INFINITE・GREASE   作:オーマピジョン

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一海「仮面ライダーグリスとして戦う猿渡一海は楯無、三羽ガラス、小羽を連れて帰郷する事になる。しかし、故郷にも難波の魔の手が伸ばされていた。
一海、そして仮面ライダーディケイドこと門矢士は三羽ガラスや楯無と共に難波の研究所に向かい、そこで難波の連中と戦闘。しかし、謎のライダー・ディエンドによるボトルの強奪により、撤退を余儀なくされる」

士「よりによってアイツまでこの世界に来るなんてな……まぁ、今は別の話をするか。来客が来てるぞ」

一海「どんな奴ですかね?」

桐也「やっほー、人気作品のあらすじに出演して自分達の作を布教しに来た九条桐也だぜー」

一夏「そしてその暴挙を止めに来たついでにこっちに来た別世界の一夏だ!」

一海「あらすじ限定だけど原作キャラ量産率凄いな」

士「別作品なんだし良いだろ」

桐也「そう言えばおたくの世界にもピンクと青のバーコードが来たんだっけ?」

士「ピンクじゃない、マゼンタだ」

一海「お、おう、士さんは味方だな」

一夏「ピンクの方は俺達と共闘したな」

士「ピンクじゃないマゼンタだ」

一海「へ、へぇー、偶然だな」

桐也「どの世界でもピンクのバーコードは心強いな!」

士「ピ ン ク じ ゃ な い マ ゼ ン タ だ」

3人「………ハイ」

士「それじゃあ、50話始めるぞ。ピンクじゃないぞ、マゼンタだからな」

3人「おのれディケイドーッ!」


命短し恋せよカップル

研究所から抜け出した一同は研究所の外でガーディアンと戦うキラービーとハンマーがいた。

 

「もう用は終わったの!?」

「あぁ!赤羽、頼む!」

「任せてください!」

 

キャッスルは掴んでいたオウルから離れて地面に降り立つと、頭の額にエネルギーを宿す。

 

「伏せろ!」

 

キラービーがハンマーを掴んで無理矢理伏せると、キャッスルのレーザーがガーディアンの上半身と下半身を分断させた。断面は赤く焼けており、ガシャガシャと音を立てて崩れ落ちていく。

 

「よぉし、進むぞ!直進のワゴン車は近くに停めてあるはずだ!」

 

走る一同はワゴン車を見つける。一海が手を振ると、運転手にいる直進がそれに気づいた。

 

「カシラ、カギ空いてます!乗ってください!」

 

一海は助手席のドアを開けながら足で器用に後部座席のドアを開けた。一海以外のメンツが一海の開けた後部座席のドアの方へと入っていく。

 

「発進!」

「了解スーッ!」

 

直進がアクセルを踏んで車を発進させる。ドアを閉めている途中だが、一々気にしている暇なんてなかった。

 

「一応、撒いたか……!?」

 

ふと窓を見ると、何事も無かったかのように走らせているマシンディケイダー……士がいる。

 

「そういや、あの青色の奴、士さんの事を……」

 

一海はディエンドの事を思い出しつつも、士に聞くべきだと確認した。

 

***

 

「「ライダージャンプ」」

『『RIDER JUMP』』

 

ポッパー2人がベルトに付いているポッパーゼクターの足を反対方向に倒すと、足にエネルギーが宿る。そのエネルギーで2人は跳躍した。

 

「ッ、雷、来ますよ!」

「分かってらァ!」

 

ブロス2人も腕の歯車を高速で回転させる。

 

「「ライダーキック/パンチ!」」

『RIDER KICK/PUNCH』

 

キックホッパーの飛び蹴りとパンチホッパーのストレートが繰り出されると、ブロスも対抗して高速回転された歯車で殴り付けた。

爆発し、炎が撒き散らされる。……炎から吹っ飛ばされてきたのはホッパー達の方だった。床を転がり、力尽きる2人は消滅していった。

 

「ハァ、ハァ、中々やる敵でしたね……」

「俺達兄弟に比べたらどうってことねぇ」

 

しかし、侵入者を逃し、挙句第3の存在からボトルを奪われた。

 

「兄貴、このままじゃ俺達はーー」

「分かってます。ですが、戦うしかない。私達には血は繋がっていなくても、守るべき家族もいますから」

 

エンジンの不安そうな言葉にリモコンが肩に手を起きながら諭す。難波に入った以上、難波の為に命懸けで戦うしかない。それが、自分達『難波チルドレン』なのだから………

 

***

 

翌日、一海達は久々に農作業の手伝いをしていた。

 

「こうするのも、数ヶ月ぶりだな。案外感覚ってのは抜けねぇもんだ」

「やってない時間よりも、長年やってきた時間の方が長いからね!」

 

一海と三羽ガラスが作業している様子を、楯無、小羽、一海の母が見ていた。

 

「小羽ちゃんって言うんだ。私、一海のお母さん」

「カシラのマッマ……つまり叔母さん」

「ウフフ、そうなるわね」

 

叔母さん呼ばわりされて笑顔で接している一海の母を見て、楯無は一海の親なんだなぁとうなずいてしまう。

 

「……ねぇ、楯無ちゃん」

「あ、はい、どうかしましたか?」

 

一海の母は楯無に話しかける。一海の母は小羽の頭を撫でながら楯無を見ると、優しい暖かさのある声で聞いてきた。

 

「楯無ちゃんは、一海の事好き?」

 

一海の母の問に楯無はポカーンとした後、顔を赤くする。

 

「すっ、すすすすすす、好き、ですか!?」

「フフフッ、そんな慌てなくていいのに。安心して、あの子には言いふらさないから」

 

慌てふためく楯無に一海の母は笑いながら諭す。楯無は顔をほんのり赤くしながら、コクリと頷いた。

 

「やっぱり?あの子、電話越しに凄い嬉しそうだったから、もしかして……なんて思ったんだけどね。楯無ちゃんも薄々気づいてるでしょ?」

 

そう聞かれた楯無は少し反応に困る。自分自身、「もしかして」と内心思っていたが、一海の母に言われて確信を得た。

 

「あの子、あぁ見えて恋色沙汰は不器用でね。楯無ちゃんの方からアプローチかけてくれないと、多分ヘタレて関係が滞ったままになっちゃうと思うから」

 

一海の母は遠くで三羽ガラスと騒ぎながら農作業を続ける一海を見る。楯無もつられて一海を見た。

いつも通りのハツラツとした好きな人の笑顔。あの笑顔をもっと近くで、もっと長い時間見れたら……と何度思っただろうか。

 

「今日は夏祭りでしょ?一海、絶対に2人っきりの場所に連れていくから、その時に絶対に押してあげてね」

「分かりました……頑張ってみます」

 

真上に登っていた太陽は少しずつ傾いていこうとしていた。

 

***

 

夕方。神社近くは屋台と人で埋め尽くされていた。

一海と三羽ガラスも既にやって来ており、屋台を転々としていた。

 

「楯無さん早く来ないかなぁ……花火まで間に合うかなぁ……」

「心配しすぎですよ!会長ならちゃんと来ますって!」

「かひらはしんぱいひょうだひゃあ」

「お前は飲み込んでから言え」

 

ソワソワする一海に三羽ガラスが宥める。しかし、一海の落ち着きが取り戻されることは出来てなかった。

 

『女の子はおめかしが必要なの。一海達は先行っときなさい』

 

母に言われた一海は言われるがままに祭りへと向かった。まぁ、楯無と合流したら三羽ガラスと離れてしまうから、三羽ガラスと一緒にいれる内にいとくのは良いと思う。

 

「いたいた、一海!」

 

その声が聞こえてバッ!とそちらを見る。

楯無がいた。ただ単に鮮やかな着物を着た楯無なのだが、しかし、一海はそれを見てフリーズしてた。

 

「皆、待たせてごめんなさいね。小羽ちゃんと一緒に着替えてきたの」

 

ヒョコリと楯無の後ろから小羽が現れる。三羽ガラスがおー!と感嘆の声を出した。

 

「小羽、凄い似合ってるな」

「ありがとう……カシラは?」

 

青羽が撫でながら褒めると、小羽は嬉しそうに笑う。小羽は一海の方を見るが、一海は直立してるままだ。

 

「カシラ?どうしたの?」

「カシラ?カシラー?」

 

赤羽と黄羽が話しかけるが、微動だにしない。2人が動き回ってみるが、ピクリとも動かない。そして、三羽ガラスは察した。

 

「「「気絶してる……」」」

 

カシラは何処までものカシラだなぁっと三羽ガラスは思いながら放置する。

 

「あの、一海くん?」

「えっ、あっ、すみません。何でもないすよ。あはははは!」

 

楯無に呼びかけられてやっと目覚めた一海は取り乱しつつも気を取り直す。

 

「じゃあこれから少し回りましょうか!」

「えぇ、花火まではまだあるからね」

 

一海達は人の流れに紛れて進んでいく。時々、屋台の人が一海に声を掛けてきた。

 

「一海じゃねぇか!隣にいる子はカノジョさんかい?」

「カノジョじゃねぇすよ。学校の先輩す」

「そうかい……?まぁ、良いか!戻ってきた時に返答が変わる事を願ってるぜ!」

 

『カノジョ』と言う言葉に楯無が反応する。しかし、一海の方は動じること無く返しているのを見て少し不安になった。

 

「(やっぱり、踏み切ってくれないのかしら……)」

 

楯無が不安げにして顔を伏せていると、楯無の視界に赤い何かが入った。見えたのはりんご飴で……渡したのは一海だった。

 

「一海くん……」

「屋台のオッサンに貰いました。食べます?」

 

一海に聞かれた楯無は笑顔になって受け取った。確かに不安ではあるが、まだ焦る時ではない。

 

***

 

「こっちっす、楯無さん!」

 

一海は階段を昇って振り返ると、楯無に笑顔で手を振った。ハツラツとした一海に楯無は笑顔で手を振り返した。

 

「急がなくても、私はちゃんと行くわよ」

「そっすよね。花火はもう時期ですし、待ちましょうか!」

 

なんと言うか、2人っきりの時の一海はとても無邪気な様な気がする。2人で見る花火が楽しみなのかとてもソワソワしていた。

 

「……ねぇ、一海くん」

「はい?どうかしましたか?」

 

楯無は一海を話しかける。一海はニコニコしたまま反応した。

 

「あの、あのね……私、一海くんの事が好ーーー」

 

ドーン!と大きな音が鳴り響いた。近くにいた一海はそれに気づいて、そちらを向く。目を輝かせて見ていた。

 

「あ、えっ、うぅ……」

 

楯無は折角の告白が花火でかき消されたことに肩を落とす。

しかし、今は折角2人きりなのだ。花火を楽しむ事にしようと、花火を見ていた矢先である。

 

「俺も、楯無さんの事好きすよ」

 

その一言に楯無が驚きつつも一海を見た。一海は花火を見ながら話を続ける。

 

「一海くん、さっきの告白、聞こえて……」

「でも、それはまだ真正面から言う事は出来ません。俺、まだ貴方に追いつけてませんから」

 

そう言いながら一海は3つ目のドックタグを見る。グリスコートの待機形態である。

 

「追いつくって、もしかして……ISの実力?」

「うす。俺、ISだと楯無さんにまだ勝ててませんし……だから、いつか貴方と真っ向から戦って勝てた時、ちゃんと伝えます。それまで待っててください」

 

 一海は自身の決心を真正面から伝える。またこうやって向き合って、ちゃんと伝える為に追い付く事を約束しながら。

 

「一海くん……えぇ、待ってるわ。貴方が逞しくなって私に勝つまで。まぁ、手を抜くつもりは無いからそこはよろしくね!」

「げぇ、本気の楯無さんとかまだ俺には異次元過ぎるのでもう少し待っててくださいねー」

 

一海と楯無は笑いながら花火を見る。花火は町や人々を照らしていた。

 

***

 

「それ、妥協案じゃないでしょうね」

「違うって母さん!」

 

翌日、一海達は帰りの支度をしていた。一海は自身の母と告白の一件を話していた。

 

「楯無さんに追い付けてねぇ俺が、告白なんてした所でって話しだ。中途半端な覚悟じゃあの人の隣に添う事は出来ねぇ」

 

楯無は対暗部の一族のお嬢様でISロシア代表。対して一海はちょっとISを動かせて仮面ライダーに変身出来るだけの農家の息子だ。

 

「あんな凄い人に好きだって言われるだけでも幸せ物だ。なら、その幸せをどれだけ永い物にできるか……これから考えるのはそういう事なのさ」

 

一海の言葉を聞いた母は「もう」と言うと、背中を撫でる。

 

「なら頑張らないとね」

「……だーな」

 

すると、外から「カシラー!」と三羽ガラスが呼ぶ声が聞こえる。一海は片付け終えた荷物を持ち上げて、出立へと向かおうとする。

 

「一海、これから大変だけど、頑張ってね」

「おう!胸張ってお袋の息子だって言えるように頑張ってくらぁ!」

 

一海はそう言うと、実家を出て帰路に向かった。




てな訳で、帰郷編はここで終わりです。

皆さん、Vシネグリス見てきたでしょうか?自分は勿論見てきました!グリス愛、ここに極まる!
ネタバレしない程度に言うと、全編「ドルオタ、推しと付き合うってよ」だったのと、Vシネマ仮面ライダーグリスであると同時に仮面ライダービルド最終章だったって感じですね。

さて、次回からは夏休みは終わって5巻の内容に突入してきます。介入してきた2人の通りすがりの仮面ライダー、更に激化する難波重工との戦い、そして原作主人公が覚醒します。
次回より、学園祭編開幕!

次回 第51話 ストームの前の静けさ
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