士「呑気にあらすじしてると客を待たせちまうぞ」
一海「またすか。今回はどんな奴すかねー」
蓮太郎「お邪魔します!伊賀崎蓮太郎だ、よろしく!」
士「コイツは仮面ライダーシノビ。忍者の仮面ライダーだ」
一海「忍者か!葛城さんも忍者の形態があるよな」
蓮太郎「ニンニンコミックだろ?地味に便利な形態だよな」
一海「えっ、コイツ何で知ってんだ?」
士「そこは……まぁ、神様の気まぐれとでも思っとけ」
蓮太郎「ビルドにグリスにローグにディケイド……あれ、クローズは?」
一海「クローズの名称を持ってるのは……第52話を見てくれ!」
蓮太郎「えー!」
士「だいだいわかった。さっさと行くぞ」
織斑一夏&猿渡一海争奪戦が決定した翌日、教室ではクラスの出し物を決めていたのだが………
『織斑一夏と猿渡一海のホストクラブ』
『織斑一夏と猿渡一海とツイスター』
『織斑一夏と猿渡一海と王様ゲーム』
『織斑一夏or猿渡一海とポッキーゲーム』
等々と大概俺達2人を目的とした出し物ばかりだ。
「全部却下!」
『えぇー!』
一夏の全却下にクラスの女子がブーイングを上げる。一夏からしたらとんだ傍迷惑なのだろう。
「一海からも何か言ってくれよ!」
「俺は王様ゲームなら賛成だな。大人数で出来るから、効率が良いからな」
「そういう話じゃ無いんだって!」
一海のフォローに一夏がそうじゃないとツッコミをする。一夏は真耶に視線を向けるが、顔を赤くしてモジモジしてるだけだ。
「誰かもうちょっと現実的な意見をだな!」
「メイド喫茶とかはどうだ?」
その意見を言ったのは……ラウラだった。意外な人物からの意見から、一同は揃って驚いていた。
すると、大人しく座っていた一海が立ち上がる。
「その心は?」
「客受けは良いし、それに経費の回収も行える。生徒からの招待客もいるんだろう?休憩所としての需要も少なからずあるはずだ」
思いの外筋の通った意見は、クラスメイト達を納得させるに充分なものだった。
「メイド喫茶って意見が出たが、反対の意見は?」
一海の問いに挙手をする生徒達は誰1人いなかった。
「よーし、じゃあメイド喫茶なら制服が必要だな」
「安心しろカシラ。その件に関してはツテがある」
解決案を口にしたのはラウラだった。意見の方はまだしも、制服の件でもラウラが関わるのは意外だったのか、一海も目を丸くしてる。
「……シャルロットがな」
「え、えぇ!?……もー、断られるかもしれないけど、頼んでみるからね?」
クラスメイト達から注視され続けたのが恥ずかしかったのか、ラウラはすぐに訂正をする。解決案にはシャルロットも関わっているのか、困った様子ではあるが了承した。
「ま、まぁ、改めてやるか、メイド喫茶!」
『おぉー!』
「お、おー………」
一海が出し物決めを締める。隣にいた一夏は一海を見ながら少し沈んだ表情でいた。
***
「と言う訳で、メイド喫茶に決まりました」
一夏と一海は出し物決めに立ち会うのを嫌がって職員室で待っていた千冬に報告をしていた。千冬は予想してたのか、それとも妥当なものだと思ってたのかふむ、とそこまで反応はしなかった。
「メイド喫茶さ……誰が決めたんだ?女子の盛り上がりたがる連中の誰かか?まさかお前達がメイド服見たさに決めたとかーー」
「えっと、ラウラです」
一夏がメイド喫茶を提案したのがラウラであると伝えると、千冬が驚いた様な顔をする。
「ラウラか……そうか、ラウラか。フフッ、ハハハハハッ!」
理解が追いつき始めた千冬はあまりの面白さだったのか、職員室である事を忘れて笑い始める。一夏も一海もまさかの反応に少し困惑していた。
「フフフッ、クククククッ……ハァー、すまない。つい笑い過ぎてしまったな」
「そんなにおかしな事なんスか?」
「あぁ。軍にいた時のアイツを知っている私からしたら、面白い事だからな」
一海はやってきた当初のラウラを思い出す。近づけば即傷つけてきそうなナイフの様な人物だったが、タッグマッチ以来、トゲトゲとした性格も随分と丸くなった。
そう言えば、千冬は一時期ドイツ軍で教官としてラウラを鍛えていたと聞いた。出会った当初は尚更トゲトゲとしてたのだろう。
「よし、じゃあこの申請書に必要な機材とか食材を書いとけ。1週間前には出すように。いいな?」
「分かりました。行こうか、一海」
「おうおう。あ、先生、今度ラウラの話聞かせてくださいよ」
「良いだろう。何なら本人も一緒にするか?」
「面白そうね!どんな反応するか楽しみっす」
それは千冬や一海からしたら楽しい会話になるかもしれないが、ラウラからしたら生殺しの生き地獄では?と内心思う一夏だったが、口を出しても意味が無いとすぐに察したので諦めて職員室を出る事にする。
ガラリ、と職員室の扉を開けるとーー
「…………」
物凄く不機嫌オーラ全開の楯無がいた。
一海と一夏は扉を即閉じて別の扉から逃げようとするが、学園最強の名は伊達じゃなかった。扉を閉められないように足で塞いでおり、2人の襟首を掴むと、即生徒会室へと連れ去っていった。
***
「…………」
黙ったまま不機嫌オーラを出し続ける楯無の視線の先には、直立された一海と一夏がいた。
「(なぁ一海、あの人は?)」
「(虚さん?あぁ、生徒会の人で、楯無さんの従者であり、のほほんさんのお姉さん)」
「(のほほんさんの!?あー、でも言われてみたら似てるかも)」
一海と一夏は小声で会話をする。多分楯無にはバレているだろうが、2人はお構い無しに続ける。
「(のほほんさんもいるじゃん!一海は知ってたのか?)」
「(おう、まぁな。あんまり仕事してねぇけど)」
2人の視線が本音の方に向く。本音は絶賛うたた寝中で、そっとしておく事にした。
「2人とも?」
楯無の呼び掛けで2人はピシッと直立する。
「まず、一海くん、全校集会の行動については?」
「あー、ハイ。改めて勝手な行動をしてごめんなさい」
楯無に聞かれた一海は、頭を下げて謝罪する。楯無は少し不満げだったが、生徒達の不満が無くなったのも事実なのでこれ以上言う事は止めておく。
「それじゃあ、気を改めて、話しましょうか」
「そうすね。いつまでもピリピリしてちゃダメすよね」
「いや切り替え早いですねお二人共!?」
すぐに緩い空気になった2人に一夏はズッコケかける。
「一夏くん、君はISのパイロットとしても仮面ライダーとしても弱い」
単刀直入に言われた一夏はムッとしつつも、心当たりがあるのかドキッとしてるようにも見える。
「自覚はありますけど……俺なりに特訓はしてます。実力もついてる様な感覚がしますし」
「でも、一夏ならもっと伸ばせれると思うの。だから、私が手伝ってあげる」
楯無の提案に一夏はそんな事されても困るだけだと感じてる様子である。
「いやでも、もう教えてくれる人が多いんですよ。それに、一海はそれで良いのか?」
「俺?俺は平気だよ。何なら、俺が他のメンツを相手にしておくしな」
一夏は不満を持ちそうな一海の事を話に出すが、寧ろ一海は賛成している様子である。
「……そんなに俺弱いですか?」
「うん。と言うかもう既に置いてけぼり食らってる所あるわね」
楯無に率直に言われた一夏はムッと来たのか、少し反抗心を剥き出していた。
「俺だって、弱くは無いです」
「じゃあ、戦ってみる?」
一夏の反抗に楯無は視線を動かす。その視線は一海に止まった。
「一海くんと一夏くん、仮面ライダー同士で」
一夏と一海は互いに向かい合う。その視線は闘気が宿っていた。
***
アリーナにて一海と一夏が向かい合って立っていた。
「使えるボトルは変身用以外は5本だけ。先に変身解除させたら勝ち。良いわね?」
楯無のルール説明に2人は頷いて、確認をした。
「まさかお前と仮面ライダーとして戦う事になるなんてな……」
「俺は負ける気は無いからな!」
一海はスクラッシュドライバーを、一夏はビルドドライバーを腰に巻くと、ゼリーとボトルを取り出す。
『ロボットゼリー!』
『ドラゴン!ロック!ベストマッチ!』
両者がアイテムをドライバーにセットすると、一海はレンチを降ろし、一夏はレバーを回した。
『Are you ready?』
「「変身!」」
『ロボット・イン・グリス!』
『キードラゴン!』
一海はグリス、一夏はビルドクローズへと変身する。
『ツインブレイカー!』
『ビートクローザー!』
両者は武器を呼び出すと、構える。一瞬の沈黙の後に接近を仕掛けたのはビルドクローズだった。
『ビームモード!』
グリスはビームモードにして射撃をする。ビルドクローズはそれをビートクローザーで弾くと振りかぶた。
「ヤァッ!」
「チッ!」
思いっきり繰り出された振り下しを一海は受け止めると、ヤクザキックを繰り出す。ビルドクローズはそれをバックステップを行って避けた。
「まだだ!」
ビルドクローズは左腕から鎖を放つと、グリスの体に巻きついて身動きを封じた。
「ッ、まずい……!」
『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ヒッパーレ!』
「逃がさない!」
ビルドクローズはビートクローザーのグリップを3度引くと、グリスに一撃を繰り出そうとする。
「避けッ……!」
「させるかぁ!」
グリスがゼリーを噴出して上へと飛ぶ。しかし、ビルドクローズは鎖を伸ばすと、宙に飛ぶグリスの足に巻き付けると、引き寄せた。
「ガッ!?」
「喰らえェェェェェ!」
『メガヒット!』
地面に叩きつけられて、宙に浮くグリスにビルドクローズの一撃が炸裂した。
「ガァァァァッ!」
吹っ飛ばされたグリスは、アリーナの壁に激突する。土煙が立ち上がり、グリスの様子が見えなくなる。
「どうだ!これが俺の実力だ!」
ビルドクローズが胸を張って言うが、楯無は動揺一つもしていなかった。すると、土煙の中からグリスの姿が現れた。
「良いぜ……そうこなくちゃなぁ!」
グリスは駆け出すと、跳躍しながらツインブレイカーでの一撃を繰り出した。ビルドクローズはビートクローザーで受け止めるが、蹴りを繰り出して退ける。
『ビームモード!』
「反撃!」
『シングル!』
「進撃!」
ツインブレイカーをビームモードにしてビルドクローズに牽制射撃をすると、ゴリラフルボトルを装填する。
『シングルフィニッシュ!』
「一撃ィ!ぶっ飛ばされちまいなぁぁぁぁぁ!」
ツインブレイカーからゴリラアームの一撃が怯んだビルドクローズに直撃してしまう。
「ぐぅぅぅ!」
1度は倒れるビルドクローズだったが、立ち上がると、ビートクローザーにドラゴンボトルを装填する。
『スペシャルチューン!』
『ヒッパーレ!』
ビルドクローズはグリップを1度引くと、ビートクローザーの刀身に炎が宿る。
「ぶちのめしてやんよ!」
『チャージボトル!』
『アタックモード!』
『シングル!』
グリスはドライバーにラビットボトルを装填し、ツインブレイカーにユニコーンボトルを装填する。
「オォォォォォッ!」
「やぁぁぁっ!」
『スマッシュスラッシュ!』
ビルドクローズはビートクローザーを横薙で繰り出すが、グリスは迷わず突き進むと、レンチを降ろした。
『潰れな〜い!チャージクラッシュ!』
「ダァッ!」
グリスはラビットボトルで強化された脚力でビルドクローズを飛び越えると、ツインブレイカーで一撃を繰り出した。
「何っ!?」
『シングルブレイク!』
「オラァァァァァッ!」
貫通力が増した一撃がビルドクローズに突き刺さる。先程まで苦戦してたグリスは一瞬にして逆転していた。
「くっ、この……俺はまだ負けてないぞ!」
『Ready Go!』
「来るか……ッ!」
『ボトルキーン!』
ビルドクローズは立ち上がってレバーを回す。グリスはブリザードナックルにロボットボトルを装填して、ナックル正面に付いているボタンを押した。
『ボルテックフィニッシュ!』
『グレイシャルナックル!』
「「ヤァァァァァッ!!」」
両者の拳の衝突で衝撃が巻き起こる。一瞬、競り合うが、押し切ったのはグリスだった。
「だぁぁぁぁっ!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
吹っ飛ばされたビルドクローズは転がり倒れると、変身が解けてしまう。
「勝負あり!一海の勝ちよ」
一海は変身を解きながら一夏に歩み寄ると、手を伸ばした。
「良い勝負だったぜ、ありがとな」
「………ッ」
一海の伸ばした手を、一夏は掴む事無く立ち上がった。
「それじゃあ、一夏くんは私に鍛えるって事で良いわね?」
「………分かり、ました」
楯無に確認をされて、曖昧な返答をする一夏。その拳は強く握られていた。
「(俺も、俺も一海みたいに守れるようになれなきゃいけないのに……ホントに置いてけぼりを食らってるんだな……)」
一夏は改めて自分の未熟さを知る事になった。それがどちらに傾くかは、一夏にすら分からない。
一夏のビルドは今後ビルドクローズと名称させていただきます。良かったな一夏、君も正式に仮面ライダーだ。
しかし、一夏と一海の関係が拗れてしまいます。果たして一夏と一海は仲直りはできるのか。
今回のゲストは最上魁星さんのIS -インフィニット・シノビ-の伊賀崎蓮太郎です。ありがとうございます!
さて、次回からは楯無も物語に本格参戦です。オリジナルストーリーでしか活躍してませんでしたからね。しょうがない。
次回 第53話 ニューライフは嫉妬まみれ?