に修羅場越えてる俺達に勝てるわけねぇだろうが!」

 

楯無に迫るエンジンとリモコン。

一方の青羽もあらゆる方向から迫るエンペラーに苦戦を強いていた。

 

「くっ……!」

「速さなら私の方が上……切り刻まれてそのまま倒れて!」

 

氷の上を滑りながら鋭い翼でスタッグを切り裂こうとするエンペラー。スタッグは膝をついてしまうが、己を奮起させて立ち上がる。

 

「ここで終止符を打つ……!」

「ッ、マズイ……!?」

 

エンペラーの一撃を受け止めようとするスタッグ。エンペラーの羽が迫ってきたその瞬間である。

 

ボンッ!!

 

部屋の壁が文字通り吹っ飛んだ。そこから現れたのはISハードスマッシュ、即ち小羽である。

 

「小羽!?」

「新しい敵!?」

「青羽を……傷つけるなァァァァァ!!」

 

瞬時加速でエンペラーに接近したISはその拳でエンペラーをぶん殴った。

 

「むぎゃあ!?」

 

変な悲鳴を上げながら飛ばされていくエンペラー。しかし、体勢を立て直して再び床を滑べる。

 

『面白いゲストの登場じゃないか』

「スターク!」

 

スタークはそれを見て面白そうに笑っていると、ビルドがドリルクラッシャーを振り下ろした。スタークはそれを避けるとスチームブレードを振り上げる。

 

「ッ!」

 

ラビットの跳躍力を用いてバク宙を行いブレードの振り上げをギリギリで避けた。ビルドはロケットフルボトルをドリルクラッシャーに装填した。

 

『Ready、Go!ボルテックブレイク!』

 

ビルドがドリルクラッシャーをスタークに向けると、ドリルクラッシャーが勢い良く放たれた。突然の攻撃に反応できなかったスタークは直撃してしまう。

 

「覚悟しろスタァァァク!!」

 

着地したビルドはスタークに迫る。うつ伏せのまま倒れているスタークはクツクツと笑っていた。

 

『良いねぇ、そうでなきゃなぁ!』

 

スタークはうつ伏せからビルドの方を向くと、胸部から巨大なコブラを放った。

 

「なッ、グアッ!?」

 

かなりの近い距離まで迫っていたビルドは襲いかかってきたコブラに衝突してしまう。ビルドは床を転がるがすぐに立ち上がる。

 

「だったら……!」

『パンダ!掃除機!』

 

ビルドがパンダと掃除機のフルボトルをベルトにセットすると、ベストマッチの音声は鳴らず、ビルドはそのままレバーを回す。

 

『Are you ready?』

「ビルドアップ!」

 

すると、ビルドの左右からパンダと掃除機のハーフボディが装着される。亜種形態トライアルフォームである。

ビルドは掃除機をコブラに向けると、強力な吸引力で吸い込もうとする。少しづつコブラとビルドの距離が詰まる。ビルドは跳躍すると、パンダのクローでコブラを切り裂いた。

 

『なかなかやるじゃないか。なら!』

「ッ!危ない……!」

 

ビルドはライオンフルボトルをパンダの代わりにセットする。

 

『ライオン!掃除機!ベストマッチ!』

 

ビルドは即レバーを回すと、ガラス管がランナーの様な形を作っていく。スタークがスチームガンから銃弾を放つが全てランナーに塞がれる。

 

『Are you ready?』

「ビルドアップ!」

『たてがみサイクロン!ライオンクリーナー!イェイ!』

 

ランナーが重なるとパンダのハーフボディがライオンのハーフボディに変わり、ベストマッチフォーム『ライオンクリーナー』へと姿を変える。

 

『コレでやられてもらうぜ』

『コブラ……!』

「させない!」

『Ready、Go!』

 

スタークはコブラボトルをスチームガンに装填するのを見たビルドはレバーを再び回す。

 

『スチームブレイク!コブラ……!』

『ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』

 

紫の光弾とライオンの頭の形をしたエネルギーが衝突し、爆発を起こした。

 

『成程……お前もハザードレベルを上げてるな。だが、スクラッシュ計画の被験者である一海や幻徳には届かない』

「それでも、僕はお前を倒す!」

 

***

 

拳と羽は数十回の衝突をしていた。縦横無尽に動くエンペラーに対し、不動でエンペラーを迎え撃とうとするIS。互いに1歩も引いていなかった。

 

「このままじゃ終わらない……だったら」

 

小羽は呟くと迫ってきたエンペラーを真正面から受け止めた。

 

「え、うそーん!?待っーー」

「待たないッ!!」

 

焦るエンペラーに小羽は拳を全力でぶつけた。

 

「むぎゃあ!?」

 

再び変な声を出して吹っ飛ばされるエンペラー。その姿は人間の姿へと戻ってしまった。

 

「これで………えっ」

 

エンペラーになっていた人物に迫る小羽。しかし、彼女は固まってしまった。

 

「うそ、歌音……!?」

「……やっぱりその声はハッチーなんだね」

 

ペンギンのリュックを背負った少女は小羽が被験者としていた時の唯一の友達「皇歌音」だった。

 

「何で……何で……!?」

「スマン、ハッチー。今の私は、ブロス部隊の1人、皇歌音なのだ。今の仲間を裏切れない」

 

それを聞いて震える小羽。すると、エンジンが小羽に迫った。

 

「歌音から離れろ!」

『エレキスチーム!』

「うわぁぁぁッ!!」

 

スチームブレードから電撃を放ち小羽を切り伏せるエンジン。小羽はハードスマッシュの姿から人間の姿に戻ってしまう。

 

『哀れなもんだな。そんな体になって尚も戦うとわな』

「どういう事だ!」

 

その様子を見ていたスタークは嘲笑っていると、ビルドが言葉の意味を聞いてきた。

 

「知らないなら教えてやる。コイツの正体はヒューマンスマッシュ。人の形をしたスマッシュなのさ」

 

それを聞いて耳を疑う青羽。ビルドもそれを聞いて固まってしまう。

 

『ここの研究所の奴らはガスを注入しても何も反応が無かったと勘違いしたが……実際は違う』

 

スタークは小羽に近づくと、彼女の髪を掴みあげて顔を無理矢理上げた。

 

『このガキのハザードレベルはずっと2のままでいるのさ』

「そんな……ありえない!ハードスマッシュになる為には3以上のハザードレベルが必要だ!」

『簡単な理由さ。人間とISはベストマッチだからだよ。人間がいないと、ISは動かせないからな』

 

スタークはさも当然かのように説明する。スタークは歌音の元まで小羽を引きづって行った。

 

『ついでに教えてやるよ。コイツは度重なる人体実験と、ISフルボトルとの過剰適合のせいでボロボロになってるのさ』

 

それを聞いた青羽やビルド、そして歌音や本人である小羽は驚愕の事実に絶句してしまう。

 

『空のボトルで成分を抜き取れば消滅するし、コイツの体にネビュラガスがある限りコイツの寿命は……1年と少し程度だろうな』

 

それを聞いた青羽はその場に膝をついて震えていた。小羽は青羽を見る。

 

「青羽……私、死んじゃうの?」

「ッ……ッ……!ウオオオオオオオオオオ!!!」

 

小羽の声を聞いた青羽はブレードを掴むとスタークに迫る。その事にエンジンは気づいた。

 

「兄貴、スチームガン!」

「分かりました!」

 

リモコンがエンジンにネビュラスチームガンを投げ渡すと、スチームブレードと合体させてライフルモードにする。

 

『ライフルモード!ファンキー!』

 

エンジンはギアエンジンをスチームガンに装填すると、スタッグである青羽に照準を向けた。

 

『ギアエンジン!ファンキーショット!ギアエンジン!』

「ぐあああああああああああ!」

 

放たれた一撃はスタッグに直撃。スタッグは地面を転がると人間の姿に戻ってしまった。

 

「青羽!」

「グッ……小羽……!」

 

地面を這いつくばってでも小羽の元へ行こうとする青羽。しかし、痛む体は小羽の元へ行く事を阻ませた。

 

「チクショウ……!小羽が、小羽が何をしたってんだよ!アイツはただ幸せを求めただけなんだぞ!?それなのに、それなのに……何でお前らは!理不尽なヤツらは!望みを奪っていくんだよ……!!」

 

拳を床に叩きつける。瞳は涙で滲んでいた。

しかし、スタークはそれを見て何も思うことなくエンプティボトルを小羽に向けようとする。

 

「小羽ちゃん!」

「行かせませんよ!」

 

楯無が救出に向かうがリモコンが歯車を放って楯無を阻んだ。

 

「きゃああ!」

「更識さん!っ、やめろぉぉぉぉ!」

「行かせるか!」

 

ビルドもスタークを止めようとするが、エンジンが歯車を高速回転させてビルドにぶつける。

 

「があああ!」

 

ビルドは床を転がってそのまま動けずにいた。それを見たスタークは青羽達を嘲笑う。

 

『無様だねェ……さて、大切な仲間を救えなかった事を後悔しな!』

「小羽ぇぇぇぇぇ!!」

 

エンプティボトルが小羽に向けられる。小羽の体から粒子が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーその瞬間、天井が砕け散る。

 

『!?』

 

フロアにいた全員が上を向く。

 

「おおおおおおッ、らぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そこにいたのはセイルフィッシュを蹴りながら落下するグリスの姿だった。砕けた天井からは大量の水が流れ落ちる。

 

「ッ、スタァァァァァァク!!」

 

床に叩きつけられるセイルフィッシュと、見事着地するとスタークを殴るグリス。小羽から成分を奪おうとしていたエンプティボトルは床に落ち、スタークは後ろへと下がる。

 

『グリス……来たか、一海ィ!』

「ハァ……ハァ……待たせ、ちまったな」

 

グリスの後ろ姿を見て泣きそうになる青羽。

 

「か、カシラ!」

 

赤く光る複眼は敵を捕らえていた。ーー逆転が、始まる。




今回のあらすじにはスカーレット@エボルト憑依中さんの「転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件」から石動龍兎が出てくれました!ありがとうございます!

そして!エンペラーハードスマッシュはミストラル0さんからのアイデアです。ありがとうございます!

小羽の衝撃の事実!みたいなのを描きたかったんですけど、途中から鷲尾兄弟がシスコン化してたような……アレェ?

とりあえず、次回はハードスマッシュ戦とグリスの乱入までの経緯を書こうと思ってます。お楽しみに!

第32話 不屈のフレンドシップ
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