INFINITE・GREASE   作:オーマピジョン

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一海「仮面ライダーグリスとして戦う猿渡一海はパンドラボックス奪還の為に東京基地へと乗り込む。激闘の末、パンドラボックスは難波に奪われてしまい、俺達は東京基地の自爆に飲み込まれてしまう」

??「大丈夫ですよ。どうせ主人公補正がありますから」

一海「その声……内海さん!?」

成彰「確かに私は内海成彰だが……何処かで会ったか?」

カンペ『今回来てくれた内海は違う世界の内海です!』

一海「あ、成程な。すまねぇな、人違いだ」

成彰「人違いとは……似たような人でもいるんですか?」

一海「似てるとか言うレベルじゃないくらいのソックリさんが」

成彰「そうなのか……と言うより、お前は無事なのか?」

一海「それを今から話すんだよ。どうなる第34話!」


笑顔のバースデイ

一海達がパンドラボックス奪還の為に東京基地に突入していた頃、IS学園の寮の一室では1人の少女がベットで寝ていた。

 

「あー、楯無や一海くん達は無事に帰ってこれるかな……」

 

彼女の名は石動美空。ブラッドスタークの変身者、石動惣一の実の娘である。

 

「東京基地って難波の施設なんだよね……」

 

美空の脳裏には優しい父親の姿が浮かぶ。父親である惣一が裏切った事を知った美空はとてもショックだった。

 

「でも、ここで挫ける訳にはいかないよね!ファイト、私!」

 

美空は「えいえいおー!」と元気を出すが、その後に大きな欠伸をする。

 

「でも今は眠いから寝る……」

 

美空はベットに横になるとすぐに眠ってしまった。

 

ーーその数十分後、彼女の姿が忽然と消える事になる。

 

***

 

場面は変わり、東京基地が爆発する直前である。

 

「カシラ、まずいですよ!揺れが大きく!」

「分かってる!クッ、はめられたか……!」

 

地下である東京基地を爆発されたらISを纏っても意味をなさないだろう。

 

「絶体絶命かよ……!」

「か、一海くん、アレ!」

 

冷や汗を流す一海を楯無が呼びかけ、とある方向を指さす。一海がそちらを見ると、意外な人物がいた。

 

「み、みーたん!?」

 

そこにいたのは美空だったのだ。美空が両目を開く。その目は虚ろなエメラルドグリーンの瞳だった。

 

『……エボルト』

 

美空の口から美空の声とは全く違う凛とした声で何かを呟かれる。美空の呟きを聞けたのは葛城だけだった。

 

「エボ……ルト?」

 

美空は1度バングルに触れて手を前に掲げる。その瞬間、一海達のいる部屋が爆発をする。

 

「クッ!」

 

一海は反射的に爆発から身を守ろうとする。目を強く閉じるが、一向に爆発に巻き込まれる感じはない。

 

「……?一体どうなって……え」

 

一海が目を開くと、そこは東京基地の外だった。周りを見ると他の仲間達もいる。

 

「しゅ、瞬間移動したってのか、俺達は……」

 

すると、近くで美空が倒れているのを発見する。一海は美空に駆け寄り、その体に触れる前に硬直した。

 

「待てよ?今から俺無防備なみーたんに触れるのか!?どうしよう、手を洗えてねぇぞ俺!いや、でも今回は異常事態だから少しぐらい触ってもいいよな?良いに決まってるよな!心火を燃やして、行かせてもらいまーグエッ」

 

一海が美空に手を伸ばす前に首を掴まれてしまい、変な声を出してしまう。後ろを向くと、楯無がいた。

 

「た、楯無さん……」

「……一海くん」

「……はい?」

「キモイ」

 

その場でフリーズしてしまう一海。余程のショックだったのか、その場で一切動かずにいた。

 

「か、カズミーーーン!!」

 

そのまま動かずにいる一海を見て叫ぶ一夏。正直言うと一海の自業自得である。

 

「……何だったんだ、今のは」

 

周りがバカ騒ぎする中、葛城だけは神妙な顔つきでいた。

 

***

 

「『エボルト』?みーたんがそんな事言ったんすか」

 

東京基地攻略作戦が終了して数時間後。

俺はIS学園の葛城用研究室にいた。俺の他にも楯無さんやみーたん、葛城さんもいる。

 

「あぁ、美空さんはそう言ってたけど……覚えはあるかい?」

 

葛城さんがみーたんの方を向いて聞いてみるが、みーたんは不思議そうにしているだけである。

 

「自室で眠たくなったから寝たら、いつの間にかあそこにいて……記憶にないの」

 

それを聞いた俺達は一斉に頭を回し始める。俺はあの時のみーたんを思い出す。

 

「……あの時の無表情みーたんも中々にアリだブヘッ!」

 

正直な感想が口に出てしまい楯無さんの鉄拳が俺の頬にダイレクトアタックを喰らってしまう。

 

「……最近一海くんの美空さんの熱烈的ファンっぷりに磨きかかってるのは気のせい?」

「磨きと言うより気持ち悪さですよ、葛城博士」

 

何故か楯無さんの辛辣さに磨きがかかってるような気がする。俺はただみーたんへの愛を唱えているだけなのに!

 

「で、話を戻すけど、1番の謎はこのバングルなんだ」

「そういや、そのバングルについて全然聞けてませんでしたけどなんすかソレ?」

 

俺はみーたんの手首についているバングルに目を向ける。変な紋章が彫られたバングルで、黄金に輝いている。

 

「どうやら幼い頃に着けられたらしい。美空はさんは幼い頃、謎の昏睡状態に入ったんだ。原因は不明。でも目覚めたのをきっかけにとある能力を手に入れたんだ」

 

葛城さんは立ち上がると、とある装置の前に立つ。ドアとレンジのような扉の着いた人一人分の高さのある装置だ。確か、葛城さんの仮説研究室が作られた際に置かれていた。

 

「それこそが、ネビュラガスの浄化能力。スマッシュから成分を抜き取ったボトルを浄化して作られた物こそがフルボトルだったんだ」

 

それを聞いて俺はびっくりする。即ち、これはみーたんが作ったという事だ。みーたんが……作った?

 

「つまり、コレはみーたんの愛情で出来tグボォ」

 

今度は腹に蹴りを入れたれた。蹴ったのは勿論楯無さん。ツエーイ。

 

「グ、グフ……」

 

俺は床に倒れると、立ち上がろうと手を伸ばす。その前には楯無さんがいた。

 

「……一海くん」

「は、ハイ……?」

 

楯無さんが俺を呼ぶので震え声で返事をする。

 

「サイテー」

「グハァッ!」

 

最後の言葉にノックアウトする一海。これ以上はどうにも出来ないと判断した葛城は話を続ける。

 

「直での浄化は美空さんの体に負荷がかかるから、僕の手で浄化装置を作り上げたのさ……設計は父さんだけど」

 

苦笑いをしながら懐かしむ様に話す葛城さん。懐かしき頃の思ひ出的なやつだろうか。ドルオタ系最近の若者な俺はまだそういうのは分からなかった。

 

「……でも美空さんのバングルは浄化能力だけだと思っていたんだけど、バングルを調べた結果としてある事が分かったんだ」

 

葛城さんはパソコンまで戻ると、とあるデータを見せてくれた。

 

「コレは?」

「バングルのデータさ。実はバングルから脳電磁波が観測されたんだ。そしてそのバングルの脳波からとある映像が見つかった」

 

葛城さんがキーボードを叩くと、映像が現れる。

それを一言で言い表すなら、『世界の終わり』だった。巨大な塔が存在し、その周りにある都市(?)が巨大なエネルギーによって崩壊しているのが分かる。

 

「んだよコレ……」

「あ、この映像見た事ある」

 

みーたんの一言を聞いた時、全員がみーたんを見た。突然の視線にビックリしつつも、先程の一言について話し始める。

 

「ボトルの浄化をしている時、この映像が頭の中で浮かんでくるの。それで、『こんな風になりたくない!』って強く願った時にフルボトルが完成して……」

 

それを聞いた葛城さんは「ふむ……」と頷きながら考え始めた。

 

「もしかしたら、バングルに人工知能が内蔵していて、地球がこの映像みたいにならないように警告をしているのかもしれないね」

「警告っすか……」

 

そう言えば、パンドラボックスやみーたんのバングル等の謎はアホみたいにある。もしかしたら、俺達はまだ始まりの地点にいるのかもしれない。

 

「カシラ!」

 

すると、ラウラが扉を開けてやってきた。俺を呼んでいたけど何か用だろうか?

 

「おう、どうしたラウラ」

「すまないがこちらに来て欲しい。早急にだ!」

 

俺は「おうおう」と頷きながらラウラのあとをついて行く。

 

「あ、確か今日って……」

「7月17日だ」

「そういう事です」

 

俺に聞こえない会話をした俺を除く3人はにこやかに送り出してくれた。はて?なんの事だろう。

 

「急げ!皆が待っている」

「お、おう……何があったんだよ」

 

急がせるラウラの後を追う。ってアレ?この道って学食までの道のりだよな。学食になんか用でもあるんだろうか。

 

「着いたぞ!さぁカシラ、レッツゴーだ!」

「な、何があるんだよ」

 

ラウラに押される形で学食に行く。

 

パンパンパンッ!

 

すると、乾いた爆発音が連続で鳴り響いた。敵襲か!?と焦ったが、それが全くの見当違いだとすぐに分かった。

 

『一海くん、誕生日おめでとー!』

 

学食には1組の皆+鈴がいた。正直に言うと今何が起きているのかが分からずにいる。

 

「「「カシラおめでとー!」」」

 

すると、三羽ガラスが飛び跳ねてやって来た。何故か勝の手にはタンバリンがある。

 

「……あ、今日って俺の誕生日か!」

 

俺はすぐに理解出来た。7月17日は俺の誕生日である。

 

「そうだよカシラー」

「ったく、みんなの誕生日は覚えられるのに自分のはからっきしなんだな」

「ま、カシラらしくて良いんじゃね?これ、俺達のプレゼント!」

 

聖吉、修也、勝の順で毎年しているやり取りをすると、勝が3人のプレゼントをくれる。それは、3色のバンダナが巻かれたモッズコートだった。

 

「カシラが着たら似合いそうなの頑張って探してきました!」

「上手く着こなしてくれよ」

「大切にしてねー!」

「おう、ありがとな」

 

と言っても今は夏なのでモッズコートは暑い。使うとしたら秋だろう。俺は秋で使う事を楽しみにしながらプレゼントを受け取った。

 

「一海、俺からはコレ」

「これは……中華鍋?」

 

一夏から渡されたのはまさかの中華鍋である。いや、確かに家事力オバケの一夏らしいが……

 

「一海ん家って農家なんだろ?中華にも野菜を使う料理があるから、役に立つかなと」

「成程な。おいテメェら!明日は中華だ!」

「「「バンザーイ!」」」

 

俺は一夏の理由に頷くと、三羽ガラスにちょっとした報告をすると、アイツらは飛び跳ねて喜んだ。うん、役に立ちそうだ。

 

「一海。お前にコレをやろう!」

「おう、ありが……え、木刀?」

 

今度は箒から長い筒状の袋を渡されたので開けてみると、木刀が入ってあった。

 

「そうだ!一海はこれからも戦うだろうからな。これで鍛錬してくれ!」

「剣使うかは分かんねぇが……ありがとな」

 

俺が箒に感謝すると、後ろから襟首を掴まれて引っ張られてしまう。慌てて後ろを向くと、鈴とセシリアがいた。

 

「んだよ、お前らか」

「何よその言い方は……まぁ良いわ。はいコレ」

 

すると、鈴は黒い手帳のような……スマホカバー?

 

「なんでスマホカバーなんだよ」

「それアンタが持ってるスマホカバー見て言える?」

 

俺はスマホを取り出してスマホカバーを見る。……うん、可愛いみーたんが写されてるな。

 

「これの何がおかしいんだよ」

「……それ、会長の前でも言えんの?」

「すみません、有難く受け取ります」

 

鈴の一言ですぐに考えを変える。確かにスマホを取り出す度に楯無さんから冷たい目で見られてたな……。

 

「一海さん、私からはこれを」

「これって……香水?」

 

セシリアから渡されたのはクリアブラックの瓶に入った香水だった。セシリアってそんなのに詳しそうとは思っていたが、本当に詳しい系か。

 

「香水使った事ないからなぁ……上手く使えるか」

「大丈夫ですわよ。一海さんにピッタリな物を選んできましたので」

 

心配そうにしていたら、セシリアがフォローしてくれた。今度教えてもらおうか。

 

「カシラ!」

「お、ラウラか」

 

すると、ラウラがこちらにやって来た。モジモジとして恥ずかしそうにしている。

 

「私からはこれをプレゼントしよう!」

「これは……眼帯?ラウラと同じデザインだな」

 

黒い布地に現代的なデザインの施されたソレはラウラが着けている眼帯と同じ物だった。

 

「カシラは黒いウサギ隊には入れないが……せめてそれを持っておいてほしいんだ」

「おう、良いぜ。コレ、結構カッコイイし」

 

試しに片目に眼帯を着けてみる。片目が見えないが、日常生活に支障はなさそうだ。

 

「どうだ?似合うか?」

「うむ!似合うぞカシラ!それでこそ私達のカシラだな!」

 

自慢げに頷くラウラ。……これ、寮で当分着けてみようか。面白そうだし。

 

「一海、誕生日おめでとう。プレゼントだよ」

「シャルロットか。ありがとな」

 

今度はシャルロットが俺にプレゼントを渡してくれた。小さな箱で、開けてみるとメタリックブラックが綺麗な腕時計だった。

 

「おー、カッコイイな」

「一海って時間見る時とか携帯で見そうだから、腕時計にした方が良いかなって」

 

成程。確かに時間確認はスマホだな。カッコよくてありがたい。

 

「ってか、沢山もらっちまったな」

「皆カシラの事が好きなんだよ!」

 

俺の一言に聖吉が答えてくれる。……そうか、俺は皆に誕生日を祝われる程成長出来たんだ。……本当に、ありがたい。

 

「ヨーシッ!今夜は騒ぐぞゴラァ!」

『オーッ!』

 

***

 

「この大空にー翼を広げー」

 

俺は寮の廊下の窓際で一人立っていた。俺の誕生日パーティは長い時間行われて後片付けをしていると、消灯ギリギリになってしまった。

 

「一海くん、楽しかった?」

 

すると、楯無さんが俺の元に来た。寝る直前だったのか寝巻き姿でいる。

 

「はい、とっても。……皆俺の事を大切に思ってくれてたんだなぁって実感出来ました。だからこそ守っていきたいです。この学園を、ここにいる人達皆の未来を」

 

俺は窓に寄りかかって夜空を見る。地元みたいな田舎と違って星は見えないのが残念だが、黒い夜空も綺麗に感じる。

 

「あ、そうだ。楯無さん、あの……これ」

 

俺はポケットからある物を取り出して楯無さんに渡す。

 

「コレって……ドックタグ?」

「はい、楯無さんのです」

 

水色のドックタグは楯無さんの名前が彫られていた。

 

「感謝の気持ちとして受け取ってくれませんか?」

「……えぇ、確かに受け取ったわ。ありがとね」

 

月の光で照らさせる楯無さんの笑顔。……あぁ、やっぱり俺ってみーたんの事をすっごい応援してるけど、結局楯無さんの事が好きなんだなって自覚した。

 

……その、なんと言うか、大好きです。

 

***

 

「パンドラボックスの回収ご苦労」

 

難波重工では重三郎がパンドラボックスを見て喜色の笑みを浮かべていた。後ろではスタークが椅子の手すりに座っている。

 

『どうって事ないさ。俺はあんた達に協力を仰いでいる身だからな』

 

パンドラボックスを撫で回す重三郎を傍目にスタークは立ち上がる。

 

『で、どうするんだ?次は何をする?』

「聞かなくても知っているんだろう?次の狙いは……」

 

重三郎はクヒヒと妖しく笑う。それを見てスタークも笑い返した。

 

「平行世界に存在する兎の弟子。その餓鬼のデータを手に入れるぞ。楽しみだよ………フハハハハ!」

 

大声で笑う重三郎。それを見ていたスタークは踵を返すと、とあるUSBを取り出す。

 

「じゃあ俺はその世界で、落としに行こうかな。……争いの火種を」

 

悪意は世界を超えて、どこまでも蝕んでいく。

 

「ーーハザードトリガーの力の制御。それが出来れば……きっと……」

 

天才の肩書きを持つ青年はこれから先の未来をどう見ていくのかーー




今回のあらすじにはホテル仮面さんの『INFINITE・MADROGUE』から内海成彰が登場しました!ありがとうございます!IS×ビルドは増え始めてますが、まさかマッドローグまで出てくるとはと最初はビックリしましたね。

さて、次回は特別編!とある作品の主人公との物語です。主役は……一海ではなく、葛城です!天才物理化学者の真骨頂にご注目を!
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