INFINITE・GREASE   作:オーマピジョン

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葛城「仮面ライダービルドとして戦う葛城巧は仮面ライダーグリスこと猿渡一海と共に難波重工と激闘を繰り広げていた」

雪兎「そんな中、異世界から来た天野雪兎と邂逅、難波からパラレルボトルの奪還をする為に研究所へと向かう」

一海「三羽ガラスが強化される中、新たな敵が迫っていた……」

葛城「敵も強くなってきたし、こっちも強力なアイテムで強化するしかない!」

一海「いつの間に!?」

雪兎「アイテムは見ましたけど、どんな形態なんですか?」

葛城「そりゃあギュインギュインのズドドドドドド!って感じに変身して戦うのさ!」

一海「ダメだ、何言ってんのかさっぱり分かんねぇ……」

雪兎「百聞は一見にしかずって事ですね」

葛城「多分、そんな感じ!さぁ、どうなる第43話ッ!」


希望のラビット

「そこっ!」

 

楯無が虚空に向けてガトリングを放つ。すると、バタフライが透明状態を解除してそれを避ける。

 

「容赦なさすぎでしょ!?」

「ゴメンなさいね。でも、任されたからには頑張るしかないの!」

 

バタフライの透明が見破られるのはミステリアス・レイディのアクアナノマシンを空中に散布しているからである。

 

「ならコレで!」

 

バタフライは2つの斧を合わせて大斧にすると、楯無に接近する。

 

「セヤッ!」

「ハァッ!」

 

楯無も対抗して槍で防ぐ。しかしそれは普段使う槍とは違う物だった。

 

「雪兎くんから貰ったこの武器の使い時ね!行くわよ、メリクリウス!」

 

長い柄の石突きの部分に飾り布を持ち、複数のパーツで構成された大型の刃を持つ変わった形状のランス、その名もメリクリウスである。

 

「あの天災、変なの作ってる!」

「人のものを変なの呼ばわりは酷いわね。ハッ!」

 

楯無がメリクリウスを振ると、槍が蛇腹に展開してバタフライに放たれる。

 

「くっ、素早い!」

「ほら、早く動かないとやられちゃうわよ?」

 

悪役みたいな事を言いながら槍を巧みに扱う楯無。バタフライは槍を避けると、一気に接近を仕掛ける。

 

「蛇腹を戻すのにはタイムラグがある、そこを狙えば!」

 

バタフライが斧を振るう。楯無は石突きの方を振るうと、布と斧が当たって火花を散らせた。

 

「ウソ、それホントに布!?」

「特殊な布なのよ。言ってもわからないしょうけど!」

 

楯無は布を巧みに操作してバタフライに巻き付けると、もう片方の槍を構える。

 

「覚悟しなさい……ミストルティンの槍!」

 

楯無は全てのアクアナノマシンを槍に纏わせると、バタフライにぶつけた。直撃したバタフライは変身を解除される。

 

「うぐぐ……覚えてなさいよ!うわーん、隊長ー!」

 

即座に楯無から逃げる揚羽。楯無は追撃する事はせずに先に進む事を選ぶ。

 

「さてと……待っててね、一海くん!」

 

楯無はスラスターを吹かせると、研究所内を駆け抜ける。

 

***

 

「ハァ!ドラァッ!」

 

一海達はワームホールが開くのを防ぐ為にそれを阻むハードガーディアンと戦っていた。

 

「この調子なら、行けそうだな」

「どうだ!俺達を舐めんじゃねぇ!」

 

一海と一夏が言うと、再びハードガーディアンを倒す。確かに、この状況は一海達が有利だった。

すると、何者かが現れた。それに気づいた一同はそれを見る。

 

「アレは……」

「スクラッシュ、ドライバー……!?」

「て事は、アイツって……」

 

箒、セシリア、鈴が驚きの言葉を出す。

紫色の装甲。胸部には白いヒビのようなものがある。顔には下からワニが噛み付いたような装甲がついている。そして、その腰にはスクラッシュドライバーが巻かれていた。

 

「あの時の、仮面ライダー……!?」

 

一海は以前遭遇したライダーと見た目が一致していたのに気づく。

 

「アイツ……」

 

雪兎も紫のライダーに何かを思うが、黙って見ているだけである。

 

「あのライダーって……」

 

そのライダーを見たシャルロットは何かを感じ取る。

紫のライダーは白い手で指を動かして挑発する。

 

「へぇ、大人数でも勝てる自信があるって事ね」

「カシラが相手する前に倒してやろう!」

 

鈴とラウラが最初に接近する。鈴が衝撃砲を構えるのを見計らってラウラが紫のライダーの後ろに回ってAICで拘束する。

 

「やれ!」

「勿論ッ!」

 

ラウラの一言に応じつつも鈴は衝撃砲を放つ。ラウラはAICを解いてその場から離れると、紫のライダーに直撃した。

 

「やったか!?」

「フラグ……って言いたいけど、衝撃砲をマトモに受けて立っている事は……」

 

爆風の中から無傷の紫のライダーが現れる。それを見た一同は驚愕する。

 

「ウソ!?」

「なんて硬さだ……!」

 

すると、紫のライダーはネビュラスチームガンとスチームブレードを合体させると、ライトフルボトルを装填してからバルブを回転させる。

 

『ライフルモード!ファンキー!』

『フルボトル!』

『エレキスチーム!』

 

紫のライダーは2人に銃口を向けると、引き金を引いた。

 

『ファンキーショット!フルボトル!』

 

銃口から光弾が放たれる。それを見て既視感を感じたラウラは即座に行動しようとする。

 

「同じ手は2度も……同じ手、だと……!?」

 

その瞬間、光弾が電気となってスパークする。雷撃をマトモに受けてしまった2人は倒されてしまう。

 

「鈴、ラウラ!このォッ!」

『キードラゴン!』

 

一夏はISを解いてビルドドライバーを巻くと、キードラゴンフォームへと変身する。一夏は再びレバーを回すと右ストレートを放った。

 

『Ready、Go!ボルテックフィニッシュ!』

「オラァァァァァッ!」

 

右ストレートが紫のライダーに当たると、そのまま押し切ろうとする。しかし、紫のライダーはビクともせず、何も言わずにレンチを下ろした。

 

『クラックアップフィニッシュ!』

「なッ……!?」

 

紫のライダーは拳を簡単に振り払うと、跳躍する。そして、両足を広げると下半身にワニのようなエネルギーが纏われ、両足で一夏を挟み込んだ。

 

「グアッ、ガァァァッ!?」

 

一夏はそれを振りほどこうとするが、紫のライダーはそれを解くことはせず、何度も体を捻じる。それはまるで、ワニが獲物を食いちぎろうとするデスロールの様に。

 

「ぐあああああああああああ!!」

 

投げ飛ばされた一夏は壁に激突すると爆発を起こす。一夏は変身が強制解除されながら床に倒れた。

 

「一夏ァ!テメェ、何もんだ!」

 

仲間をやられて怒りに震えるグリスは紫のライダーの名前を聞いた。紫のライダーはグリスを静かに見ると、その名を名乗った。

 

「仮面ライダー……ローグ」

 

ローグの名に全員が反応する。反応せずにはいられなかった。グリスはその名前を聞いた上で怒りを増していく。

 

「テメェ……ローグの名前はアイツだけのもんだ!ただでさえ難波が使ってるのが許せねぇのに……!」

「待て、カシラ……!」

 

グリスが紫のライダーに立ち向かおうとする前にラウラが制止する。グリスはそれを聞いて止まった。

 

「先程の攻撃……私が知っている前提でやらねば通用する様な攻撃だった。臨海学校襲撃の際に劣化版でやられたからな」

 

臨海学校襲撃の際、ラウラはライトフルボトルを使った目くらましで身動きを封じられた。今回はスパークさせる事で隙をついた攻撃へと変化していた。

 

「そんな攻撃をした人物はこれまで一人しかいなかった……そうだろう!?」

 

ローグは何も言わずに顔を伏せるが、その手をベルトに装填されている紫のボトル『クロコダイルクラックボトル』を掴んで引き抜くと、変身を解除した。

 

「やはり、お前だったか……!」

 

装甲が紫の粒子となって消えていき、その姿が顕になる。そこには黒と赤のスーツを着た1人の少年がいた。

 

「なん、何で、お前……!」

「嘘……」

 

グリスとシャルロットもその変身者を見て驚愕する。2人だけではない、他のメンバーも何も言わないだけで驚いていた。

 

「……久しいな」

 

そこには、氷室幻徳が立っていた。

 

「幻徳……何で、何で難波なんかに!」

 

すぐに聞いてきたのはシャルロットだった。幻徳は感情を変えること無く平然と答える。

 

「俺の目的を達成するにはこうするしか無かった。ただそれだけの事だ」

「目的だと……!?その為にお前はシャルロットを裏切ると言うのか!!」

 

ラウラの糾弾にシャルロットが肩をビクッと震わせる。今のシャルロットの感情はゴチャゴチャだった。

幻徳との再開に喜べばいいのか、無事だった事に安堵すればいいのか、裏切った事に怒ればいいのか、悲しめばいいのか。

 

『お取り込み中すまないが、感動の再開は終わりだ』

 

突如ブラッドスタークが姿を現すと、幻徳の隣に立つ。

 

「スターク……!」

『殺される予定だったコイツを、仮面ライダーにしてやったのさ。感謝してくれよ〜、生き延びさせる為にあの手この手を使ったからな』

 

スタークは幻徳の肩に手を置くが、覚めた目で見られながら払われる。

 

『それに、『門』は開かれた!』

 

スタークの宣言と共に、ワームホールの中心部が開いて大きくなり、景色が見える。

 

「雪兎くん、あのIS学園は……」

「はい、俺のいる世界のIS学園です」

「クソ、開かれちまったのか……!」

 

すると、ワームホールの左右からハードガーディアンがゾロゾロと行進して現れると、ワームホールの中へと入っていく。

 

『ブラボー!素晴らしいねぇ。じゃ、俺も行くとしますか』

「待て、スターク!」

「させるか!」

 

スタークがワームホールへ向かおうとするのを止める為にビルドが走り出すのをブロス2人が止めようとするが、その前に弾丸が足止めをした。撃ったのは雪兎である。

 

「巧さん、このパチモン兄弟は任せてください」

「任せたよ!ビルドアップ!」

『ラビットタンク!』

 

ブロス2人を雪兎に任せた葛城はラビットタンクへと姿を変えると、スタークに迫る。それに気づいたスタークは葛城の方を向いた。

 

『来るか、葛城ィ!』

「スタァァァァァク!!」

 

スチームブレードとドリルクラッシャーで鍔迫り合いをすると、両者は1歩下がる。

 

『そもそもお前がパラレルボトルを保管しなかったらこんな事は起きなかったぞ?自分の事を棚に上げるとは酷いもんだねぇ』

「うるさいッ!!」

 

ワームホールが開かれ、雪兎の世界のIS学園が襲われている事に焦りを感じている葛城は声を荒らげながらスタークに攻撃する。

 

『お前がライダーシステムを作らなかったらこんな悲劇は起きなかった。そうだろう!だが、それを受け入れられないから愛と平和なんて抜かして自分を正当化している!』

「違うッ!そんな、そんな事は……!」

 

スタークはビルドの振り下ろしをスチームブレードで受け止めると、ヤクザキックをして距離をとると、トランスチームガンを連射する。

 

「うわぁああああっ!!」

 

隙だらけだったビルドは全弾命中してしまい、その場に膝をついて倒れてしまう。

 

「巧さん!」

 

雪兎がビルドを呼びかけるが、ビルドは反応する事はせずに倒れたままである。

 

「(願うなら、このまま眠って、覚めたら全て夢で終わって欲しい……僕が創り上げてきたものが、誰かを傷つけてしまうくらいなら……)」

 

力を入れること無く、そのまま力尽きようとする。その前に雪兎は葛城を強く呼びかける。

 

「巧さん!俺が信じる貴方が信じる、科学を、正義を捨てないでくれ!!」

 

それを聞いたビルドはピクリと反応する。ゆっくりと雪兎の方を見てから、他の仲間達を見た。

 

「(そうだ……皆が僕の事を信じてくれている。これまで僕が、いや皆が築き上げてきた物は、全て無駄じゃない……!)」

 

両手に力を入れて踏ん張ると、立ち上がった。ビルドは正面を向いて倒すべき敵を見据える。

 

「この力は、ビルドは!僕一人だけじゃ創れなかった。皆で作り上げてきたんだ!それを間違っているだなんて言わせない!」

 

ビルドは仲間達を背にハザードトリガーを取り出す。

 

「この力は、愛と平和の為の希望!僕は……僕を超えてみせるッ!」

『マックス!ハザードオン!』

 

ビルドはハザードトリガーの蓋を開けると、ボタンを押して起動させると、ベルトにセットした。

 

『超えるだァ?ハザードレベルの足りないお前が、ハザードトリガーを使っても何も変わらないのにか?』

 

すると、ビルドは大きな容器を取り出す。その中にはフルフルラビットタンクボトルがあり、容器を開けて取り出した。

 

『ん?何だソレは……?』

 

ビルドがそれを振ると、ピョン!ピョン!と少し間抜けな音が鳴る。5回振ったところで金色の方の蓋を回転させると、緑の無地だったアイコンが赤いウサギへと変わった。

 

『ラビット!』

 

ビルドはフルフルR/Tボトルを折り曲げると、ドライバーに装填した。

 

『ラビット&ラビット!』

「ビルドアップ」

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!Are you ready?』

 

ビルドがレバーを回すと、ハザードフォーム同様プレートに挟まれてハザードフォームへと変化する。

 

『オーバーフロー!』

 

すると、赤いウサギが彼方からやって来た。ウサギは5つのパーツに分裂すると、ビルドの方へと飛んでいって装着される。

 

『紅のスピーディージャンパー!ラビット!ラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

両腕両足にはバネのスプリングが付けられており、胸部には黄金のビルドのマーク。背中には大きな兎の耳が付けられている。ウサギを模した両目は金縁がついていた。

 

ビルドの新たなる力、ラビットラビットフォームである。

 

「アレが、ギュインギュインのズドドドドドド……!」

 

雪兎の驚きの声があがる。意味不明な擬音だが、何故かしっくり来た。

 

「ハッ!」

 

ビルドが駆け出すと、3秒足らずでスタークに接近して、右ストレートを放った。反応出来なかったスタークはモロに受けてしまう。

 

『クッ、コイツは速い……!』

 

スタークが殴りかかるが、一瞬で回り込んで蹴りを入れる。スタークの体は簡単に軽く飛んだ。

 

『馬鹿な。この威力は暴走状態とほぼ同じ……!?なら何故自我を失わない!』

「もう自分を見失ったりなんかしない……この力は、完全に僕の力だ!」

『ほざけぇ!』

 

スタークは大量の黒い針を放つ。一つ一つが致死性のある毒があるのだが、ビルドはそれを巧みに避けながらスタークに迫る。

 

「は、速い……!?」

「成程、葛城もまた強くなっているのか」

 

一海でさえ視界に捕らえ着るのが精一杯である。ビルドの奮闘を見ている幻徳は頷くだけで焦る様子は無かった。

 

『こんはハズは……有り得ない……!!』

「有り得ない事なんてない。皆で作ったビルドに、不可能は無い!」

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!Ready、Go!』

 

ビルドは跳躍すると、足が伸びてスタークの目の前で停止する。

 

『ハザードフィニッシュ!ラビットラビットフィニッシュ!!』

 

スタークはそれを振り払おうとするが、その前に足が縮む力を利用したキックがスタークに命中した。

 

『ぐあああッ!グッ……おのれ、おのれおのれおのれ……!!まぁいい。今の目的はワームホールだからな……!』

 

スタークは胸からコブラを放つと、コブラはスタークを連れてワームホールへと入って行った。

 

「しまった!」

「大丈夫ですよ、巧さん。向こうの皆は簡単にはやられません」

 

逃げられた事に焦り出すビルドを雪兎が止める。それを見ていた幻徳はネビュラスチームガンで姿を消した。

 

「敵は向こうの世界に行ってしまったか。後は俺に……って、言っても聞きませんよね」

「勿論。一海くん、付き合ってくれるかい?」

 

雪兎が半分察した様に言うと、葛城はそれを肯定して一海に同行を求める。

 

「分かりました……お前らはこっちの世界で待機してくれ。頼むぞ」

「「「了解!」」」

 

雪兎、葛城、一海の3人はワームホールの方を見る。

 

「……行くよ!」

「「はい!」」

 

3人はワームホールの中へと走っていく。戦いの場はもう1つの世界へと移っていく。




楯無の地味な強化です。メインヒロインですから!
そして、ローグの登場と幻徳の復活。嫁を裏切るなんて、なんて奴だ!(主犯)

そして……ラビラビの登場でございます!葛城式の変身なのはお約束。

次回は、兎世界での最終決戦でございます。一海のあのアイテムやあのフォームも……お楽しみに!

次回 天才がタンクで異世界にやってくる
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