楯無により舞台劇場『シンデレラ』に主役として参加された一海と一夏。しかし、実際は王冠を狙って専用機持ちが襲って来るというものだった。その最中に一海は海東大樹こと仮面ライダーディエンドに狙われた」
士「海東のやつ、騒ぎを嗅ぎ付けて来やがったのか」
一海「士さんはその時何てるんすか?」
士「仮面ライダーローグだったか?アイツの相手をしている」
一海「氷室とすか?」
士「中々に厄介な奴だぞ」
一海「早く氷室ともケリつけねぇとな」
士「その為にも、56話がどうなるか確認しないとな」
時間は数分前に遡る。
一夏は暗がりで顔が見えないまま、誰かに手を引かれて連れていかれていた。
「着きましたよ」
「あ、ありがとうございます……」
戻ってきたのは更衣室だった。これなら自分や一海の制服がある。これで一安心だろう。
「えっと、貴方は……」
更衣室は照明が着いている。自分を連れてきたのは、休憩中にISの装備の宣伝をして、名刺を渡してきた巻紙礼子だった。
「巻紙さん、どうして……?」
巻紙がここに居るのは完全に場違いだ。シンデレラに参加出来るのは生徒のみ、それ以外は観客席にしかいない。
「実は……白式を頂きたいと思いまして」
「な、何言ってるんすか?白式を……」
「いいからとっとと寄越せよガキ。あー、だからガキと話すのは嫌だったんだよ」
「巻がーーゴッ!?」
腹を蹴られてロッカーに衝突する。肺から息が逆流して、噎せ返ってしまう。
「あ、貴方……いや、お前は誰だ!」
「あぁ?私か?謎に包まれた女って言えば喜ぶか!」
「全然嬉しくねぇ!」
巻紙は一夏に蹴りを入れてくる。一夏はそれを避けると、白式を纏った。
「それを使うのを待ってたぜ……このオータム様のアラクネを見せてやるよ!」
巻紙……改め、オータムも対抗してアラクネを纏うと、8つの足であちこち動き回りながら足の先端を開いて弾丸を繰り出す。
「コイツ、ちょこまかと!」
「おらおら、早く逃げないと蜂の巣にされちまうぞ!」
アラクネの弾丸の雨を一夏は避け続ける。
一海の教えであるシールドを使わずに積極的に回避を行い。敵の隙を狙ってーー
「オォォォォォッ!」
「コイツ、やるじゃねぇか!」
瞬時加速で接近をしかけた一夏は雪片弐型を振り下ろす。しかし、アラクネはそれを受け止めた。オータムは残りの足で一夏を狙う。一夏はそれを後ろに引いて避けた。
「逃げんな!」
「逃げじゃねぇ、反撃だ!」
一夏は雪羅を構えると、レール砲としてそれを射出した。直撃したオータムは吹っ飛ばされてしまう。
「伊達に特訓してねぇんだよ、俺は!」
「チィッ……どうしてガキってのはどいつもこいつも……!」
一夏は追撃と言わんばかりに雪羅をクローモードにしてオータムに振りかざす。オータムはそれを避けると、挑発紛れにある事実を話した。
「折角だから教えてやるよ!第2回モンド・グロッソでお前を拉致ったのは私達『亡国企業』さ!」
それを聞いた一夏は驚きを隠せずにいる。そして、目の前の女が自分の姉を陥れた仇である事を理解した。
「お前が……あの時のぉぉぉっ!」
「甘いんだよ、ガキ!」
アラクネのエネルギーワイヤーは宛ら蜘蛛の巣のように張られると、その動きを封じた。
「クソっ、離せ!このぉっ!」
「さぁて、お前のISとお別れタイムだ!餞別の言葉は告げたか?ならいくぞ!」
オータムは4本足の装置を一夏に取り付けると、電撃と共に白式が解除された。
「白式が……無い!?」
「お前の目は節穴かよ。お前のISはここだよバーカ」
オータムの手には白式のコアが浮遊していた。
「お前っ、返せ!」
「そう言われてすんなり返すかよ!」
オータムは一夏を蹴り飛ばそうとした……その時、その攻撃は槍に防がれた。
「お・ま・た・せ♪」
「楯無さん!」
「チッ、新手か!」
一夏の窮地を助けたのは楯無だった。楯無は槍を構えながらオータムを見据えた。
***
ディケイド響鬼の音撃棒をローグはスチームブレードで受け流すと、顔面に斬り掛かる。
ディケイド響鬼はそれをもう片方の音撃棒で防ぐと、先程受け流された音撃棒でローグの胴体を叩いた。
「グッ!?」
「お熱いの、食らってもらおうか!」
下がってしまうローグにディケイド響鬼は音撃棒に灯した炎を放った。放たれた複数の炎の玉はローグに進んでいく。
『ファンキーアタック!フルボトル!』
しかし、ローグはドライヤーフルボトルをネビュラスチームガンに装填して熱風を放った。火の玉は強力な熱風によって反対方向に飛ばされた。
「熱いのを熱いので返すとはな!」
火の玉をお返しされたディケイド響鬼は音撃棒でそれを全て弾き落とす。しかし、それはあくまで気を逸らすためのもの。ローグはスライディングしてスチームブレードでディケイド響鬼を切りつけた。
「なかなかやるじゃないか。まだまだやり甲斐があるってもんだ」
「褒められたと思って喜んでやるよ」
すると、見えない攻撃がディケイドを襲った。気配を察知して受け止めながら後ろに下がるが、冷凍光線を当てられて動きを封じられる。
「ヌゥン!」
更に強力な打撃を食らってしまう。
現れたのは、ハザードとなったジュラシック、バタフライ、スイーツだった。
「隊長お待たせ!」
「後は俺達に任せてね!」
「あのマゼンタは俺達が相手する」
「任せたぞ」
ローグは三体のハザードスマッシュにディケイドの相手を任せて、ネビュラスチームガンで煙を放って姿を消す。
「お前らが相手になってくれるのか。なら、コイツでどうだ?」
ディケイドは響鬼の姿を解除して、とあるカードを取り出す。
『ATTACKRIDE ILLUSION』
するの、ディケイドの姿が3人に分身する。
「蝶、スイーツ、恐竜か。なら……」
3人のディケイドはそれぞれ別のカードを取りだした。
『KAMENRIDE』
『FAIZ』
『W』
『GAIM』
ディケイドはファイズ、ダブル、鎧武の姿にカメンライドすると、それぞれのハザードスマッシュと戦闘を開始した。
***
楯無の参加により形成は逆転した。流石IS学園最強と言うべきか。頂点に立つと言われているだけはあると内心一夏は賞賛する。
「こんなはずじゃ……!」
「こんなはずもあるのよ。さ、お縄にかかって話をこってりと……ッ!?」
すると、弾丸が楯無の頭を通りかけた。楯無はそれを寸前で避けると、1度下がる。
「ここまで体たらくを見せられるとは……正直、残念すぎて仕方ないですね」
「俺達難波重工が協力しておきながらこれだなんて、亡国企業ってのも案外ちゃちな組織なんだな」
現れたのはリモコン・エンジンのブロス……鷲尾兄弟だった。楯無は警戒を強める。相手はオータムよりも何枚も上手の戦士だ。
「助けに来てくれたのか。余計な事しやがって……」
「余計な事……ですか。なら、こんな事も余計な事に入るのでしょうか?」
リモコンブロスはスチームブレードのバルブを回すと、パイプ口から煙が出てくる。
『デビルスチーム!』
「なっ、何すんだお前!ガッ、ゴァァァァッ!」
煙に当てられたオータムの姿がミラージュスマッシュハザードへと変貌する。アラクネと融合している為、『ミラージュスマッシュIS』と呼称すべきか。
「ホントに余計な事してくれるわね……一夏くん、私がスマッシュの相手をするから、ブロス兄弟の相手はお願い出来る?」
「難波重工……任せてください!変身!」
『キードラゴン!』
一夏は腰にドライバーを巻いてボトルをセットすると、ビルドクローズに変身する。
ビルドクローズはブロス兄弟と戦闘を始める。
「一形態しかない貴方が我々に勝てると思ったら勘違いですよ!」
「俺達ヘルブロスの前に屈しな!」
エンジンの攻撃を受け止めて、鎖でリモコンを拘束する。その後、ヤクザキックでエンジンを退けてから、リモコンを投げ飛ばしてエンジンにぶつけた。
「クッ、やるじゃないですか」
「伊達に鍛えてもらった訳じゃないからな!」
「成程。しかし、鍛錬ならこちらも積んでます。そして……雷!」
エンジンはギアエンジンをリモコンに投げ渡す。投げ渡されたギアエンジンを先に装填してから引き抜いて、ギアリモコンを装填する。
『ギアエンジン!ギアリモコン!ファンキーマッチ!』
リモコンはネビュラスチームガンを真正面に向けると、引き金を引いた。
「潤動」
『フィーバー!』
銃口から2色の歯車が射出されると、リモコン・エンジンの歯車が全て外されてリモコンに新しく装着される。
それは、右側が白、左側がダークグリーンの歯車が装着されたブロスだった。
「ヘルブロス、参上」
歯車が回転し、火花が飛び散る。
ビルドクローズはそれを見て驚くを隠せずにいられなかった。
「うそーん……!?」
ヘルブロスはスチームブレードとネビュラスチームガンを構えると、ビルドクローズに迫る。
スチームブレードが振り下ろされたのを、鍵で受け止めるが、スチームガンで胴体を撃たれる。
「隙だらけだぞ!」
「なァッ!?」
すると、ビルドクローズに一体の影が迫り、打撃で攻撃してきた。歯車の無いヘルブロス、『ネビュラヘルブロス』である。
「ヘルブロスの弱点である片方の変身解除を解決したんですよ。ネビュラヘルブロスとしてね」
「片方にスペックを偏らせて、ネビュラヘルブロスがそれのサポートを行なう。正に最高の連携だ!」
「関係ねぇ!両方ぶちのめしてやる!」
ビルドクローズはビートクローザーでヘルブロスを斬り掛かる。ヘルブロスがそれを避けている間にらネビュラヘルブロスがビルドクローズに迫る。
ビルドクローズはネビュラヘルブロスの方を振り返ると、鎖を放って体を縛った。
「動きを封じれば2対1も1対1も変わらねぇ!」
『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ミリオンヒット!』
ビートクローザーのピストンを2度引くと、ヘルブロスに斬撃を繰り出した。しかし、ヘルブロスは腕で防御をして弾き返す。
「雷!」
「任せな!」
ビルドクローズがヘルブロスに接近しようとしていると、ヘルブロスの歯車が全て外されてビルドクローズに放たれる。
「自分から丸裸になるなんて、自爆にも程があるぜ!」
「それはどうでしょう?」
すると、放たれた歯車はネビュラヘルブロスに装着されて、ヘルブロスは縛っていた鎖を引きちぎる。
ヘルブロス(雷)はネビュラヘルブロス(風)に迫っていたビルドクローズに接近すると、回転する歯車で攻撃する。
「ガァッ……そんなのアリかよ……!」
「忘れたんですか?私と雷で
「弱点を克服した俺達に、勝てると思うなよ!」
ヘルブロス(雷)はスチームブレードを構えて接近する。ビルドクローズもビートクローザーで打ち合うが、2撃目には弾かれてしまう。ヘルブロス(雷)はブレードのバルブを半回転させると、押し付けるように斬り裂いた。
『ファンキーアタック!ピラミッド!』
後ろに下がったビルドクローズ。しかし、ネビュラヘルブロス(風)の放ったピラミッドが背後からビルドクローズを閉じ込める。
ヘルブロス(雷)がネビュラヘルブロス(風)のチームガンを受け取ってライフルモードにすると、ギアエンジンを装填する。
『ファンキーショット!ギアエンジン!』
放たれた弾丸はピラミッドを砕いてビルドクローズに命中する。ビルドクローズの変身が解けてしまった。
「ガッ、アァッ……!」
「さて、ボトルを貰いましょうか」
苦しむ一夏に迫る2種のヘルブロス。
楯無はそれに気づいて助けに向かおうとする。しかし、ミラージュの分身がそれを阻んだ。
「一夏くん!くっ、邪魔よ!」
蛇腹剣がミラージュを次々と切り裂くが、変則的な軌道と倒しても増えていく分身が楯無を苦しめた。
「こうなったら、
楯無が広範囲攻撃の切り札を使おうとしたその時、死角からミラージュの分身が放ったアラクネのエネルギーネットが楯無を拘束する。
「しまった、動きを……!?」
楯無の体を埋め尽くすように大量の分身ミラージュが飛びつく。すると、飛びついてた分身ミラージュのアラクネが同時に自爆した。
「アァァァァ!」
「楯無さぁん!」
爆発に巻き込まれた楯無は鈍い金属が叩きつけられる音を立てながら転がる。
「ちくしょう、俺じゃやっぱり、無理なのか……!」
一夏は自身の無力さに苦しむ。このままでは自分も楯無もやられてしまう。それに対する焦りもあってか、無力さをさらに強く感じてしまう。
「さぁ、ボトルを頂きーー」
その直後、更衣室の天井が崩れ、大きな穴ができると共に、黄金の機体が現れた。
「助けに来たぜ、ゴラァァァッ!」
現れたのはグリスコートを纏った一海だった。一海は一夏の元による。
「なーに這いつくばってんだ一夏。そんなに床が好きなのか?」
「好きじゃ、ねぇよ」
「なら立ち上がりな。弱くても、守りたいって言う意思があるはずだろ?」
「……そう、だな」
立ち上がる一夏に、一海はスクラッシュドライバーとドラゴンゼリーを渡した。
「これは、一海のだよな?」
「葛城さんが今のお前なら変身できるって言ってた」
一夏は渡されたドライバーとゼリーを受け取ると、腰にドライバーを巻いた。
『スクラッシュドライバー!』
ゼリーの蓋を正面に合わせてドライバーにセットする。
『ドラゴンゼリー!』
両腕を前でクロスさせると、ファイティングポーズの様なポーズをとると、レンチを拳で下ろした。
「変身!」
『潰れる!流れる!溢れ出る!』
グリス同様ビーカーの装置が展開されて、黒ではなく、青の液体が溜まっていく。
『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』
シルバーのアンダースーツに新しい装甲がゼリーによって生成される。胸、頭は青いクリアの装甲になる。
「ウオオオォォォォォッ!!」
クローズチャージが吼える。その時に放たれたエネルギーが更衣室にいる全員を一瞬怯ませる。
「すげぇ、力が湧いて出てくる!」
「どうやら何ともないようだな。ブロスは任せるぜ。俺は楯無さんの助けに行くぜ」
一海が楯無の元に向かう。クローズチャージは拳を構えると、2体のヘルブロスに立ち向かった。
2度目の前後編になってしまいました。
てな訳でMr.ワンサマーも個別のライダーとして参戦です。出てきてるライダーで4分の3はスクラッシュドライバーになりました。葛城、孤立化。
そして、ここで業務的報告です。
前書きゲスト募集は終わりにさせていただきます。参加希望を出してた皆さん、申し訳ございません。そして参加してくれた皆さん、ありがとうございました!
そして、次回は後編。スクラッシュドライバーで変身するライダーが同じ場所に集まります。
次回、第57話 スクラッシュウォーズ開幕(後)