士「あらすじは終わったか?ほら今日も来てるぞ」
一海「えっ、士さんまだいたんですか!?」
士「俺がそう簡単に帰るとでも?早くしないと待ちぼうけくらうぞ」
ネロ「と、言う事で別世界からやってきた安室音狼だ。気軽にネロって呼んでくれ」
一海「ネロか。ローマの皇帝とデビルハンターが思い浮かんだぜ」
ネロ「それ作品違うからね……と言うか、本当に若い見た目の一海なんだな」
一海「ん?士さんから俺の事聞いてたのか?てか何若い見た目って」
士「こいつの元いた世界にお前のそっくりさんがいたって事だ」
ネロ「そういう事さ。そっちはもう二学期か早いな」
一海「おう。俺達の新スタート、第51話、始まるぜ!」
一海「……所で、別世界の俺ってどんな奴?」
ネロ「あんまり大差無いかな」
ストームの前の静けさ
訓練用アリーナにて、2機の影が飛び回っていた。2機は度々衝突しており、互いに拮抗しあっている。
「オラオラ、どうしたぁぁぁぁぁ!」
「オオオオオオッ!!」
空中を飛び回るのは一海と一夏。
雪兎が改装したグリスコート・ヴォルフと二次移行を果たした白式が縦横無尽に飛び回り、模擬戦をしていた。
「流石進化した白式だな。敵に回るとこうも面倒なんてな。だが、頭と気合でどうにでもなるんだよゴラァ!」
一海はシールドブレーカーの二門のガトリングからエネルギーの弾幕を一夏に向けて放つ。
「当たるか!」
一夏は左腕に装着されている巨大なユニット『雪羅』からバリアを出して防いだ。雪羅は接近戦、射撃、防御を行える万能タイプだが、シールドエネルギーを多く消費するので更に効率が悪くなったそうだ。
「使いすぎてるとまずい……!」
一夏は加速して弾幕から逃げると、一海の元まで瞬時加速をして雪片を振り下ろす。
「近接に持ち込んだか!だったらこっちも応えねぇとなぁ!」
一海は先端にハンマーがついた大剣『グランドスマッシャー』を呼び出してそれを受け止めた。押し切ろうとする一夏に一海は押し返そうと対抗する。
「中々やるじゃねぇか……けどよ。もっと踏んばんねぇと、押し返されちまうぞ!」
一海はそう言って雪片を押しかえすと、爪先についているブレードで一夏を斬り付ける。
「くっ!」
「こんな程度じゃねぇぞコラァ!」
一海はグランドスマッシャーのハンマーに内蔵しているスラスターを起動させると、その加速力を活かして一撃を繰り出した。
「オラァァァッ!」
一海の振り下ろしを一夏は雪羅のバリアで防ぐ。一海は諦めずにバリアを押し切ろうと更に押し込もうとする。
「ぐっ……仕返しだぁぁぁッ!」
一夏はバリアを解くと、近距離で荷電粒子砲を放った。かなり近くにいた一海は避ける間もなく直撃してしまう。
「これで……なっ!?」
煙が晴れると、そこにはグランドスマッシャーで防御をする一海がいた。
「いつの間に!?」
「瞬時加速の応用だよ。ちょっと距離を離して体勢を立て直してから、防御した」
瞬時加速は元々接近戦向けだが、上手く活用すれば様々な場面で役に立つ技だ。
「さて、手品の種明かしは終わりだ。一気に決める!」
一海はシールドブレーカーを変形させてパイルバンカーを射出した。高速で放たれるバンカーを一夏はバリアで防ぐ。
「これを耐えきって、反撃してやる……!」
「言ったはずだぜ!一気に決めるってな!」
一海は瞬時加速を行うと、グランドスマッシャーを構える。
「コツさえ掴めば、こんな事も出来る!瞬時加速を使えるのは、機体だけじゃねぇぇぇぇぇ!!」
すると、グランドスマッシャーのスラスターが一気に点火した。一海はグランドスマッシャーで瞬時加速を行ったのだ。
「どらぁぁぁぁ!」
一海はグランドスマッシャーでバンカーを叩きつけた。その衝撃で一夏のバリアを突き抜けて、直撃した。
「ぐぁぁぁぁぁ!」
直撃した一夏のシールドエネルギーが尽きてしまう。模擬戦の勝者は一海となった。
***
「まーーた一海に負けたー!」
昼にて、一夏は一海にカレーうどんを奢りながら嘆いた。一海はドヤ顔を一夏に晒しながら高笑いをする。
「ハッハッハーッ!日頃から楯無さんに鍛えてもらってるからな!簡単に負けるわけねぇだろ」
一海と一夏は席につくと、互いに注文した物を食べ始める。因みに一夏はカツ丼である。
「うーん、やっぱり燃費の悪さが加速したのが原因かなぁ……」
「機体の悪い所ばっかり見ててもロクな事ねぇぞ。見るべきなのは機体の良い所だ」
一海はカレーうどんのカレーが跳ねないように綺麗に啜ると、咀嚼をする。
「燃費が悪いのは確かだが、フィニッシャーが増えたのは良い事じゃねぇか。荷電粒子砲は威力も射程も充分ある。後はどれだけ必中率を上げれるかだな」
一海はスラスラと白式の事を語る。一夏は自分よりも一海の方が白式の事を知っているんじゃないかと唖然としていた。
「エネルギー効率が不安なら、短期決戦を前提にすべきだな。ひたすらに敵の攻撃を避けまくって最大火力の一撃をぶつけるしかねぇな」
一海は白式の簡単な使い方をポンと挙げてみる。その後、一海は何かを思い出す。
「あ、バリアに頼ってばっかも良くねぇぞ。エネルギー切れもしやすくなる。避ける訓練とかもする必要があるな」
「避ける訓練、か………」
一夏は第2形態になった以降の戦いを思い出す。確かにバリアに頼る事が多く、エネルギー効率の良い鈴やシャルロットには長期戦になって苦戦しやすくなった。
「雪羅は万能だ。でも、その万能さに頼ってばっかは良くねぇぞ。武装を信じるな、機体を信じな」
「機体を、信じる……」
一夏は腕のガントレット……待機形態の白式を見る。白式は率直に言えば欠陥機だが、それなりの利点もある。一夏は白式の事を信じきれてなかったかもしれないと思った。
「凄いな一海って……視野が広いと言うか、要領が良いって言うか」
「仲間の機体のことを把握してねぇと連携が出来ねぇかんな。味方の得意を活かして、不得意を埋め合わせる事が大切なんだぜ」
一海は残ったカレーの汁を一気飲みすると、立ち上がった。
「お前もまだまだ発展途上だ。頭を使って努力すりゃ、化けるだろうな」
一海の後ろ姿を一夏は遠い何かを見るように眺めていた。
***
数日後の1時限目……本来は授業なのだが、HRとセットで全校集会が行われていた。
『それでは、生徒会長から説明をさせていただきます』
虚の進行の声で先程まで騒がしかったのがシン……と静まる。そして、壇上にやって来たのは楯無だった。
『やあ皆、おはよう』
楯無が現れて一海の表情が少し明るくなる。夏休みの告白(?)の1件で一海は楯無への好意が少しオープンになった。
『皆も気になっているであろう学園祭についてだけど、特別なルールを設けることにしたわ』
すると、後ろにバン!と映像が投影された。そこには……
『名付けて、織斑一夏争奪戦!』
それを聞いた一夏が何も聞かされてないのか、ポカンとしているだけである。一海も楯無から何も聞いてなかったので少し驚いた。
「か、一海!何も聞いてないのかよ!」
「悪ぃ、俺もそんな事するだなんて聞いてなかった。多分、学園祭のモチベーションってのと……」
一海は脳内で仮説を立てる。
現在一夏はISの特訓ばかりで部活は何もしていない。それ故に、部活動から苦情が出てるのだろう。数少ない男子が1部の女子によって独占されてるのは納得がいかないのだろう。
「(でもそうなりゃ、絶対にあの苦情が来るよな)」
男子は一夏1人だけではない。そう、織斑一夏争奪戦が明かされた事で次に来る苦情は……
『それじゃあ皆、頑張って学園祭の準備をーー』
「会長ー!一海君は何で参加しないんですかー!?」
一海の不参加問題である。
唐突の問に楯無は『え"っ』と固まった。まだ完全にとは言え、一海と楯無は恋仲なのだ。好きな人を女性だらけのグループに入れるなんて言語道断なのだと思う。
『だっ、ダメダメ!一海くんはダーメー!』
「えー、会長ばっかりずるーい!」
「私達に一海をー!」
「一夏くんも一海くんも欲しいー!」
生徒達のブーイングが過激化していく。楯無は慌てふためいているのを一海は見過ごす気は無かった。
「先生、すみません。ちょーっと収集着けに行きますね」
「まったく……出るからには収めてこいよ」
一海は千冬とそれだけ会話をすると、壇上まで駆けていく。
「あっ、一海くんよ!」
生徒の1人が気づくと、一海の存在が生徒の間で広がっていく。楯無も一海に気づく。
「すみません。楯無さん、マイク借りますよ」
「ちょっ、一海くん!?何するつも……まさか!」
楯無が止めようとするが、それを虚が止める。一海は虚に軽く会釈すると、マイクに顔を近づけた。
『えー、学園の皆!そんなに俺と一夏が欲しいか!』
一海の問いかけに生徒達がワァーッ!と歓声を上げる。一海は内心ノリノリになりつつも、言葉を続ける。
『良いぜ!そんなに俺も欲しいなら、奪い取ってみな!』
一海の言葉で生徒達のボルテージも上がっていく。楯無は「なんて事をするんだ」と一海を直視していた。
『楯無さんには悪ぃが、生徒達の為に宣言するぜ!織斑一夏争奪戦は、織斑一夏&猿渡一海争奪戦に変更だ!お前ら、盛り上がっていけよー!』
『キャーッ!』
一海の宣言と共に生徒達は叫びにも等しい感嘆の声を上げる。ポカンとしている楯無に一海がマイクを返すと、すぐにムッとしながら一海を見た。
「一海くん、何でこんな事したのよ!」
「すみません。でも、こうでもしねぇとブーイング止まりそうになかったので」
一海は「それに」と付け足すと、フッと笑う。
「そんなに俺が大事なら、ちゃーんと楯無さんが奪っちゃえばいいんですよ。俺、楯無さんならやれるって信じてますからね」
そう言われた楯無はバツが悪そうにする。一海は気づいた、楯無を含む生徒会が何をするのかを。
「……もう!」
楯無は頬を膨らますだけで、何も出来なかった。生徒達の盛り上がりに水を挿せば生徒会の信頼も下がってしまう。
普段してやってやる側である楯無が一海にしてやられたのは少し悔しかった。
「ハハハッ、面白い事になってるね」
その様子を遠目から見てるのは葛城だった。葛城はIS学園の理数系の必須科目担当として二学期から就任した。
すると、背後からパチリと音が鳴る。葛城がそちらを見ると、首にかけたマゼンタのカメラで葛城を撮る男がいた。
「もしかして……君が一海くんが故郷で出会ったと言う、門矢士だね」
「そういうお前が仮面ライダービルドに変身する葛城巧か」
葛城は彼が士だとすぐに分かった。士も葛城の事は事前に聞いていたのか知っている様子だった。
「別世界からの来訪者である君が何の用だい?」
「それを語る事はまだ出来ないな。必要だと思った時に話そう」
士はそれだけ言うと、葛城に背を向けて立ち去って行った。葛城は士が敵ではないと理解しつつも、警戒だけはする事にした。
後書きを書くのを忘れてたので再投稿させてもらいました。
という訳で、5巻学園祭編が始まりました。少しづつ折り返しが見えてきました。IGはまだまだこれから盛り上がりますぜ!
今回の前書きゲストはINFINITE・MATCH!のネロくんです。ありがとうございます!
次回は、一海VS一夏!?一体どうなる!
次回、第52話 ドラゴンの実力