少しずつですが、書いていこうと思います。
ストーリーは動き出す
俺、猿渡一海は一年前に何者かに拉致された。
一週間後に警察がやって来て、俺含めて何人かは助かったけど、一週間の記憶はほぼ無かった。
唯一覚えているのはガスマスクの男達と黒い蝙蝠の男。
体には異常は見つからず、俺は何事も無く日常へ戻る事が出来た。
そして現在。受験も志望校に無事合格し、肩の力を抜いていたある日の出来事だった。
「カシラー!手紙来ましたか?」
「手紙?誰からだ?」
俺の3人の子分。通称「三羽ガラス」の1人、「赤羽」こと大山勝が他の2人を連れて家にやって来た。
3人は中学校の時に色々あって家族ぐるみでの仲になっている。
勝達の手には封筒が握られている。自分にも届いている的な事を言っているが、如何せん覚えが無かった。
「あれー?カシラにも届いているはずだよ?」
黄色いニット帽を被った1番背丈の低い「黄羽」こと三原聖吉が俺の言っている事に首を傾げながら疑問を浮かべる。
「カシラの事だから、手紙に気付いてないだけじゃないのか?ホンットにカシラは俺らがいないと、何も出来ねぇな」
聖吉の疑問に中学卒業したてなのに髭を生やした「青羽」こと相河修也が俺に対して冷たい事を言ってくる。
「悪かったなったく…手紙ってコレの事か?」
俺は新聞や広告が積み重なってる中から茶色い封筒を見つけ出す。封を開けて、中身を見てみる。
「なになに……男性のIS適正検査?頭悪過ぎだろ政府。面倒だから行かねぇ」
「えー、でも言われた事くらいしないとダメだよカシラ」
俺がめんどくさがって横になると、聖吉が足を掴んで引っ張ってくる。抵抗する気も無いのでそのままズルズルと引き摺られて玄関まで連れていかれた。
「ハァ……ったくしょうがねぇ。行くぞテメェら」
「うす、了解っす」
俺が重い腰を上げて立ち上がると、3人も俺に付いて行った。
「ねぇカシラ、さっき引き摺られたのってただ動くのがめんどくさいからーーー」
「知らない。そんなの知らない」
***
ISの適正検査は市民体育館で行われていた。
市内中の野郎が集まっていて何処かむさ苦しい。
「すごい人ですね。カシラ、早速並びましょう」
勝が体育館の端から端までを見渡すと、近くの列に並んだ。
「あ、待ってよ赤ちゃーん!」
「俺達もさっさと並んで済ましましょうぜカシラ」
勝の後を聖吉や修也が追いかけて列に並ぶ。俺もそれに付いて行くと、3人は俺に前を譲り出した。
「カシラが俺達の前に立ってくれないと」
「そーそー!カシラがトップバッターになってくれないと!」
修也の言葉に聖吉がノリノリで賛成する。俺は苦笑いを零しながら3人の前に立った。後ろを見ると3人が笑ってこちらを見ている。
高校も一緒の所に通れた。これからもこの光景を見れる。それだけでも俺は幸せに感じられた。
「次、どうぞー」
俺の番が来たのか、検査官の人が呼ぶ。俺がそちらへ行くと、目の前に大きな鉄の塊がそこにあった。
インフィニット・ストラトス。通称IS。女性にしか乗れない今の所最強の兵器。何故それに男性が乗れるかを検査しているのか。それは俺だけでなく他の奴も知っていた。
ISに乗れる男が現れたからだ。
名は確か……「織斑一夏」だったような気がする。とりあえず、ISに乗れる男が現れたのだ。ならば、全世界の中の何人かがISに乗れる男が現れてもおかしくは無いと考えた国々の連中が態々ISを持ってきて動かせるか否かを調べているという事だ。
「ったく、何で調べる必要があるんだか」
俺は愚痴を零しながらISに触れてみる。
「!?」
頭の中で金属質の音が響くと、おびただしい量の情報が頭の中に流れ込んでくる。しかも、その情報一つ一つが分かる。
ISが、俺に反応して、動いたのだ。
「………」
『……………』
「「「…………」」」
俺が、周りが、三羽ガラスが沈黙する。
手を離して後ろに数歩下がると、俺はフッと笑った。
「どうしてそうなるだよーー!!??」
「「「カシラー!?」」」
俺と三羽ガラスの叫びが体育館中を響かせた。
***
「あぁ、畜生……」
俺は個室に連れされて、現在進行形で項垂れながら待っていた。
「待たせたな」
すると、メガネをかけた男が部屋に入ってきた。男は椅子に座ると、俺と向き合う。
「IS学園で講師をしている内海だ。猿渡一海で正しいな?」
「おう」
内海……さんが身元の確認をしてきたので、頷くと、内海さんはタブレットを取り出して操作をしながら話を始め出した。
「突然だが、君にはIS学園に入学してもらう」
「え……!」
俺が驚いたままフリーズしているのをスルーして内海さんは話を続ける。
「君が入学する予定の高校だが、入学はキャンセルさせてもらった」
それを聞いた俺はすぐに立ち上がった。
「ちょ、それは困る!そこの高校に俺の連れの子分的な奴らも一緒に入学するんだ!アイツら、ホントにバカで、俺がいないとダメなんだよ!なぁ、頼むから入学は良してくれないか?」
俺の脳裏には三羽ガラスの3人が浮かぶ。あいつらは俺にとって兄弟同然の存在。それに、俺がいなくなったら絶対寂しがるし、バカだから何をしでかすか分からない。アイツらが心配でしょうが無いのだ。
「……猿渡一海。君がISを動かした時点で君はイレギュラーなのは確定だ。そうすれば君の身に何が起こるかわからない。もしかしたら、君の周りの人間までも影響を与える可能性もある」
内海さんの話を聞いた俺は手を強く握りながら再び座る。内海さんは俺の肩に手を起きながら問いかけた。
「君はそれでも、入学を拒否するかい?」
俺の体は自然と震えていた。思い出されるのは、俺の後ろで笑う勝、修也、聖吉の3人。
俺の答えは既に出ていた。
「分かったよ、内海さん。ーーーけどよ、条件があるんだ。聞いてくれねぇか?」
そして、4月。
俺はIS学園に入学する。
物語は、すでに動き出していたことに知らないまま。
どうでしたか?
短めですが、今後から文字数は多くなっていくかと。
感想、意見、指摘なんでも良いので書いてくれると嬉しいです。
次回はIS学園に入学です。
三羽ガラスとカシラの運命や如何に。